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zoom RSS 内田樹「街場の戦争論」 ・・・ 日本人必読の書

<<   作成日時 : 2015/02/10 10:54   >>

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全国民必読の書といっていい。 尊敬する内田樹氏が、日本の状況に対して、かなりの危機意識をもって語っている。 別に処方箋があるわけではない。 そこは不満ではあるが、頼り過ぎてもいけないのだろう。 

私は奇人変人のひとりかもしれないが、最近の日本の全体主義的な同調圧力に、ひどく怯え、耐え難い息苦しさと妙な焦燥感に囚われている。  この危機感は、この書にも共通しているが、私は内田氏よりもっと悲観的だ。 


どの章も示唆にあふれている。

内田樹「街場の戦争論」( ミシマ社2014.10.20)
第一章 過去についての想像力
第二章 本当の日本人
第三章 株式会社化する日本政治
第四章 働くこと、学ぶこと
第五章 インテリジェンスとは



<過去についての想像力>

・「自民党のある政治家が、戦争をしたのは私たちではなく先行世代である。彼らの罪について私には謝る義務がないと言い放ったことがありました。」という。  「死者の負債の引き継ぎを拒否する主体に「喪主」の資格はありません」 というように、「この「負債の引き継ぎ」を拒む発想は、まさに有限責任の株式会社の発想だと主張する。 確かに、国の統治者は、前任者の行為やそのずっと前であっても、特に対外的な関係は、何らかの形で引き継いでゆくべきだろう。 

・「今の日本は主権国家ではありません。アメリカの従属国です」  この主張は、いまや、多くの人が隠さなくなってきた。 しかし、それは戦争に負けたためだけではない。  「戦争に負ける」ということと「戦勝国に従属する」ということは別の次元のことです」 ・・・ 「負けた後に、自力で戦争責任を糾明し、なぜこんな戦争を始めてしまったのかをあきらかにし、「次は勝つ」ことを目指してシステムを再構築するという「ふつうの敗戦国」の取る道をとれなかったからです」と解説する。  ここは、そうかもしれないが、では、どうすべきだったのだろう。 そういう人間がいなかった ・・・ となれば、どうしようもなかった。




<本当の日本人>

・「日本の戦後の対米戦略は「対米従属を通じての対米自立」といういささかこみいったものでした」・・・内田氏が「暖簾分け戦略」と呼んでいるものだが、本気で日本の政治家はそう考えているのだろうか。 


・「慣れというのは恐ろしいもので、戦後三代「対米従属を通じての対米自立」路線を歩み続けているうちに、「対米従属すること」それ自体が日本の政治家や官僚にとってはもうあまり不本意なことでも屈辱的なことでもなくなってきてしまった。 むしろ従属の度合いとドメスティックな出世が同期してしまった」 ・・・ 外務省をはじめ、官僚や政治家の中には、おそらく、どこから給料をもらっているのと責められても理解できないくらい、対米利益を測ることが日本の国益だと信じ込んでいる人が多いのだろう。 そうでなければ、ほんとに、ネトウヨがよく口にする売国奴だ。 




<株式会社化する日本政治>


・「歴史が教えるのは、ほとんどすべての独裁政治は「緊急避難的措置としての行政府への権限集中」から始まっている」 ・・・ 非常事態に適応できる法がないと、よく言われるが、システムトラブルでも、マニュアルに沿って対処できるなら、それは非常事態と言うより、想定しておくべきことだ。 非常事態で官邸に権力を集中させるというのは、はっきり言って、下心としかおもえない。 

・「自民党の改憲案は「官邸が国会より憲法より上位に立つ」統治体制を理想とする人々の作品です。その意味では、この改憲案は近代市民革命以来の民主化努力の果実をことごとく否定しています。フランスの人権宣言より、アメリカの独立宣言よりはるかに前近代的なものです。」 ・・・ 以前、基本的人権について何も分かっていない、片山さつき氏などのメンバーが草案を作っていると読んだことがある。 つまり素人だ。 

・「彼らが独裁的な政体を民主制よりも好ましいと感じるのは、そのほうが経済活動にとって効率的だと信じているからです。国家は株式会社のように組織されるべきであるというのが自民党安倍政権の考えです。」

・「国民国家の株式会社化」の先行例、成功例はシンガポールです」・・・「シンガポールは民主国家ではありません」・・・「シンガポールでは人民行動党という政党の事実上の一党独裁が建国以来半世紀続いています。国内治安法という法律があって、反政府的な活動をするものは令状なしに拘禁することができます」

・「選択肢は「民主制か独裁制か」ではないのです。「民主制か金か」なんです。そして日本人の相当数はこの問いに対して「金」と答えようとしている」

・「民主制も立憲主義も「ものごとを決めるのに時間をかけるための政治システム」です。だから、効率をめざす人々にとっては、どうしてこんな「無駄なもの」が存在するのか理解できない。」

・「コストを国民国家に外部化し、最低賃金で人を雇い、何の社会的責任も果たす気がない企業が勝ち残ることが「フェアネス」だと信じている人たちが日本のエスタブリッシュメントを形成している」・・・「企業がその収益を最大化するために自分自身の安寧や健康を犠牲にさし出しても「かまわない」と考えている人たちがこれほどの数いることに僕は驚愕します。 自分たちを「資源」として収奪しようとしている企業のためになら、戦争をしてもいい、私権を制約されてもいい、そう考える人たちが国民の過半数に近い」  ・・・  まったく、驚きである。  要するに、日本人の大半は、バカばかりということなのだろう。  




<働くこと、学ぶこと>

・「学生たちを一箇所に無理やり集め、採用試験に落とし続けて、圧迫面接で脅しをかけ、就活生に「負け犬マインド」を刷り込む。 そうすれば人件費コストは削減できるる」 ・・・ これは、ちょっと考え過ぎだろう! とおもうのだが、そうだろうか。 

・「適職、天職のことを英語では、callingとかvocationとか言います。・・・「仕事と言うのは「呼ばれる」ところから始まる」 ・・・ 賛成




<インテリジェンスとは>

・特定秘密保護法は「ケンブリッジ・ファイブ型」など、エリートが確信犯的に行うスパイ活動が存在することそれ自体を全く想定していないから、諜報関係者は全員が訴追不可能な安全圏に身を隠すことができ、何十年でも大手を振って適法的にスパイ活動ができるるような仕組みをわざわざ作った、つまり愚かな法律だと、内田氏は主張する。 つまりザコを狙い、大物を逃すザル法だというのだ。 それでもっとも得するのは米国だとも。

・「「交戦権を放棄した」国に宣戦布告する国はありません」、「日本でテロのリスクが極めて低いのは、日本が海外の紛争に軍事介入してこなかったからです」と、内田氏は、2020年のオリンピック招致成功のおもな理由を、9条とみている。 これは、安倍晋三氏には皮肉な話だ。 

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