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zoom RSS エマニュエル・トッド「問題は英国ではない、EUなのだ」

<<   作成日時 : 2017/06/19 19:08   >>

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サッチャーとレーガンから始まった新自由主義とグローバリズムが終わりを迎えている。うまく終わるか、破壊だけか、それはわからない。イギリスのEU離脱は、その先駆けだとトッド氏は歓迎するかのようだ。移民の問題よりも、イギリスの選択は議会の主権の問題だったと。 トッド氏は、グローバリゼーション・ファティーグ(疲労)という言葉で、先進各国のグローバリゼーションから国家、ネイションへの回帰という変遷を表現している。経済だけで語るなとスティグリッツやクルーグマンなどの経済学者にも注文を付けている。

トッド氏は、「イギリスには、常にウィンストン・チャーチル、あるいはボリス・ジョンソンのような政治家が体制内にいます。 フランスにとって大いに問題なのは、エスタブリッシュメントの中から、大衆の利益を敢えて引き受けるエリート少数派がでてこないことです」と、フランスの目覚めがないことを憂いている。


エマニュエル・トッド氏の家族構造と人口に関わる歴史観はいつもながらユニークで、なんとなく反論し難い説得力がある。 そういう視点で、各国を語っていておもしろい。
・西側文明に近いのはイランのシーア派であって、米英はサウジアラビアと組むのは間違いだと、そのサウジアラビアの出生率は低下しつづけ、早晩崩壊すると予言している。なにしろ、ソ連の崩壊を人口学的に予言した人だから、当たるかもしれない。

 ・ 自分が日本人だったら、イランと良好な関係を築くと。
 ・ 「トルコとサウジアラビアが不安定の極みであるのに対し、イランとロシアが安定の極です」
 ・ 中国は帝国ではない。男女の出生率のアンバランスは今後の懸念
 ・・・とかとか。


「あえて言えば、「歴史は目に見えるものではない」というのが、歴史家としての私の確信です。乳児死亡率も、出生率も、識字率も、目に見えるものではありません。歴史の趨勢を教えてくれるのは、むしろそうした数値なのです」

最後にびっくりしたことがある。トッド氏の祖父は、あのポール・ニザンだった。


追記として、ドイツに関するコメントをいくつか挙げておこう。
他の本にもあったかもしれないが・・・・・。

「客観的な比較をすれば、本当に異質な国は、イギリスではなく、少子化で若者が減少し、人口減少で家賃が下がり、左右の政治勢力が構造的に一体を成し、社会的に権威主義が支配する国、すなわちドイツです。イギリスではありません」

「フランスの「反米」は、ドイツの「反米」に比べれば、冗談のたぐいにすぎません。 私見によればドイツ人は、第二次世界大戦における米国の勝利を正統なものとみなしていません」

「フランスのエリートのドイツに対する本当の感情はというと、それは恐怖なのです」

「ヨーロッパとは何か? ヨーロッパとはドイツを怖がるすべての国民の連合だ。・・・・そして、この定義はドイツ人も含む」

ドイツは人口構成が不均衡で、「ドイツ経済の建て直しのために、失業に悩むスペイン、イタリア、ギリシャ、そしていずれはフランスの熟練労働者の若年層を取り込もうとする夢想までが見えてくる・・・そうした若者の母国は、ドイツによって強いられている緊縮経済政策によって大いに疲弊しているわけですが、ドイツはさらに中東から単純労働者まで引き入れているのです」

メルケルの難民受け入れは、「倫理的には立派で、経済的には合理的、しかしながら、人類学者の観点から附言すれば、非現実的で非合理的なのです」





エマニュエル・トッド「問題は英国ではない、EUなのだ」(文春新書 2016.9.20)

1. なぜ英国はEU離脱を選んだのか?
2. 「グローバリゼーション・ファティーグ」と英国の「目覚め」
3. トッドの歴史の方法 – 予言はいかにして可能なのか
4. 人口学から見た2030年の世界
5. 中国の未来を「予言」する ― 幻想の大国を恐れるな
6. パリ同時多発テロについて ― 世界の敵はイスラム恐怖症だ
7. 宗教的危機とヨーロッパの近代史






















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