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zoom RSS 安田浩一「沖縄の新聞は本当に「偏向」しているのか」

<<   作成日時 : 2017/01/02 19:21   >>

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「琉球新報」と「沖縄タイムス」は、偏向しているから潰せと、自民党議員の勉強会で百田尚樹氏が語ったという。 抗議に対して、相変わらず冗談だと逃げたようだが、安田氏は、激しく、かつ真面目に、反発、対応し、沖縄二紙の実態を二紙の記者や周辺を取材することによって、あきらかにしてゆく。

「噂の真相」元編集長岡留安則氏は沖縄に移住している。 彼が言う。 「地元に寄り添い、地元の感情を代弁していくのが地方紙の役割であるのならば、沖縄の2紙はそれを忠実に守っているだけの話ではないのか」。 だから、 「沖縄紙の”特殊性”というものがあるとすれば、まさにそうした切実な人権感覚を挙げることができるかもしれない。 それが、「本土」からはときに「偏向」だと指摘される。つまり”特殊”なのは新聞ではなく、沖縄の置かれた状況なのだ」

2紙の記者や沖縄の人々の主張は、要約すれば、沖縄で生活すれば基地の存在に嫌でもぶち当らざるを得ないし、本土の理解がないこと、不公平で人権の問題、差別の問題なのだということ、そして、沖縄の人々は沖縄戦の記憶から戦争反対の強い意識があるということだ。

「米本土では安全基準に満たず、運用停止になってもおかしくない普天間基地が存在し、やはり米国ではできない訓練が沖縄で実施されている。しかもそれを日本政府も追認しているのですから、”命の二重基準”がまかり通っているわけですよ。 つまり、沖縄県民の命は軽視されている。 これが差別でなければなんというのか」

「一方に大きな権力を持つ者たちがいる。 もう一方に基本的な人権すら奪われたものたちがいる・ その不均衡をメディアはどう報ずるべきなのか。 そのとき、権力と一体化して奪われたものたちを批判するのであれば、それこそ恥ずべき偏向だと思うんですよ」

ヘイトスピーチを告発し続けている安田氏だから、"差別"や"人権"に焦点を当てているわけではない。 しかし、安田氏ならではの視点もある。

 「批判者は「差別される側の問題点をなぜに書かないのか」「差別している側の主張にも耳を傾けよ」と迫ってくるのだ。 バカバカしい。不平等な状態であることが問題であるのに、なぜに差別される側と差別する側を同等に扱わなければいけないのか。」

沖縄人が百田発言で一番許せないのは、田んぼの真ん中に作った基地のまわりに人が集まって来たという認識だ。 デマにも程がある。

 「そもそも沖縄が望んで米軍基地を誘致したわけでも何でもない。 よく言われているように、”銃剣とブルドーザー”で土地を奪って基地がつくられた。 そうであるのに、”沖縄は基地で食っている”なんて物言いが飛び出すところに、誤解と言うよりも、沖縄への蔑視が感じられます」

だいたい、戦後すぐの時期は、確かに基地経済に依存している時期もあったし、米軍が各地域に割り当てて労働力を集めた。 しかし、いま、 「沖縄経済の市場規模は年間4兆円。 そのうち、基地関連収入は約二千億円で」、5%に過ぎない。 基地がない方が、観光投資を呼び込めるのだ。 

メディアは公平性のために両論併記しろという声がある。   しかし、  「両論併記で賛否を5対5で掲載するのであれば、せめて基地負担だって5対5であるべきです。 不平等や不均衡を放置しておきながら、一方の側にのみ公平を押しつけるなど、傲慢もいいところです」 と、反論する。 



安田浩一「沖縄の新聞は本当に「偏向」しているのか」(朝日新聞出版 2016.6.30)
第1章 沖縄に向けられる差別の視線
第2章 捨て石にされ、主権を奪われ続ける島
第3章 沖縄と地元紙がたどった軌跡
第4章 ないがしろにされる自己決定権
第5章 「キチタン」記者と権力との攻防
第6章 地元保守による新報・タイムス批判
第7章 歴史の視座から見えてくる沖縄問題


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