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zoom RSS 馬立誠「憎しみに未来はない 中日関係新思考」

<<   作成日時 : 2017/01/22 18:26   >>

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2002年末に人民日報の解説委員?である馬立誠氏が雑誌に投稿した論文は、中日関係に対する「新思考」を提案し、大変な論議をよんだ。 賛同も少なくなかったが、「売国奴のイヌ、民族のクズ、ブタやイヌにも劣る、口から出まかせ、恥知らず、バカ野郎、人間のクズ」など、ネットを始め、非難の嵐が巻き起こったという。 日本のネトウヨとおんなじだ。

新思考の要旨は、日本の考え方が、今以上に後退しない限り、歴史認識を非難し続けるのでなく、日本が普通の軍事大国になっても、以前のような軍国主義に陥らない限りは、日本を認め、日中の一層の緊密化を目指す方が、中国にとっても、東アジアにとっても良いという主張だ。 馬氏は、その後も一貫して主張し続け、この本を著したのが2013年である。

ただ、本土ではなく、香港の出版社だったのが、その限界を示している。

昨今の日本の状況をみると、私には、正直言って、馬氏は、ちょっと認識が甘いのではないかと思うが、中日ともにこのような新思考が普及できたら、どんなにいいかとも思う。

1972年の共同声明では、「日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」と明記されているが、これを含め、日本側は25回おわびをしていると馬氏は言う。ただ、中国でおわびといえば、過ちを認めるという意味だが、日本では、迷惑をかけた、反省する、謝罪する、の3種類あって、そのなかで、ほとんど、反省という表現でしかなく、深いおわびではない。 それでも、おわびにはちがいなく、最終的には、中国側の寛容が必要だと言っている。 

大事なことは、中日両国が、戦略的互恵関係を強固なものとすることであって、毛沢東、周恩来、ケ小平と、恩讐をのりこえ、領土問題を棚上げしてきた。 その路線を続けるべきだという。 中日が反目することで漁夫の利を得るのは米国なのだと。 そして、中日が戦争を始めたら、どちらも負けなのだと。

だからといって、馬氏は、石原慎太郎などの日本右翼に甘いわけではない。謝罪は要らないといっているわけではない。歴史を修正することを許すわけではない。 つまり、大所高所からの判断をしようということだ。 ネット右翼などの愚かなナショナリズム、偽の愛国主義を排して、前を向いてアジアで共に栄えようと言っている。

不思議なことに、第一次安倍政権のときに、戦略的互恵関係が話題に登り始め、中日の「氷が砕かれ」た。 

温家宝の訪日の成功で「氷が溶け」、四川大地震、東日本大地震の相互協力や日本人の姿にうたれた中国人の増加などで、春がやってくるかに見えた途端、石原慎太郎と野田政権の尖閣問題で、一気に一触即発の関係に逆戻りしてしまった。 

これは私見にすぎないが、愚かな石原は米国軍事産業の策略に乗ったという噂に真実味があるし、あのとき野田のバカでなければ、こんな事態になっていなかったと、私は確信している。


馬立誠「憎しみに未来はない 中日関係新思考」(岩波書店 2014.1.28)
第1章 驚天動地
第2章 「対日関係の新思考」とはいったいどのような文章か
第3章 新思考はケ小平と胡耀邦の対日観から生まれた
第4章 我が道は独りではない
第5章 感情を政策に置き換えてはならない
第6章 愛国を看板にするな
第7章 日本を寛大に許せば民族の裏切り者になるのか
第8章 理性は妄動を抑制する
第9章 「氷を砕く」から「暖かい春」まで
第10章 日本政府は25回おわびした
第11章 3.11大地震が両国の距離を引きよせた
第12章 釣魚島騒動の本質とは何か
第13章 中日は一戦交えるか
第14章 憎しみに未来はない


そのほか、興味を引いたところを引用しておく

「「謝罪を越えて」というのは、謝罪と反省の上に前向きになって、今後の二国間関係の発展に力を尽くすという意味だ。「謝罪しなくていい」というのは、歴史の犯罪行為を認めないということだ。どうしてそんなことができるだろうか」


1979年から2006年6月までに、日本政府が中国に提供した借款は累計三兆2078.54億円に及び、これは約300億ドルに相当する。「ある意味で言えば、中国が日本への戦争賠償請求を放棄したことに対する日本からの答えでもある」


「文字の獄」を作りだす卑劣なやり口・・・「中には、ちょっとした官職にでも就けたらと考えて、越権行為をし始める人もいる。最もよく見かけるのは、話にならないような見識や物差しで勝手に判断し、自分の物差しに合わないあらゆる言論について、掃討すべき異端の邪説だと宣言することだ。 それよりさらに劣るのは、勝手に知り様を捏造して無実の人を罪に陥れ、甚だしきに至っては自分が好ましく思わない人を監獄に送ってしまおうと企む。 それらの目的はすべて、忠誠な思想の護衛であるかのように自分を飾り立て、指導者に媚びへつらい、国民を愚弄し、弱者を侮辱し、派手に立ち回って、個人の利益を獲得しようと謀るためだ。 このような人が、なんと愛国主義の模範を気取っているとは、あまりにも滑稽すぎるではないか」


「中国と日本のどちらも地域の強国となったが、これは歴史上いまだかつてなかった」


「深い次元で言えば、釣魚島をめぐる紛争の背後は、中日両国がアジアの主導権を奪い合うゲームであり、これこそが釣魚島をめぐる紛争の本質なのだ」


. 9. 28 「「領土問題」の悪循環を止めよう 日本市民のアピール」大江健三郎
https://peace3appeal.jimdo.com/ 



メールマガジン「オルタ」福岡愛子


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