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zoom RSS 入山章栄「ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学」は、自信もってお薦めできる

<<   作成日時 : 2016/03/23 05:38   >>

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読み始めて、これはいい本だと実感した。  経営学には関心はあるが、「学」として勉強したことのない人(私)には、たいへん素晴らしい入門書(?)だ。 筆者も書いているが、こういう本がいままでなかったのは、米国AAUメンバーの研究大学で経営学PhDをとり、研究者になっているような日本人はいないからだ。

だから、最先端であれ、現在の事情であれ、日本には伝わりにくいのだ。 更に理解しにくいのは、ポーターやクリステンセンのような有名人の著作と、学術専門誌に投稿される論文とは、かなり色彩が違うということだ。  単行本やHBRのような、一般向け啓蒙書をいくら書いても、学者としては評価されない。  経営学は、やはり、「学」であり、科学を目指しているからだ。  仮説をたて、大量の実データ、統計分析などで証明してゆく科学性を追求する論文は、実経営者には馴染まないのだ。  

経営学の最近の動向は、国際標準化と科学化。 経営学者は学者であって、経営者ではないから経営の成功を目的としているわけではない。 ただ経営や組織の仕組みを知りたいだけだ。 だから役に立つことに興味はなかった。 


各論のなかで、勉強になったものをいくつか挙げておく・・・・ ひとつでも関心があれば、購入して読む価値がある。


・代表的な戦略論は、ポーターの競争戦略(SCP戦略)と、バーニーのRBVだが、戦略は、それぞれ適用範囲が限定的であって、競争の型(Industrial Organozation型、チェンバレン型、シュンペーター型)によって意味がない。

・イノベーションは、「既存の知と、別の既存の知の、新しい組み合わせ」であって、そのため、「知の探索(Exploration)と「知の深化」(Exploitation)のバランスをとる 両利きの経営が必要である。  でないと、コンピテンシートラップに陥る

・「コンポーネントの知」と「アーキテクチュラルな知」があるが、業界で標準化が進み、ドミナント・デザインに縛られると、コンポーネントの知がドミナントになり、アーキテクチュラルな知が衰える

・創造性とイノベーションとは異なり、創造的な人ほどイノベーションが起こせない。 新しい知の組み合わせには、弱いつながりが効果的で、チャラチャラした名刺コレクターのような、「ネットワークが軽い人こそ、実は長い目で見ると多くの「新しい知の組み合わせ」を試し、創造性を高めている可能性がある」

・「組織の学習効果、パフォーマンスを高めるために大事なのは、「組織のメンバー全員が同じことを知っている」ことではなく、「組織のメンバーが「ほかのメンバーの誰が何を知っているか」を知っておくこと」、つまり、トランザクティブ・メモリーである。 更に、互いの顔が見え、アイコンタクトや顔の表情を通じてのコミュニケーションが、トランザクティブ・メモリーを高める

・「「アイデア出しが目的のはずのブレストが、アイデアを出すのに効率が悪い」ことは、「プロダクティビティー・ロス」という矛盾として、経営学や社会心理学では古くから知られていました」が組織の記憶を高めるには良い方法

・成功体験よりも失敗体験の方が、その後のパフォーマンス向上に寄与するのは、組織のサーチ行動を促すからだ。 サーチ行動とは、「新しい考え方・アイデア・地検・情報などを常に探す」で、成功体験が続くとサーチ行動をとらなくなる


・真に「グローバル」な企業は、FSA : Firm Specific Advantageの考え方では、世界で9社のみ (IBM, Intel, Philips, Nokia, CocaCola, フレクストロニクス, LuiViton, Sony, Canon) であって、世界は殆どグローバル化していないし、フラット化していない

・ダイバーシティには、タスク型の人材多様性、デモグラフィー型の人材多様性の二種類ある。 日本に必要なのは「一定割合の女性を登用して終わりにするのではなく、そこに「多様な年代の方々を織り交ぜたり、あるいは男女問わず外国人も同時に登用したりすることで組織のフォルトラインを減らすことが、真にダイバーシティ経営の成果を得ることにつながる」

・女性は、「ホモフィリーの二重のハンディキャップ」をもっている。 男性人脈に女性が入り込むのは難しく、女性人脈はそもそも情報の層が薄い

・リーダーには、トランザクティブ・リーダーとトランスフォーメーショナル・リーダーがある。 女性リーダーには、力強いリーダー像と真逆の優しく協調的な女性像という、正反対の期待にさらされる Role Incongruityがあるが、女性リーダーは トランスフォーメーショナル・リーダーになりやすい

