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zoom RSS 藤田孝典「下流老人」

<<   作成日時 : 2017/10/22 10:03   >>

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ソーシャルワーカーとして活動している藤田孝典氏は、「活動しても活動しても、新しい困窮者が湯水のように溢れてきている」と述懐している。 「下流老人」は増続けているということだ。 

「下流老人」のなかに、 「あまりの空腹に、道端の草を食べて飢えをしのぐ」人もいる。 「これは遠い国の話でも、昔の日本の話でもない。現在の日本の首都圏で実際に起き」ていることなのだ。 

等価可処分所得の中央値の半分未満が貧困状態と定義され、2013年国民生活基礎調査では、一人暮らしでは122万円未満、二人世帯では約170万円未満・・・の世帯で、65歳以上の相対的貧困率は22.0%、高齢女性のみの世帯でなんと52.3%もある。 つまり、いまや、ほとんどの人がなり得るのだ。

下流へ陥るパターンには、次のようなものがある。 
1. 病気や事故による高額な医療費の支払いで貯金がなくなる
2. もともと少ない低額の高齢者介護施設に入居できず生活困難に
3. 子どもがワーキングプアや引きこもりで親に寄りかかり、年金では足りなくなる
4. 増加する熟年離婚で年金が分割され、生活経験に欠ける男が生活困難となる
5. 認知症でも周りに頼れる家族がいない

年金の減少、中流でもないのに中流意識だけ残って生活を切り詰められない、4割の世帯は老後の資金がない、年収400万円以下は下流に陥る、非正規は正規の三分の一の収入で下流に直結、未婚率増加(男は五人に一人、女は十人に一人)で独居老人予備軍の増大・・・・と、今後も、さらに増える見通しだ。 


しかし、ただでさえ貧困対策は貧弱なのに、下流老人は、自分から声を上げないから見えにくい。  

問題は、日本の社会保障制度は申請主義であることも大きい。 「ほとんどの高齢者が、選択肢があることすら知らない」。 「申請主義の本質は社会福祉制度の利用抑制にあると指摘する専門家もいる」。 「生活保護に対する偏見や差別、無理解は、こうした行政の「言わなければ何も教えないし、助けない」というスタンスが招いている」と批判する。 

生活保護受給者批判の急先鋒である片山さつき氏は、「生活保護を受けることが恥ずかしいと思わなくなったらよくない」というが、筆者は「単なる社会保障制度を利用することに、なぜ恥ずかしいと感じる必要があるのだろうか」と、疑問を呈する。 片山氏は、たぶん、人権を否定し、未だにオカミによる恩恵意識があるのだろう。
 
特に、下流老人は、生活保護の申請を恥ずかしいと思う。 それもあって、生活保護の「現在の捕捉率は概ね15〜30%前後であると言われている」が、日本以外では、「ドイツでは64.6%、フランスでは91.6%であり、日本とは比較にならないくらい多くの人々が、ごく当たり前に生活保護を受けている」。 

「下流老人を含めた貧困も「自己責任だ」で片づけられ、社会的な解決策を講じることを否定する人は、周囲にたくさんいる」ことも、捕捉率の低い理由である。 

筆者は、税金の本質とからめて、こう主張する。 「端的に言えば税金とは、「国民の「健康で豊かな生活」を実現するために、国や地方公共団体が行う活動の財源となるもの」である。 それに照らせば、生活保護による国民の救済は、まさに税金の使い道として本義といえよう。先にあげたような思考は、応益課税方式の逆転的発想といえる。税による公共サービスを消費活動と同じ次元で捉えているため、どうしても資本主義的な自己責任論が出てきてしまう」

筆者は、現在の制度やシステムの問題点として、
・家族は崩壊しているのに家族扶助を前提とした、少なすぎる年金
・給与は下がり続けるから一定の貯蓄・資産を形成できない
・首都圏の公営住宅の当選倍率は、30倍から800倍だから、高額の民間賃貸に頼らざるを得ない
・「人間関係の貧富の差」が幸不幸を決める。、関係性の貧困で孤立してしまう
・生活保護基準は年々引き下げられ、「国が「それはまだ貧困ではない」と決めれば、救う必要がなくなる」
・生活保護に対する知識が伝えられてない、例えば、住民票がなくても申請可能だし、賃金や年金、援助を受けていても、生活保護は利用できる、生活に利用している土地や家屋などを手放す必要はない
・「「社会保障を受けることは権利である」ということは、学説上も揺るがない」







藤田孝典「下流老人」(朝日新書 2015.6.30)
はじめに
第1章 下流老人とは何か
第2章 下流老人の現実
第3章 誰もがなり得る下流老人
現状編
近い未来編
第4章 「努力論」「自己責任論」があなたを殺す日
第5章 制度疲労と無策が生む下流老人
第6章 自分でできる自己防衛策
第7章 一億総老後崩壊を防ぐために
おわりに





下流老人 一億総老後崩壊の衝撃 (朝日新書)
朝日新聞出版
藤田孝典

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