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zoom RSS テジュ・コール「オープン・シティ」

<<   作成日時 : 2017/12/27 09:42   >>

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ミシガン州生まれだが、ナイジェリアで幼少期を過ごした作家テジュ・コール氏の、思索に富んだ随想集といった趣のフィクションなのだろう。 主人公は、ジュリアスという名の精神科医だから、テジュ・コール氏ではない。 しかし、ジュリアスが、ニューヨークの街を歩きながら、たどる記憶や思索、出来事に交友、語られるそれらの多くは、おそらくコール氏の実体験ではないのだろうか。 だから、妙な作品なのだ。 ほぼエッセイと言ってもいいような気もする。


ただ、ジュリアスだか、コール氏だか、その趣味や教養があまりに高尚?で、近づきがたいのだ。

ムンカッチの写真展でドイツの元首相の写真に吐き気がしたり、ベルリンフィルのマーラーの第九番に感動したり ・・・ ちょっと、散歩の随想にしては、教養人過ぎる。

その割に、なんだか怪しい側面もある。 



ニューヨークやブラッセルの都市の歴史に興味ある人には、なかなか別の意味で貴重な話に出会えるかもしれない。  自由の女神像が、昔、灯台だったとか、実際、そこで松明を燃やしていたせいで、多くの鳥がゾウに立って死んだなんて・・・・。

ブラッセルはオープン・シティの宣言をしたから、つまり、無防備都市だったから、ドレスデンのように破壊されずに済んだのだ・・・とか。 

ワールド・トレード・センターができる前は、賑やかな通りが入り組んでいたのに、建設地として場所を明け渡し、人々の記憶から消えたのだ ・・・・ とかとか。



そして、随想のそこそこにうかがわれる、死の影や、過去の記憶。
 
ナイジェリアから出国したときの、哀しくも勇気のある行動の記憶、もう、森に帰るころだと語る恩師サイトウ教授の死、死と生の二つの影が、知らぬ間に死の影だけになってゆく。 そして恋人だったナデージュの記憶、しかし、別れは判然としない ・・・・ 


いい本だが、この本の良さに浸るには、かなりの心のゆとりがないとむずかしいね。



テジュ・コール「オープン・シティ」(新潮社2017.7.30)
第一部
第二部




オープン・シティ (新潮クレスト・ブックス)
新潮社
テジュ コール

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