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zoom RSS ジョセフ・E・スティグリッツ「これから始まる新しい世界経済の教科書」

<<   作成日時 : 2016/07/29 09:15   >>

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そういえば、先般、安倍政権と大手メディアは、スティグリッツ氏の消費税増税反対の意見だけをとりあげたが、実は格差への対応等、全般的な経済政策の転換を提言していたらしい。 それは今の政権は聞く耳を持たないだろう。 この書は、あまりにも格差が広がったアメリカ経済を再生するための処方箋、教科書である。 サンダース氏ならともかく、誰が、この有益ですばらしい提言を実現してくれるのだろうか。


1970年代以降、サプライサイド経済学から直近までを要約すると、こんな状況だ。

・ 経済ルールの根本的な変化は不平等を拡大している
・ 民間セクターの融資は経済全体に役立つものから融資そのもののためへと変わり、株主への利益を増すことを口実にトップ経営陣のみに奉仕するようになった
・ 税制は労働より投機を促し、1%の人びとの利益に貢献している
・ 財政赤字やインフレを重視し、不平等の拡大や投資不足という現実の脅威を無視し、失業率が上昇
・ 労働市場の制度、法律、規制や規範が変わり、労働者が弱体化、賃金が生産性に合わない低さになって行く


スティグリッツ氏は、この傾向を、レントシーキング( 経済的に価値のある活動ではなく、しばしば搾取を通じて他者から利益を引き出すことによって冨を得る行為) であり、 Finantialization ( 金融化(金融セクターの拡大と、実体経済に対するその権力の増大、金融セクター価値と活動が一般社会を形作ってきたさまざまな方法をふくむ)) と呼んでいる。 

そして、「市場は真空に存在するわけではない。市場を構築して、ルールと規制を定め、そのもとで稼働させるのは政府だ」 と、市場が決めたのではない、 ルールによって変わったものは、ルールを作り直すことによって変えられるのだと主張する。


そして、氏が提案している

・レントシーキングのインセンティブを減らし、公共投資の収益をあげる税制改革
・完全雇用とインフラ整備への投資を取り戻す。
・市場支配力を制限し、金融セクターを修復し、長期的な企業経営にインセンティブを与え、税法のバランスを取り戻す
・退役軍人省がしているように政府が交渉して薬価を安くし医療費を削減する
・破産におけるデリバティブの特別保護をなくす
・金融セクターの"大きすぎてづぶせない"状態を終わらせるため、解体する
・規制から外れるシャドーバンキングにFRBが適切なルールをつくる
・デビットカード、クレジットカードの手数料を減らす
・FRBの人事には利害の衝突について透明性を
・資本設備、研究開発、労働力開発への企業投資にインセンティブをあたえる
・役員報酬に対して税制を調整することで規制する
・短期的金融取引に対する取引税をかけ長期投資を促進する
・最高限界所得税率を引き上げ、キャピタルゲインの優遇措置を廃止し、相続財産の時価評価をやめる
・企業の海外所得に課税する
・FRBはマクロプルーデンス政策を実施する
・教育、テクノロジー、インフラへの戦略的公共投資をおこなう
・崩壊している公共輸送システムに投資する
・労働組合の交渉権を強化、労働基準の監督を強化、最低賃金を引き上げ、女性と非白人にチャンスを。有給病気休暇、育児・介護休暇を法律化する
・刑務所の収監率をさげる
・幼児教育に投資し、就学前プログラムを充実させる
・公的融資を増やし、学資ローンを再構築する
・・・・








ジョセフ・E・スティグリッツ「これから始まる新しい世界経済の教科書」(徳間書店2016.2.29)
序章 不平等な経済システムをくつがえす
第1部 世界を危機に陥れた経済学の間違い
第1章 “自由な市場”が何を引き起こしたか
第2章 最富裕層にのみ奉仕する経済
第3章 なぜ賃金は低いままなのか
第2部 地に堕ちた資本主義をこう変える
第4章 最上層をいかに制御するか
第5章 中間層を成長させる



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