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zoom RSS 笙野頼子「ひょうすべの国」衝撃的な反TPPファンタジー

<<   作成日時 : 2017/03/15 08:09   >>

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なんとも不思議な小説だ。政治的な危機感から描かれたらしい、TPP批准後の世界を、これほど鋭い切り口で、しかし、極端なファンタジーとして構築するなんて・・・物語の内容はまったく理解できないけれども、筆者の危機感だけは伝わってくる。

「ひょうすべ」の意味は一応説明しているのだけれど、何度読み返してもわからない。米国グローバル企業を代表とする、金の精、つまり化けものである。 

「ひょうすべ」に支配されている「にっほん」国は、「ひょうすべ」から徹底して搾取され、貧民だらけの人喰いの国で、そのうえ男尊女卑の徹底した社会であって、女はみな売り飛ばされている。それに反旗を翻しているのは、自治国「ウラミズモ」国であって、そこでは男は保護地という名の収容所に入れられ女が全権を支配している女人の国。にっほん国からは蔑まれている。 

主人公は殖輪詩歌、火星人だって。寓話なのか、本気なのかもよくわからない。ここに出てくる団体が、実際の組織を抽象化しているのか、全くの創作かも測りがたい。



さすがに、日本社会はよくわかっている。

「こうして、世の中の九十九パーは貧乏になり不機嫌になり、ケチになった。 そして外国人が悪いって言い始めた。ていうかゴーマニズムだとかネトウヨが吹きこんだ。でもこれは信じる側も悪いんだよね? だってここ嫌な国だもん、昔っから。何かまずいことが起こると、かならず「ヨソ」から「犯人」を捜し出す、でもそれは政府や世界企業の失態をごまかすため。 自分で自分をごまかしてまで、権力を庇うんだ。権力さえ庇っておけば助けてくれると思って。いつからって? うーん? ずーっと前から?」

とか、

「そうそう、「物分かりがいい」んだよね、さあカギカッコ外す、「物分かりがいい」、それは腐敗にも暴力装置にも絶対逆らわない、と変換して正解」 とか・・


TPPについては、堤未果氏や山田正彦氏の本を参考にしているようだ。

「あの時・・・国連の専門家は人喰い条約をやめろって十二か国全部に、勧告を出した。どの国の国民も米の大統領候補全部も反対を唱えていた。その中で、にっほん人だけはにこにこして黙っていた。児童虐待好きで難民嫌い、人喰い常連の政府は走りまわって、調整してまで、この年寄りを煮て食おうとしていたわけだ」

そして、絶望的。

「かつて難民を助けようともしなかったこの国家から、政府と大企業だけが外国に移転され、生き延びるでしょう。彼らは安全な先進国に暫定政府を置き、そこからだいにっほんの生きた少女を売りつづけます。そしてあなたの国土とだいにっほん政府は昔と変わらず、実に何の関係もないまま、売られ、売り飛ばされるだけの時間軸をたどるのです。
そうです、今からにっほんは、世界企業によつて核廃棄物の置き場にされるのです。」



筆者は後書きで、自分は私小説・SF作家で社会性がないと批判されているが、何十年も前から変わらない、時代のほうが追いついてきてしまった(という言葉は使っていないが内容はそういう事)と懸念し、特区・緩和・民営化は死神ワードだと語る。(全く賛成)



笙野頼子「ひょうすべの国」(河出書房新社2016.11.30)
ご挨拶
1. こんにちは、これが、ひょうすべ、です
2. ひょうすべの約束
3. おばあちゃんのシラバス
4. 人喰いの国
5. 埴輪家の遺産
6. ひょうすべの菓子
7. ひょうすべの嫁
後書き

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