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zoom RSS ビジャイ・ゴビンダラジャン、クリス・トリンブル「戦略的イノベーション」

<<   作成日時 : 2013/10/20 12:10   >>

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イノベーションには、4つの種類があるという。 6シグマなどの継続的プロセス改善、画期的技術導入によるプロセス革新、創造的な新しい製品・サービスのイノベーション、の3種類のイノベーションと並んで、 新しいビジネスモデルを導入する、いわば、戦略的実験的といえる事業がある。  

組織のイノベーション能力は、創造性と実行力の積である(和ではない、いずれかが0だと結果も0となる)と、とらえ、その実行力について、この書は、論じている。 イノベーションを論じると創造性に論及する本が多いが、アイディアや創造力についてではなく、この実行力について語るところに、この本のユニークネスがある。 更に、戦略的実験事業に絞って、実施に伴う課題や組織論を論じている。

だから、読み手は、比較的大きな企業の組織を想定して読む必要があり、そのニーズを持った人には、なかなか参考になる良い本だとおもう。 

新規事業部をNewCo., 関係する既存事業部をCoreCo. と名付け、NewCo.が戦略的実験事業を成功させるためには、CoreCo.の組織文化、成功体験、管理プロセスなどをひきずって失敗しないように、忘れてしまうべき「忘却の課題」と、CoreCo.の資産を活用して、人や時間の節約につながる「借用の課題」とのバランスをうまくとらねばならない。その知恵を実例を示しながら丁寧に解説している。 ともすれば、CoreCoとNewCoの対立になりかねないところを、いかに避けてゆくか、興味深い。 

もう一つ重要な課題は学習である。 学習、つまり、計画(予測)と実績(結果)の差異を分析して、修正してゆくことである。 普通は、なぜ計画通りいかないのかを主眼とするが、実験事業では、恐らく計画・予測が間違っていたと学習すべき場合が多いだろう。 

NewCoとCoreCoの桎梏や相違など、組織の機微に富んだ分析や提言がたいへん良く解説されている。 例えば、強すぎる目標必達の文化について、CoreCoの場合は努力不足とみなされるが、戦略的実験事業の場合は的外れになってしまうとか、忘却の課題で最も難しいことの1つは、既存のビジネスモデル忘れることであり、学習の課題で最も難しいのは、効果的なビジネスモデルに絞り込むことであるとか。。。

筆者が提唱しているTheory-Focused Planning(TFP-理論中心計画法)は、いまいち私には理解が困難だった。 それ以外は、よい本だと思うが、2006年発行だから、新しい本ではない。 TFPは、8つのステップからなっている。 誤解しているかもしれないが、こんな感じだ。 

・事業の共通理解と勘を磨くため、行動の原因と結果を因果関係のダイアグラムと独立反応トレンドグラフを使って表現する。 
・因果関係のダイアグラムを検証するため、その中に現れた測定指標を基準として決める
・比較目標トレンドグラフを使って目標を立てる
・前期と比較して予算を逓増させるのではなく、いつどこにどのくらい必要になるか支出値の基準をつくる
・・・・このあたりから、私の頭ではちょっと理解しにくくなるのだが、以降、
・パフォーマンス予測
・決定的疑問を洗い出す
・予測と結果とのブレを分析する
・計画を改定する
・・・・と、続いている。 「決定的疑問を洗い出す」というのは、わかる。 ここが肝ではないのだろうか。 つまり、課題と、進めるにあたっての学習の成果を取り入れて早く軌道を修正し、絞ってゆくということなのだろうか。

最終章では、戦略的実験事業を成功させるための10のルールがまとめられている。 若干、勝手に意訳すると・・・
・「優れたアイディアは序章に」すぎず、組織的DNAを利用する
・組織の記憶・常識にとらわれるな
・大企業は「借用の課題」を解決して、新興企業に勝て
・決定的疑問はやってみないと解らないから、直面して、実験と学習により解決してゆく
・組織は、新たに作り上げる。 間接部門の共有など、却ってマイナスかもしれない
・新規と既存の組織間の緊張を解きほぐすのもマネジメントの仕事
・既存の業績評価方法は新規には参考にするな
・社内政治、社内闘争ではなく、予測と結果を客観的に分析すること
・数字の達成基準に必達させることでなく、学習をすることで結果的にうまくゆく
・実験的事業を上手く活かせることで企業は成長し、そこにマネジメントの使命がある


ビジャイ・ゴビンダラジャン、クリス・トリンブル「戦略的イノベーション」(ランダムハウス講談社2006.7.5 )
序 戦略的イノベーションとは何か?
第1章 新たなアプローチを必要とする戦略的イノベーション
第2章 組織はなぜ忘れられないのか?
第3章 「勝つ」ための組織術
第4章 ニューコとコアコの近親憎悪
第5章 近親憎悪から切磋琢磨
第6章 組織の学習障害
第7章 学び 裏目に出る資質その1
第8章 学び 裏目に出る資質その2
第9章 「勝つ」ための計画術 理論中心計画法(TFP)
第10章 戦略的実験事業を成功させるための10のルール



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