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zoom RSS 半藤一利・保阪正康・御厨貴・磯田道史「「昭和天皇実録」の謎を解く」

<<   作成日時 : 2015/06/17 17:30   >>

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「昭和天皇実録」は、24年余をかけた12000頁もの大冊。数多くの資料をもとに、何人かが著述したものとらしい。 記述と資料との関係は明記されていないという。記述された事実、されなかった事実を分ける理由は不明。 半藤一利氏ら四名が、記述を追い掛ける。 私には、実録の記述の是非よりも、歴史のお勉強だ。


天皇には、天皇としての立場と、大元帥としての立場と二面性がある。 天皇としての立場では、憲法の規定に従い、天皇の発言は封じられ、承認せざるを得ない。 大元帥としては何も縛られていないのに、「天皇」の影響か、自分の主張を抑えてゆく。 陸軍はこの二つの立場を使い分け、内閣を動かして天皇の承認を得てゆき、好き放題を始めてしまう。


内閣、軍部のいい加減差もよくわかる。

天皇が、南方作戦をやっている時にソ連が攻めてきたらどうするのだと聞くと、統帥部は、冬季作戦だからまず攻めてこないだろうと答えている。日露戦争が真冬の二月だと調べてもいないいい加減さ。

昭和16年11月2日 開戦にあたって、何のための戦争かを問うと、東条首相の答えは、「戦争目的はまだ考えていません」と。 開戦の詔勅には「大東亜共栄圏をつくる」とか「大東亜の新秩序をつくる」とかどこにもない。つまり「大東亜」は後付けだ。

「大東亜政略指導大綱」では「マレー、スマトラ、ジャワ、ボルネオ、セレベスは、大日本帝国の領土とし、重要資源の供給源として、極力これの開発と民心の把握につとめる」とあり・・・」つまり、大東亜共栄圏なるものは日本のため。



天皇が最後に問題にしたのは皇統、皇祖皇宗の問題、三種の神器をいかに守るかだった。



そのほか、興味を感じたトピック

・靖国神社は(旅順撤退時に部下を助けて戦死した)広瀬中佐のような人がいるところだと思っている ・・・ だから、A級戦犯合祀には、やはり、不快だったようだ。 それで、

・「極東軍事裁判において有罪と確定した者の死去に関しては、一切の恩遇は不せん議とされる」 ・・・ ちょっと冷たいと思う人もいるだろう

・藩の内部で大戦争をしたのは、水戸と長州しかなく、下が上を破って藩政を握ったのは長州しかない。下が独走して上を従わせる構造を長州とその派生体である陸軍が持っていたのは当然 ・・・ ひょっとしたら、安倍晋三氏にもその血が流れていて、自分で勝手につっぱしっているのかも。

・「事変」の呼称の理由はアメリカの中立法で、宣戦布告するとアメリカは輸出禁止になってしまうから・・・というのもひとつの理由だっのかもしれないが、ずるずる勧めたからではないのか?

・軍部の大多数にとっての「国体」は武装解除されない、戦争の責任を取らされない、賠償金をとられないこと・・・ ずいぶんムシがいい。




半藤一利・保阪正康・御厨貴・磯田道史「「昭和天皇実録」の謎を解く」(文春新書2015.3.20)
第一章 初めて明かされる幼年期の素顔
第二章 青年期の栄光と挫折
第三章 昭和天皇の三つの「顔」
第四章 世界からの孤立を止められたか
第五章 開戦へと至る心理
第六章 天皇の終戦工作
第七章 八月十五日を境にして
第八章 “記憶の王”として






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