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zoom RSS 七沢潔「テレビと原発報道の60年」

<<   作成日時 : 2016/07/11 10:36   >>

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長く原発について報道して来た七沢氏は、上司からも「原発番組ばかり作らないほうがいい」と言われ続けたが、原発誘致の裏を探る番組をつくった後、関連会社に飛ばされた。関連会社でも原発番組を模索し続け、東海村臨界事故の原因を掘り下げた番組を造ったら、あからさまに放送すべきでないと攻撃を受け、研究所に飛ばされ制作にたちできなくなった。 311が起こり、急遽現場に呼びもどされて参加して出来た番組が「ネットワークでつくる放射能汚染地図」。木村真三氏の熱意もあって、たいへん評判になり、数々の賞も受賞し、シリーズ化した。しかし、早くも、2011年6月の経営委員会では、原発が停止したままでいいのかどうか、番組作成に注文が入り、2012年4月には、七沢氏とプロデューサーが、上司を批判して協会の名誉を傷つけたとか、無断で高線量の立ち入り禁止区域にはいったとして厳重注意を受けた。

NHKの職員とは思えないほど、なかなか過激な人だ。しかし、言っていることは正しい。 NHK内の圧力などの実態の暴露的な内容を期待したが、それはあまりない。もっと、大所高所の話が多い。アーカイブから番組を選び出し、原発にかかわる番組の歴史を語っているのも貴重かもしれない。

テレビも原発も米国が導入を推進してきて、CIAのエージェントである正力に日本テレビを造らせた。「テレビはその導入の原点から、原子力平和利用を推進するサイドから「社会を啓蒙する」役割を期待され、かつ実行してきた」・・・テレビはそういう役割だったが、民意によって大きく変わる媒体でもあるようだ


直接、テレビに関係のない話が多いが、結構、踏み込んでいる。

赤字木は330μSVだったのに、そこに残っている人々に対しても警告は発せられなかった。枝野は質問を受けて、報告は受けているが、専門家が「奈落ちには影響があるとは思われない」ということで浪江町に通知しなかった。 「避難基準は、急性障害が出るから非難するわけではない。原子力安全委は年間50mSVを避難ないし屋内退避の基準としていますが、毎時300μSVあるところであれば1〜2週間で50mSVを超えてしまい退避基準に相当することは、専門家であれば誰だってわかることであって、それを「ただちに影響を与えないから避難しなくてよい」というのは非常におかしなことです」

「これは科学とは関係のない政治の領域です。 「因果関係が証明されない」までは科学の言説ですが、それを「因果関係がなかった」とするのは、科学を踏み越えた政治の言説です。IAEAには、科学の言説を政治の言説に組み替える変換装置のようなところがあるのです」


「原災法はその一方で「情報伝達経路の一元化」を重要視している。この情報を一元管理することで正しい情報の伝達に努める、という方針の背後にあるのは「パニックを防ぐ」など社会秩序の維持を第一にする思想であり、チェルノブイリ事故の際にソ連政府がとった政治行動でもある。この考え方は、市民が自主的に正しい判断をすることはあり得ないとする官僚主義の真髄であり、市民への十分な情報公開と正しい理解の促進だけがパニックを防ぎ、風評被害を防ぐのだという、民主主義社会の考え方の対局にある」


「福島原発事故・子ども被災者生活支援法」は2012.6に超党派で成立したチェルノブイリ法を手本にしたもので、自主避難者も地元に残っちた人も、ともに被災者として医療、住宅費などで支援を受けられる本旨だったのに、具体的な支援内容や、対象地域の線量も決まらず宙に浮いた


「自己の影響に対する人々の不安を抑えて、事故の収束感を演出し、原発再稼働や東京オリンピック開催に向けて政治的秩序を再構築したい国家の思惑。それはさまざまな言論人を動員してつくった同調圧力によって、福島県民のマジョリティを沈黙させることに成功したように見える。」


手順書は免震重要等においてなく、手順書からの逸脱は炉規法違反となる。
「東電が「手順書違反」で刑事被告人になってしまうと、放射能汚染が「想定内」の自己対応義務を怠った結果の損害と認知されることになり、原賠法での「免責」の正当性が失われる。だから政府は早めに東電の刑事告発を断念し、不都合な「手順書違反」問題を葬った。そんな憶測が成り立つ」


「「東電の事故対応の間違いが事故を拡大した」という言説をマスコミはほとんど報道しない。それは事故後に原子力損害賠償スキームをつくって東電と原子力体制の温存を図った財界人や官僚や政治家たちにとって好都合だ。そしてその結果、「吉田所長をはじめイチエフの作業員たちは体を張って国を守った」という「英雄伝説」がはびこる。戦時中の「神風」や「大和魂」に通じる情緒的ナショナリズムが、事故の真相を覆い隠す。そして原発は安全性を増すことすら充分にせずに復活し、海外にまで輸出される」








七沢潔「テレビと原発報道の60年」(彩流社 2016.5.16)
<<第T部 3.11からの5年>>
第1章 「放射能汚染地図」から始まる未来
第2章 チェルノブイリ事故時の言葉から何を引き出すか
第3章 操作された「記憶の半減期」
第4章 もうカナリアの声は聴こえない
<<第U部 3.11まで>>
第5章 テレビはなぜ「被ばく」を隠すのか
第6章 原子力50年 テレビは何を伝えてきたか




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