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zoom RSS 半藤一利・保阪正康「賊軍の昭和史」

<<   作成日時 : 2016/07/02 07:30   >>

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この前の戦争を、ある視点で大雑把に言うと、官軍が始めた戦争を賊軍が集結させた、ということができる。 その骨子を言うならば、官軍、すなわち薩長は、自分たちが作った国を自分たちがどう壊そうが勝手だと考える人々であって、賊軍の人々は、錦の御旗に敗れた経験を二度と繰り返したくないために天皇の終戦の意志を支えた、というのだ。 ちょっと無理な視点のような気もするか。


しかし、確かに、官軍、特に長州は吉田松陰の侵略思想を忠実に、中韓はもちろん、アジアに怒涛のごとく進撃した。  安倍晋三氏が吉田松陰の知行合一論などから何か語るとき、松陰がそういう侵略思想の持ち主だったことを忘れて、尊敬すると気楽に言っているに違いない。


司馬遼太郎に言わせれば、「あのときの薩長は、暴力集団にほかならない」し、戊辰戦争は幕府側から見れば「売られたケンカ」である。宣伝戦と策略に長けた長州も薩摩も、明治維新御、賊軍藩の出身は官僚として出世させなかった。


軍にあっては、陸軍は長州、海軍は薩摩、という体制が日露戦争まで続いたのだ。 その後、多少は色彩が弱まったとはいえ、傾向は残った。 たとえば、開戦時、対米戦に猛反対していた条約派で、賊軍出身の米内、山本、井上を全部外に追い出して、薩摩の艦隊派が対米戦争に突き進んでいった。 


とくに、伏見宮軍令部総長は、賊軍が嫌いで、山本五十六が送った手紙なども無視してしまう。連合艦隊司令長官の意見を黙殺してしまうのだから、日本の軍隊など組織ではない。


官軍に遭っては、天皇も利用するものでしかなかったから、「大善だから」といってね何でも好きなようにした。大西瀧治郎なんて、「特攻作戦で2000万人が死ねば絶対勝つ」と、ポツダム宣言受諾に反対したというから、もはや国の私物化だ。


石原莞爾に着いて、おもしろい話があった。戦後、「石原は、「新憲法は良い」といっているんです。「もう、これからは軍備のない時代だ。この憲法でアメリカを見返せ」とね。 あまり知られていないですが、「私は世界最終戦争論」なんていっていたが、生意気に若い頃にいったことを恥じる」といっているんですよ。「これからは、これを道義の憲法として、道義の国家となって、アメリカに道義を説いてやろう」と、そういってるんですよ」


明治憲法に戻したがっている稲田朋美とかいう自民党のカルト的右翼女性が「日本は道義大国にならねばいけない」とか言っているが、石原莞爾に倣えば、現憲法を尊重すべきだね。


もうひとつ、なぜ、海軍の主流派は同盟賛成で、ヒトラー崇拝が多かったか。 海軍の連中がヒトラーに傾倒するのは、ドイツに留学すると、ハウスキーパーという名目で凄い金髪美女がついたから。 つまり、ヒトラーのハニートラップという。 日本の軍隊など、こんなものだ。



半藤一利・保阪正康「賊軍の昭和史」(東洋経済新報社2015.8.20)
序章 賊軍vs官軍 浮かびあがる「もう一つの昭和史」
第一章 鈴木貫太郎 薩長の始めた戦争を終わらせた賊軍の首相
第二章 東条英機 混乱する賊軍エリートたちの昭和陸軍
第三章 石原莞爾 官軍の弊害を解消できなかった賊軍の天才
第四章 米内光政、山本五十六、井上成美 無力というほかない賊軍の三羽烏
第五章 今村均 贖罪の余生を送った希有な軍人


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