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zoom RSS 中島京子「彼女に関する十二章」

<<   作成日時 : 2016/11/17 08:07   >>

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伊藤整の「女性に関する十二章」と同じ章立てである。 伊藤整が男の視点から女性一般をエッセイとして語ったのに対し、中島京子氏は、50歳になった主婦聖子の日常に起った小さな出来事を通して、彼女聖子の想いと男性を語っている。それも、伊藤整のエッセイをフィクションの中に素材としても取り入れていて、妙な、入り組んだ構成になっている。

編集者である夫が顧客企業のPR誌を創刊するにあたって求められたのは、伊藤整のエッセイを自分勝手に解釈したらしい会長が「女は大人しく家に〜」風のひどく古めかしい女性論を書けという。

そんな時代がかった女性論など掛けないと、さすがに悩んだ夫は妻に相談しつつ、伊藤整のエッセイを読み進めるのだ。 聖子の周辺には、占い師が占ったように、いろいろなできごとが続く。中学生時代の初恋相手の息子から父親が亡くなり、あなた宛に送ろうとした写真があると知らせてきたり、会ってみたらその息子がかなりのイケメンで、意味なくときめいたり、アルバイト先に現れた元ホームレスのおじさんから好意をしめされたり、息子になんとも予想外不本意な見かけの彼女ができてなんとなく不満だったり・・・。

婦人公論に連載されていた、主婦向けの、軽い読み物といった感じだが、なかなかどうして、興味深い言葉が結構ちりばめられている。 

たとえば、

「<他人のために自分のエゴを否定する>型の愛というのはしばしば、・・・強い者から弱い者へと押しつけられるらしい」 ・・・  「「主たるものの為に、主でないもののエゴを殺すことが日本の社会通念でありました」と、ベストセラー作家は書く」

「この作家が言いたかったのは・・・いつだって日本で「軍事化」が進められるときには、日本的情緒が引っぱりだされるってことだ」

「マーガレット・ミッチェルの「明日は明日の風が吹く」とか、聖書の「明日のことを思い煩うな。今日の苦労は今日一日にて足れり」とか、内田百閧フ「明日できることは、明日やった方がいい」とか・・・」 いまは、寝るのが一番・・・





中島京子「彼女に関する十二章」(中央公論新社2016.4.10)
(「女性に関する十二章」)
第一章 結婚と幸福
第二章 男性の姿形(女性の姿形)
第三章 哀れなる男性
第四章 妻は世間の代表者
第五章 五十歩と百歩
第六章 愛とは何か
第七章 正義と愛情
第八章 苦悩について
第九章 情緒について
第十章 生命の意識
第十一章 家庭とは何か
第十二章 この世は生きるに値するか
()内は伊藤整の本のタイトル


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