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zoom RSS 趙景達「近代朝鮮と日本」

<<   作成日時 : 2014/05/18 13:59   >>

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李氏朝鮮末期から韓国併合までの出来事、政治文化とか政治思想と呼ぶべき思潮などがまとめられていて、当然、日本との関係も記されている。 近現代史の記述は筆者の視点や立場がストレートに反映されるのかもしれないが、正直な読後感は、韓国もしょうのない国だけれど、日本は、やっぱり、ずいぶん酷いことをしてきたんだなぁというものだ。

筆者は、東アジアのふたつの国、日本と韓国が、いわゆる"ウエスタン・インパクト"に接したとき、その国家感の違いが大きく両者を隔てたと見ている。

 「日本では守るべき絶対的な「道」が存在しなかった。 そこで、ウエスタンインパクトの脅威に対抗するために、護持すべき何者かを創出する必要があった。 それこそが「国体」であった。」・・・つま、「国体」を作りだし、「国体」を守るためなら、「道」は二義的なものとなり、何でも変え、やってきた。  

李氏朝鮮は、儒教的民本主義、一君万民主義が浸透していて、「国」より、「道」の方が価値が高かった。 だからその「文明」を守るためには、国を重要視しなかった。  国は、民本主義、一君万民主義を実現する器として尊重されていた。

だから、日本の攘夷はすぐに転向していったけれども、朝鮮の攘夷は一向に変わらなかった。 清に対してと同様、列強各国が利権を求めて群がり集まっても、政府は有効な対応ができぬうちに、日清戦争で清が脱落し、日露戦争でロシアが脱落して、結局日本が、植民地化に成功したわけだ。 併合の時点では、すでに実質的に植民地としての運営が完成していた。 それを裏打ちしたものは、圧倒的な軍事力の差である。 1万8000人程の「義兵」の死者をだした「抗日戦争」も、日本側は200名程度の死者で済んでいる。 日本から見れば、植民地戦争ではなく、盗賊集団になるわけだ。 

よく、李氏朝鮮からの依頼だとか、良い統治もしたとか、朝鮮の自立を促したのだとか、日本の歴史家や政治家が主張することがある。 しかし、どうもそんなことはないようだ。 あくまでも、日本のために、暴力と脅しによって変えてきたわけで、公然と王妃を殺して良いこともないだろう。 韓国国内でも「5賊」と非難された、5人の閣僚を脅して勝ち取った条約賛成から、すこしずつ、浸透していった。

しかし、明治維新のころから既に、中国、朝鮮に対する侮蔑感は深くなっていったようだ。 いったいどうしてなのだろう。。。  「天祐侠のメンバーである鈴木天眼は、朝鮮人は「獣に近き一種の者」とか「人間外の人間」とまで言って憚らなかった」・・・ いま、ヘイトスピーチが話題になっているが、これはかなり根の深い話だ。 

こういう経緯をみてゆくと、普通なら、逆の立場になって仕返しをしたいと思うのではないだろうか。 韓国は、ずっと南北分断もあって、そういう国力も得ていないが、中国だったら、腹の底では、日本で南京事件でも起こしたいと願っても不思議はない。 まあ、起こらない打ろうが。。。

別の視点を持つ、つまり、併合を正当化する歴史家の歴史書があれば、それも見てみたい。 



追記  安重根に対しては、日本の民心は、結構複雑だったようだ。 日本人が朝鮮人を侮蔑したのは、朝鮮人は利己的で愛国心がないというイメージだったかららしい。 しかし、攘夷と愛国心に富んだ人間も韓国にいたという、発見は、多少の同情心もよびおこしたらしい。 なにしろ、日本だってついこの間まで攘夷攘夷に明け暮れていたのだから。

安重根の言葉に、「本来文明とは東西の賢人、男女、老人、少年を論ずることなく、すべての者が天賦の性を守って道徳を尊び、互いに争いのない心をもって生活し、ともに泰平を享受することである」・・・というのがある。 儒教的民本主義、天賦人権論で、弱肉強食の西洋批判と筆者はみている。  基本的には武の人で、それほど高い知性ではなかったとも言うが、義兵としての戦いの行き詰まりだったのだろう。 





趙景達「近代朝鮮と日本」( 岩波新書2012.11.20)
まえがき
第一章 朝鮮王朝と日本
第二章 朝鮮の開国
第三章 開国と壬午軍乱
第四章 甲申政変と朝鮮の中立化
第五章 甲午農民戦争と日清戦争
第六章 大韓帝国の時代
第七章 日露戦争下の朝鮮
第八章 植民地化と国権回復運動
第九章 韓国併合

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