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zoom RSS 白井聡・内田樹「属国民主主義」

<<   作成日時 : 2016/08/08 11:32   >>

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「夕陽の荒野をとぼとぼ歩いて行く青年と老人二人の落ち武者」と自嘲する内田氏、今は珍しいレーニン主義者の白井氏とともに、相変わらず素晴らしい視点で、安倍政権や劣化する日本に対する処方箋を描く。 といっても、あまり有効な処方箋はなさそうだ。 

「経済成長は、もうできません。 だから、成長戦略もありません」と、あっさり認めて、アベノミクスなどさっさとやめ、1億2千万の国民が食っていける代替案を考えないといけない。 それは、「ある意味で自給自足的な世界を、それが閉鎖系ではない形で取り戻すということになるはず」で、それをどうやって実現するのか。 

ITやバイオしか期待される者は残されていないと言われるが、実はどちらも日本でビッグビジネスにするのは難しいという。 兵器くらいだろう、「兵器というのは市場に投入されればされるほど、市場が拡大していく」 からだ。 インドや中東あたりで大規模な戦争が起これば一番都合いい。 そんな事態に遅れをとらぬ準備と考えれば、安倍政権の一連の行動は理解できる。 


対談は多肢にわたって繰り広げられる。 

興味深かったもの ・・・・

「在日米軍が守っているのは究極的には、自民党政権という名の、自分たちにとって都合のいい傀儡政権」であり、「状況が変わるたびに次々と、表向きの存在理由を変え続けて」、終始一貫、「日本の特殊な対米従属体制を護持するため」という理由が浮かび上がってくる。 ・・・・ 属国であり、植民地であり・・・ そこに暮らす人々が植民地根性丸出しになるのは当たり前なのだろう。 
 

戦前の不在地主そっくりの二世三世議員・・・・・「恐らく彼ら自身も自分が故郷の山河に対するつながりが希薄だと感じているんだと思います。 それではまずいと思っているから、それを代償するものを求めて、イデオロギー的に「美しい国へ」とか「伝統的な家族」といった空疎なスローガンを口走る。でも、そうしたスローガンは、できあいの右翼的言説をかりてきたもので、彼らの生活実感にも身体実感にも根ざしていない。ただのフェイクなんです。 いまの極右イデオロギーが顕彰しているのは、想像上の共同体、創造の山河への郷愁なんです。」 ・・・・  安倍晋三氏が、新自由主義者のくせして、復古的な言説を好むのは、確かに、こんな理由もあるのかもしれない。



「個人的に譲れない政治的見識があり、固有の支援組織を持っていて、執行部に逆らっても当選できるような力のある議員は要らない。統制の邪魔になるだけですから。 だから、あえて個人的には非力で、執行部に対して決して逆らえない候補者をかき集めている。その結果、国会議員の質がどんどん低下している」  ・・・・  数でしかない議員たちだから、パンツ議員や不倫議員や、何にも知らないアイドル議員が増えるのも必然だ。 そんなものに莫大な税金をささげている国民こそ、自業自得とは言え、哀しい



「消費社会化が徹底されて商品の背後を誰一人考えなくなってしまったならば、労働者に無限のコストパフォーマンスが追求されて低賃金に苦しむのは、自業自得だということになります。それは労働者が消費者として活動する局面での行為の帰結にすぎない」  ・・・・ しかし、この自業自得は、労働者側から、元に戻すのは至難の業だ。  だって、好き好んで安いものを求めているわけではないのだから。 



「若者の未成熟、老人の幼稚化、こういうことが全社会的に起きているのは、「成熟するな」という目に見えない強い圧力が働いているから」 ・・・・ ただ消費者でいろ、ということなのか。 ・・・・ 「文科省が推進しているグローバル人材育成なんて、要するに何も考えずに上司の言うとおり死ぬまで働く、収奪しやすい、批判精神ゼロの人間のことですからね。 」



「階層社会というのは文化資本の多寡によって分かたれており、文化資本は個人の身体に内面化されている。身体化した文化資本は簡単には身につけられないけれど、一度身についたら失われない。そういう惰性的なものが階層の差別化指標になっているので社会的流動性は低い。一方の階級社会はカネの多寡によって分かたれており、カネには「色がついていない」ので、社会的流動性は高い」 ・・・・ もうすでに階層社会になっている日本。 



「現代日本では「いつでも好きなときに日本を捨てられる人、日本が破局的なことになっても少しも困らない人」が国内的な格付けでは最上位になっている」・・・「日本を捨てることができる能力を高く評価して、その人に日本はどうすればいいかを決定してもらおうというんですから」逆説的なことだ。 ・・・・ ホリエモンとか、IT長者もそうかな。



「現役の大阪市長が「こんな大阪でいいんですか!」と言っても誰も不思議に思わない」・・・皆、今あるものを壊すことには意見が一致している。  ・・・・  ほんとうに前大阪市長は、頭にくる。 お前の責任だろと、どうして大阪の人は言わないのか不思議でならない。



「別に、知的であることに価値を認めていない人間は、供述の前後の矛盾なんか指摘されても、痛くも痒くもない。」・・・・ 息を吐くように嘘をつく、安倍氏や橋下氏はヤクザと同じということか。 



「反知性主義というのは、ある意味で、一種の生存戦略でもあるわけですね。 今の日本政治の世界では、愚鈍化した方が強い。発言に論理性がないとか、エビデンスがないとか、首尾一貫性がないとか言うことは、政治の世界で勝ち残ることとは全然関係がない」












白井聡・内田樹「属国民主主義」( 東洋経済新報社 2016.7.21)
1. さらに属国化する日本の民主主義
2. 帝国化する国民国家と霊性
3. コスパ化する民主主義と消費社会
4. 進行する日本社会の幼稚化
5. 劣化する日本への処方箋












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