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zoom RSS テーマ「本」のブログ記事

みんなの「本」ブログ

タイトル 日 時
田村圭介・上原大介「新宿駅はなぜ1日364万人をさばけるのか」
新宿を全く知らない人(著者の一人もそんな印象だ)にとっては、それなりに参考になるかもしれないが、東京人の、それも月に一回は新宿に行く私にとっては、期待を裏切られるものであった。 ましてや、新宿に通勤通学するような人には、手にするのは時間の無駄と言っていい。 新宿に通暁している人にとっても、それでも、「なぜ1日364万人をさばけるのか」という問いの答えは知らないから、それだけで引っ張ることになる。しかし、半分過ぎても、一向にその答えが出てこない。新宿に素人の探検記のような記述は、東京人には不要... ...続きを見る

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2018/06/23 10:35
瀬戸内寂聴「源氏物語 新装版 巻九」
匂宮、薫の君、中の君の、やや変則的な三角関係の話が続く。匂宮は夕霧の右大臣の娘婿になる一方、中の君と仲は一層深まり、若宮が生まれる。薫の君は女々しく中の君を匂宮に逢わせてしまったことを後悔しながら、つい言い寄ってしまうが、中の君も当然気味悪がって拒む。その残り香に匂宮は疑いを持ったりする。中の君の異母妹の姫君は、転々としながら終に薫の君につかまり宇治に隠される。 ...続きを見る

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2018/06/23 10:25
高田かや「カルト村で生まれました。」
ヤマギシ会と思われる集団農場生活を送る羽目になった子ども時代を、まるで童話のような漫画で描いた作品。 「カルト村」という表現が適切なのかどうかはわからないが、そこに20年近く暮らした人が、そうお姉さん称しているのだから、カルト村なのだろう。 すっかり距離を置いて、冷静に、振り返って、その村の子どもたちの日々の生活や悲喜こもごもをユーモアいっぱいに描いている。  ...続きを見る

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2018/06/21 19:47
佐藤さとる「コロボックルに出会うまで 自伝小説 サットルと「豆の木」」
著者の佐藤さとる氏は、1928年生まれの童話作家で、現代ファンタジーの第一人者だそうだ。 恥ずかしながら、存じ上げなかった。 その佐藤氏が、「加藤馨」という主人公を創作し、小説として、自らの生い立ちを自伝的に、且小説として語ったものだ。 古い話なので記憶の定かでないところは創作になってしまうかもしれないと危惧して小説にしたらしい。  ...続きを見る

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2018/06/21 17:05
ルチル・シャルマ「ブレイクアウトネーションズ」
筆者は、モルガン・スタンレーで新興国投資を専門とする有名人た゜そうだ。 2012年に出版されたこの本の原書は、2012年に読むべき本の一冊に挙げられた。 2013年に日本語訳が出版されたから、五年前の本となる。 この業界、金融の、それも新興国投資に関わる世界で、五年前の本は、もはや旧聞になってしまうだろうが、それでも、いろいろ興味がわくというものだ。 ずばり、どこに投資すればそれなりのリターンが期待できるか、という観点以外に何があろうか。 ...続きを見る

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2018/06/21 16:35
パオロ・マッツァリーノ「みんなの道徳解体新書」
道徳副読本の実例が多く挙げられている。 それに対する筆者の感想・意見がなんだかふざけた感じがしていたが、これは筆者のせいではなく、実例がやはり変過ぎるのだと思い直した。 変な実例を意識的に選んでいるとは思えない。 道徳の副読本というもの自体が、変な話の集まりになってしまうのだ。  ...続きを見る

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2018/06/20 20:05
陳舜臣「日本人と中国人」
中国人についての常識クイズから入るスタイルで、ありゃ、ちょっと古めかしい本かなと危ぶんだ。 確かに、初版は、ひどく昔だ。 筆者は版元の要請を無視して時事ネタは書かないと決めたそうだ。 しかし、そのおかげで、40年経っても、決して色あせない「日本人と中国人」論になった。  ...続きを見る

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2018/06/17 19:34
ル・グヴィン「ゲド戦記2 こわれた腕環」
ゲド戦記なのに、なかなかゲドが出てこない。若干退屈な思いを感じながら、カルガト帝国の大王と、本来は大王に対抗する闇の精霊にただ一人の巫女として仕えるアルハ、アルハが五歳のときから暮らす神殿とその墓所、迷宮について詳しく語られてゆく。 ...続きを見る

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2018/06/14 15:35
奥田けい「月たった2万円のふたりごはん」 おいしそうなレシピ満載
筆者は月2万円の食費と決めて工夫していた時期があった。 簡単な計算で、ひとり一食約330円となる。 この予算で満足するためには、かなりの工夫をしているわけで、それなりの才能、センスがないとむずかしい。  ...続きを見る

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2018/06/11 15:01
徐京植評論集「植民地主義の暴力―「ことばの檻」から」
10年近く前の評論集ではあるが、この内容は決して古くならないし、幸か不幸か色あせることもない。 植民地主義の暴力、とくに、母語を奪う暴力と、植民地支配の記憶が無意識に和解を強いてしまう暴力について、プリーモ・レーヴィや尹東柱、朴裕河などを参照しつつ、論じてゆく。 日本人にとっては、その非妥協的な厳しい指摘が痛いが、本当の正論だから致し方ない。  ...続きを見る

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2018/06/11 07:49
神奈川新聞「時代の正体」取材班「ヘイトデモをとめた街」
従来から在日朝鮮人が多く住み、他国の人も増え始めた川崎桜本は、ふれあい館という施設もあって、日本人との「共生」がたいへんうまくいっている地域だった。 そこに、再三にわたって、ヘイトスピーチのデモが計画され実施される。  地域住民や支援者によるカウンターが、なんとか桜本商店街を通らぬよう体を張って阻止していた。   神奈川県警もヘイトスピーチのデモを申請とおりのルートで承認するし、警官は、むしろカウンターに厳しかった。 認めたデモを遅滞なく通行させることに腐心し、それを妨害するカウンターは違... ...続きを見る

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2018/06/10 19:24
瀬戸内寂聴「源氏物語 新装版 巻八」
玉鬘の君の大君や中の君をめぐるときめく話の「竹河」に次いで、八の宮の大君と中の君、それぞれ薫の君と匂宮の恋の進展を語る、いわゆる宇治十帖の始まりである。 薫の君と匂宮の二人は、なんとも、もどかしくイライラが募る。 光源氏とは気配りや読みの深さが違う。 この先どんな展開になるかわからないが、早くも大君が亡くなってしまい、先が危ぶまれる。 ...続きを見る

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2018/06/09 08:15
リチャード・ロイド・パリー「津波の霊たち 3.11死と生の物語」
リチャード・ロイド・パリー「津波の霊たち 3.11死と生の物語」 「・・・霊たち」というタイトルで不謹慎にも興味を引いて手にした。  311の被災地で幽霊を見かける人は多く、医師や宗教者が以前から、ごく自然に受け容れていたと、幾つかの真面目な本で読んでいたから本当のことなのだろう。 ...続きを見る

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2018/06/02 18:14
西川祐子「古都の占領 生活史からみる京都1945-1952」
敗戦のとき8歳だった筆者は、京都と疎開地との間を行き来しつつ暮らした。 筆者自身の占領期の京都の記憶を手繰り寄せながら、たくさんの人々へのインタビューや、資料にあたりながら、地図に占領軍施設、事故、遊興施設・・など当てはめてゆくことで占領期の京都を浮かび上がらせる。   ...続きを見る

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2018/05/30 16:14
マルセル・プルースト「失われた時を求めてA第一篇「スワン家のほうへU」」
翻訳者の「読書ガイド」なるものが添付されている小説も稀だと思う。 高遠氏は、あまりストーリーを気にせず、ゆっくり読んでくださいという。 確かに、ストーリーはほとんど動きがないから、気にしたらイライラするだけ。 しかしストーリーを気にしないと、読み進めるのがなかなかしんどい。  ...続きを見る

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2018/05/30 15:42
ル=グヴィン「ゲド戦記@ 影との戦い」
ル=グヴィン「ゲド戦記@ 影との戦い」 「ゲド戦記」という名前は聞いたことがあるが、手にするのは初めてだ。  「アースシー」と呼ばれる海に広がる多くの島々、国々にわたって、魔法使いゲドが少年時代から晩年まで活躍する物語。 第一巻の「影との戦い」は、魔法使いの修行中に、自らの間違った取り組み姿勢から招いた事態で、魔物といっていい「影」を生み出してしまったゲドが、影から逃げるのをやめ立ち向かってゆく物語。  ...続きを見る

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2018/05/30 14:01
瀬戸内寂聴「源氏物語 巻七 柏木・横笛・鈴虫・夕霧・御法・幻・雲隠・匂宮・紅梅」
柏木、御法、幻、匂宮と、おおきな変化を語る章がある。  その一方、横笛、鈴虫、夕霧、紅梅のように、紫式部も、展開を迷って、逡巡して、ただ流しているだけなんじゃないかと思わせるような章もある。   ...続きを見る

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2018/05/28 18:52
河宇鳳「朝鮮王朝時代の世界観と日本認識」
日本人の朝鮮観の成り立ちに大変興味をもっている。 同時に、朝鮮人の日本観はどうなんだろうと関心を持つ。 この500頁に近い本は、李氏朝鮮の時代の日本観を、世界認識の一部として位置づけ、歴史的資料に基づいて研究を重ねた、たいへんな労作だ。 一般向けに書かれてはいるが、もともと研究所なので決して読みやすいものではない。  ...続きを見る

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2018/05/28 10:06
リンダ・グラットン他「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」
教育→仕事→引退、という3ステージの人生は、もう成り立たない、人生は100年となり、年金も不充分で今までのやり方では引退後の人生は支えきれない。 仕事も定年までひとつのスキルで続けることは困難になるにもかかわらず、かなりの高齢まで働かなくてはならない。 多様なシナリオを自分で作りだす社会となった。 さあ、どうする。 ...続きを見る

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2018/05/26 08:25
ダニエル・カーネマン「ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 下」
解説に、いたく簡単な要約をしている。 ...続きを見る

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2018/05/22 09:47
瀬戸内寂聴「源氏物語 新装版 巻六」 若菜
瀬戸内寂聴「源氏物語 新装版 巻六」 若菜 朱雀帝が出家する。 女三の宮を心配する朱雀帝の希望に沿うため、女三の宮の降嫁をを受け容れた源氏の君だったが、あまりにもあどけなく子どもなのに愛情もわくと同時に不安を隠しきれない。 そして、完璧な女性とみなされ、恵まれた環境にいるのにもかかわらず、女三の宮の降嫁の衝撃もあって、日々悲しい想いに沈んでいる紫の上も出家を切望している。   ...続きを見る

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2018/05/20 11:42
知念実希人「崩れる脳を抱きしめて」
作者知念氏とは初めての出会いとなる。 内科医だけあって、医療のからむミステリーがお得意のようだ。  ...続きを見る

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2018/05/14 11:07
瀬戸内寂聴「源氏物語 巻五」
巻五あたりは、源氏物語の真髄なのではないかという気がしてきた。 もちろん、この先のことは予見できないけれども。 玉鬘の姫君を前にして、前にも後ろにも行けない源氏の君の情と理性の葛藤、源氏の君の内心を鋭く窺い、猜疑心や世古に長けた邪推をする内大臣頭の中将をはじめとして、一人一人の人となりに対する厳しい視点、そして、権勢の頂点に立つ源氏の君や紫の上と対照的に、式部卿の宮とその北の方のように、主流を外れた悲哀や、髭黒の大将の北の方のような夫の離反、物の怪に憑かれて病に苦しむ姿など、激しい断裂がある。 ... ...続きを見る

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2018/05/09 09:11
毛受敏浩「限界国家 人口減少で日本が迫られる最終選択」
三分の二ほど読んだところで、体調が悪く入院してしまった。 残りも急ぎ足で読んだが、集中心や理解がすこし薄れてしまったが、結論的には、移民政策が必要であり、移民は単なる労働力ではなく、日本社会や文化にとっても、たいへん肯定的な影響があると再認識すべきだということだ。 ...続きを見る

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2018/05/09 07:48
ダニエル・カーネマン「ファスト&スロー あなたの意志はどのように決まるか 上」
正直に言って、心理学のテストや実験は他人事だと大変面白いが、より深い話をされると途端に頭が受け付けなくなる。 案外難しいのだ。  だから、理解にずいぶんムラができ、結局のところ、本全体を理解するには至らなく、興味本位につまみ食いするだけだ。 まあ、それでも十分に面白いけれども。 彼らの研究成果を経済学などに応用するのは専門家に任せて、私は適当に楽しむことにする。  ...続きを見る

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2018/05/09 06:26
平良愛香「あなたが気づかないだけで神様もゲイもいつもあなたのそばにいる」
平良愛香氏は同性愛者であることを公けにして牧師になった初めての人。 彼の生い立ちや自身のセクシャリティーについての悩みや、それをカミングアウトしながら克服してきた経緯を、たいへん易しい言葉で丁寧に語りかける。  特別講義もあって、LGBTに関する入門書にもなっていて、素晴らしくいい本だ。 お勧めできる。  ...続きを見る

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2018/05/08 19:55
マルセル・プルースト「失われた時を求めて1 第一篇「スワン家のほうへ」1」
マルセル・プルースト「失われた時を求めて1 第一篇「スワン家のほうへ」1」 語り手の「私」が男だとなかなかわからなかった。 読み飛ばしたかもしれないし、読み方が不足なのかもしれない。 また、「私」の名前は最後までわからない。 何処かに記されてたか、定かではない。 これは読むのが難しい一例に過ぎない。 ...続きを見る

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2018/05/08 19:34
小出裕章「原発と戦争を推し進める愚かな国、日本」
「原発と戦争を推し進める愚かな国日本」という、いたく直截な表題の本は、小出氏が京大を退職して、松本に引っ込み、最初に出版した本となる。  何の遠慮もいらない自由闊達な身になっても、別段、以前と変化は見られないように思う。 つまり、一貫しているということか。  ...続きを見る

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2018/05/08 11:01
若竹千佐子「おら おらで ひとり いぐも」
これは、たいへん好きな小説といえる。年代として、親和性があるというだけでなく、このスタイルが、好きだ。 ...続きを見る

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2018/05/08 10:14
パク・ヒョンギュ「路上の信仰 韓国民主化闘争を闘った一牧師の回想」
最近映画「タクシー運転手」が話題だが、映画やドラマでしか見聞きしたことがなかった韓国の軍事独裁政権の実態と、その弾圧に抗して民主化を求めて戦い続けた人々の記録である。  ...続きを見る

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2018/05/08 09:29
現代教育調査班「こんなに変わった!小中高教科書の新常識」
現代教育調査班「こんなに変わった!小中高教科書の新常識」(青春出版社 2018.2.1 ) ...続きを見る

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2018/05/08 08:08
瀬戸内寂聴「源氏物語 新装版 巻四」
三月に読めるはずの角田光代氏の「源氏物語(中)」が、なんと11月に延期されてしまって、谷崎潤一郎氏の「新々訳 源氏物語」を手にした。しかし、その格調には魅力を感じながらも理解が進まない。難しすぎるんだ。ていうことで、この瀬戸内寂聴氏のものにした。 ...続きを見る

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2018/05/07 18:15
ガバン・マコーマック「属国 米国の抱擁とアジアでの孤立」
個々のテーマはともかく、教授がおおよそ語っていることは、以下のようなことだ。 小泉・安倍政権は、日米関係を大きく変えた。 小泉・安倍「改革」は、「日本に残された重要な自由裁量権のいくつかを放棄して、アメリカ合衆国という世界帝国内で、これまで以上に服従と搾取を受け容れ」、新自由主義に基づく社会をつくり上げ強化していった。 米国の要求に応えるほど、「国内では国家や国旗にまつわる儀礼を強調したり、誇りの持てる「正しい」歴史観を押しつけたり、国家アイデンティティの基礎に靖国神社を重ねざるを得ない」。  ... ...続きを見る

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2018/04/24 09:01
根本かおる「難民鎖国ニッポンのゆくえ」
日本の難民申請の受付も、審査も、難民を保護する、人を救う、という観点に欠けている。  組織的に入出国管理に属しているので、国境の門番として、入国管理の観点が強く、審査の質問を見ても、尋問しているような、見下した態度で、難民をまるで犯罪者のように扱っている人が多い。  ...続きを見る

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2018/04/22 19:11
安田浩一「学校では教えてくれない差別と排除の話」
「ネットと愛国」「ルポ差別と貧困の外国人労働者」などで、在特会のヘイトスピーチや、東南アジアの技能実習生の差別と苛酷な労働実態など、一貫して差別と排除を問題としてきた安田浩一氏が、おそらく中学生・高校生など若い人向けに、差別と排除の実態を自身のいじめ体験も交えて、易しく解説したもの。 ...続きを見る

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2018/04/17 15:20
今村夏子「星の子」
不思議な小説だった。 生まれたときから病気がちのちーちゃんの健康を願って、両親が知事から勧められた特別な水による治療は、それなりに効果があって、ちーちゃんが元気になっても、両親はその特別な水の治療の基になった怪しげな団体に深くはいってゆく、そんな経緯をちーちゃんが高校受験を控えた頃まで、淡々とちーちやんを中心にして語っていた。 ...続きを見る

