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zoom RSS ポール・ロバーツ「食の終焉」・・・食システムの危機?長生きはしたくないものだ

<<   作成日時 : 2013/11/04 07:16   >>

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ジャーナリストのポール・ロバーツ氏が食の問題を綴った。 500ページもの長さで、これでもかと、ありとあらゆる絶望的な話が続く。 ごく手短にまとめると、ウォルマート、マクドナルドなど小売の徹底的な値下げ圧力によって、食品加工業も末端の生産現場も変革を迫られ、食料の低価格で大量供給を可能にしてきた。 食システムは、その結果としていま、大きな問題を抱えている。 

食品メーカーは、「特性影響化合物」を使って、「缶詰肉は本物の肉より本物らしく、豚肉はもつと豚肉らしい味になる」ものを作りあげる。  値下げ圧力で薄利多売となった食品メーカーでは、スナック菓子が、残された最後の利益を上げる手段となっている。 

「消費者は農産物に対しても、加工食品と同レベルの画一性と傷一つない完璧さを求めるようになったため、小売店は果物や野菜に、品質や見た目の良さ、大きさ、重さが規格にぴったりと合うことなどを要求するようになった」という。 これは多様性から単一の作物への一層の促進となっているとおもう 

そして、「スケールメリットを享受できる大規模サプライヤーしか生き残れなくなってくる。 現在国際的なバナナ取引の半分以上はアメリカのチキータとドールの二社が取り仕切っている」

小売店の要求は、価格や規格に会った品質だけではなく、ジヤストインタイムでもある。 「約束の時間に配送できるようにするために、必要以上の量を植えるのが常態化している」 つまり、無駄で捨てる食品がたくさんでるということだ。

1980年のチキンナゲットはマクドナルドにとって大成功だっただけでなく、アメリカで鶏肉が一気にポピュラーになった。  鶏肉は、牛肉より短期間で、遥かに少ない飼料で作りだすことができる。 鶏肉には商品を作るのに便利な技術、「機械式分離技術」がある。 目の細かい網に通して半液体状にし、フィルターに通した後、化学的結合剤を使用して、好みの形に固めることを可能にする技術という。 なんとなく、気色悪い。

更に、鶏肉の需要増加は、鶏の品種改良を進め、米国人の好きな白身肉の産出量を最大にするため胸部の筋肉を大きくしたり、倍のスピードで成長したりする。 なにかとても病的な感じがする。 人間の方にも問題がある。 鶏肉加工工場の労働者が他の製造業に比して、離職率が5倍も高い。 賃金が低い。 労働組合もない。 ほとんど自動化だが骨抜きなどは人手で、劣悪な労働条件、不法滞在者が多い。 

そして、鶏肉には、パンデミックのリスクがいつ現実になってもおかしくないという危うさがある。 「本当に中国は年間に千二百万トンもの鶏肉を生産すべき場所なのか」と、ロバーツ氏は警鐘を鳴らす


・・・・ こんな調子で、食システムの問題が次から次へと挙げられる。 マックでチキンクリスプを食べながら、「食の終焉」を読んでいるというのも、なんだか皮肉な情景だ。


巨大な食のシステムの問題はほかにもある。 

・超集約的農法がもたらした土壌の劣化、耕作可能な土地の減少
・水資源の急速な枯渇、特に中国では地下水をくみ上げ過ぎて沈下が起こっている
・工業化された農業の生命線である石油価格の上昇、
・気候の変動による、減産リスクの増大
・農薬や化学肥料価格の値上がり
・トウモロコシを飼料としたことによって強い耐酸性を獲得した病原性大腸菌
・ウガンダに始まる小麦さび病がアジアに飛び火して、危機が現実化するか?
・・・

つまり、食システムは、いつなんどき、崩壊してもおかしくない。 また、食システムの問題を解決するには、そういう危機を経なければ現実とならないと、かなり悲観的である。  なぜなら、結局、消費者の多くは価格によって選択するからだ。

10億の人間を肥満にし、10億の人間を飢餓のまま放置している、「世界の食システムを新自由主義的な方向へ向かわせる動機は、増え続ける人類を養うためでもなければ、食料輸出国にある大量の余剰農産物を売りさばくためでもない。それは障壁のないグローバルな物の流れに収益を依存する大規模多国籍食品企業のビジネス戦略のためのものだった」 

米英政府は、遺伝子組み換え技術を未来の食糧難に対処する上で必要な技術と位置付けている上、懐疑的な人を次世代を危険にさらすと非難しているが、しかし、「もともと遺伝子組み換え作物は、大規模な生産システムの中で農薬・種子や労働にかかるコストを削減するために開発されたものであり、開発途上国の食糧難を救うためでも、食品の品質を向上するためでもなかった」と、ロバーツ氏は、遺伝子組み換え食品に対する過度な期待を戒める。

工業化された巨大な食システムに対する反論として、オーガニック、古野隆雄の合鴨農法、フレミングとシェパーズ・グレインの不耕起農法、地産地消を訴えるローカリズムの代名詞となったスローフード、フードマイル運動・・・ など盛んに活動されている。 しかし、実際にアメリカで買われているオーガニック食品の割合は全体の2パーセントにも満たない。 これらは、90億の人間を養うことができるか、ロバーツ氏は大変懐疑的だ。 

例えば、ローカルとオーガニックは、いまや同義語になっているが、草食動物である牛を地産地消するのは容易ではないし、フードマイルという概念の根本的な問題は、オーガニックと同様に、極めて複雑な問題に対して、単純な解決策しか提供できていないことにある。 また、ある食物の持続可能性を決定するのに、輸送距離は必ずしも最重要な要素ではないともいう。

食料の自給自足は、もはや「過ぎし日の時代錯誤」にすぎないが、それでも、ロパーツ氏は、食物地域主義が食料安全保障の一環として認識されつつあることは、評価しているようだ。 

蛋白源を陸ではなく、海の魚に求める「青の革命」は、しかし、あっというまに漁獲資源の減少をもたらし、養殖に向かっていて、それも限界がありそうだ。 

つまり、見通しは暗いということか?

ひとつ、気になるフレーズがあった。 「アメリカで消費される鶏肉の半分以上が、シブロフロキサシンに対する耐性を獲得しつつあるカンピロバクター・ジェジュニという病原菌に汚染されていて、毎年二百万人に身体の変調をきたした上に、一部の人にギラン・バレー症候群という急性の神経障害をもたらしている理由でもある」  これは本当だろうか。 ギランバレーは原因不明と思っていたが・・・・。



ポール・ロバーツ「食の終焉」(ダイヤモンド社 2012.3.8)☆☆☆☆☆
プロローグ
第T部 食システムの起源と発達
第1章 豊かさのあくなき追求
第2章 すべては利便性のために
第3章 より良く、より多く、より安く
第4章 暴走する食システムと体重計の目盛り
第U部 食システムの抱える問題
第5章 誰が中国を養うのか
第6章 飽食と飢餓の狭間で
第7章 病原菌という時限爆弾
第8章 肉、その罪深きもの
第V部 食システムの未来
第9章 遺伝子組み換えか、オーガニックか
第10章 新しい食システムを求めて
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