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zoom RSS 上野千鶴子・雨宮処凛「世代の痛み 団塊ジュニアから団塊への質問状」

<<   作成日時 : 2018/01/01 14:37   >>

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雨宮処凛氏は、団塊世代の両親のもとで1975年に生まれている。 上野千鶴子氏は、1948年生まれだから、まさに団塊の世代だ。  このふたりが、それぞれの世代の平均像を代表するとはとても思えないが、ひとつの切り口にはなり得る。

上野千鶴子氏は、左翼活動家の中にある女性差別に幻滅して、もう男とは一緒にやらないと、長らくフェミニストの活動を主導してきた。 かなり草の根の活動も地道にしていたが、なんと雨宮氏は、フェミニストの活動について全く知らないと言って上野氏をひどくがっかりさせる。 

雨宮氏の世代は全く就職氷河期で、ロクな就職はできず、フリーターとして生きるしかなく、ひどい労働環境、男女格差、低収入、貧困状態にあっても、自己責任の風潮で怒ることもできず、サブカルのひとつとして右翼の活動にのめりこんでいったそうだ。

この世代はどんどん壊れてゆく。 「病むことでしか、世間も許してくれなくなった。なぜなら、壊れないでいると、「何を甘えているんだ」と言われるから」だし、「最初からひどい環境しか知らない (中略) 普通に日本の小学校、中学校、高校に行ったら、労働運動などをできるようなメンタリティはすべて奪い尽される」から、闘うことなどありえない。

確かに、「フリーター問題を研究している人なんかも、やれモラトリアム型だとか、自分探し型、夢追い型という感じで、労働問題ではなく心の問題として、心理分析の対象にしていた」というのは、気の付かなかったオカシイ点だ。 自己責任の空気からきている風潮だろう。 

上野氏は、なぜ第三次ベビーブームが起きなかったかとか、なぜフェミニストの運動は継承されないのかなど、雨宮氏の世代に問いかける。 

「つまり第三次ベビーブームが訪れなかったのは、結婚も増えなかったし、婚外子が増える条件もなかった、と。要するに日本社会の抑圧のせいですよね。 加えて男女の結婚観のミスマッチ、親からの「結婚しろ」というプレッシャーの軽減、濃い人間関係を厭う感覚、雇用破壊、親世代が作った家族への幻滅など複合的な要因がある。 それで、人口が増える最大で最後のチャンスを逸したわけです」と、説明できる。 

でもフェミニストの運動は、かなり小さな実績を重ね、貢献はしてきたけれど、壁は厚いのだと、雨宮氏はやや諦めている感じだ。

「今の女性誌は、「モテメイク」とか「ゆるふあ系で男の視線を集める」とか、そんなんですからね。その間に、いったい何があったんだろう」と、疑問を呈する。 「結局、経済状況や雇用によって影響される、ということですね。 わたしが女性誌を手に取るようになったのはバブル崩壊後ですから、女性の自立なんてものは見たことがないです」と。 

若干、すれ違っているような印象もあるけれど、ふたりとも、精力的に前に進んでいるのは間違いない。




上野千鶴子・雨宮処凛「世代の痛み 団塊ジュニアから団塊への質問状」(中公新書ラクレ2017.10.10)
第1章 余はいかにして右翼となりしか
第2章 政治なんてまっぴら? 自己責任社会がやってきた
第3章 正社員も非正規層も追いつめられる時代
第4章 第三次ベビーブームはなぜ起きなかったのか
第5章 団塊世代は年老いた
第6章 フェミニズムはなぜ継承されなかったのか
第7章 「みんなが弱者」の時代にわたしたちができること


そのた、興味深いところ。

ウィークネス・フォビア・・・弱さ嫌悪、男らしさのなかには、ウイークネス・フォビアがある 

上野「被害者面をするのが許せない。その憎しみの最たるターゲットが、「慰安婦」の被害者たちです。 (中略) マイノリティが主張する被害者の正義、「慰安婦」だけでなく、障害者、性的少数者、被差別部落など、すべてそうです」

上野「95年に、日経連が「新時代の日本的経営」を打ち出し、政財官一体となって雇用柔軟化に舵を切った。非正規雇用に若者と女性を突っ込もうと、つまり、使い捨て労働力を増やしていい、と」

雨宮「結局、女性の貧困の問題が成人の健康な男子にも波及したから、やっと社会問題化した」

雨宮「私は10年くらい貧困問題にかかわっていますが、みんな言うのは、「どうせ自分の将来はホームレスですから」。将来像が、ホームレス、自殺、刑務所くらいしかない」

上野「いろいろなデータや調査ではっきりしているのは、親が現在自分に与えてくれている生活水準を低下させるような選択はしない、と」

上野「カップルの形成は同一経済階層が多い。(中略)  いまは妻の就労は世帯間格差を拡大する影響を及ぼしている」

上野「親のほうは親のほうで、自分が弱者になって要介護になると、自分のことで頭がいっぱいで、子どもの人生を考える余裕がなくなります。お互いに切羽詰まって、自分の利益しか考えない」

上野「自立とは依存先の分散」

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