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2018/04/16 17:46
ダニエル・チャモヴィッツ「植物はそこまで知っている」
考えれば当然のことだが、気づかないことがあった。 ヒト・動物と植物は、15億年も前に共通の祖先があった。 それから、同じだけ時間を掛けて進化してきたのだから、ヒトも植物もそれなりに意味のある発達をしてきたのだろう。  ...続きを見る

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2018/04/14 19:27
吉田裕「日本軍兵士−アジア・太平洋戦争の現実」
「日本軍兵士−アジア・太平洋戦争の現実」というタイトルは、内容を想定しにくい。 「日本軍兵士の絶望的実態と無残な死」とでも、題すればよかったろう。 日本軍は本当に負けるべくして負けたと痛感する。 兵士たちは、かなりの部分、被害者だったといえるだろう。  ...続きを見る

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2018/04/13 09:22
及川智早「日本神話はいかに描かれてきたか」
「日本神話はいかに描かれてきたか」というテーマだから、神話そのものの解説でもなく、神話の政治的な利用を中心に解説するものでもない。  近代、神話がどのように描かれたかを、豊富な図像で解説するが、深く掘り下げるほどの情報に欠けるのは確かだ。 ...続きを見る

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2018/04/07 17:35
カズオ・イシグロ「遠い山なみの光」
主人公悦子と義父の緒方さんの会話を読んでいると、まるで、小津映画の笠智衆と原節子の会話のような妙な気分になる。戦後直後の雰囲気を巧みな翻訳で示した小野寺健氏の腕なのか、或は、妙に日本的な会話にしてしまった小野寺氏の勇み足なのか。 「解説」で池澤氏は同様の感想を示唆し、これは小野寺氏の手柄であると表明しつつ、英語のままでも、登場人物はすこぶる普遍的だから過度に日本人や日本語を気にするべきでないというような趣旨を語っている。 すばらしい解説といえよう。 ...続きを見る

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2018/04/06 16:52
養老孟司「京都の壁」
編集部の提案にしたかって養老氏は書いてみる気になったという。 なんでも「の壁」と題すれば、何匹めかのドジョウがいるとの皮算用なのだろう。  もともと養老氏にこのテーマについて書きたい熱意があったとは思えない。だから、その程度の本なんだが、この養老氏という人は、そこそこの本に仕上げてしまう教養と文才があるのだろう。  ...続きを見る

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2018/04/06 09:14
岩田正美「貧困の戦後史」
高校生のとき、友人から「学而不思則罔(学びて思わざれば則ち罔し)」と、指摘されたことがある。 的確な指摘で、私は本を読んでも深く考えないから、身につかずすぐ忘れる。 この「貧困の戦後史」も、読むには読んだが、あまり考えるところがない、 ...続きを見る

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2018/04/03 14:06
金順姫「ルポ隠された中国 習近平「一強」体制の足元」
2012年10月に上海に赴任した朝日新聞社の金順姫(キム・スニ)、4年間の駐在で遭遇した、習近平「一強」体制による人々の苦難を取材している。  ...続きを見る

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2018/04/03 09:00
松本路子「東京 桜100花」
東京で見られる桜をうまく整理した、なかなか重宝な本。 十分な説明はないが、淡交社の本らしいきれいな写真が満載。 桜好きにはたまらない。  ...続きを見る

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2018/04/02 10:00
森絵都「みかづき」
赤坂千秋は、家庭教師をやりながら一人娘を育てていた。学力テストを始める文部省に反発し、子ども一人一人を大切にする民主教育に関わりたいと考えていた。娘の蕗子の小学校で、若い用務員、大島吾郎が、なぜか勉強についてゆけない子どもたちを用務員室で補習をしている。それもわかりやすくて評判がいいと聞く。その吾郎を巻き込んで、千明は昭和39年千葉八千代台に補習塾を創設した・・・ ...続きを見る

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2018/03/31 07:49
池内敏「日本人の朝鮮観はいかにして形成されたか」
私の関心にピッタリの表題であったが、いたく学術的な本で、結果は、ちっともピッタリではなかった。 歴史学としての方法は徹底しているので、公式の文献、書簡・日記などの私的な史料、伝聞などは、みな、反論反証を探してそれに耐える論のみ採用していく。 ...続きを見る

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2018/03/30 08:43
松岡正剛「擬 「世」あるいは別様の可能性」
松岡正剛氏は、研究者でも学者でもない。もちろん実業の人ではない。私には巨大な読書人にみえる。 「知の巨人」の称号は、いろんな人に授けられるが、松岡正剛氏にこそふさわしいかもしれない。 ...続きを見る

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2018/03/25 16:34
フレッド・コフマン「コンシャス・ビジネス」 素晴らしい本質的なリーダーシップ論
予想に反して、この本は素晴らしい。 よくあるビジネス書と同じような、リーダーシップ論の一つかと思いきや、なかなかどうして ・・・ 読み進めていくと、なぜかある風景が思い出されたのだ。 30年程前、ライフダイナミクスという団体が主催するセミナーに出たときの風景だ。  ...続きを見る

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2018/03/24 05:21
稲垣栄洋「雑草はなぜそこに生えているのか」
身近にある常識的なことが、やさしい科学でひっくり返るのは、とても楽しいことだ。 「雑草」とは何かと聞かれると確かに、よくわからないし、雑草は弱い植物などと聞かされるとびっくりする。  ...続きを見る

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2018/03/21 05:32
森まゆみ「暗い時代の人々」
1930年代、40年代の「暗い時代」に、世の流れに抗した人々について、「谷根千」の森まゆみ氏が、わかりやすい日本語で語ってくれる。 ハンナ・アレント「暗い時代の人々」(Men in Dark Times)にちなんだタイトルだ。 初めて名前を聞いた人もいる、山本宣治、九津見房子、斎藤雷太郎、立野正一、西村伊作。  既知の人でも、竹久夢二のように、全くイメージが変わってしまった人もいる。 美人画作家で女性にだらしないだけの人かとおもっていたら、治安維持法にも引っかかるような活動や友人関係があったと... ...続きを見る

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2018/03/17 14:33
森見登美彦「聖なる怠け者の冒険」 怠け者万歳!
宵山で賑わう京都、土曜日の出来事。狸の仮面と黒マントという古風ないでたちで京都の町の人気者、正義の怪人ポンポコ仮面を追う者が多数いた。 週末アルバイトで探偵している玉川さん、ボンポコ仮面のサインが欲しい研究所の恩田先輩、そして不思議な一群。事実上の主人公、研究所の小和田君は、怠け者で休日は寝ていたい、それなのに、ポンポコ仮面から目を付けられ、後継者になれと言われている ・・・・ ...続きを見る

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2018/03/16 19:15
山本義隆「近代日本一五〇年」 国民必読の本だった
素晴らしいオススメ本。 私の世代の人間で、筆者の山本義隆氏を知らないとしたら、その人はひどく幸せな学生生活を送った人だ。 明治150年の歴史書を、科学・技術からみた歴史とは言え、どう山本氏が書いているか期待と好奇心で読み進める。 文章が平易さ、話題・傍証が豊富、論が明晰で、視点・論点は50年前の山本氏を彷彿とさせる厳しい反権力の視点だ。 山本義隆はまったく変わっていない! そう思わせる、たいへんユニークで嬉しい歴史書だ。  ...続きを見る

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2018/03/15 16:38
伊吹有喜「彼方の友へ」
私好みのメルヘンチックな、朝ドラのような、女性の、密かな恋と頑張りの物語であって、軟弱なことに、ついつい胸がぐっと来て、ウルウルしてしまう。 なにしろ、「乙女の友」という、美しい絵と詩が売り物の少女向け雑誌を、戦時下で守り抜いた人々の話が中心だから、メルヘンチックなのも当然だ。 ...続きを見る

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2018/03/14 07:52
ビル・エモット「「西洋」の終わり」
日本通のジャーナリスト、ビル・エモットが「西洋」の復興を願って、現状の危機と処方箋を描いて見せた。 「西洋」とは、ひとつの理念であって、その理念は、開放性と平等からなる。   ...続きを見る

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2018/03/13 08:30
東野圭吾「短編集 素敵な日本人」
たまたまかもしれないが、東野圭吾氏の小説はいままでほとんど読んだことがない。多分一作「麒麟の翼」だけだ。ミステリーは好きだけれども、他に読む本が多くて、つい手に取ることがない。読 ...続きを見る

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2018/03/03 10:47
日本再建イニシアティブ「現代日本の地政学」
日本再建イニシアティブは、福島原発事故独立検証委員会を起点として発足、「政策提言の前に検証を旨とする。 論の前に証拠にこだわる」 そうだ。  読みやすさのため、複数の書き手がいるとき、編集者が統一感を入れるため、かなり手を入れるそうだ。  そのせいか、どの章も似たようなトーンだ。 きっちり読む人であれば、多くの内容を読解できるのだろうが、上っ面で読むと、ともすれば退屈してしまう。 ...続きを見る

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2018/03/03 08:06
吉見義明「草の根のファシズム 日本民衆の戦争体験」
30年も前の本だが、たいへん貴重な資料だとおもう。 日中戦争から太平洋戦争にかけて、国内および召集されて戦地に行った人々の意識を、いろいろな調査や聞き取りによって明らかにしていくものだ。  ...続きを見る

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2018/02/27 08:34
原田マハ「本日は、お日柄もよく」
郵政民営化解散を真似たエピソードがでてくるから、そう古いものではないが、単行本は2010年の発行である。 だから、原田マハと言えば美術関連小説という、そのはしりの「楽園のカンヴァス」以前の小説だ。原田マハ氏らしさを感じないけれど、小説としては十分面白い。 ...続きを見る

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2018/02/24 08:04
柴崎聡編「石原吉郎セレクション」
石原吉郎氏は、1915年生まれ、39年に召集、45年ソ連軍により強制収容所に送られ、53年シベリアから舞鶴に帰国した。77年に亡くなっている。 シベリア抑留生活で失った言葉を、「夜と霧」「野火」を読むことで、取り戻していった、詩人。  ...続きを見る

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2018/02/24 07:57
斎藤貴男「安心のファシズム」
14年前の新書だが、いまとほとんど同じ状況にある、いや、ファシズムは進行しているのだろう。  筆者は、ムッソリーニのファシズムから現在はひどく曖昧なものになってしまったと、あらためてウンベルト・エーコの掲げるファシズムの特徴点をベースにして現在のファシズムを語る。 ...続きを見る

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2018/02/22 15:46
塩野七生「逆襲される文明 日本人へ W」
筆者の塩野氏は、「ローマ人の物語」も「ギリシャ人の物語」も読んだことがなく、これほど有名なのに、どんな作家なのか、よく知らない。 この塩野氏の「エッセイ」は、所々いいことが書かれているのだが、なにか違和感、肌の合わない、虫の好かない感覚を感じるのはどうしてだろうと、考えながら読んでいる。 ...続きを見る

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2018/02/15 19:01
神野オキナ「カミカゼの邦」ある意味留飲の下がる沖縄応援戦争アクション小説
予想だにしなかった戦争アクション小説だった。 作家の神野オキナ氏は初めての体験で、ライトノベルでは有名な作家らしい。 たまにはこういう若い男の子が好きそうな、戦争、殺人ものを読むのも悪くない。 ...続きを見る

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2018/02/14 17:20
野口悠紀雄「異次元緩和の終焉」 失敗の明確な検証、しかし恐怖の出口
野口氏は、物価上昇2%という目標設定も間違っていたし、そもそも、異次元緩和という金融政策も間違っていたと語る。 更に、日銀は巨額の損失が現実化して、「日銀の債務超過」という前代未聞の事態が生じる可能性もあると、恐ろしい事を言う。  ...続きを見る

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2018/02/11 08:56
伊藤詩織「BlackBox ブラックボックス」 何とか応援したいものだ
なんとも読み進めるのが辛くなる本で、ちょっと読んでは休み休みしている。 いくつもの強い印象がある。 ...続きを見る

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2018/02/10 16:41
豊下楢彦「安保条約の成立」日本人必読の書
結論的に、この本の内容への賛否は別にしても、たいへん素晴らしい歴史書であるといえる。 豊富な資料、明確な論点、繰り返し語られ、わかりやすい記述と、高品質の歴史書である。  ...続きを見る

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2018/02/09 15:55
アンドレアス・ワイガンド「アマゾノミクス」
アマゾンの元幹部が、インターネット・サービスで集められる様々なデータ、個人情報などについて、その現状、動向、課題などをまとめたもの。  原題は「Data for the People」 。 原題は内容を適切に表しているが、なぜ「アマゾノミクス」などという、センスのない、誤解を招きやすい邦題にしたのだろう。 てっきり、アマゾン成長の秘密を元幹部が語ったものかとおもった。 ...続きを見る

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2018/02/06 08:59
恩田陸「失われた地図」 軍靴の音が聞こえる。
「蜜蜂と遠雷」の恩田隆氏の変わったファンタジー。 作家の意図は明確に伝わる。 いま、時代は、ナショナリズムが煽られ、戦争したい人間が増えてきた。 ...続きを見る

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2018/02/03 11:27
マイケル・ルイス「かくて行動経済学は生まれり」ダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーの物語
著者がたいへん好評を得た「マネーボール」の書評のなかに、「野球をよく知るスカウトたちがなぜ見誤るのか、深い理由があるのを著者は知らないのか」という、厳しいものがあったという。 認知心理学のことを知った筆者は、ダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーにたどり着き、彼らの人生と、彼らの研究を、なめらかでわかりやすい筆致で描き出した。 とても面白い。 ...続きを見る

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2018/01/31 15:04
林えいだい「大刀洗 さくら弾機事件」 埋もれさせてはいけない特攻と朝鮮人の歴史
知覧など戦闘機による特攻は聞いていたが、福岡県大刀洗から出撃した爆撃機による特攻は知らなかった。 「レイテ島、ルソン島への上陸作戦で日本の特攻に悩まされた米軍は、レーダー網を整備し、戦艦や空母の甲板を鉄鋼補強して特攻に備えた。 もはや250キロ爆弾を積んだ特攻機では爆沈させられなくなっていた」から、より効果の大きい爆撃機を使ったのだろう。  ...続きを見る

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2018/01/31 14:29
河合薫「他人をバカにしたがる男たち」
題名に興味を感じて手に取った。 「他人をバカにしたがる男」だと自分では思わないが、人は所詮他者からの目の方がほんとの姿に近いから自信はない。 典型的な姿としては、大企業で育ちながら、社内的に残念な結果に終わった人が、いやなオヤジとして、他人をバカにしたがるようだ。 ...続きを見る

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2018/01/31 08:17
伊藤比呂美訳「日本霊異記」
九世紀初め、奈良の薬師寺の僧、景戒(きょうかい)によって書かれた日本最初の説話集。 「日本国現報善悪霊異記」と名付けた。解説によれば、116話もの身近なお話がある説話集だが、この全集では、20話ほどが掲載されている。 ...続きを見る

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2018/01/25 08:30
水野直樹「創氏改名」
選択的夫婦別姓の動きを日本古来の伝統と異なると言って反対する人がいるが、「日本で家の称号としての氏が法制化されたのは、1898年(明治31)年の明治民法親族編制定によってである。 それ以前は夫婦別姓が一般的で、法律上も夫婦同氏の原則は定められていなかった」。 なんと! ...続きを見る

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2018/01/23 13:16
ロバート・B・ライシュ「最後の資本主義」
ライシュ氏の、何が問題なのか、という主張は明快でわかりやすい。  大企業・富裕層は、ルールを自分たちに都合の良いように変えてきた。だから、格差は広がる一方だし、それは資本主義の将来としてもまったくよろしくない、もう一度資本主義を機能するものに取り戻さないといけない。  ...続きを見る

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2018/01/22 15:39
ヘルムート・オルトナー「ヒトラーの裁判官フライスラー」
1942年10月15日、着々と階段を昇って来たローランド・フライスラーが、とうとう「人民法廷」長官に就任した。司法大臣ティーラックか危ぶむほどのナチス信奉者であるフライスラーは、ヒトラーの意を受けて人民法廷を変身させてゆく。 ...続きを見る

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2018/01/22 15:02
元木昌彦編著「現代の”見えざる手” 19の闇」
月刊誌「エルオネス」に連載したインタビュー記事から19編選んで一冊の本としたもの。 錚々たる人々の、ごくわずかな論説が垣間見れるだけだけれども、目を通して気に入った人の著作を選ぶのもいい。残念なのはちょっと古くなったインタビューも少なくないことだ。 ...続きを見る

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2018/01/22 08:45
角田光代訳「源氏物語 上」
恥ずかしながらこの歳になって初めて源氏物語を読む。 ほんとは谷崎源氏にしたかったが、難しい文章はたぶん読めないだろうと想像して、読みやすいことを目標にしたと訳者も語る角田源氏をえらんだ。 上巻だけで、本文650頁弱もあるのに、それでもまだ全体の三分の一という、さすがに凄い。 中巻・下巻の発行・入庫待ちだけれど、上巻の内容もすぐ忘れそうだ。 ...続きを見る