・日本の上場企業1367社の3割は同族企業であって、同族企業は業績が悪くないどころか、非同族企業よりも業績が高くなる可能性がある。  同族企業には、エージェンシー問題を防ぎ、プレのない戦略をもたらすプラス面と、力の劣る経営者をトップに据えてしまうかもしれないマイナス面のトレードオフがある

・マイケル・ポーターのCSV Creating Shared Valueが盛んになっているが、BtoCで広告費を多く払っている企業ほど、CSRのイメージ効果が高い

・リアル・オプション的考え方のひとつとして、失敗したときの事業のたたみやすさが企業のリスクを減らす大きな要素になる。 また、キャリアのたたみやすさ(起業に失敗したら就職しやすいか)も重要

・ハイブリッド・アントレプルナーシップ Hybrid Entrepreneurship ・・・完全に独立した起業家よりも、会社勤めしながら起業する方が多い。

・不確実性が事業環境の多様な範囲にわたるため、将来を予見するための拠り所すらない、そういうレベルの現在、受け身の戦略は機能しない・

・「もうかる理由って結局なに?」を突き詰める学者たちは、企業の実績と要因を、産業効果、企業効果、コーポレート効果(業界をまたぐシナジー効果)に分割し、COV手法で調査している

・有名なポーターやクリステンセンは論文は少ない。 リアル・オプションのブルース・コグートは世界中の経営学者がリスペクトするが、一般啓蒙書を書かないので知られていない。

・インフォーマルなってによる知識がもっとも価値ある。 米国の大学ではインド人、中国人がインフォーマルな国家を超えるcommunityを形成している





入山章栄「ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学」(日経BP社 2015.11.14)
PART1. いま必要な世界最先端の経営学
 第1章 なぜビジネススクールでは最先端の経営学が学べないのか
 第2章 「経営学は役に立たない」についての二つの誤解
PART2 競争戦略の誤解
 第3章 あなたの会社の戦略がうまくいかない、最も根本的な理由
 第4章 成功しやすいビジネスモデルの条件とは何か
PART3. 先端イノベーション理論と日本企業
 第5章 イノベーションの絶対条件 「両利きの経営」を進めるには
 第6章 なぜ大企業は革新的イノベーションについていけないのか
 第7章 「チャラ男」と「根回しオヤジ」こそが、最強のコンビである
PART4. 最先端の組織学習論
 第8章 組織の学習力を高めるには、「タバコ部屋」が欠かせない
 第9章 「ブレスト」のアイデア出しは、実は効率が悪い
 第10章 「失敗は成功のもと」は、ビジネスでも言えるのか
PART5. グローバルという幻想
 第11章 真に「グローバル」な企業は、日本に3社しかない
 第12章 「世界がグローバル化した」「フラット化した」を疑え
PART6. 働く女性の経営学
 第13章 日本企業に、ダイバーシティ経営は本当に必要か 
 第14章 男性中心職場での「できる女」の条件
PART7. 科学的に見るリーダーシップ
 第15章 これからのリーダーシップに向くのは、どのような人か
 第16章 成功するリーダーに共通する「話法」とは
PART8. 同族企業とCSRの功罪
 第17章 日本最強の後継社長は「婿養子」である
  第18章 CSR活動の思わぬ副次効果とは
PART9. 起業活性化の経営理論
 第19章 日本の企業活性化に必要なこと(1)
 第20章 日本の企業活性化に必要なこと(2)
 第21章 成功した起業家に共通する「精神」とは
PART10. やはり不毛な経営学
 第22章 「もうかる理由って結局なに?」を突き詰める学者たち
 第23章 「リソース・ベースト・ビュー」が捉えきれないこと」とは何か
PART11. 海外経営大学院の知られざる実態
 第24章 ハーバードを見て、米国のビジネススクールと思うなかれ
 第25章 米国の大学の裏事情は、中国人が一番知っている
 第26章 来たれ! 世界最先端の経営学を語る人材よ

 
















ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学 / 入山章栄 【単行本】
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基本情報ジャンル経済・ビジネスフォーマット単行本出版社日経bp社発売日2015年11月ISBN978

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