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zoom RSS 高階秀爾「日本人にとって美しさとは何か」

<<   作成日時 : 2016/03/08 17:14   >>

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美術館にはまず行かないし、絵画や彫刻にはめったに感動しない私だが、美意識の話や美術解説は好きだ。 この本は高階氏の評論や雑誌記事を集めたもの。 

古今和歌集で紀貫之が「やまとうた」を強調したように、エリートでない誰でも詩を歌うのは日本独特らしいし、「シーン」とかの音のない静かなオノマトベ、直線のない非対象形の文字ひらがな・・・・・など、言葉や文字に関する日本の感覚はやはり独特のものがあるようだ。

絵画では、西洋絵画の「陰陽遠近」を学びながらも、敢えて視点を固定せず各要素に密着する描き方は、西洋絵画に必須の、主体よりも、描く対象客体を大事にする態度だとか。 また、光琳の紅白梅図屏風に典型な、「華やかな装飾性を好みながらも、細部までふんだんに飾り立てるのではなく、時には不要のものを切り捨てて、単純化する抑制の要素も持ち合わせている」、単純化と余白の美意識であると、利休と秀吉の朝顔のエピソードを交えて、繰り返し伝えている。

そのほか、日本的な美意識の例をいろいろ挙げながらも、高階氏は、別に、日本人の美意識が他国人と比べて格別素晴らしいと言っているわけではない。 ただ、日本人らしさを探っているだけだ。



そのほか、おもしろかった話題をアトランダムに・・・・・

・誰でも歌を読むと聞いて外人は吃驚するらしい。 欧米は詩人は特別な人か。 

・西洋建築は壁の建築、日本は屋根の建築

・絵画は、「あるきまった時間を描いたものというのが、少なくともルネサンス以来の考えです。 しかし、画面の中で時間が動くと言うことを日本は致します」 ・・・ 悪口を言えば子どもの絵もそうだ

・新しいものを積極的に受け入れながら、古くからのものも保持し続けるという日本人の特性がそこではよくうかがわれる

・「やまとうたは人の心をたねとしてよろづの言の葉とぞなれりける」

・「襲名とは、その歴史の遺産を受け継いでねそれをさらに豊かにしていくための巧妙な仕掛けといってもいい」

・「日本は外来のものを何でも自由に受け入れているように見えながら、じつは底にある種の抵抗感覚のようなものがあって、それに触れるものは拒否するるという選択が働いている」

・「古池や・・・」も「秋は曙・・・」も、何の実体物もなく、あるのはただ状況だけ

・「観光」は、文明の「光」を観る、という意味の言葉だった

・「日本人にとって、太鼓橋は人の世界と神の世界を分けるものであり、だからこそ神社の入り口に置かれる」

・「日本文化の特色の一つは、このような「アニミズム的世界観」が現代にいたるまで生きつづけ、しかもそれが最先端の技術と矛盾なく共存している点にある」





高階秀爾「日本人にとって美しさとは何か」(筑摩書房 2015.9.25)
T 言葉とイメージ 日本人の美意識
  言葉とイメージ 日本人の美意識
U 日本の美と西洋の美
  東と西の出会い 日本および西洋の絵画における表現様式についての諸問題
  和製油画論
  感性と情念 「和製油画」を支えたもの
  栖鳳(せいほう)芸術における西欧と日本
V 日本人の美意識はどこから来るか
  絵と文字
  漢字と日本語
  襲名の文化
  余白の美学
  名所絵葉書
  受け入れられなかった雅楽
  実態の美と状況の美
  大観と富士
  「行く春」の行方
  唱歌と音楽教育
  伝統主義者福澤諭吉
  白梅に託す想い
  龍、虎、そして美術館
  解釈は作品の姿を変える
  創造行為としての解釈
  日本人と橋
  きらめく朦朧体
  旅の東西
  東京駅と旅の文化
  ロボットと日本文化
  世界文化遺産としての富士山



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