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zoom RSS 筒井清忠「満州事変はなぜ起きたのか」

<<   作成日時 : 2015/12/06 12:47   >>

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あとがきで筆者が述べている。一章程度との予想が思いのほか一冊に膨らんでしまったと。つまり筆者にとっても資料を調べ学び考えた結果の内容であって、悪く言えば、なんでもかんでも記述されている。あまりに細々と追いかけているので、結果的に、「満州事変はなぜ起きたのか」がよくわからない。いや、筆者の味方をすれば、歴史は所詮細部の積み重ねであって、主な原因などあげられないということか。


「外交」の細部を紐解けば、中国の利権を取り決めたワシントン条約を、幣原・重光など日本は忠実に守っていたのに、米英は単独で勝手に中国の関税自主権などを認めてしまい、日本だけが悪者になってしまった。更に、中国は条約を無視した違法な主張・行動を続け、国民党政権も排日の運動を煽動し続けたために、我慢の限界を越えて日本は爆発してしまったのだとみる。早い話が日本だけが悪いわけじゃないということだ。せっかくワシントン会議の協調体制が成立したのに。それを壊したのも米国の排日移民法の成立だった。

つまり、中国はじめ他国に比べて、日本の外交は下手くそで、国際感覚にも欠如していたということらしい。



そのほかにも、興味をそそることが書かれている。


・「中国の軍閥・現地有力者は自らの権力を保持するために日本の軍人らを様々な形でうまく利用していたという半面もある」・・・そうだろう、あの中国人が日本にやられっぱなしのはずがない。 

・「昭和天皇が”日米戦争の原因”としているように、排日移民法は、以後の反米・アジア主義の重大な動員となった」 ・・・ 日本は移民を嫌うのだから、米国で嫌われたってしょうがないね。

・張作霖爆殺事件(1926.4)は、河本大作大佐の単独犯行説が有力。 しかし、「この事件は蒋介石と張学良の対日不信感を大きく高めたばかりでなく、中国世論をさらなる反日に大きく動かす結果を導いてしまう」 ・・・ かりに単独犯行だとしても、事前に知っていた軍関係者が少なくないに違いない

・「日本をそのような行為に駆り立てた動機をよく理解するならば、その大部分は、中国の国民党政府が仕掛けた結果であり、事実上中国が「自ら求めた」禍だと、吾々は解釈しなければならない」・・・ジョン・マクマリー中国公使は、そう記したそうで、そうだそうだと喜ぶ日本人は大勢いるに違いない。 仮にそうでも軍事侵攻が正当化されるわけではない

・「アメリカの誤まった慈善行為のために、中国人は諸外国の権益を踏みにじるようになり、九カ国条約を遵守してきた幣原や若槻が立場を弱め、軍国主義者に取って変わられた」  そして、 
・「ヒューズ国務長官によるリーダーシップが失われた後には、アメリカは東アジア政策を体系的に研究しなかった」・・・米国にとって東アジアは、やはりわかっていない、あねいは、差別の対象なのかもしれない。

・「リットン報告書も国民党が排日運動の司令統制を行っていたと断定している」 ・・・ いまの共産党政権でなくても、同じようなことをしていた。

・幣原や重光は条約上の正当な権益が中国の違法な主張と行動で覆ることをれ年しているのであって、松岡洋佑のように日本の権益が「全満蒙を覆っている」という主張は国際社会の理解を得られない

・日本は国際連盟では良い活動をしていた。 新渡戸稲造、杉村陽太郎、安達峰一郎、ら。 

・1924ジュネーブ平和議定書の戦争禁止・戦争違法化条項、1928の不戦条約に対して、日本は消極的であり、「日本が満州事変という”戦争”を起こす前から、国際連盟では、日本が戦争規制の国際的枠組強化には消極的なことはある程度認知されていた」

・「日本がいつも弱いのは、このあらかじめ「国際的にしっかりしたもの」をつくるための手段と能力の確保




筒井清忠「満州事変はなぜ起きたのか」(中央公論新社 2015.8.7)
第一章 日露戦争直後の米中との関係と「大衆」の登場
第二章 第一次大戦期の日中関係(対華21ヶ条要求問題)
第三章 中国国内政治と日本(陸軍)
第四章 日中間の人的交流の拡大
第五章 日中間のトラブル=抗議・暴行事件・日貨排斥運動
第六章 日露戦争後の日米関係
第七章 ワシントン会議(1921〜22)
第八章 排日移民法(1924)
第九章 国権回収運動(1923年以降)
第十章 国共合作、5.30事件(1925)
第十一章 北伐(1926)、南京事件(1927)
第十二章 済南事件(1928)
第十三章 張作霖爆殺事件(1928)
第十四章 中ソ戦争(1929)
第十五章 「ワシントン会議の精神」と中国(関税・不平等問題)
第十六章 済南事件解決交渉に見る日中関係調整の困難性
第十七章 日貨排斥運動の実態
第十八章 長沙暴動
第十九章 満州事変直前
第二十章 結びに


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