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2018/01/15 19:51
中村桂子「小さき生きものたちの国で」
生物学、分子生物学の研究者から、生きているとはどういうことかを考え、生命誌研究者を名乗る中村桂子氏の小さな文章を集めたもの。  筆者の考えていることの深い意味はよくわからないけれども、どれも、なかなか興味深いことは確かだ。  ...続きを見る

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2018/01/13 08:58
映画「gifted/ギフテッド」
主人公の天才少女メアリーにはマッケナ・グレイス、母親譲りの数学の天才で、小学校は退屈、家で数学の本を読んでいるのが好きという少女を好演している。 少女らしい立ち居振る舞いはたいへん可愛らしいが、顔つきは異常に長いまつ毛のテキサスのマリリンモンローといった感じの子で数学の天才には見えない。  ...続きを見る

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2018/01/12 08:19
真壁昭夫「金融マーケットの教科書」
「教科書」というより「教科書ダイジェスト」といった感がある。 なかなか要領よくまとめられてはいるけれども、正直言って、ちょっと印象が薄い。 Chapter1は、株式・為替・商品・金利の市場について、概観しているけれども、そして、とても的確なことが書かれているのだけれども、もうすこし詳しく説明して欲しかった。  ...続きを見る

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2018/01/04 08:41
彩瀬まる「くちなし」
「愛のスカート」、「茄子とゴーヤ」の二作が、正直言って、「普通」の作品で、割と良質な人と人との心の通う物語のようにみえる。 その他の作品は、なんだかわからない。 ファンタジーの類なのか寓話のつもりなのか。 およそ、人間ではない化け物の世界、あるいは、人間の世界ではありえないことで話が成り立っている。  ...続きを見る

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2018/01/01 19:13
上野千鶴子・雨宮処凛「世代の痛み 団塊ジュニアから団塊への質問状」
雨宮処凛氏は、団塊世代の両親のもとで1975年に生まれている。 上野千鶴子氏は、1948年生まれだから、まさに団塊の世代だ。  このふたりが、それぞれの世代の平均像を代表するとはとても思えないが、ひとつの切り口にはなり得る。 ...続きを見る

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2018/01/01 14:37
今年読んだ本 ベスト
今年も、読んだ本は、フィクションよりもノン・フィクションが多かった。 しかし、ジャンルがだんだん狭くなってきて、同じような傾向の本ばかりになってゆく。 来年からは、もっと狭めて東アジア近現代史と宗教に絞ろうかなと思う。 ...続きを見る

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2017/12/30 08:37
吉本ばなな「吹上奇譚 第一話 ミミとこだち」
吉本ばなな「吹上奇譚 第一話 ミミとこだち」(幻冬舎 2017.10.10) ...続きを見る

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2017/12/29 19:24
テジュ・コール「オープン・シティ」
ミシガン州生まれだが、ナイジェリアで幼少期を過ごした作家テジュ・コール氏の、思索に富んだ随想集といった趣のフィクションなのだろう。 主人公は、ジュリアスという名の精神科医だから、テジュ・コール氏ではない。 しかし、ジュリアスが、ニューヨークの街を歩きながら、たどる記憶や思索、出来事に交友、語られるそれらの多くは、おそらくコール氏の実体験ではないのだろうか。 だから、妙な作品なのだ。 ほぼエッセイと言ってもいいような気もする。 ...続きを見る

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2017/12/27 09:42
明石順平「アベノミクスによろしく」経済政策失敗に責任をとらせたい
経済の言葉にアレルギーのある私でも、理解しやすく、読み進められた。 アベノミクスは失敗しているのに、ずっとごまかし続けている、メディアも野党も追及しないからだと、ずっと思っていたが、まさしくその通りだった。 アベノミクスは失敗している。 しかし、怖いのは、日銀やGPIFの異常な政策をやめた途端、すべてが明るみに出て大暴落、大不況に転落するかもしれない、ということだ。 しかし、いつか、そうなるなら、早い方がいい。  ...続きを見る

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2017/12/26 15:11
白石玄「世界のすべてのさよなら」
美大で友人となった四人の若者が、それぞれ、大人になってゆき、それなりに一人一人旅立ってゆく。 旅立つといっても大げさな話ではない。  ...続きを見る

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2017/12/26 13:20
東谷暁「山本七平の思想 日本教と天皇制の70年」
山本七平氏の、雑誌に挙げられた評論は、生前よく眼にして読んだが、まとまった著作は「日本人とユダヤ人」くらいしか記憶がない。 もう一度、日本教や、現人神についての言説を追いたいと思い、手にした。  く 山本七平氏は、三代目のキリスト教徒であって、戦前・戦中のあの時代を異教徒として過ごした体験が、日本人とは何かを考え続けさせたのだろうか。 山本氏には必ず宗教の背景を感じる。この解説書で初めて知ったのは山本氏の従軍体験だ。余計な親切心から部下を死なせてしまった事件や、敗戦後、戦犯として訴追されるの... ...続きを見る

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2017/12/24 15:11
山田正紀「ここから先は何もない」
“BEYOND HERE LIES NOTHN’” というボブ・ディランの曲に触発されたかにみえて、シンギュラリティの先には何もないかもしれないと語りたいのかもしれない。ちょっとカッコつけたタイトルのSFだ。 ...続きを見る

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2017/12/20 17:17
吉田敏浩「「日米合同委員会」の研究 謎の権力構造の正体に迫る」
本を読みながら、後々記録しておきたい箇所にはポスト・イットの付箋をつけておくのだが、この本は、途中から、付箋をつける気がなくなった。 これでもか、これでもかと、密約と隠ぺいが続いているので、もう際限がないからだ。  ...続きを見る

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2017/12/20 08:51
木村草太・津田大介・AKB48「日本一やさしい「政治の教科書」できました」
前半は木村草太氏が、AKB48の加藤玲奈、向井地美香、茂木忍に三権分立、国会、選挙などの仕組みを教える。まあ、中学校レベルの話がベースで、大人が読んでも何も参考にならない。 後半は津田大介氏に代わり、選挙に投票する際の自分なりの基準や考え方を得るための、メディアのとらえかた、政党や議員候補のメッセージの評価などについて語っている。 だから、後半の方は多少参考になるところもあるかもしれない。 ...続きを見る

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2017/12/15 05:15
池上英洋「美しきイタリア22の物語」
筆者の前著に「イタリア 24の都市の物語」があって、その続編だそうだ。    まだ若い頃は、イタリアは、妙に気になる、行きたい外国の筆頭だった。 理由は簡単だ。 イタリア映画が好きだったからだ。 この本にも出て来る「バーリア」(邦題は「シチリア、シチリア」)をはじめとするシチリア、そして、「ジュリエットからの手紙」で代表されるトスカーナが、魅力的なところに思えたからだ。  ...続きを見る

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2017/12/12 12:40
本田由紀・伊藤公雄「国家がなぜ家族に干渉するのか」
教育基本法、秘密保護法、戦争法、共謀罪、種子法・・・と続いた安倍政権の、復古的で、乱暴で、人権無視の政策の数々。 次に予想されるのは、これだ、家庭教育支援法と親子断絶防止法。 目の敵にしている憲法二十四条の改悪や、産めよ増やせよの官製婚活も含めて、家族に介入し始めた安倍政権の動きや論理を追う。 ...続きを見る

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2017/12/10 11:38
五木寛之「孤独のすすめ 人生後半の生き方」・・・深い危機感の表れ
読後特に記憶に残ったところも少なく、また違和感感じる個所もほとんどなかったし、すっと抵抗なく読めた。 言葉悪く言うと、ひょっとしたら「毒にも薬にもならない」本というのは、こういうものか、と言ったら言い過ぎか。  ...続きを見る

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2017/12/08 16:23
岡本裕一郎「いま世界の哲学者が考えていること」
「いま世界の哲学者」は、こんなことを「考えている」という説明であって、考えている内容を詳しく説明しているわけではない。 内容はサラリと書かれていて、誰がどんな種子の本を書き、どんな論説をしていたかが主題だ。  いわば、索引、ディクショナリー、メタ文書、といった趣で、それはそれで価値があるから、書店で平積みされているほど売れているのだろう。  ...続きを見る

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2017/12/07 19:35
佐藤正午「月の満ち欠け」・・・大好きな、死と純愛と・・・の物語
11時に八戸から上京した小山内堅が、東京駅ステーションホテルで出会った緑坂ゆいとその娘るり。もうひとりの約束した三角哲彦が現れた頃、13時に小山内は二人と別れて帰途に就いた。その2時間の物語・・・といっても、それぞれの回想にも似た物語で埋め尽くされる。 ...続きを見る

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2017/12/05 14:42
矢部宏冶「知ってはいけない 隠された日本支配の構造」
矢部氏は、戦後史の闇を探求し、なぜ日本は米国の従属国で、日本の空は米軍に支配されているのか、米国大統領も米軍基地からフリーパスで入国するような治外法権の国になってしまったのかを、一連のシリーズで明らかにしている。 ...続きを見る

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2017/12/04 21:15
中村文「ときめく花図鑑」
こういう、写真がいっぱいの、花と、ちょっとした雑学の本が好きだ。 それも120ページくらいの薄い本が。  とてもいい本だ。  ...続きを見る

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2017/11/30 09:59
帚木蓬生「ネガティブ・ケイパビリティ」
「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉は、キーツが一度記し、精神科医ビオンがそれを改めて世に出したという。 つまり、いたく馴染みのない言葉だ。 しかし、その意味は、ごくごく普遍的な内容だ。 ...続きを見る

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2017/11/29 16:12
フィリップ・K・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」
体調を崩して外出もしないものだから、楽しみにしていた「ブレードランナー2049」をまだ見ていない。このまま暫く機会を失うかもしれない。その代わり?に原作を読む。 最初の「ブレードランナー」の完成を見ずに亡くなったディックだが、リドリー・スコットには、原作を気にせず好きなように作ってほしいと言っていたらしい。確かに、原作は映画とはだいぶ違う。ストーリーも雰囲気も違う。 ...続きを見る

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2017/11/24 15:02
永幡嘉之「原発事故で、生きものたちに何がおこったか。」
昆虫の好きな永幡氏が愛してやまない阿武隈山地の里山は、どこにでもある、当たり前の自然だった。しかし、原発事故以後、様変わりしてしまった。 ...続きを見る

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2017/11/23 07:43
松田青子「おばちゃんたちのいるところ」
気楽なエッセイかと気楽に読み始めたら、なかなか、ひねりの効いた深―い趣もある短編小説集で、それぞれ落語の小話などモチーフにしている。 ...続きを見る

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2017/11/22 20:39
望月衣塑子「新聞記者」
菅官房長官の会見で評判になった、東京新聞社会部の望月衣塑子記者が語っている。 新聞記者になった動機・経緯、新聞記者としての経験と大事にしていること、森友・加計・詩織さん事件についての想い・・・などを率直に語っている。 ...続きを見る

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2017/11/22 20:27
中島京子「ゴースト」
家とともに思いをこの世に残している幽霊たち、傷つきながらも幽霊のように生き続ける機械、幼い子と交流できて初めてこの世はいいなと思う戦後闇市の浮浪少年の亡霊、幽霊世も怖い、過ぎ去った時代に生きているかのようなこの世の生きた亡霊、戦争の中で一番に被害を受ける幼い子どもたちと子を亡くし悲しみ続ける母親の幽霊たち、廃墟に残るそこに住んでいた人々の悲しい歴史、ゴーストするライターは人の話を聞くお仕事だけれど、聞いてくれないと嘆く本物のコースト ・・・・ ...続きを見る

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2017/11/17 15:08
ショーン・スティーブンソン「SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術」
健康に最も重要な良い睡眠を得るための、あらゆる方法を解説する。  ひどく参考になることは請け合いだ。 ただ、ほとんどは正しいことを語っているのだろうが、あまり根拠を示さず断定されると疑念も生じる。 ...続きを見る

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2017/11/16 10:39
吉田裕「日本人の戦争観 戦後史のなかの変容」
1995年、戦後50年の時の本である。 いまから22年前。 しかし、ちっとも古くなっていない。 日本は何も変わらない、いや、1995年当時よりも、かなり、悪い世の中になっているかもしれない。 ...続きを見る

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2017/11/13 18:48
アルン・スンドララジャン「シェアリング・エコノミー」
大変簡単な定義が示されている。 「シェアリングエコノミーとは、十分に利用されていない資産にインターネット上のコミュニティからアクセスできるようにし、資産所有の必要性を下げることの価値である」。  ...続きを見る

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2017/11/13 09:41
グリゴリー・オステル「いろいろのはなし」
目次を見ると、この本の面白さが想像つく。 最後のお話が終わった後に、つぎつぎにいろいろの話が続くのだ。 つまり、メリーゴーラウンドの馬たちが、遊園地の園長さんにお話をせがみ、終わった話の細かなところを次々に尋ねて話を引き出すのだ。 ...続きを見る

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2017/11/04 04:56
梁英聖「日本型ヘイトスビーチとは何か」
在特会をはじめとしたヘイトスピーチが昨今、聞くに堪えない激しさを増していて、それに対するカウンターも発生、ひょっとしたら良い方向にゆくかもしれないという希望もないではない。 しかし、筆者は、相当悲観的のように見える。 日本は、先進各国から、人種差別、反レイシズムについて周回遅れの対応しかしていないし、それが改善する見込みもない。 ...続きを見る

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2017/11/02 08:00
ウンベルト・エーコ「ヌメロ・ゼロ」
「薔薇の名前」で有名なウンベルト・エーコの遺作となった小説。 新たに創刊する新聞の宣伝用試作号、第ゼロ号(ヌメロ・ゼロ)を創るべく集められた編集スタッフtが、編集会議を経ながら新聞の情報操作のやり方を炙り出してゆく。 スタッフの一人が連載読み物として調査を続けたのは、なんと、ムッソリーニ生存説 ・・・・ ...続きを見る

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2017/10/31 19:56
白樺図書編「日本の「シュタイナー」その現場から」
予約を間違えて、偶然手にした本だ。 シュタイナー教育を実践している幼稚園、保育園、学校、そしてシュタイナーの研究や思想に沿った活動をしている多様な機関を86団体、紹介している。  名前は聞いたことがあるが、内容は全く知らない、というのがシュタイナーで、アントロポゾフィー、オイリュトミーなど、独特の言葉がむずかしい。 ...続きを見る

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2017/10/29 17:21
須藤洋平「あなたが最期の最期まで生きようと、むき出しで立ち向かったから」
311、たまたま仙台に居て被災を免れた南三陸町に住む須藤洋平氏は34歳(2011)、トゥレット症候群などメンタルな障害を抱えたまま、詩人として活動をされている。 ...続きを見る

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2017/10/28 18:37
藤田孝典「下流老人」
ソーシャルワーカーとして活動している藤田孝典氏は、「活動しても活動しても、新しい困窮者が湯水のように溢れてきている」と述懐している。 「下流老人」は増続けているということだ。  ...続きを見る

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2017/10/22 10:03
田中圭一「うつヌケ」いつかウツからぬけられる希望は得られる
肉体の病気は治るけれど、心の病気は治らない、というのは私の持論だが、漫画家の田中圭一氏は自身の体験と10数人の方々への取材を通じて、うつ病から「ヌケ」られることを示している。 ...続きを見る

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2017/10/22 06:14
神山典士「成功する里山ビジネス ダウンシフトという選択」
「成功する里山ビジネス」という印象とはだいぶ違う。 なんで「里山ビジネス」という題をつけたのだろう。 人口減少社会の「下山の時代」に、中央からではなく地方から、人々の生活と社会を変えてゆく、そういう先駆者たちを追ったドキュメントだ。  ...続きを見る

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2017/10/19 11:59
ロブ・ダン「世界からバナナがなくなるまえに」 種子法を廃止した日本はこれでいいのだろうか
たいへん勉強になる。すばらしい力作だ。 中南米のバナナ、アイルランドのジャガイモ、ブラジルのゴム、アフリカのキャッサバなどの事例を説明をしながら、病気、害虫によって、多様性を失った植物のリスクを警告している。 ...続きを見る

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2017/10/17 08:41
内田樹・姜尚中「アジア辺境論」
内田樹氏は何を読んでも新鮮な驚きが必ずある。 姜尚中氏は私にはどこかずれている感じがするのだが、日韓のパートナーシップについての主張は姜氏ならではのことだ。 私も日韓はより強く連携しあうべきだと思う。 国民性はよく似ているのだから。  ...続きを見る

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2017/10/15 13:18
ジャック・アタリ「2030年ジャック・アタリの未来予測」
未来予測の本は、一般に退屈だ。 広い範囲で総花的に予測を述べる必要があって、箇条書き的になるから退屈なのだけれども、楽観的な予測も、悲観的な予測も、どちらも結局のところわからないから退屈でもあるのだ。 そういう退屈な読み方をしたために、ひょっとしたら、読み間違いをかなりしているかもしれない   アタリ氏の正直な予測は、かなり悲観的で、憤懣から激怒に変わってゆくであろうという見通しで、それを努力によって、変えてゆこうという呼びかけをしているようでもある。  ...続きを見る

