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zoom RSS 森口佑介「おさなごころを科学する」・・・たいへん興味深く、歴史的にうまくまとまった乳幼児観

<<   作成日時 : 2014/06/04 09:22   >>

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絶対音感のトレーニングは早すぎても遅すぎても効果ないという。5,6歳頃が多く、絶対音感を持っている人で、9歳を超えて音楽を始めた人はいない。子どもの脳の発達には、「臨界期」とでも呼ぶ時期がある。乳児は、LとRの区別もできるし、大人ではできない猿の顔の区別ができる。・・・・

乳幼児は無能なのか有能なのかとか、発達心理学の見方による乳幼児観は、ピアジェの研究に始まり、大きな進歩を遂げている。しかし、乳児だけに、言語の障壁があって、合理的な実験がむずかしい。
易しい書き方ではあっても、発達心理学の初学者向けであって、全くの素人にはむずかしい。乳幼児が格別好きな私のような人にとっては、汲めども尽きぬ興味が次々とわいてくる良い本である。


アトランダムに興味深かったところを記しておく

・ピアジェ理論の肝は、認知発達のどの段階においても変わらないもの(機能的不変項)があるという点。 それが、「適応」(同化と調節 )と「体制化」

・A-ノット-Bエラーの実験でわかることk・・・12ヶ月ころで「対象の永続性」を乳児が持ち始める

・ピアジェの言う、幼児期の自己中心性とは、「自分以外の視点が存在することが分からず、周りの人も自分と同じように外界を知覚していると思っている状態」

・生物と無生物を区別しないところから始まり、子どもが意識を帰属させる傾向(アニミズム)は、人間にとって何らかの機能を持つもの(石)、風や水のように動くもの、自発運動をするもの、動物・・・と、発達してゆく

・乳児がサインを出し、養育者が反応を返し、乳児がさらに反応・・・このように、アタッチメントが形成される。擁護者との関係には、回避型、安定型、アンビバレント型がある。

・マザリーズ・・・乳児向け発話・・・注意を引きつけ、学習を促進する
・マインドマインデッドネス・・・発達早期から、心を持った存在として扱い、心に目を向ける傾向
・ベビースキーマ・・・4歳半ごろに消失していくが、大人になっても保持している人もいて、魅力的と看做される

・「乳児の30cm先にあるものに焦点が合うという点と、貌のような図形を好むという点は、乳児にとっては重要な意味を持ちます」・・・擁護者との関係が確立するために、自然にそうなっているのだろうか


・「サリー・アン課題」・・・サリーがバスケットにいれたボールを、サリーがいない間にアンが箱に移す。もどってきたサリーはどこを探すと思うか
・「スマーティ課題」・・・スマーティの箱に鍵をいれた。父親は箱の中に何が入っていると思うか
・・・これらの実験は、正確性という点で、なんとなく、危なっかしい感じがしてしまう。

・「誤信念課題において必要なのは、信念とは、現実世界をコピーしたものではなく、現実世界に対する一つの解釈であるとい理解なのです」・・・・信念という言葉にやや引っかかるが、認識といった程度だと思う。

・「乳児は、アイコンタクトをしてくれる他者をこのんで見つめるようです」・・・・これは、経験的にそう思う。 こちらが見ていると、必ず乳児は見つめ返してくれる。 必ずしも笑顔とは限らないが。。。。

・「生後2,3ヶ月児の乳児が、社会的随伴性に気づいていることが知られています。」
「実験の結果、乳児は母親がスティルフェイスになると、顔をそむけたり、負の情動を示したりしました」

・「指令的」指差しは、何かをとってほしいとか、命令的意味合いが含まれていて、「宣言的」指差しは、興味がある対象に対して指差しをして、他者とその存在について共有しようとするもの・・・・これも、経験的に納得できる。 乳児の指差しは、とても可愛らしいものだが。。。。

・「9か月から12か月頃にかけて、乳児は他者と何かを共有するという三項関係に参入することができます」・・・他者が意図をもった存在であるという理解を獲得する・・・そして、文化に参入することで乳児は心理的道具としての言語を獲得する・・・このダイナミズムとでもいうべき参入!

・鏡に映った自分をいつ頃から認識できるか? ルージュテストに通過できるようになるのは、2歳前後だと結論づけられている。 ただし過去の自分の認識はできない

・ピアジェは、「シンボルである言語の獲得の前と後では情報の符号化が質的に異なり、言語獲得以前の記憶は、獲得後に撮りだせないのではないかと述べています」 ・・・・ これが本当なら、永久に幼いときの記憶はよみがえらない

・「コネクショニズムは、並列処理や分散処理に特徴がある」

・知覚の刈り込み・・日本人の大人はできないが、乳児はLとRの区別ができる。 幼い乳児は人間以外の動物の顔を区別することができる・・9ヶ月頃にはその能力を失う。 臨界期(敏感期)・・・一生の中である経験の効果が他の時期には見られないほど大きく、永続的で、非可逆的である時期」


森口佑介「おさなごころを科学する」(新曜社2014.3.10)☆☆☆☆☆
第1部 無能な乳幼児
第1章 無能な乳幼児
第2章 活動的な乳幼児
第3章 かわいい乳幼児
第2部 有能な乳幼児
第4章 有能な乳幼児
第5章 社交的な乳幼児
第6章 コンピュータ乳幼児
第3部 異なる乳幼児
第7章 脳乳幼児
第8章 仮想する乳幼児
第9章 進化する乳幼児


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