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zoom RSS 福井健策「「ネットの自由」vs.著作権」

<<   作成日時 : 2016/10/25 15:47   >>

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2012年、民主党政権の頃の本だが、TPPの記事は現在でもまだ、たぶん有効だ。TPPの知財分野については、まだヴェールにかぶったままで、何の報道も無いからわからないのだ(私だけ?)。  4年前の時点でのネットの自由と著作権に関わる話題が、要領よくまとまっていて、たいへん勉強になる。

コンテンツ側の人は、海賊版と、ネットのフリーの動きと、ふたつの敵と戦っており、いきおい、著作権強化の動きが強まっている。 海賊版を載せたサイトを強制的に遮断する法律だとか、各国で模倣品・海賊版の拡散を防止するための立法化を促進する条約とか、海賊版ダウンロードの罰則強化とか、コンテンツ側の動きに、ネットは本来自由だと考えるグループが激しく対立している。 

米国は、ネットもそうだが、コンちょテンツ企業が強い国であって、 日米構造協議、年次改革要望書、日米経済調和対話などを通して、日本にも多くの要求を送り続けている。 TPPは、そのまとめのようなものであって、知財・著作権の一部が気に入らないからと言って、TPPをやめるのかという、脅しが効きやすい。 

TPPの要求は、リークによれば、以下のようなものだ。 ・・・  著作権保護期間の大幅延長、非親告罪化、法定賠償金、アクセスガードを含むDRMの単純回避規制、真正品の並行輸入に広範な禁止権、プロバイダー責任条項、商標権の拡張、特許権の拡張  

一言ずつトピックを追加すると、

・著作権保護期間の大幅延長・・・ミッキーマウスの著作権が大事な米国は70年に延長したが、カナダ、ニュージランドと共に、日本が50年の最後の砦

・非親告罪化・・・非親告罪化しても警察が細かい案件に手を入れるとは思えないが、暗黙の黙認によりパロディなど二次創作に伝統ある日本で、第三者通報なども、変わってゆくかもしれない。 フランスやスペインではパロディの例外規定がある。アメリカはフェアユースがある。

・法定賠償金・・・著作権の訴訟で勝っても賠償金は少なくペイしないが法定賠償金が制定されればペイして訴訟が増えるかも

・アクセスガードを含むDRMの単純回避規制・・・TPPでDRM回避への規制がさらに強まるなら、過度なDRMへの批判も同時に高まる。 私的コピーをどこまで、どの規模で許すかは一国のコンテンツ政策の根幹

・真正品の並行輸入に広範な禁止権・・・・2005年、音楽CDに対象を絞って並行輸入を権利者が禁止できる、輸入CD規制が導入されたが、それが広がるか

・プロバイダー責任条項・・・プロバイダーに、"Notice and Take Down"の方法で、権利者からのクレームですぐ削除するのが米国ルール、日本とは違う

・商標権の拡張・・・匂いや音まで拡張する?

・特許権の拡張 ・・・診断方法や治療方法まで拡張する? 患者を前にして特許権者の許可を必要とする? 臨床試験データも特許?   ジェネリックは作れなくなる?  



そのほか興味深い話題が満載だ。 

ディズニーは必ずアサインバックを求めてくる  ・・・・  「ダウンロード刑罰化」は、もう成立している ・・・・  TPPで海外の海賊版対策をやるなら、中国が加入しないと意味ない  ・・・ 著作権は「無方式主義」だから「偶然の符合」があるが、商標は似たものを偶然使っても商標権侵害になる ・・・ ボーカロイド(ボカロ)動画の雄、クリプトン・フューチャー・メディアは、初音ミクの利用を一般に許可した  ・・・・ CC クリエイティブ・コモンズが最も有名なパブリック・ライセンス ・・・・  米国は他国に絶対にフェアユースを輸出しない  ・・・ 政策をいったん国外に出して、外交要求の形で逆輸入することで国内の批判をかわすポリシーロンダリング ・・・・ 交渉は秘密なのに、米国のTPPアドバイザーは600名も各業界の代表が参加している 







福井健策「「ネットの自由」vs.著作権」(光文社新書2012.9.20)

第1章 「SOPAの息子たち」
1.1 ネットを黒く塗れ
1.2 欧州で燃え上がった反ACTAと「ネットの自由」
1.3 知財で激しく対立するTPP
1.4 TPP知財文書、流出する
第2章 TPPの米国知財条項を検証する
2.1  要求@:著作権保護期間の大幅延長
2.2 要求A:非親告罪化
2.3 要求B:法定賠償金
2.4 要求C:アクセスガードを含むDRMの単純回避規制
2.5 要求D:真正品の並行輸入に広範な禁止権
2.6 要求E:プロバイダー責任条項
2.7 要求F:商標権の拡張
2.8 要求8:特許権の拡張
第3章 最適の知財バランスを求めて
3.1 ネットを治めるのはどの国の法律なのか
3.2 TPPが突きつけた「知財ルールの統一化」と「アメリカ化」
3.3 拡大する「フリー」と著作権の対立
3.4 「オープン・クローズ」のサイクルと、変化する収益モデル
3.5 二次創作大国・日本とグレー領域の「見える化」
3.6 著作権の正解は創作モデル・収益モデルによって変わる
第4章 情報と知財のルールを作るのは誰なのか
4.1 法律−機能不全に陥る著作権法、「著作権ムラ」批判と議員立法
4.2 条約−「ポリシーロンダリング」の誘惑
4.3 ネットの意志−「海賊党」が国会に議席を獲得する日
4.4 新たな立法者−プラットフォームたち
4.5 まとめ−力の均衡による統治へ

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