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2017/10/14 15:17
フィリップ・シュルツ「私のディスレクシア」
息子がディスレクシア(読み書き障害)と知り、自分自身も58歳にして初めてディスレクシアだと理解したシュルツ氏の、学習障害に苦しむ子ども(自分自身)の体験や思索を吐露する。  ...続きを見る

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2017/10/09 13:30
ユベール・マンガレリ「おわりの雪」、この静けさが素晴らしい
新書版の大きさで150ページに満たない中編小説。とくに際立ったストーリーがあるわけでもない。「ぼく」の回想風になっているが、場所も年齢も定かではない。 登場人物は、ぼくと、病気でずっと臥せっている父親、ただただ悲嘆に暮れている母親、ぼくが散歩付き添いのアルバイトをする養老院の老人たちと、その管理人ボルグマン、ぼくがほしくてたまらないトビをなかなか売ってくれないディ・ガッソだけだ。 ぼくは、雪の降る日々、働く母親を助け、鳶を買うお金をために、老人たちの散歩に付き合い、猫の始末を請け負う。そして... ...続きを見る

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2017/10/07 08:12
西崎雅夫「関東大震災 朝鮮人虐殺の記録」
「東京地区別1100の証言」と副題がある。 現在の23区別に、震災直後から現在に至るまでの民間人の目撃証言、有名人の回顧談、警察署などの声明、生還できた被害者の証言など、新聞・書籍・随筆など徹底して集めた、500ページにも上る記録である。 ...続きを見る

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2017/10/06 19:50
シェリル・サンドバーグ他「OPTION B」
「LEAN IN」のシェリル・サンドバーグが、突然の夫の死に直面したあと、心理学者でウォートン校教授、アダム・グラントと、自らの体験を素材に、レジリエンスを育む方法を見出し、伝えてゆこうとする。 ...続きを見る

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2017/10/06 15:44
村上春樹「騎士団長殺し」
突然、妻、柚から別れ話を持ち出された私は家を出てそのまま放浪の旅に出た。 ひと月ほど経って、友人の父親が住まいにしていた小田原の山荘を借りて住み始めた。 ふと物音に誘われて天井裏をみると包みに覆われた日本画が現れ、表題なのだろう、「騎士団長殺し」と記されたタグがつけられていた。ドン・ジョバンニの一シーンか、ひとりの男が刺殺される画だった。 エージェントから知らせがあり、ある人が肖像画を描いてほしいと言っていると、しかもかなりの高額な報酬だ。もう肖像画は描かないつもりだったが、高額なのと好奇... ...続きを見る

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2017/10/04 18:53
小野一光「震災風俗嬢」
筆者の小野氏は戦争から風俗までなんでも取材に向かうジャーナリストらしいが、たぶん風俗の取材をもっとも得意としているのだろう。 週刊誌とか男性向け雑誌の企画を承認されてから、インタビューの交渉に入り、取材している。  ...続きを見る

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2017/10/02 19:24
平野啓一郎「自由のこれから」
「自由」についての、なかなかユニークな考察だ。 哲学・心理学というでもなく、政治学というでもなく、もっと、生活レベルの話題である。 それだけに議論はとらえどころがなく、にもかかわらず包括的というよりはごく部分的で、理解の程度がこころもとない。  ...続きを見る

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2017/09/30 12:06
原田マハ「いちまいの絵 生きているうちに見るべき名画」
私は絵画を見ることにはあまり興味も関心がない。最近見たものといえば昨年の村上隆ぐらいだ。本物をほとんど見たことがないせいかもしれないが、映画ほどには強い感動は味わえない。原田マハ氏が死ぬまでに見るべき名画を紹介する。原田氏にとって、ときめきを覚えるアーティストはピカソとダ・ヴィンチだそうだ。恥ずかしながら、作者不詳の一点を除き紹介された25の絵画の中で7名も画家を知らない。 そんな私でも、絵画についての解説を見聞きするのは好きだ。 高階秀爾氏の解説や著作も好きだったが、原田氏の説明も楽しい。  ... ...続きを見る

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2017/09/28 08:02
ブレイディみかこ「子どもたちの階級闘争」
ブレイディみかこ氏のイギリス事情についての評論を私はたいへん好んでいるし、たいへん勉強させてもらっている。 今日のイギリスは明日の日本かもしれないからだ。  ...続きを見る

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2017/09/25 18:35
原田マハ「あなたは、誰かの大切な人」・・・ひとりってすばらしい
原田マハ氏は好きな作家のひとりだが、この短編集はとりわけすばらしい。 仕事を頑張っている独身女性たちの、静かで、落ち着いて、いろいろなことを経験してきたが人生を肯定的に捉える美しさがある。 頑張ってきた自信と、肩を張らない自由もある。 ...続きを見る

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2017/09/25 07:21
梁石日(ヤン・ソギル)「大いなる時を求めて」
梁石日は映画にもなった「血と骨」で有名だが、映画のせいか、いかにも韓国風の濃さ、という先入観があって手にしたことはなかった。 たまたま手にしたこの本は、ちょうど最近読んだ「特高と国體の下で」と内容・時期が重なっているので興味がわいた。  在日朝鮮人詩人の金時鐘氏をモデルにしているという。 ...続きを見る

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2017/09/22 15:51
ウィリアム・ケント・クルーガー「ありふれた祈り」
子どもの頃は早川書房のミステリブックスはよく読んだが、久しぶりだ。 この作家も初めての体験だが、なかなかいい。  ...続きを見る

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2017/09/20 15:24
孫栄健「特高と国體の下で 離散、特高警察、そして内戦」
尼崎市在住の、慶尚南道道民会会長、朴庸徳氏の依頼にこたえて、孫栄健氏が、戦時中の朴氏の活動について調査したものである。 結果的に表現として孫氏は、朴氏に代わって、朴氏の自伝といってよいものを記すことになった。 巻末に朴氏は自分の言葉で書き直したかのような記述もあり、 最終的に描いたのは、朴氏なのか孫氏なのか判然としない。  ...続きを見る

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2017/09/14 15:33
姫野カオルコ「謎の毒親」 なんとも不思議な「毒親」を語る「相談小説」
謎に満ちた毒親について、大人になった娘が子供のころを振り返って、あれはなんだったのだろうと、相談者に投稿して、回答を得るというスタイルで「相談小説」と銘打っている。巻末に、投稿はすべて事実に基づいていると断り書きがあるが、ほんとうはすべてフィクションなのかもしれない。 ...続きを見る

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2017/09/13 08:20
上間陽子「裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち」
筆者の上間陽子氏は、沖縄出身で琉球大学で教育学を教えながら、非行少年少女の調査研究を続けている人だという。 調査ということでインタビューを重ねながら親しくなった少女たちの生態と心を追う。 ...続きを見る

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2017/09/09 08:48
アーザル・ナフィーレー「テヘランでロリータを読む」
500頁近いボリュームだが、なかなか読みでのある、素晴らしい本ではある。 今年読んだベストテンには確実にはいる。   読みでがあるという観点は、二つの観点がある。  それは、同時に、そこに関心のある人には強力なお勧めポイントでもある。 ...続きを見る

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2017/09/07 08:35
小池真理子「怪談」
「怪談」と名づけられた7編の短編集であるが、「怪談」から連想されるようなおどろおどろしさは全くない。 ごく自然に、生者と死者である異形のものが静かに交流している。 それは、生者の激しい孤独感や喪失感のせいかもしれず、あるいは死者の、この世に残してきた愛情のあらわれかもしれない。 ...続きを見る

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2017/09/06 05:17
テッド・チャン「あなたの人生の物語」
表題タイトルの中編を含む8編の中短編SF。 「あなたの人生の物語」は、たいへん好きだった映画「メッセージ」の原作だから、この本を予約していたのだ。 それを読み進めて漸く想いだしたなんて・・・・ ...続きを見る

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2017/09/05 11:33
中村文則「私の消滅」
不幸な子ども時代を送った男は、養子となって精神科医を継ぐ。 そこに、あまりにも激しく辛い人生を送っている美しい女性、ゆかりが現れる。重い鬱病を患っているゆかりに恋してしまった私、ある日、ゆかりはECTをやってほしいと頼む。それは私には経験足の危険な治療だった・・・ ...続きを見る

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2017/09/05 08:03
三谷太一郎「日本の近代とは何であったのか」
「日本の近代とは何であったのか」とは、たいへん興味深い問いである。 しかし、この問いに対する答えは、容易ではない。 ひとことで返せるわけはない。  この本に答えがあったとしたら、相当の読み手でないと、読みとくことは難しい。 私のようないい加減な読み方では、理解できなかった、というのが結論だ。 ...続きを見る

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2017/09/01 08:34
イーユン・リー「さすらう者たち」
毛主席が亡くなって2年、北京は大きく変わりつつあるらしいが、北の果てのここ渾江市は、まだ旧体制のままだ。教師の顧師の娘、珊が反革命分子として逮捕されてから10年、反省の色が見えないからと死刑になると知らせがあった。 ...続きを見る

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2017/08/30 05:03
岩竹美加子「PTAという国家装置」
PTAは任意加入なのに事実上強制参加。 不参加を申し入れると、子どもがPTA主催の行事に参加できませんよとか脅され、参加したくないが子どもに不利益があってはいけないと、仕方なく参加する、そんな人が多いのではないか。 PTA主催行事なんかないと知った時は後の祭り。 脅した役員も実は本人もPTAなんかやりたくないとわかる・・・ ...続きを見る

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2017/08/29 20:38
手塚治虫「手塚治虫傑作選「戦争と日本人」」
手塚治虫の「傑作」を色々な角度で集めて新書形式にしているらしい。 これは戦争体験や戦争観を語ったもの。  ...続きを見る

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2017/08/26 11:35
玄田有史編「人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか」
玄田氏は労働問題に通暁している社会学者、玄田氏の依頼で、「人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか」というイシューに対する16本の論文を掲載している。学問的な内容なので、データの紹介・解釈、推論・・・と、限定的な前提の内容ばかりだから、玄田氏の「結び」だけ読めば時間の節約にはなる。いちおう各論文にも目を通したが、当然、賃金が上がらない理由は単純な一つの理由だけではなかろう。 ...続きを見る

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2017/08/23 08:20
林京子「長い時間をかけた人間の経験」
ひどく古めかしい本を手にしたが、2000年の発行で、それほどでもない。  ...続きを見る

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2017/08/21 09:13
柴崎友香「かわうそ堀怪談見習い」
なかなか、おもしろい構成になっている。筆者本人に似せたかとも思える主人公、谷崎友希は恋愛小説家から怪談小説家に転向しようとネタ集めをしている。  ...続きを見る

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2017/08/20 09:35
郭洋春「国家戦略特区の正体」
Facebookで先輩の紹介があったので早速手にしてみた。 初めて知った筆者だったが、なかなか鋭い書き手で、たいへん素晴らしい知見を得ることができた。 ...続きを見る

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2017/08/17 15:45
マイク・マッキナニー他「サージャント・ペパー50年」
昔は貧しかったから、プレイヤーもレコードも買えなかった。就職して自分のこずかいを手にして最初に買ったレコードが「サージャント・ペパーズ」だった。 私にとっては記念のアルバムだ。 ...続きを見る

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2017/08/17 12:57
浜矩子「どアホノミクスへ最後の通告」
経済学の言葉は、私にはどうしても頭に残らないので、なんど浜氏のアホノミクス批判を読んでも、その内容は腹に落ちない。だけれども、浜氏の言うことのほうが、たぶん本当だと直観する。 それは、下の三つのパラグラフを読めば、得心する。 ...続きを見る

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2017/08/16 18:58
山崎雅弘「戦前回帰 「大日本病」の再発」全国民必読の書
現政権の首相は、「先の戦争の反省に立って」と何度も口にするが、その「戦争の責任が誰にあるのか」「当時の日本の何が問題だったのか」という重要な点について、実は何も認識してない。 むしろ、言及しない、論点化を避ける問題を見ると、戦前・戦中の国家体制の肯定と是認が浮かび上がる。  ...続きを見る

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2017/08/15 11:02
西加奈子「 i 」
「この世界にアイは存在しません」と高校の数学教師が虚数について(間違って)語った時、アイは自分は存在しないという声を聞いた。 ...続きを見る

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2017/08/14 07:13
苫米地英人「日本人の99%が知らない戦後洗脳史」
全ての本は、内容が正しいかどうかわかったものではない。 また、「正しい」かどうかも歴史に対しては評価しにくい。 人はみかけによらないものだから、筆者の風貌で判断してはいけないだろう。 とは想いつつも、なんとなく、ほんとうかなぁと思うのは、どうしてだろうか。  ...続きを見る

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2017/08/11 09:29
一ノ瀬俊也「日本軍と日本兵 米軍報告書は語る」
日本軍、日本兵とはいかなるものだったのかを、交戦の都度米軍が報告し、それをもとに解説、対処法など広報として書かれたIntelligent Bulletin (IB) から、米軍の見方をとおして知る。 ...続きを見る

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2017/08/11 06:16
山口二郎編「安倍晋三が日本を壊す」
山口二郎氏の対談集である。相手は、内田樹、柳澤協二、水野和夫、山岡淳一郎、鈴木哲夫、外岡秀俊、佐藤優の各氏。それぞれ分野や強弱はあるが、安倍政権が長く続けば日本がどんどん壊れてゆくという危機感だけは共有している。  ...続きを見る

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2017/08/09 10:14
日経ビッグデータ編「グーグルに学ぶディープ・ラーニング」
日経BPのこの手の解説書の定番通り、入門的解説、先進ITリーダーの動向、米国先進ユーザー事例、国内先進ユーザー事例、この流れに乗るには・・・という内容になっている。特にAIのケースは、入門的内容に続く技術解説がほとんどないと、常日頃感じているが、この本もそうだ。 ...続きを見る

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2017/08/07 14:41
三上智恵「戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)」
元琉球朝日放送のアナウンサーにして映画監督、ジャーナリストの三上氏がウェブ・マガジンに連載していた、2014年7月から12月までの投稿を纏めている。ほとんどは辺野古の新基地建設反対行動の話題だが、ちょうど県知事選のさなかでもあり、沖縄県人の政治に対する感覚も伝わっている。 マガジンには動画もあって、以下に纏められている。動画は、沖縄の爺さん婆さんの強い気持ちが伝わる。 有名な島袋文子おばあの言葉(第18回)の激しい、強い言葉が印象的だ。決して楽観的ではない、金目で裏切ってそれでも知事として継続で... ...続きを見る

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2017/08/04 11:38
吉浜忍「沖縄の戦争遺跡 <記憶>を未来につなげる」
修学旅行で沖縄を訪れ、糸数アブチラガマに入った生徒たちは、一気に引き締まった顔になる。 戦争、それも沖縄戦の戦跡を訪ねる旅は、子どもたちに必ず戦争と平和を考えさせるきっかけとなる。 しかし、沖縄の戦跡は必ずしも良い管理状態にはない。  そして、モノをして語らしめると言っても、やはり語る人は必要なのだ。 ...続きを見る

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2017/08/03 16:08
奥野修司「魂でもいいから、そばにいて 3.11後の霊体験を聞く」
筆者奥野修司氏は、宮城県の在宅緩和医療のパイオニア、岡部健医師の強い勧めに従って、取材を始めた。 岡部医師は真面目なTV番組でも話題になっていた方で、震災後に宗教者の参画を求めた方だ。  ...続きを見る

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2017/08/01 15:00
山崎雅弘「「天皇機関説」事件」
自民党改憲草案を作るにあたって、片山さつき氏は、日本にはなじまないと考えたかどうか知らぬが、天賦人権説を採らなかったという。  まるで中学生のようにケネディの演説の「国のために何ができるか」を好んで、個人主義を制限したかったようだ。 ケネディだって憲法は変えないだろうに。  ...続きを見る

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2017/07/31 10:44
マイケル・ブース「限りなく完璧に近い人々」
皮肉屋の英国人が、評判高く裕福な北欧の国のあらさがしを500頁に渡って繰り広げた。 もっと簡潔に語ってくれればいいのに、孤独の好きな人々の検証に街角で声をかけるとか、微に入り細に入り、実験しながらインタビューしつづけるので膨大な情報量になる。 ...続きを見る

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2017/07/30 16:10
長田弘・酒井駒子(絵)「小さな本の大きな世界」
全部で150冊以上もの、絵本が多いが、大人向けの本も含めて、長田弘氏が一冊で2頁使って語っている。 ...続きを見る

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2017/07/28 08:37
大田肇「個人を幸福にしない日本の組織」
筆者大田氏は、「個人の尊重」を基礎とする組織の研究と実現をライフワークにしている。 IBMのプリンシプルの一つが「個人の尊重」だが、勿論大田氏はご存じだ。 必然的に大田氏の主たる関心は、個人の尊重を考えていない、旧態依然たる日本企業に向けられている。   ...続きを見る

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2017/07/26 16:54
廣嶋玲子「妖怪の子預かります2  うそつきの娘」
妖怪から変化したらしい、とびきり眉目秀麗の按摩青年の千弥。 千弥が養い親になっている人間の子ども弥助。 弥助は、子どもの妖怪を預かる保育所、預かり屋を頼まれていて、人間にも、妖怪にも愛されている男の子。  弥助が直面する、江戸の町での事件の数々、もちろん、妖怪たちや、しようもない人間たちのまきおこす事件・・・・ ...続きを見る

