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zoom RSS 上橋菜穂子「鹿の王(下)」・・・静かで、味わい深いおもしろさだ

<<   作成日時 : 2015/03/20 18:29   >>

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大国に侵略され支配された弱小の民族が、移住民に土地を追われ、伝統的な信仰の場、食物、家族と同じ誇りある家畜の馬など、奪われた恨みを晴らすため、土地の病気をもつ、犬やダニを放って、死にいたる病を支配者や移住民に蔓延させようという企みが進行しているらしい。

侵略者は、自分たちの家畜や食物を持ちこんで、生態系を変えてしまい、より複雑な病気になってゆく。 しかし、居住民だって好きで入植しているわけではない。 

「鹿の王」は、たいへん複雑なファンタジーだ。  ファンタジーといえば、どうして必ず戦争になるのか、不思議でならない。 ナルニアも、指輪物語も戦争だ。 しかし、「鹿の王」は、戦争ではない。 強いて言えば、被支配者によるテロリズムだ。 テロリズムに至る心情は理解できるが、「病気」をそれに使うのには抵抗がある、というのがホッサルの立場であり、 そんなことをしても、何も解決しない、それより一人ひとりの生命の方が大事だと考えるのは、ヴァンの心だ。

自分を犠牲にして助けるのは、そういう役割に生まれた人間の役割で、普通の人間は自分の命を全うせよと語る・ 浮ついたヒロイズムのようなものは、ここには全くない。  

医療に携わる者の危険な誘惑もある。 たいへん魅力的な女性サエの新しい人生もある。 独りもの、自ら死を望んだ<独角>の男が、再び家族をもつかという希望もある。

「守り人」シリーズのような、ゾクゾクするような面白さはないが、静かで、味わい深いおもしろさだ。





上橋菜穂子「鹿の王(下)」( 角川書店 2014.9.25)


「鹿の王(上)」 http://46460707.at.webry.info/201503/article_7.html



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