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zoom RSS 杉本鉞子「武士の娘」、今となっては別世界のような武士の娘がアメリカに住んだ

<<   作成日時 : 2013/11/23 09:45   >>

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越後長岡藩の重臣の娘「エツ坊」は、維新のさなかに生れ、厳しい躾と教育を受けて育ち、父の死後、縁あってアメリカに住む日本人商人に嫁いだ。 アメリカの文化に戸惑いつつ、折り合いをつけてゆく様子に感心する。 

武士の娘は必ず穏かな中にも威厳を備えた「きの字」に体をまげて寝なければならないのは、それが「制御の精神」を意味しているからだとか、「私は幼い頃から、男は保護者であり、指導者であるし、女は、自尊心はありながらも、批評をまじえず、真面目な内助者であるべきであると教えられた」とか、信じられないほどの教育だ。

だから、アメリカの隣人たちとは、お互いに不思議なことばかりだ。 例えば、そんな女の態度についても、隣人から、男が悪くて女を捨てたらどうするのかと問われると答えに窮するのだ。 そのわりにはアメリカの女性たちが(日本の女はすべて仕切っているのに)お金の裁量ができないで、それを話題にすることが卑しいと思ったりする。

面白いのは、こんなエピソードだ。 「人前に出しては下品に思われる靴下を人目につくところにつるして、玩具や宝石、時にはお菓子や果物まで入れるという奇妙な習慣があるばかりでした。 この靴下だけは、日本人には理解できないことであります」

英語で書かれ米国で発表された本を、日本語に翻訳している。 全編にわたって、静謐な感じがする。 「仏教思想のなかには、いつも一種の哀歓が流れている」と語るように、また、「歓びのさなかに、こころはしらずしらず悲しみの糸をたぐりよせている」というように、どこか寂しさも漂う文章である。 

その静けさは、「ごく最近まで、良家の子女は、強い感情を抑えることを、その心にも生活にも仕込まれてまいりました」とか、「感情のすべてに、礼儀作法という枷をかけており、しかも、みなそれを心から喜んでいる」とか、感情の抑制のためでもあるとおもう。 それは理解できるが、私には別世界でもある。 

杉本鉞子(えつこ)「武士の娘」(ちくま文庫1994.1.24)☆☆☆☆
一. 越路の冬
二. 縮れ毛
三. 寒稽古
四. 旧と新
五. 落葉
六. お正月
七. 父の苦衷
八. 二つの冒険
九. 盂蘭盆
十. 酉の日
十一. 発旅
十二. 旅に学ぶ
十三. 外国人
十四. 学課
十五. 受洗
十六. 渡米
十七. 第一印象
十八. 風習のちがい
十九. 思うこと
二十. となりびと
二十一. 新しい経験
二十二. 異郷の花
二十三. 千代
二十四. 東京の家
二十五. 困ったこと
二十六. お祖母さま
二十七. 無縁仏
二十八. 日本の婦道
二十九. 姉の家で
三十. 死蔵の宝
三十一. 黒船





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