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2017/07/17 19:06
太田肇「なぜ日本企業は勝てなくなったのか」
「分化」・・・「異なる諸職能部門の管理者たちの間にある、認知的ならびに情動的な指向の相違」、「均質のものが異質のものに分かれること。また、その結果」、「個人が組織や集団、あるいは他人から物理的、制度的、もしくは認識的に分けられること」・・・という。  原語では”differentiation”というから、原語のほうが意が通じやすい。 ...続きを見る

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2017/07/17 16:06
森見登美彦「夜行」
10年前、英会話スクールの仲間たちと鞍馬の火祭の見物に来て、人気者長谷川さんが失踪した。再開した仲間たちは、宿や画廊で見かけた岸田道生作の銅版画、夜行シリーズにまつわる話を語る。 ...続きを見る

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2017/07/15 09:00
トーン・テレヘン「ハリネズミの願い」
自分には、ハリがあるから自分は嫌われているし、ふれあうこともできないと自己嫌悪するハリネズミ。訪問する友だちもいない、訪ねてくる客もいない、孤独なハリネズミ。 ...続きを見る

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2017/07/14 10:12
大田昌秀編「沖縄健児隊の最後」
沖縄師範学校の教師と生徒たちは、1945年3月31日、第32軍司令官の命令で軍に徴された。生徒461名が鉄血勤皇師範隊として、軍司令部直属で出陣したのだ。勤皇隊は本部、千早隊、斬り込み隊、野戦築城隊、特別編成隊と別れてそれぞれの任務を与えられた。 大田昌秀氏は千早隊で、民間人への広報宣伝や、部隊間の伝令役だった。 ...続きを見る

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2017/07/10 10:04
小笠原みどり「スノーデン、監視社会の恐怖を語る」
サンデー毎日等に連載したスノーデン・インタビューの全記録に大幅加筆したもの。 それによって、スノーデン氏の言説と筆者の主とが、はっきり区別しにくくなったのではないか。  もつとも両者が矛盾することはないだろうから、内容的には問題なかろうが。 ...続きを見る

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2017/07/09 19:21
青木理「日本会議の正体」
日本会議とその前身組織が重要としてきたことは、@天皇、皇室、天皇制の護持とその崇敬、A現行憲法とそれに象徴される戦後体制の打破、B「愛国的」な教育の推進、C「伝統的」な家族観の固守、 D「自虐的」な歴史観の否定・・・だという。  ...続きを見る

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2017/07/06 09:06
冲方丁「十二人の死にたい子どもたち」
ひとり、またひとりと、明るいピンク色の、元は病院だった建物の中に、裏口からはいってゆく少年少女たち。入口におかれた金庫のダイアルを回し番号札を受け取ってゆく。1番から順番に、最後は12だ。 少年少女が札を取ってゆくつど、周りの様子や細かな出来事や彼らの持ちが語られている。それは、後のたいせつな伏線になっているのだけれども、いかにも退屈な出だしだ。 ...続きを見る

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2017/07/05 10:01
大城立裕「琉球処分(上下)」
1871年の宮古島島民遭難事件あたりから、琉球藩の設置、台湾出兵を経て、日本政府と琉球王国のなんとも奇妙な「交渉」を繰り返して、1879年の、琉球処分、すなわち、琉球藩が沖縄県へ廃藩置県となるまでを描いている。 ...続きを見る

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2017/06/25 16:56
西多昌規「悪夢障害」
「「悪夢障害」とは、極度に不快な夢を繰り返し見ることで睡眠が妨げられる病」であるそうで、精神科で医師が尋ねれば、悪夢を訴える人は少なくないらしい。  もっとも、悪夢を見ないようにとの治療を依頼する患者はそんなに多くはないらしい。  ...続きを見る

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2017/06/20 16:12
辺見庸「完全版1★9★3★7(上下)」
今年は盧溝橋事件、南京事件から80年になる。 ...続きを見る

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2017/06/19 19:49
早川タダノリ「「日本スゴイ」のディストピア 戦時下自画自賛の系譜」
安倍政権が「美しい国」を言い始めたころから、”クール・ジャパン”は、「日本にこんなスゴイものがある」だったアプローチが、「こんなスゴイものがある日本はスゴイ」という語り口に変化し始めた。 黄文雄氏、竹田恒泰氏、藤岡信勝氏らが代表的な「日本人スゴイ論」のベストセラーを作りだしている。  ...続きを見る

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2017/06/19 19:16
エマニュエル・トッド「問題は英国ではない、EUなのだ」
サッチャーとレーガンから始まった新自由主義とグローバリズムが終わりを迎えている。うまく終わるか、破壊だけか、それはわからない。イギリスのEU離脱は、その先駆けだとトッド氏は歓迎するかのようだ。移民の問題よりも、イギリスの選択は議会の主権の問題だったと。 トッド氏は、グローバリゼーション・ファティーグ(疲労)という言葉で、先進各国のグローバリゼーションから国家、ネイションへの回帰という変遷を表現している。経済だけで語るなとスティグリッツやクルーグマンなどの経済学者にも注文を付けている。 ...続きを見る

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2017/06/19 19:08
内田樹・鈴木邦男「概世の遠吠え2」
内田樹氏の相変わらず豊富な知識と知性溢れる指摘に読みがいがある。  ...続きを見る

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2017/06/19 17:12
村田沙耶香「コンビニ人間」
とてもユニークで興味深い小説だと思った。最近の小説に接するたびに、自分は小説に何を求めているのかなぁと考える。単なる暇つぶしのエンタメか、何か意味を求めているか。 ...続きを見る

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2017/06/12 09:50
米澤穂信「満願」
「王とサーカス」などの太刀洗万智シリーズの作者、米澤穂信氏の本は3冊目になる。 推理小説風の古典的な組み立ての小説は、格別の傑作ではないが、気楽に、安心して読める。純粋にエンターテインメントだ。 ...続きを見る

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2017/06/10 19:26
ジュリアン・バーンズ「終わりの感覚」
“The Sense Of Ending” 「終わり」とは、人生のエンディングのことだ。 ブッカー賞を受賞したこの作品の味わいが分かるのは、恐らく60歳以上の人だろう。 しかも、どちらかといえば、自分の生きてきた道を振り返ると,悔恨の方が多い人だ。 そういう意味でぴったりの私にしても、この主人公の苦々しい悔恨の想いは強い。 しかし、本当に些細なことが、その悔恨のトリガーになるのだ。 ...続きを見る

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2017/06/04 19:05
エドワード・スノーデン他「スノーデン日本への警告」
2016年6月4日、東大で開催された自由人権協会(JCLU)のシンポジウムの記録。 前半は、ロシアからリモートで参加したスノーデン氏が「日本への警告」を語り、後半は、パネルディスカッションの内容。  ...続きを見る

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2017/06/03 10:20
松田武「対米依存の起源 アメリカのソフト・パワー戦略」
たいへん魅力的なタイトルで、大いに期待したのだが、若干、期待したものと違う感覚がある。 しかし、よく考えてみると、何を期待したのか分からなくなってきた。 期待したのは日本の政治の対米依存の起源であったが、対米依存は政治だけの問題でない、社会の依存も確かにある。  ...続きを見る

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2017/06/02 15:43
岡谷公二「伊勢と出雲 韓神と鉄」
神社や古代史の専門家でもない筆者が立て続けに神社の本を三冊も著したのは、「それほど神社をめぐる謎は深く、私の心をとらえて離さなかった」からだ。それは、なんとなくわかる気がする。 私も神社と古代史には興味が尽きないが、行って調べようという気は起こらない。 ...続きを見る

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2017/06/01 10:59
カベルナリア吉田「沖縄戦 546日を歩く」とても参考になる本
一度このような旅をしてみたいと思っていた。  とはいえ、私にとっての沖縄は、コールセンターを構築するために訪ねたオフィスと、空港と、ホテルと、数件の食事処だけで、こんな旅は今後も実現するはずがない。 カベルナリア吉田氏が紙上で実現してくれた。  ...続きを見る

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2017/05/23 08:35
仲村清司「消えゆく沖縄」・・沖縄の難しさ、重さが伝わって来る
仲村氏は1958年大阪生まれの沖縄二世。 大阪、京都、東京と暮らし、いまは沖縄に移り住んで20年、いちばん長く暮らしている土地になった。 「ちゅらさん」以後、沖縄ブームで移住者も多かったが多くは数年で帰っていった。 仲村氏自身も、そろそろ本土に戻ろうかと思っているようだ。 筆者は明確には語らないが、沖縄自身が沖縄らしさを失いつつあることを哀しんでいるようだし、沖縄の難しさにやりきれなさや物足りなさを感じてもいるようだ。 それは、これらの言葉から察することができる。  ...続きを見る

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2017/05/20 08:16
トーマス・セドラチェク「善と悪の経済学」これぞ良書、ただし理解には幅広い教養が必要だ
これは大変な良書だ。しかし、残念ながら、この本をよく理解するには、私の知性と教養の程度は全く不足している。 ...続きを見る

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2017/05/19 08:39
浜矩子・佐高信「どアホノミクスの正体」
経済政策とは言えない、「アホノミクス」と名づけるのも過大評価ということで、「どアホノミクス」と呼ぶらしい。  全体的に、アホノミクスの批判は、もう既にさんざん語られているので、この本は、意外に、宗教的な話や経済学の話で、幅広く対談されていた。  ...続きを見る

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2017/05/18 08:39
恩田陸「蜜蜂と遠雷」 さすがW受賞だけのことはある
3人の若い天才ピアニストを中心として、日本の地方都市で開催される国際的なコンクールのエントリから本選までをつづる、なんともユニークな小説。 ピアノもコンサートもクラシックにも疎い私は2段組み500頁という量にギョッとしたが、なんのことはない、あっという間に読み終わってしまった。 ...続きを見る

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2017/05/10 17:07
西日本新聞社「戦争とおはぎとグリンピース」
西日本新聞に1954年に開設された女性投稿欄「紅皿」。 戦後70年経って記者たちがふと昔の記事に触れた。 昔、戦地から戻らない息子の好物おはぎを作って待っていた思い出を綴った、「おはぎ」と題された投稿だった。 記者たちは、連載を読み返して42編を選び一冊にまとめた。 ...続きを見る

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2017/05/10 17:00
小川さやか「「その日暮らし」の人類学」
「明日は明日の風が吹く」、つまり、「その日暮らし」、Living for Todayの姿を人類学+経済学的視点で探っている。論文調の文章でやや硬く、なかなか頭にはいらないが、以下のプロローグの文が要約している。 ...続きを見る

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2017/05/09 17:33
横山紘一「阿頼耶識(あらやしき)の発見 よくわかる唯識入門」
目黒の円融寺で「唯識ライブ」という行事があると知り、入門書を手にとった。 入門書だけに、解ったような気もするが、よくよく考えると全く理解できていないと知る。  ...続きを見る

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2017/05/08 09:19
黒川創「岩場の上から」
「いつか、この世界で起こっていたこと」で初めて知った黒川氏の私には2冊目の小説。どちらも、震災と原発事故の後、人びとの暮らしにひっそりと忍び込んだ異常に目を向けている。この「岩場の上から」は、更にもう一歩政治状況にも踏み込んでいる。 ...続きを見る

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2017/05/07 14:41
島田裕已「神道はなぜ教えがないのか」
毎朝洗足池に散歩に出かけると八幡神社にお参りし、娘の幸せや兄弟姉妹の病気平癒、それに宝くじが当たるようにと。 お願いしても、祈りが聞き遂げられることはないと知っていて、お祈りする。  八幡神社は全国一の数多い神社である。 宇佐八幡から分霊・勧請を繰り返し拡がったものだ。 祭神は八幡神、応神天皇と言われている。応神天皇が、こんな祈りを聞き届けるはずかない。 ...続きを見る

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2017/05/05 12:46
中島岳史・島薗進「愛国と信仰の構造 全体主義はよみがえるのか」
明治維新は「儒教から派生した尊皇の政治の希求」と「古代律令制の日本版である神道国家への回帰」がもたらした。    江戸末期に、「中国は王朝が変遷しているが、日本は万世一系である、それならば、中国よりも日本のほうが儒教的である、だったら、日本の連綿としたものを追求すべきだ」という、中国より日本をよしとする国学が盛んになった。 ...続きを見る

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2017/05/04 20:02
斎藤貴男「戦争のできる国へ 安倍政権の正体」
ちょっと話が回りくどく長いけれど、たいへん豊富な情報量(資料、インタビュー)とユニークな視点におどろく。 間違いなくお勧め本。  ...続きを見る

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2017/05/02 09:47
塚田穂高編著「徹底検証 日本の右傾化」
宗教社会学の塚田氏が声を掛けた20人の論客や研究者が、日本のいま、右傾化しているのかどうかをそれぞれの専門分野で検証している。 研究者としては、データで検証する必要があるのだろう。 国民全体としての「右傾化」は実証できないかもしれないが、何をデータとして選ぶかによって、いくらでも変わる。  ...続きを見る

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2017/05/01 09:33
池井戸潤「陸王」
恥ずかしながら、池井戸順氏の小説は初めての体験となる。 「下町ロケット」や半沢直樹シリーズであまりにも有名なので逆に避けていた感じだ。  ...続きを見る

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2017/04/30 08:40
松島泰勝「実現可能な五つの方法 琉球独立宣言」
松島氏の琉球独立論はいつか読みたいと思っていた。 よほど精緻な独立理論が展開されるのかと勝手に思い込んでいたが、肩ひじ張らない、しごく自然な、悪く言えば、のんびりアバウトな独立論だった。 ...続きを見る

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2017/04/27 16:34
内藤朝雄「いじめの構造 なぜ人が怪物になるのか」
そんなに難しいことを言っているわけではない、はずだが、モデリングは抽象化であるので、言葉遣いのために理解しにくい。 簡単に言えば、市民社会(のルール)と異なる群生社会の規範が強い環境では、潜在的な人間の怪物性が眼が覚める、ということだ。  ...続きを見る

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2017/04/25 09:20
若松英輔「言葉の贈り物」
「魂に触れる、大震災と、生きている死者」で初めて知った若松英輔氏は、たいへん気になる方だ。 正直に言って、「魂に触れる・・」も、「言葉の繰り物」も、いまいち、わたしの興味関心とは、すこしずれていて、別の言い方をすれば、理解できないところが多いのであるが、それでも、気になるのは、死ということ、言葉というものに、みような拘りを感じるからだ。 ...続きを見る

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2017/04/20 18:38
岡本雅享「出雲を原郷とする人たち」
出雲神社や出雲にちなんだ地名は、北陸・越後だけでなく、関東、信州、紀伊、瀬戸内、九州北部その他にも、こんなにたくさんあるのかとびっくりするほどある。 ...続きを見る

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2017/04/17 11:25
にしのあきひろ「Dr.インクの星空キネマ」
白黒の精緻だけれど変わった図柄の絵が特徴的な絵本。 お話も、それなりにユニークな四つの話が映画の群像劇のようにひろがる。  ...続きを見る

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2017/04/15 10:40
NHKスペシャル「沖縄戦全記録」
2015年6月に放送したNHKスペシャル「沖縄戦全記録」の書籍版。沖縄国際大学石原氏が何十年もかけて記録していた1000本の証言テープ、県が一軒一軒訪ね歩いて記録していた沖縄県民の死亡記録を新たにデータ化したもの、日米両軍兵の生存者の証言、バーンズ曹長の日記などから、沖縄戦を、主として住民がどのように巻き込まれていったのかに焦点を当てて描いている。 ...続きを見る

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2017/04/15 08:17
にしのあきひろ「えんとつ町のプペル」話はともかく、絵が素敵だ
話題になっている絵本のようで、手にしてみた。 お話はよくできてはいるが、特に新味のないお約束に溢れている様に思うけれど、頁全体の絵が一ページおきに展開されていて、すばらしい絵だ。  ...続きを見る

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2017/04/15 07:49
鈴木亘「経済学者 日本の最貧困地域に挑む」
橋下大阪市長の特別顧問として西成地区が抱える問題を一挙に解決するためのプロジェクト「西成特区構想」を地域の諸団体とボトムアップで計画をまとめ、予算を獲得し、事業化を進めた、3年8カ月の活動を報告している。 ...続きを見る

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2017/04/13 14:41
ケヴイン・ケリー「<インターネット>の次に来るもの」
「WIRED」の創刊編集長、映画「マイノリティ・レポート」の未来テクノロジーを決める討論に参加したこともあるケヴィン・ケリー氏が、12の切り口で未来テクノロジーの予測を整理した。ケリー氏はモノ作りの側ではなくジャーナリスティックな視点である。 ...続きを見る

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2017/04/12 19:48
デービッド・アトキンソン「新・所得倍増論」
筆者はゴールドマン・サックスで長く活躍された後、美術工芸社で日本の文化財維持にあたる日本通。 観光立国論でも名をはせた筆者が、日本経済停滞の真実に迫る。経済学的な妥当性は分からないが、言ってることが単純なだけに真実な感じがする。 ...続きを見る

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2017/04/09 19:54
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ「セカンドハンドの時代」
600ページもの分厚さに圧倒されながら、すこしずつ読み進める。スターリン時代をなんとか生き抜き、ペレストロイカやエリツィンの時代を迎えた人々の戸惑い、苦しみが、圧倒的な小さき人々の語りによって押し寄せてくる。 ...続きを見る

