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zoom RSS 一ノ瀬俊也「日本軍と日本兵 米軍報告書は語る」

<<   作成日時 : 2017/08/11 06:16   >>

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日本軍、日本兵とはいかなるものだったのかを、交戦の都度米軍が報告し、それをもとに解説、対処法など広報として書かれたIntelligent Bulletin (IB) から、米軍の見方をとおして知る。

IBは、日本軍の作戦など冷静に分析評価して対処が必要であればそれをわかりやすく説明している。開戦直後は、日本軍の夜襲など恐れた米兵は、日本兵を「超人」視していたらしい。 

「日本軍兵士最大の弱点は、予期せざる事態にうまく対処できないことだ。 彼は戦闘機械の優秀な歯車であり、決められた計画を細部まで実行することはできるが、急速に変化する状況に対処する才覚も準備もない」・・「この生来の弱点は、自由な思考や個人の自発性を厳しく退け、管理されてきた人生と、少なくとも部分的には関係がある」

日本軍には、万歳突撃など非合理なイメージがあるが、筆者はIBの分析をもとに、かならずしも非合理とばかり言えないと語る。 たとえば、対戦車に有効な火力がない日本軍にあって戦車を潰さない限り勝利はないのだから兵士の肉迫攻撃が合理的なのかもしれないと。

それに、日本軍の防御は穴掘りに徹しているが、それも、ルソン島、硫黄島、沖縄と、少しずつ改良進歩していると、米軍はきちんとみている。 必ずしも、ワンパターンではないのだ。 

さらに意外だったのは、「米陸軍広報誌IBの描いた日本兵たちの多くは「ファナティック」な「超人」などではなく、アメリカ文化が好きで、中には怠け者もいて、宣伝の工夫次第では投稿させることもできるごく平凡な人々である」と。 そして、「少なくとも1942〜43年ころの日本軍将兵が降伏を拒否したのは、プロパガンダによる虐待への恐怖心よりもむしろ、自分や家族が被るであろう社会的迫害へのそれが主たる理由だったのではないだろうか」、故郷の家族が村八分とされることの恐怖である。 

まるで日本軍兵士に同情の目を向けているかのようなのは、ガダルカナルの日本軍兵士の死亡原因について的確に見ている点だ。 日米の勝負の差は医療の差だった。 「患者に対する日本軍の典型的な態度は西洋人には理解しがたいものがある。敵は明らかに個人をまったく尊重していない」とIBは論評している。

「「死ぬまで戦え」という軍の教えを自ら実行した死者には実に「丁重」だが、生きて苦しんでいる傷病者への待遇は劣悪で、撤退時には敵の捕虜にならないよう自決を強要している」

つまり、「日本兵にとって戦友の命は軽いものだと米軍は判断した」そうだが、戦友は大事だというイメージと随分違う見方だ。 ノモンハンやインパールの記録を見ても、確かに、傷ついた戦友を助けに行くシーンはあまりみない。  







一ノ瀬俊也「日本軍と日本兵 米軍報告書は語る」(講談社現代新書 2014.1.20)

第一章 「日本兵」とは何だろうか
第二章 日本兵の精神
第三章 戦争前半の日本軍に対する評価 ガダルカナル・ニューギニア・アッツ
第四章 戦争後半の日本軍に対する評価 レイテから本土決戦まで



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