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zoom RSS 水野和夫「世界経済の大潮流」は、内容はともかく格調高い

<<   作成日時 : 2014/10/06 11:26   >>

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水野和夫氏の著作は初めて読む。 読みやすく、日本の経済書には珍しく世界史的な発想で描かれている。 ただし、私には著述の正しさの程度はわからない。 

水野氏は1974年ハイエクのノーベル賞受賞あたりから新自由主義が先進国の正統派経済学となったこと、新興国が先進国を追いかけ、10億人のエネルギーを60億人が消費し始めたため、エネルギーの変動費上昇に対して、労働分配率を変え、つまり雇用者に非正規化など金を回さなくなって、中間層が没落したこと・・・。

17世紀のジェノヴァを超えて長期間続く前人未到の「利子率革命」が進行している。金融資産は実体経済の二倍以上あり、投資する実物が無くなって、金融バブルのみ、つまり昔風の資本家の終わりだ。国家、国民、資本の三者の利益が調和していたのが、国家は資本の使用人になり下がり、国民の99%は貧困になった・・・。

残念ながら、立ち向かうやり方は、詳しい記述がない。 「成長」への期待自体が間違いだから、インフレターゲットも間違いだ。 エネルギーコストを考えても、動きの少ないローカルでの定住がいい。 ・・・・ 

その他に、印象に残ったもの

・いま世界でおきていることの水面下のつながりの概念は「蒐集」

・利子率革命は、「投資家が満足するようなリターンを得られる投資機会がもはや存在しなくなるということ」

・GDPの2.2倍もの実物資産が積み上がり、限界効用がゼロに近づき、投資の利回りが低くなる。「投資機会が消滅して、資本の行き先がなくなり、金余り現象が起きる」

・「金融資産の売買回転率で資本を増やしていく過程では、もはや労働は主役ではないのです。代わって国家の主役の座に資本がついたのです」

・「インフレ(成長)がすべての怪我を治す」をテーゼとした近代は終わった

・売上が増加しても付加価値が減少する。 それは変動費の比率が急上昇したことが原因。

・従来の二極化は大企業と中小企業の賃金上昇率の差を指していたが、1994年以降、大企業の賃金が上昇しても、中小企業は下落するようになった。

・成長は、技術進歩、資本投入量、労働投入量の三つの要素で決まる。 だから、経済成長のためにイノベーションが説かれている.しかし、本当に技術進歩は期待できるか?

・9.15は、少ない元手で、売上を極大化しようとする作戦の失敗、3.11は、少ないコストでエネルギーを極大化する作戦の失敗

・フランスもドイツも、ウォール街も、日本の大企業も、調子の良いときに「周辺」を収奪して儲けたことには一切口をつぐむのに、損失になると、ギリシャや政府のせいにする



水野和夫「世界経済の大潮流」(太田出版 2012.5.17)☆☆☆
第1章 資本主義の大転換
 ケインズの予言と利子率革命 ―なぜ利子生活者は安楽死しなかったのか?
 ポスト近代の「リヴァイアサン」のために ―「長い21世紀」に進行する四つの革命と脱近代の条件
第2章 解体する中産階級とグローバリゼーション
 グローバル・インバランスとドル
 不可逆なグローバル化と二極化構造 ―日本「輸出株式会社」の危機と知識の組み換え
 「バブル崩壊の物語」の二五年間
第3章 歴史の大転換にどう立ち向かうか
 「歴史における危機」とは何か ―9.11, 9.15, 3.11をつらぬくもの





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