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2017/04/09 17:58
アルノー・ヴォレラン「フクシマの荒廃」
わずか200頁の読み物だが、なかなか読み進められない。フランスのジャーナリストの割には(?)きっちりフクシマの現場に入り込んで取材した重みがずっしり響く。原題の直訳は「使い捨て人間たち」 ...続きを見る

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2017/04/07 08:26
角田光代「坂の途中の家」重苦しい心理劇
なんとも重苦しい小説だ。  ...続きを見る

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2017/04/01 12:27
小島毅「近代日本の陽明学」・・何でも抱える行動主義が日本的
私は日本人の中韓を差別する心や「国体」に従う心の成り立ちを知りたいと常々思っている。わずか200頁余の教科書のような本書はかなり参考になった。 ...続きを見る

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2017/04/01 12:24
滝口悠生「死んでいない者」
なんとも不思議で退屈な小説だ。 「死んでいない」者とは、通夜の集会所に集まる故人の親族、友人たち。 淡々とひとりひとりの、ささやかな歴史、ひととなり、思い出、心の動きなど、煙がたたなびくように、流れるように語られる。  語りは誰の視点か定かではない。 故人の孫だったり、故人だったり、あるいは誰でもない空からの俯瞰のようだったり・・・・ある意味、むかしの小説風だ。 ...続きを見る

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2017/03/27 07:56
平木典子「アサーション入門」
コミュニケーションの根幹として自己表現について、自分の意見や気持ちを言わない、言っても伝わりにくい非主張的自己表現、自分の言い分や気持ちを通そうとする攻撃的自己表現と並んで、自分が話したい事も率直に伝えると同時に、話した後には、相手の反応を待ち、対応することも含んだ自己表現。  ...続きを見る

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2017/03/26 18:47
池澤夏樹編「作家と楽しむ古典」
池澤夏樹氏の「個人編集」に基づく日本文学全集の訳、編纂を担当した各氏が、講演として訳の方針や工夫を紹介している。それぞれ、たいへんキャラの濃い人々なのでユニークなことこのうえない。印象に残ったものを一言ずつ。 ...続きを見る

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2017/03/26 18:43
朝井リョウ「何様」
「何者」の続きのような「何様」を含むいくつかの短編。 ...続きを見る

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2017/03/20 12:23
山口栄一「イノベーションはなぜ途絶えたか―科学立国日本の危機」
「日本は80年初頭から大企業の研究所における科学研究を中心に技術革新を行ってきた。 ところが、大企業は90年代後半に研究機関を次々に閉鎖・縮小していった」。 ところが、同様に研究所を閉鎖した米国(例えばベル研は90年、IBMは91年に基礎研究から撤退)は、イノベーションが続いている。  ...続きを見る

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2017/03/18 08:05
笙野頼子「ひょうすべの国」衝撃的な反TPPファンタジー
なんとも不思議な小説だ。政治的な危機感から描かれたらしい、TPP批准後の世界を、これほど鋭い切り口で、しかし、極端なファンタジーとして構築するなんて・・・物語の内容はまったく理解できないけれども、筆者の危機感だけは伝わってくる。 ...続きを見る

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2017/03/15 08:09
フレッド・ピアス「外来種は本当に悪者か?」
私はセイタカアワダチソウを好きなのだが、世間では、所構わず繁茂して日本の草花を駆逐する悪い花になっていると思う。  ほんとに悪い花なのか、かねてから疑問に思っていた。 だから、この本に飛びついたけれど、残念ながら、セイタカアワダチソウの話はなく、もっと大所高所の学問的な議論が中心ではあった。 ...続きを見る

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2017/03/10 09:44
町山智浩「最も危険なアメリカ映画」 町山氏の博識に脱帽
かなり古い、しかもマイナーなので、知らない作品が多い。作品の紹介よりもその周辺、ハリウッドの関係者をとりまく町山氏の知識に脱帽である。 ...続きを見る

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2017/03/08 16:31
堤未果「政府は必ず嘘をつく 増補版」
堤未果氏の一連のレポート・主張は常に衝撃的だ。 何冊目かで随分慣れてきたがそれでも新しい衝撃に事欠かない。 今回は、「政府は必ず嘘をつく」に、TPPとマイナンバーカードについて若干追加されている。 ...続きを見る

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2017/03/08 08:32
松本直樹「神話で読みとく古代日本―古事記・日本書紀・風土記」
国家神道・古来からの神道・古来からの日本なるものを、いつかキチンと勉強したいと思っている。 ...続きを見る

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2017/03/08 07:55
マイケ・ファン・デン・ボーム「世界幸福度ランキング上位13カ国を旅して」
ひさしぶりに、最後まで読めなかった。  ただでさえ幸福論は退屈なのに、13か国の旅の話と、処方箋なる話の構成が訳が分からないのだ。 処方箋はその国のまとめでもなく、その国に特有な幸福の条件でもなく、ただ漫然と書かれている、としか読めない。 勿論、私の読み方が悪いのだろうけれど。  ...続きを見る

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2017/02/21 19:39
猪瀬直樹「東京の敵」
東京にとって望ましくない「敵」として、猪瀬氏は二人を挙げている。 いわずとしれた都議会のドン内田茂氏と、五輪組織委員会を牛耳る森喜朗氏である。 この手の本はまず読まないのだけれど、森喜朗氏についての記述を見たくて手にした。  ...続きを見る

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2017/02/19 18:19
加藤陽子「戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗」
加藤陽子氏の近現代史の授業は他の機会でも何度か接している。 中高校生が相手でも、大人と変わらない質問が飛び交い、史料にあたって議論する姿がとても勉強になる。  ...続きを見る

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2017/02/19 15:42
ボブ・グレアム「わたしたちのてんごくバス」
ある日、少女ステラの家の前に大きな、粗大ごみとして、行き先を天国と書いた、おんぼろパスが置かれていた。ステラと街の人々は、パスを綺麗に掃除し、綺麗な絵を描き、中に重い思いのものを持ち寄って、みな集い始めた・・・・ ...続きを見る

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2017/02/13 11:29
田中克彦「従軍慰安婦と靖国神社」
従軍慰安婦についても靖国神社についても、筆者は特に勉強していない、歴史学者と対極にいる言語学者としての単なる随想だという。 謙遜かとおもったが、ほんとに大した勉強はしていなのかもしれない。  ...続きを見る

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2017/02/12 15:57
早川英男「金融政策の「誤解」」
経済学は苦手なので、この筆者の主張が正解なのかどうかはさっぱりわからないが、なかなか理論的、常識的で、説得力がある。 ただ、どうすればよいかという点は、あまり賛同したくないけれども・・・。  ...続きを見る

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2017/02/10 08:04
山田詠美「珠玉の短編」
短編集の最後、「あとがき」風一文にこんなものがあった。 「私は通常、胸やけするほどコッテリとした性愛を描く作家、もしくは、思春期の少年少女の有様に美辞麗句を並べてハッタリかます作家、さらには、手のかかる子供らに無垢という罪状をでっちあげる作家として知られていますが、実は言葉用の重箱の隅をつつく病の重症者なのです」・・・そう、まったく山田詠美の世界をいいと思わない私にも、氏の言葉の使い方にはなかなか吃驚する。 ...続きを見る

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2017/02/09 07:56
マッケンジー・ファンク「地球を「売り物」にする人たち」
若干読みづらいのは、場面がよく変わるのと、淡々と取材対象者を記述しつづけ、筆者の意見がほとんど語られないからかもしれない。 しかし、400ページ余にもわたって、それだけ,広汎な分野で取材を重ねたエピソードが豊富だということでもある。 ...続きを見る

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2017/02/08 15:21
須賀しのぶ「また、桜の国で」
1944年8月1日のワルシャワ蜂起に向かって、外交官の棚倉慎とポーランド人の友人たちとの、信頼と友情の物語。 ...続きを見る

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2017/02/07 05:06
伊藤桂一「静かなノモンハン」国民必読の書
以前、司馬遼太郎氏はノモンハンの資料を集めているが、書きたくても書けないと語っていたように記憶している。 ここに掲載されている対談でも、ノモンハンの戦闘が、日本軍のいかにひどい面を見せていたか語っている。  ...続きを見る

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2017/01/29 18:50
高野誠鮮・木村秋則「日本農業再生論」
「奇跡のリンゴ」で称賛され、映画にもなった木村秋則氏は、リンゴが実ってからマスコミが聞きに来ないと冗談を言うが、感動の話以後、木村氏が精力的に自然栽培の普及活動をしていることは知られていない。 47都道府県で講演や指導をしている。  ...続きを見る

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2017/01/29 18:44
白川静「サイのものがたり」
「サイ」とは、口の形と考えられていたもので、神に祈り、誓うときの祝詞を入れる器の形。 名、告、右などの字にある口は、耳や口の口と考えられていたが、それでは矛盾が生じるという。 ...続きを見る

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2017/01/29 18:38
湊かなえ「ポイズンドーター・ホーリーマザー」読み進めるのが辛い心理戦
本の題名となっている「ポイズンドーター」、「ホーリーマザー」を含む6編の短編のどれも、女性が、母親、妹、友人、競争相手との苦しい戦いの果てに悲劇を迎えてしまう。  ...続きを見る

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2017/01/25 15:55
ペイカレント・コンサルティング「デジタル・トランスフォーメーション」
言わんとしていることはわかる。事例はよくでてくる企業で、Uber、Airbnb や FinTech だから、「新しい技術」を活用して、既存の業界を破壊しつつあるディスラプターである。だから、既存企業も、どうやって、「そういった」戦略を立て、実行していけばよいかをコンサルタントとしては語らなければならない、ということだ。 ...続きを見る

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2017/01/24 17:08
馬立誠「憎しみに未来はない 中日関係新思考」
2002年末に人民日報の解説委員?である馬立誠氏が雑誌に投稿した論文は、中日関係に対する「新思考」を提案し、大変な論議をよんだ。 賛同も少なくなかったが、「売国奴のイヌ、民族のクズ、ブタやイヌにも劣る、口から出まかせ、恥知らず、バカ野郎、人間のクズ」など、ネットを始め、非難の嵐が巻き起こったという。 日本のネトウヨとおんなじだ。 ...続きを見る

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2017/01/22 18:26
黒川創「いつか、この世界で起こっていたこと」
「ESA と NASAによる、人工衛星からの地球観測では、311の津波は、発生から18時間かけて、一万三千キロあまり離れた南極のスルツバー棚氷まで到達した。  波高は、わずか30センチほどのものとなっていた。 だが、このうねりは、それから数十時間にわたり、棚氷に次々と押し寄せ、圧迫をかけつづけて、ついに、巨大な氷山を南極から分離させた。 南極海上を、これらは漂流しはじめている。 このうち、最大の氷山は、長さ9.5キロ、幅6.5キロ、厚さ80メートル」・・・ということもあったらしい。   ...続きを見る

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2017/01/22 08:07
梶本修身「すべての疲労は脳が原因」
疲労は脳の疲労であって、「疲労の原因は活性酸素による細胞の酸化であり、それに関連して疲労因子FFが作用して疲労感をもたらす」という。  ...続きを見る

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2017/01/20 20:20
秋山千佳「ルポ保健室」
「保健室登校」という言葉を初めて知った。 教室に行けず、授業に出られないが、保健室にはなんとか登校でき、保健室で過ごす生徒が少なくないそうだ。  「困った時はいつでも来ていいんだよ」という養護教諭の言葉で不登校から保健室登校に変わることができる。 その後、チームや生徒仲間の支援で教室に戻る生徒もある。 ...続きを見る

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2017/01/17 09:06
アンソニー・ドーア「すべての見えない光」 映画化すれば大ヒット間違いなし。
520ページもの長い小説の450頁まで来たあたりでは、想像はつくとはいえ、ハラハラドキドキの展開で読み進めるのが怖いから少しずつ読んでいた。 少しずつ読むのに大変便利なのは、この小説の独特の構成だ。 1,2頁、長くても4,5頁で、場面が変わる。  まるでモザイク細工のような、パズルのような、細かな、緻密な切片が、すこしずつ進み、1944年8月に向かってゆく。 ...続きを見る

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2017/01/17 08:11
辺見庸「もう戦争がはじまっている」
私以上に辺見氏はシュショウAを嫌っている。 その罵倒たるや、すさまじい。  シュショウAとネトウヨがもたらす日本社会の激変に悪態の付きっぱなしである。 ...続きを見る

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2017/01/07 08:04
原田マハ「太陽の棘」は感動的な物語
映画であれば、based on true story というタイトルが出る。 図書館でふと手にし、表紙の肖像画が気になった。 すばらしい物語だった。 沖縄生まれの画家玉那覇正吉氏と、1948年24歳で軍医として沖縄に赴任したスタンレー・スタインバーグ氏をモデルとした感動的な物語だ。  ...続きを見る

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2017/01/07 07:59
岸井成格・佐高信「偽りの保守・安倍晋三の正体」
今年は、嫌な辛い年になりそうな悪い予感がある。特定秘密保護法から始まり、安保法制、武器輸出解禁、原発再稼働に輸出、辺野古や高江での強行、高市発言などの言論・報道統制、年金カット法案の強行・・・とロクでもないことが続いているが、2017年は、更に、共謀罪、憲法緊急事態条項・家族条項改悪などが予想されている。 ...続きを見る

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2017/01/07 07:46
宮地ゆう「シリコンバレーで起きている本当のこと」
朝日のサンフランシスコ支局長らしく、そつなくシリコンバレーの「光と影」「現在と未来」をまとめたようで、朝日らしさがぷんぷん。つまり、”So What?!”、 “だからどうした”といいたくなる。 ...続きを見る

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2017/01/02 19:23
安田浩一「沖縄の新聞は本当に「偏向」しているのか」
「琉球新報」と「沖縄タイムス」は、偏向しているから潰せと、自民党議員の勉強会で百田尚樹氏が語ったという。 抗議に対して、相変わらず冗談だと逃げたようだが、安田氏は、激しく、かつ真面目に、反発、対応し、沖縄二紙の実態を二紙の記者や周辺を取材することによって、あきらかにしてゆく。 ...続きを見る

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2017/01/02 19:21
アトゥール・ガワンデ「死すべき定め」
最期の時をどう迎えるのか、その患者に対して医師としてはどう対処すべきなのか、筆者の父親も含めた数人の実例について迷いながらの考察を続けている。 なんとも重く辛い話が続く。  ...続きを見る

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2017/01/02 19:20
井上章一「京都嫌い」
なんとも奇妙な読後感がある。  ...続きを見る

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2016/12/30 11:07
ジョセフ・E・スティグリッツ「ユーロから始まる世界経済の大崩壊」
比較的読みやすいのだけれども、経済学は頭に入らない。極端に要約すると、政治統合をおいて通貨統合だけしたユーロは、始めから間違っていて、構造的にユーロは機能しないという。 ...続きを見る

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2016/12/30 11:05
長田弘「幼年の色、人生の色」
学生時代「現代詩手帖」はいつも見ていた。でも、好きな詩人を得たわけでも、気に入った詩を暗誦できたわけでもない。詩や詩人は、結局、私には遠い存在だった。このエッセイ集の著者長田弘氏もそうだ。彼の詩は、読んでいたはずだが、何一つ覚えていない、 が、エッセイは、とても変化に富み、美しく楽しい話に満ちている。 ...続きを見る

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2016/12/22 17:51
チャディー・メン・タン「サーチ・インサイド・ユアセルフ」
「サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)」は、グーグルのマインドフルネス研修カリキュラムの名称で、筆者もそのプログラムを開発したメンバーの一人だ。   瞑想をプログラム化するのに、EI(EQ) Emotional Intelligenceを使っている。 EI(EQ) は、随分昔に一時期はやったが、自分自身と他人の気持ちや情動をモニターし、見分け、その情報を使って自分の思考や行動を導く能力であって、自己認識、自己統制、モチベーション、共感、社会的技能に加えて、内省的知能、対人的機能を領域とし... ...続きを見る

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2016/12/18 10:22
日本財団「子供の貧困が日本を滅ぼす」
この本の目玉である社会的損失の試算だが、もともとそういう試算には興味がない。 当然いくつかの仮定前提を付けての計算だから、その内容に高い信頼を置くことは難しかろう。  しかし、試算することには意味はある。 主として、進学することができないことからもたらされる損失がその根拠だ。  ...続きを見る

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2016/12/18 10:09
伊藤桂一「遥かなインパール」
1944年3月15日にスタートし、8月末に悲惨な終わり方をした、インパール作戦の詳細な経緯を、第60連隊(松村部隊、祭兵団)の将校・兵士の証言をもとに構成、戦記小説化したもの。 ...続きを見る

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2016/12/16 09:51
朝井リョウ「何者」は、切ない
大学四年生になる五人の若者が「就活」を通して、自分自身の姿、生き方、友達との関係などを思い知らされてゆく。 ...続きを見る

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2016/12/14 14:12
角井亮一「アマゾンと物流大戦争」
アマゾンは、梱包・配送が容易で、商品品質にリスクのない書籍からネット通販を始めて、ロジスティックスを磨き続け、低コスト化、合理化の武器としてきた。  物流ネットワークは短期間にできるものではなく、売上規模に応じた投資をしていかないと、危険でもある。 ...続きを見る

