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zoom RSS 松本直樹「神話で読みとく古代日本―古事記・日本書紀・風土記」

<<   作成日時 : 2017/03/08 07:55   >>

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国家神道・古来からの神道・古来からの日本なるものを、いつかキチンと勉強したいと思っている。

「神話で読みとく古代日本」という題はとっかかりとして、その興味にうってつけに思えた。 しかし、古代日本についてはあまり解説はなかった。 その代わりに、所謂「記紀神話」の「読み方」については、かなり詳しく説明されている。 しかし、それも、決して網羅的でなく、筆者の考えるポイントに集中している様に思える。

筆者は古事記・日本書紀は、大和政権が国の正当性を主張するために新たにつくりだした歴史であって、そこの神代の章に神話を取り入れたもの、そういう意味で政治的な建国神話をカッコつきの<神話>と表現している。

一方、古来から土地の住民に語り続けられたものをほんとうの神話と表現している。

古事記・日本書紀は、新たに作りだした<神話>に、人々が受け入れやすい「神話力」を強化するため、直接話の本流から外れることがあっても、神話をとりいれたのではないかと考察している。 

出雲の神話は、その代表だということだ。 

「新しい<神話>は、地方の神話、民衆の神話がもつ「神話力」を利用しながら創作されたに違いない」

出雲の国を作ったオホナムチはスサノヲの娘スセリビメと結婚し、スサノヲの指導のもとに、「八十神」などを撃退し、国を広め、オホクニヌシとなったが、決して倭の国まで広げられたわけではない。あくまで倭の国の本流はアマテラスであるし、アマテラスから放逐されたスサノヲの流れに倭の国を渡すことはできない。 しかし、オホクニヌシの国作りに乗っかったことが正当性を増すと言うのである。

さらに正当性を強化するために、古事記では、「別天つ神」を設定している。 高天原の別天つ神は、絶対神であって、イザナキ・イザナミに国作りを命じ、その子のアマテラス、ツクヨミ、スサノヲに伝えられていったという、アマテラスの正当性強化である。

筆者の主張を正しく読みとったかどうかは自信はないし、それが正しい論なのかは判断できるわけもない。 ただ、筆者が協調したいのは、そのポイントのようで、このあたりは詳しく解説されているが、それ以外は、筆者はあまり広く語っていない。

アマテラスから神武天皇への経路をもうすこし語ってほしかったが、そのあたりは古事記・日本書紀は詳しく記されていないのだろうか。 読んだ記憶のない私にはわからない。

「大和王権は、中国の歴代王朝による冊封から抜け出して、みずから東アジアの小帝国であるという主張をもっていた」、「推古天皇は自らを「日出る処の天子」と称し、隋の皇帝と対等な地位を主張した」、「孝徳天皇の時代に「大化」という独自の年号を持った」、「天武から持統天皇の時代にかけて「天皇」「日本」という称号・国号を定めたことも、中国に学びながら自前の(律令)を定めたことも、そうした大和王権の思惑を反映したものである」そうだ。

別の書籍で聞いた話だが、白村江の戦いで、唐・新羅連合軍に敗れた倭は、急遽国内体制を強化し、倭はなくなって、日本という新しい国になりましたと唐に説明に行ったらしい。 その権威づけに国の歴史書が必要となり、古事記・日本書紀を作ったともいう。

そのあたりの古代日本について、もうすこし知りたい。



松本直樹「神話で読みとく古代日本―古事記・日本書紀・風土記」(ちくま新書 2016.6.10)
序章 <神話>と国家
第T部 <建国神話>の形成
第1章 神話から<神話>へ
1. 新しい<神話>の作り方
2. 民間神話の痕跡を探る
第2章 利用された出雲の神々
1. 作られたスサノヲ像
2. 作られたオホクニヌシ
第3章 隠された司令神
1. 「別天つ神」 ― アマテラスより偉い神がいた
2. <建国神話>の形成
第U部 記・紀の<神話>をどう読むか
第4章 <神話>は読めるか―記紀以降の<神話>作り
1. 再生産された<神話>
第5章 古事記の<神話>をどう読むか
1. <記紀神話>の有効性
2. 古事記の<神話>をどう読むか
第6章 日本書紀の<神話>をどう読むか
1. 問題のありか
2. 貫徹しない国作りの理念
3. <建国神話>の統合
4. 日本書紀の<神話>をどう読むか
第V部 出雲が「日本」になった日
第7章 <出雲神話>の再構築
1. 出雲国風土記の成立
2. 出雲と中央−神と神話の往来
3. 出雲神話世界の再構築
4. ヲロチ退治はなぜ風土記にないのか
5. 出雲が「日本」になった日
終章 モノを祭る王の<神話>作り

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