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zoom RSS ガブリエル・ガルシア=マルケス「族長の秋」・・・なんとも奇想天外な、しかし読みにくい小説

<<   作成日時 : 2016/08/29 06:56   >>

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ガルシア=マルケス氏が、何を言いたくてこんな小説を作ったのか、まったく想像の外だが、中米カリブ海を望む国の独裁大統領の孤独と悪行が延々と続く。 さらに、それを語る文章が、これもまたダラダラと延々と続く。 しかも、せりふが無く、地の文が、ただただ、延々と続く。 そのうえ誰が語っているのか、さっぽりわからないし、語り手がころころ変わってゆくのだ。 こんな小説の文章、はじめて読んだ。 なんとも読みにくい。 

人気のない腐臭が漂う大統領府に、「・・・われわれは勇気を奮い起して大統領府に押し入った・・・」ところから、物語は始まり、ハゲタカに食われた死体を発見、それが大統領かどうか定かではないにせよ、「われわれ」は大統領と理解し回顧談が始まるのだ。 

大統領は「百七歳から二百三十二歳」と考えられる老人に過ぎない。 前大統領が英国の圧力に抵抗し続け、自殺したあと、地方のボスに過ぎなかった大統領は軍から要請されて大統領となったのだ。 度重なる反大統領の動きは、徹底して弾圧した。 反乱兵をワニに食わせたり、「カリフラワーや月桂樹の葉で飾った銀のトレイに長ながと横たえられ、香辛料をたっぷりかけてオープンでこんがり焼きあげられた、かの有名なロドリゴ・デ・アギラル陸軍中将が現れた」りした。

ローマ教皇の使いを馬といっしょに崖から落としたり、教会関係者を裸でいかだにのせ、カリブ海に流したり、悪行は枚挙にいとまがない。 「悪夢の幻としてしか存在しないはずの美の女王の歓心を買うために、天文学者の手を借りて太陽系の動きを変えさせようとした、とか、年のせいで頭がぼけて、二千人の子供をセメントを満載した荷船に積み込むように命令し、ダイナマイトを使って沖で爆殺させた、とかいった話だ」

大統領は、追放した修道女のひとりを拉致して正妻にしたり、美人コンテストの優勝者を官邸につれてきて贅沢させたりしたが、結局はただ母親だけを慕っていた。 最後はただただ孤独に死んでゆく。 「これでは生きているとは言えない、ただ生き永らえているだけだ、どんなに長く有用な生も、ただ生きるすべを学ぶためのものに過ぎない、と悟ったときはもはや手遅れなのだと、やっと分かりかけてきたが、しかしそのために、いかに実りのない夢にみちた年月を重ねてきたことか。」

「われわれは充分に心得ていることだけれど、生はつかのまのほろ苦いものだが、しかしほかに生はないということを知るのが恐ろしかったからだ」









ガブリエル・ガルシア=マルケス「族長の秋」(集英社文庫2011.4.25)








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