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2016/12/08 14:26
マイケル・ピルズベリー「China2049 秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」」
「見えてきたのは、タカ派が、北京の指導者を通じてアメリカの政策決定者を操作し、情報や軍事的、技術的、経済的支援を得てきたというシナリオだった。これらのタカ派は、毛沢東以降の指導者の耳に、ある計画を吹きこんだ。 ...続きを見る

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2016/12/06 19:23
エマニュエル・トッド「グローバリズム以後」
トッド氏やジェフリーサックス氏は、家族制度(長子相続など)、識字率(特に女性の)、共同体への帰属・・・など人類学的、人口学的な分析で世界を俯瞰していて、予測が当たることからよく読まれている。 ...続きを見る

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2016/11/30 14:52
原田伊織「明治維新という過ち」・・・長州のテロリストたちを語る痛快な読み物
昨年発行の本だが、ことし読んだ中ではいちばん痛快な書だ。 歴史は勝者がつくるもので、「封建鎖国の時代から近代化に向け勤王の志士たちが闘った明治維新」は、薩長がつくりだした都合のよいストーリーだ。  ...続きを見る

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2016/11/30 14:47
三浦展「東京田園モダン 大正・昭和の郊外を歩く」・・・東京雑学の宝庫
東京の街歩きが好きで土地の由緒に興味ある人には、とてもいい本に違いない。 ...続きを見る

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2016/11/29 19:05
稲葉剛「貧困の現場から社会を変える」・・・必読の書
路上生活者の支援をはじめ、福祉の現場で、湯浅誠氏といっしょに奮闘されてきた稲葉氏の言葉は、どこをとっても、とても勉強になる。 ...続きを見る

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2016/11/27 16:08
村上春樹「女のいない男たち」
おっ、私と同類項の話かと、題名に惹かれて手に取った。 ...続きを見る

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2016/11/25 18:15
五木寛之「ただ生きていく、それだけで素晴らしい」
高級軍人や官僚がすでに逃げた後、とり残された普通の人々のひとりとして、敗戦を平壌で迎えたために、五木寛之氏は壮絶な体験をした。優しい人ほど死んでしまう現実だった。引揚者だからといっていじめられたり、貧しく働きずめの孤独な人生だった。何度も死のうと思ったし、三度も鬱になった。・・・それでも生きているだけで価値があると思う、生きる目的も生きる意味などもなくてもいい。ただ生きているだけで素晴らしい。だって、たった一本のカラス麦でもその根は11200kmもあるのだと。  ...続きを見る

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2016/11/25 18:12
メイ・サートン「70歳の日記」
1982年5月3日(月曜日)70歳の誕生日からはじまり、1983年5月2日までの一年間の詩人にして作家、メイ・サートンの日記。恥ずかしながらメイ・サートンは知らなかったし、当然読んだこともない。孤独を何よりも好み、かつ必要とし、孤独なときが最も生産的な人らしい。といっても日記に見る日常は、多くのファンからの手紙に返信を書き、ファンや友人の来訪を迎え、講演に出かける、忙しい日々で、ちっとも孤独ではない。 ...続きを見る

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2016/11/21 18:37
中島京子「彼女に関する十二章」
伊藤整の「女性に関する十二章」と同じ章立てである。 伊藤整が男の視点から女性一般をエッセイとして語ったのに対し、中島京子氏は、50歳になった主婦聖子の日常に起った小さな出来事を通して、彼女聖子の想いと男性を語っている。それも、伊藤整のエッセイをフィクションの中に素材としても取り入れていて、妙な、入り組んだ構成になっている。 ...続きを見る

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2016/11/17 08:07
森川すいめい「その島のひとたちはひとの話をきかない」
精神科医師、森川すいめい氏が、和歌山県立医科大学の岡氏の研究で明らかにされた自殺稀少地域五か所をフィールドワークした結果の簡単な要約レポートだ。 ...続きを見る

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2016/11/16 10:07
伊勢崎賢治「9条もアメリカも日本を守れない 新国防論」
アフガニスタンや東ティモールの現場で実際に国連の活動をしていた「紛争屋」、伊勢崎氏は、昨年、する安倍政権が現実離れの説明をしていた安保法制に強く反対していた。 しかし、伊勢崎氏は、単純な護憲派ではない。  ...続きを見る

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2016/11/16 08:22
ノーム・チョムスキー「金儲けがすべてでいいのか」
「新自由主義が単に経済制度としてだけでなく、政治と文化の制度としても機能するその仕方は、他でもない非市場勢力への圧迫にある。ここでファシズムとの違いが、際立つ。ファシズムは、形式を整えた民主主義を軽蔑し、人種差別と民族主義に基づく高度に動員された社会運動を持つ。新自由主義が最もよく機能するのは、形式的な選挙制民主主義が整っていながら、同時に国民が情報や、アクセスや、意思決定への意味のある参加に必要な公的討論の場から疎外されているときである」 ...続きを見る

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2016/11/14 08:18
クライド・プレストウィッツ「近未来シミュレーション
筆者には、ひとむかし前のジャパンバッシングで聞き覚えがある。2050年の日本は素晴らしい国になっていて、その復活の道筋を2017年から描いている。2017年アベノミクスは失敗してIMF管理下になり、日本再生委員会が再生のためのデザインを描き、それが成功したという。 ...続きを見る

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2016/11/14 07:57
辻田真佐憲「大本営発表 改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争」
大本営発表といえば嘘とでたらめの代名詞だが、そのきっかけはひどく単純だった。42年4月頃までは大本営の発表は比較的正確であり、米国の発表は誤りが多かったため、国民の間に信頼感がある程度あった。負け始めて本当のことが言えなかったのだ。嘘は嘘を呼び、繕いようがなくなる。更に負け続けて戦果の発表はなおざりになり、戦況説明、特攻の称賛ばかりになってくる。 ...続きを見る

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2016/11/14 07:54
西加奈子「ふくわらい」
風変りな紀行作家鳴木戸栄蔵の娘,定は子供のころから世界各地を父親に連れられ訪ね歩いていた。父がワニに裂かれて死に、死体を焼いたとき、土地の習慣に従って父の肉を食べた。それが話題になったこともあって、子どもの頃から定には友達がいなく孤独だった。定が一番楽しく遊ぶのは、「ふくわらい」だった。顔のパーツをひとつずつ動かすことで、顔が成り立つことが不思議でもあり、パーツを崩したり交換したりして楽しんだ。言葉もそうだった。 一つ一つの文字から言葉が成り立つ、文章が成り立つ、その瞬間に立ち会えるということが... ...続きを見る

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2016/11/14 07:45
橋本卓典「捨てられる銀行」
地域経済に、地銀・信金などの地域金融機関が本来の役割を果たしていないことを問題にし、金融庁は新任の森長官の下、多胡氏、日下氏など、地域金融を立て直そうと試みている    かつて金融庁は、不良債権処理を徹底するために、検査マニュアルをつくり、詳細なチェックリストを装備して、厳しい検査を続けた。この検査マニュアルとチェックリストの15年間のお陰で、地域金融機関は、顧客企業の成長を促す営業がまったくできなくなってしまった。 いわく、「わずか15年程度の歴史しかない検査マニュアルへ、銀行の実力の結晶... ...続きを見る

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2016/11/03 19:02
伊藤智永「忘却された支配」
久しぶりに読みでのある良い本に出会えた。 いま世界で問題になっているテロリズムも、元はといえば植民地支配の後遺症だと筆者は言う。 戦争の記憶は日本では懐旧、愛惜、被害者の記憶でしかなく戦争責任が限定的だが、植民地の記憶にまで広げれば、植民地支配の責任を思い出さざるを得ない。  ...続きを見る

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2016/11/01 10:54
出井康博「ルポ ニッポン絶望工場」
読み進めるに従い、ひどく暗い気持ちになってくる。  この本は休み休みでないと辛くて読めない。 絶望的なのは絶望工場ではなく、日本の移民政策だ。  ...続きを見る

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2016/11/01 06:36
郷内心瞳「拝み屋怪談 逆さ稲荷」
怖い話がこれでもかと満載されている。短い話は半頁、長くても4,5ページだ。 ...続きを見る

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2016/10/31 12:17
月村了衛「土漠の花」
二年前に刊行された作品だが、たいへん今日的な話題でもある。   いま注目されている南スーダンとは、間にエチオピアをはさんで東にあるソマリアとジブチ。 ソマリアの海賊対策として派遣され、ジブチに駐在する自衛隊が、近くで墜落した米軍ヘリの救出に向かったところ、ソマリアの一部族による虐殺から逃げてきた他部族スルタンの娘を保護したことから、激しい戦闘に巻き込まれてゆく。一人、また一人と失いながら、ジブチの拠点に戻ることをめざす。 ...続きを見る

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2016/10/27 15:30
福井健策「「ネットの自由」vs.著作権」
2012年、民主党政権の頃の本だが、TPPの記事は現在でもまだ、たぶん有効だ。TPPの知財分野については、まだヴェールにかぶったままで、何の報道も無いからわからないのだ(私だけ?)。  4年前の時点でのネットの自由と著作権に関わる話題が、要領よくまとまっていて、たいへん勉強になる。 ...続きを見る

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2016/10/25 15:47
東山彰良「流」(りゅう)
なかなかおもしろかった。 ...続きを見る

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2016/10/25 13:27
堤未果「政府はもう嘘をつけない」
TPPが動き始めたら、ISDS条項によって、法人税の増税や、薬価の切り下げなど、事実上できなくなるのではないか。ましてや脱原発などできないだろうと筆者は言う。スウェーデンの企業はドイツの脱原発政策によって損害を被ったとしてISDS裁判を起こした実績がある。ヒラリーはいまはTPPに反対と言っているが、TPP条文を書いた回転ドアの多国籍企業がもっともヒラリーに資金提供しているのだから、TPP反対などできるわけがないとも。 ...続きを見る

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2016/10/20 19:39
野田あすか「発達障害のピアニストからの手紙」
筆者紹介のプロファイルが簡潔に物語っている。 ...続きを見る

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2016/10/13 16:38
松田青子「ロマンティックあげない」
新潮社のデジタル雑誌「yomyom pocket」連載コラム? の書籍化らしいが、新潮社のHPを見ても ”yomyom” には季刊本とtwitterしか見つからなかった。 ...続きを見る

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2016/10/11 19:15
ジャック・アタリ「「ちゃぶ台返し」のススメ」
ジャック・アタリの著作とは思えない、まるで自己啓発書のような内容だ。「「ちゃぶ台返し」のススメ」とは、えらく思いきった邦題にしたものだ。気持ちはわかるけれど・・・・・・原題は “Devenir Soi “ だから、”自分になる” といった程度のことか。こんな厳しい時代でも自分になることはできるし、自分にならない世界は終わるといいたいようだ。 ご丁寧にそのためのステップまで示している。 ...続きを見る

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2016/10/11 19:14
マイケル・ピュエット「ハーバードの人生が変わる東洋哲学」
「東洋哲学」と邦題を付けても、原題に,“The Path What Chinese Philosophers Can Teach Us About the Good Life”とあるように中国思想家の紹介である。 ...続きを見る

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2016/10/06 08:12
宮下奈都「羊と鋼の森」
「羊のハンマーが鋼の弦を叩く。それが音楽になる」それがピアノだ。 北海道の山間の集落に育った、外村少年はピアノを弾いたこともなかった。しかし、17歳、街の高校の体育館にあるピアノを板鳥さんが調律しているのを見て、その場で、自分が探していたものはこれだと知った。ピアノの音に森の匂いを感じた。頂いた名刺の店に行き、弟子にしてくださいと頼む。そして、勧められた調律師の専門学校に進み、板鳥さんのいる江藤楽器に就職し、見習い調律師として修業中だ。 ...続きを見る

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2016/10/05 09:00
綿矢りさ「ウォーク・イン・クローゼット」
「いなか、の、すとーかー」・・・故郷に戻って、窯を持ち、器を作っている透は、少しずつ認められてきて、TVのドキュメンタリー番組に出演したりした。すると以前から、妙な誤解をして付きまとっていた女が、番組で自分あてのメッセージを受け取ったと称して、ここまでやって来た。たまらなく怖いし、邪魔だし、腹が立つ。 そのうち、死ねと書かれた紙まで工房に入れるので、怒り狂って追いかけた。・・・・ ...続きを見る

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2016/10/01 06:07
佐藤栄佐久「福島原発の真実」
経産省、保安院などの官僚、東電の、度重なる嘘やデータのねつ造・改竄・隠蔽に業を煮やした福島県は、識者を呼び、まじめに原子力とその政策について勉強を重ねた。  プルトニウム削減のためのプルサーマル導入を国策として進めたい国・経産省は、地方の想いや疑問や依頼をいい加減に嘘であしらい、金で解決できると思っている。 ...続きを見る

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2016/09/29 09:53
チェシル(崔実)「ジニのパズル」
パク・ジニは在日韓国人。小学校までは日本の学校に通ったが、名前も日本の通称名を使わず韓国名で隠すつもりもなかった。でも私は朝鮮人と気楽に言っているうちにだんだん友達がいなくなってきた。 ...続きを見る

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2016/09/23 05:46
伊東乾「笑う親鸞 楽しい念仏、歌う説教」、ユニークな、音楽家による親鸞布教の洞察
筆者は、クラシック音楽家にして作家、音響に詳しい、真宗にも詳しい、ユニークな方だ。  小沢昭一氏が集めた日本の話芸の中に真宗の「節談説教」があり、感動した筆者が、親鸞聖人の布教が文字も読めない民衆でもわかるような、楽しく歌うようなものではなかったかと研究してゆく。  ...続きを見る

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2016/09/22 05:58
ベアテ・シロタ・ゴードン「1945年のクリスマス」
ベアテ・シロタ・ゴードン氏はキエフ生まれの両親の下、1923年、ウィーン生まれのオーストリア人。ピアニストの父親が山田耕作に請われて来日、東京音楽学校(芸大)教授となったことから、5歳から15歳までの10年間、東京乃木坂で過ごした。 ...続きを見る

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2016/09/20 08:28
近藤史恵「タルト・タタンの夢」
街の気さくで小さな、しかし、腕は確かなフランス家庭料理のビストロのシェフが、いろいろな料理にまつわる揉め事を、料理を通じて解決してゆく短編推理小説集。推理小説と言っても別に事件が起こるわけではない。 ...続きを見る

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2016/09/16 20:13
WOWOW ジョン・アーヴィングの特集
「ホテル・ニュー・ハンプシャー」、「ガープの世界」、「サイモン・バーチ」の3作は、私の好きな映画ベスト40にはいるほど、どれも好きな映画だ。   ...続きを見る

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2016/09/15 18:12
夏目漱石「こころ」・・・何十年振りの出会いは、やや淋しい
青空文庫が保管管理している、著作者死後50年の保護期間を過ぎた作品を利用して、販売している大型プリンターをショー会場に設置して印刷、その場で製本して来場者に配布したことがある。 もちろん私ではなく、同僚・先輩がハード・ソフト技術を駆使して両面・面付け印刷していたのだが、見た目にも面白く好評だった。 ...続きを見る

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2016/09/14 14:51
蒲生俊敬「日本海 その深層で起こっていること」
インド亜大陸がユーラシア大陸に激突した余波、地殻亀裂の進行で日本海が生まれたという。もし亀裂が早く終わって、もっと小さな日本海だったら、大陸とより密接につながり、日本の国ができたかどうか。またもっと亀裂が続いてはるか東方に日本列島が離れたら、列島に人類が渡るのがもっと遅くなった。絶妙なタイミングと大きさ(距離)だったという。 ...続きを見る

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2016/09/14 11:35
ノーム・チョムスキー「9.11 アメリカに報復する資格はない」
チョムスキー氏は、もちろん、9.11のテロは、明らかにテロであって許されるものではないと断言している。 しかし、同時に、アメリカには報復する資格などないと主張する。なぜなら、米国はテロ国家の親玉だからなのだ。 ...続きを見る

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2016/09/11 15:28
鈴木邦男「<愛国心>に気をつけろ!」・・・もう、右翼ではない、まともな議論
生長の家の出身で、右翼活動家の鈴木邦男氏は、改憲派でありながら、いまの安倍政権がすすめる改憲の動きには、反対だ。  ...続きを見る

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2016/09/11 15:24
山田優・岩井勇人「亡国の密約 TPPはなぜ歪められたのか」
TPP何でも早わかりといった類の本ではない。 ウルグアイラウンドを巡る農林官僚、農林族、米国の動きに全体の半分ほど頁を割いているのは、日米の「交渉」には、密約が必ずあり、TPPも同様だと筆者はみているからだろう。  ...続きを見る

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2016/09/09 15:22
吾明益「歩道橋の魔術師」・・・わたし好みの素敵な子ども時代の記憶の物語
これはわたし好みの小説だ。何十年も前の子供の頃、子どもたちが遊んだ商場(台湾の商店街)の風景、商店で働く人々の思い出、さまざまな事件には、商場の棟をつなぐ歩道橋で不思議なマジックをみせる魔術師の存在が欠かせない。 ...続きを見る

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2016/09/08 18:46
ティク・ナット・ハン「大地に触れる瞑想」
ティク・ナット・ハン師の言葉をTV番組などで聴くと、その静かな語り口と説得力ある比喩など感動する話が多い。 ところが、活字になって「マインドフルネスを生きるための46のメソッド」として瞑想に活かそうとしても、どうもしっくりこない。 ...続きを見る

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2016/09/06 16:31
黒木あるじ「怪談実話傑作選 弔」
遺影、形見、天狗、神隠、大黒・・・など二文字のタイトルがつけられた65の怖い話が語られる。夏になると稲川淳二がでてくるが、それと同じだ。平山夢明氏、黒木あるじ氏が、この業界の代表格らしい。 ...続きを見る

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2016/09/04 12:54
柴崎友香「ビリジアン」
ビリジアンは絵画で使う顔料で緑色だそうだ、と聞いたからと言って、この小説の理解が進むわけでもない。小学生時代から高校生時代までの、少女山田解の記憶、思い出の話が淡々と続く。少女山田解は部分的に柴崎友香なのかもしれず、一見ごく普通の子でありながら風変りで、感性豊かな子であって、その孤独で、感じるままの行動と心の動きは、たしかに清冽ではある。  ...続きを見る

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2016/09/03 16:26
頭木弘樹「絶望読書」・・絶望のときには、それにふさわしい物語がある
筆者のプロフィールには文学紹介者とあり、カフカの訳本・紹介本もある。  難病で入退院を繰り返し、絶望的だった時期に救ってくれたのは、ドストエフスキーなどの本だったという。 絶望的な時期は、あまり明るくすぐ立ち直りを促すようなものでなく、絶望に浸って共感を得られるものがいい。 「悲しいときには悲しい音楽を聴く方がいい」(アリストテレスの同質効果)ので、すぐ立ち直ったかと見えても、そこに無理があれば後になって、「遅延化された悲嘆」が起こるのだ。  ...続きを見る

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2016/08/30 08:39
ガブリエル・ガルシア=マルケス「族長の秋」・・・なんとも奇想天外な、しかし読みにくい小説
ガルシア=マルケス氏が、何を言いたくてこんな小説を作ったのか、まったく想像の外だが、中米カリブ海を望む国の独裁大統領の孤独と悪行が延々と続く。 さらに、それを語る文章が、これもまたダラダラと延々と続く。 しかも、せりふが無く、地の文が、ただただ、延々と続く。 そのうえ誰が語っているのか、さっぽりわからないし、語り手がころころ変わってゆくのだ。 こんな小説の文章、はじめて読んだ。 なんとも読みにくい。  ...続きを見る

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2016/08/29 06:56
週刊金曜日「テレビ現場からの告発! 安倍政治と言論統制」
自民党や、たくさんの応援団は直接番組に対して文書でクレームを送りつづける。 官邸は電話攻勢で、番組とリアルタイムでクレームを入れる。 首相は、メディアのトップと会食を続ける。 官房長官はオフレコでメディアやパン雲に対する不満をそっと告げる ・・・・ 必ずしも、直接的でないメディア・コントロールに対して、メディア自身が、ジャーナリズムの役割を果たさずに、自主規制と忖度を続けてゆく ・・・  ...続きを見る

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2016/08/28 07:34
石川九楊「<花>の構造 ―日本文化の基層―」
なんともユニークな説だ。京都精華大学での講義を本にしたものだ。「<花>の構造」といっても、植物学の話ではない。 ...続きを見る

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2016/08/26 14:54
ニコラス・カールソン「FAILING FAST マリッサ・メイヤーとヤフーの闘争」
題名 ”FAILING FAST“の意味を読み過ごしたかもしれないが、原題には無さそうで、:シンプルに、”Marissa Mayer and the fight to save yahoo”。  ...続きを見る

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2016/08/25 18:56
山本博文「格差と序列の日本史」
久しぶりに途中でギブアップした本だが、本がつまらないとかくだらないとか言う訳ではない。 なかなかユニークな視点で、よく調べられ、まとめられてい、よい本だと思う。 ...続きを見る

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2016/08/20 08:06
原田マハ「暗幕のゲルニカ」
1937年4月に始まり、45年、戦争の終結まで、パリのピカソとドラ・マールに起こる、ゲルニカ制作とその「亡命」に関わるエピソードが主奏。 2001年の911からイラク戦争まで、ニューヨーク近代美術館の日本人キュレーターがゲルニカを追う出来事が副奏。 それぞれ並行して、かわるがわる登場し、進行してゆく。 それぞれが回想シーンを持つので、けっこう複雑で、途中からうるさくなってくる。 ...続きを見る

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2016/08/18 06:02
ブレイディみかこ「ヨーロッパ・コーリング」
ブレイディみかこ氏は、ロンドンの南の港町ブライトン在住。現地の「地べたからのポリティカルレポート」をネットに掲載している。2014年3月からのレポートをまとめたもの。 ...続きを見る

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2016/08/16 19:13
莫言「透明な人参 莫言珠玉集 」
ノーベル賞を受賞した莫言(モーイェン)は、「魔術的リアリズム」の作家と言われているらしい。映画にもなった長編の「赤い高粱」は、正直ちっとも面白くなかった(読む力がなかった?)。 ...続きを見る

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2016/08/15 19:04
石黒圭「語彙力を鍛える」・・鍛える実践は容易ではないが語彙知識は興味深い
あとがきにあるように、「言葉をめぐる現代社会の病と戦うために」筆者はこの本を書いたそうです 病とは、次のようなことを指します。 ...続きを見る

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2016/08/15 19:01
若松英輔「魂にふれる 大震災と、生きている死者」
「大震災と、生きている死者」と副題がついていて、そこに期待したのだけれども、あまり震災の死者についての文章はなかった。 震災後、被災地では、死者を見かける話が多く、たいへん興味をもっていた。 興味本位で不謹慎といわれそうであるけれども。 ...続きを見る

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2016/08/15 18:58
荻原浩「海の見える理髪店」・・・前に進むためには、過ぎ去りし日々を静かに振り返らないといけない
書名と同じ「海の見える理髪店」をはじめ、6篇の味わい深い短編小説集である。それぞれなんとなくうまくいかなかった人生を振り返って、立ち止まって見まわしているかのようだ。あるいは、新たな旅立ちに際して、どうしても振り返ってしまう、そんな人々だ。 ...続きを見る

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2016/08/12 19:03
蓮池透「拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々」
蓮池透さんは激しい人だ。 不正や政治家の不作為が許せないから、つい黙っていられず激しい主張をしてしまう。まったく動かなかった拉致問題が小泉訪朝で一挙に表舞台に担ぎ出され、舞い上がったり、周囲の求めに応じて激しい北朝鮮非難を言ったり。 いま、落ち着いて振り返って語る言葉は、かなり真実をついているようだ。 ...続きを見る

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2016/08/08 17:21
白井聡・内田樹「属国民主主義」
「夕陽の荒野をとぼとぼ歩いて行く青年と老人二人の落ち武者」と自嘲する内田氏、今は珍しいレーニン主義者の白井氏とともに、相変わらず素晴らしい視点で、安倍政権や劣化する日本に対する処方箋を描く。 といっても、あまり有効な処方箋はなさそうだ。  ...続きを見る

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2016/08/08 11:32
伊藤比呂美「ラニーニャ」
詩人だけに、流れるような言葉の氾濫、それも「あたし」の頭の中に浮かんでは消え、浮かんでは消えする言葉の洪水・・・。 ...続きを見る

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2016/08/03 17:48
カール=ヨハン・エリーン「おやすみ、ロジャー」
「魔法のぐっすり絵本」と副題のついた絵本で、70万部のベストセラーになったらしい。それほど夜寝てくれない幼児に苦労している親が多いということか。 睡眠を促すための心理学や行動科学に裏打ちされた絵本だというが、個人的には、なんだかバカバカしい感じがする。 お話しを語るための絵本ではなく、眠らせるための絵本なんて。   ストーリーはあるよな、ないような。 だんだん眠くなるよと、催眠術のような語りかけを、ここであくびをするとか、ここは静かにゆっくりお話しするとか、演出も指定されている。ロジャーが眠... ...続きを見る

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2016/08/03 17:38
目取真俊「眼の奥の森」・・・沖縄の人でなければ書けない
沖縄本島北部の半島の湾から300mほど離れた小さな島の戦闘はあっという間に終わった。 口だけは勇ましかった日本兵も収容所に集められ、米軍からの食料や衣料の配給を受けてすっかり大人しくなった。区長も米軍にとりいって配給品を住民のために余計に取ってくるのだと合理化しながら、自分もウイスキーなどをせしめていた。 ...続きを見る

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2016/08/02 09:25
ジョセフ・E・スティグリッツ「これから始まる新しい世界経済の教科書」
そういえば、先般、安倍政権と大手メディアは、スティグリッツ氏の消費税増税反対の意見だけをとりあげたが、実は格差への対応等、全般的な経済政策の転換を提言していたらしい。 それは今の政権は聞く耳を持たないだろう。 この書は、あまりにも格差が広がったアメリカ経済を再生するための処方箋、教科書である。 サンダース氏ならともかく、誰が、この有益ですばらしい提言を実現してくれるのだろうか。 ...続きを見る

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2016/07/29 09:15
西加奈子「サラバ! 上下」 ・・・すこしだけネタバレ・・・
上下巻約700頁の大作である。 大作ではあるが、大作の面影はなく、普通のサラリーマン家族のひどく日常的なき、しかし、「僕」の誕生から37歳までの、大河ドラマのような物語である。  結論を言えば、なかなか、好きだ。 不覚にもグッとくる。 テーマは「自分を信じ自分の信じるものを見つけろ」という、ハリウッド映画のような陳腐さはあるが、「僕」の家族四人、それぞれの歩みのディテールがすばらしい。 ...続きを見る

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2016/07/28 19:11
原田実「江戸しぐさの正体」
ひところ、駅などにポスターが貼ってあって、「江戸しぐさ」なるものを初めて知った。「江戸しぐさ」は、公共広告として浸透し、企業や学校で講演などが盛んになり、なんと教科書にも記されているそうだ。 ...続きを見る

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2016/07/28 16:06
浅井春夫「沖縄戦と孤児院」
1945年6月23日の戦闘終了後、沖縄は交戦中の占領状態にはいった。米軍は本土攻略に向けた体制を構築しつつ、沖縄の占領統治を開始し、県民の85%が収容所生活になったと言われる。 ...続きを見る

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2016/07/28 16:01
池田利通「23区格差」
たいへん興味と期待をもって手にしたのだけれども、読み終えて、この興味とは一体何なんだろうと、かなりこの本を読む動機に疑問を感じた。 何を知りたいのかは人によって異なるだろう。 しかし、どの区が豊かで、どの区が貧しくて・・・といった下衆の興味であることに間違いはない。 ...続きを見る

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2016/07/21 14:33
島次郎「これからの死に方 葬送はどこまで自由か」
主題の「これからの死に方」というより、副題の「 葬送はどこまで自由か」が、この本のテーマだ。 安楽死や遺体の「活用」についても触れている ...続きを見る

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2016/07/20 19:32
吉永満夫「崩壊している司法」
「崩壊している司法」とはかなり大げさなタイトルではあるが、同時期に「絶望の裁判所」なる新書も出版されているくらいだから、実態としては確かに崩壊しているのだろう。 ...続きを見る

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2016/07/20 19:28
樋口陽一・小林節「「憲法改正」の真実」
ふたりの憲法学者、護憲派の泰斗樋口氏と改憲派の重鎮小林氏の、自民党改憲草案に対する批判的な対談である。 ...続きを見る

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2016/07/15 08:45
川上澄江「不仲の母を介護し看取って気づいた人生でいちばん大切なこと」
強い母親から離れるためカナダに逃れて結婚したり、うつ病を発症して、催眠療法のセラピーを受け、母親との関係の修復を図ったり・・・そんな不仲な母親が腹膜がんと乳がんのダブル・キャンサー、それもかなり進行していたことがわかる。 ...続きを見る

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2016/07/15 08:07
池上正樹「ひきこもる女性たち」
「ひきこもり」といえば、若い男のイメージが強いが、女性も実は少なくとも3割以上占めていると筆者は言う。女性の場合、主婦とか家事手伝いとかに隠れて表面に現れないケースがあるため実際より少なく見えるのだという。 ...続きを見る

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2016/07/14 14:25
エマニュエル・トッド「シャルリとは誰か?」
トッド氏の著作はできるだけ読むようにしているが、多くの本は私の頭ではなかなか理解しにくい。 トッド氏は常に歴史や人口学を振り返って本質を追求してゆくから、この本ではフランスの歴史や地理を知らないと、正しい理解は困難だ。  ...続きを見る

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2016/07/11 11:32
七沢潔「テレビと原発報道の60年」
長く原発について報道して来た七沢氏は、上司からも「原発番組ばかり作らないほうがいい」と言われ続けたが、原発誘致の裏を探る番組をつくった後、関連会社に飛ばされた。関連会社でも原発番組を模索し続け、東海村臨界事故の原因を掘り下げた番組を造ったら、あからさまに放送すべきでないと攻撃を受け、研究所に飛ばされ制作にたちできなくなった。 311が起こり、急遽現場に呼びもどされて参加して出来た番組が「ネットワークでつくる放射能汚染地図」。木村真三氏の熱意もあって、たいへん評判になり、数々の賞も受賞し、シリーズ... ...続きを見る

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2016/07/11 10:36
辻村深月「ハケンアニメ」
アニメ業界で、ひたすら好きなアニメ作りに没頭する、イケメン天才監督と気配り女性プロデューサー、努力家女性監督とビジネス人脈豊富な敏腕プロデューサー、下請け会社で神原画を描くオタクで孤独な女性アニメーターとアニメのロケ地を活用して観光に生かそうとする真面目な公務員、この三組を中心に、芸能人アイドルでもある人気声優、フィギュア作りの造形師・・・などなど、アニメの好きな人々の、苦しい仕事と熱い絆の物語。 ...続きを見る

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2016/07/04 15:54
半藤一利・保阪正康「賊軍の昭和史」
この前の戦争を、ある視点で大雑把に言うと、官軍が始めた戦争を賊軍が集結させた、ということができる。 その骨子を言うならば、官軍、すなわち薩長は、自分たちが作った国を自分たちがどう壊そうが勝手だと考える人々であって、賊軍の人々は、錦の御旗に敗れた経験を二度と繰り返したくないために天皇の終戦の意志を支えた、というのだ。 ちょっと無理な視点のような気もするか。 ...続きを見る

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2016/07/02 07:30
宇江佐真理「雪まろげ 古手屋喜十為事覚え」
浅草の古手屋(古着屋)喜十の美世、日之出屋に、業平しじみを売りに来た新太は、この家なら末の弟捨吉を託すにいいと確信して、捨てた。  どうしようもない母親の命令でもあったし、捨吉はその方が幸せだと新太も考えた。 ...続きを見る

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2016/07/01 14:51
白井聡「「戦後」の墓碑銘」・・・とにかくお勧めの本
「週刊金曜日」の連載を中心に、2013年から2015年夏までの新聞・雑誌等の論評を集めたものである。そのため主張の重複もあり、それだけ白井氏の主張が理解しやすいともいえる。 ...続きを見る

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2016/06/27 09:23
米澤穂信「真実の10メートル手前」
記者、大刀洗万智と聞いてどこかで読んだと思ったら「王とサーカス」だった。そう、大刀洗万智のシリーズができていたのだ。しかし、常に大刀洗万智でないだれかが、大刀洗万智について語る、その秘密めいた魅力的な印象が特徴だったが、「真実の10メートル手前」は、大刀洗万智が「わたし」と称して語っている。 これは異色だと思ったら、あとがきで作者自身が、そうするかどうか迷ったと記していた。 ...続きを見る

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2016/06/25 15:16
浜本隆志編著「欧米社会の集団妄想とカルト症候群」
いろんな研究をしている人がいるものだとおもう。 集団妄想には、熱狂型と災禍型の集団妄想があり、前者には、聖地巡礼、舞踏病、悪魔付き、幻視、聖母顕現等が挙げられ、後者には、ペスト蔓延、ユダヤ人儀礼殺人、魔女探し、人狼など、スケープゴートをつくりあげるタイプのものが多いという。 この型の違いも、実はあまり釈然としたものでない。 ...続きを見る

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2016/06/24 08:32
アルボムッレ・スマナサーラ「自分を変える気づきの瞑想法」
おなじみ、スマナサーラ氏の瞑想法である。 この本は、ただ読むだけでは意味がない。瞑想をやってみないと意味がない。 最近はやりのマインドフルネスは、もともとは、このヴィパッサナー瞑想が元になっていると思う。  ...続きを見る

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2016/06/21 15:44
朝井リョウ「ままならないから私とあなた」
短編「レンタル世界」と中編「ままならないから私とあなた」の2作品。  「レンタル世界」の方が好きかな。 ...続きを見る

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2016/06/19 15:36
アマルティア・セン、ジャン・ドレーズ「開発なき成長の限界」
アマルティア・セン氏の著作は、よほど専門的なものを除き、できるだけ多く接してみたいとおもう。 この書は、全体で500ページ以上にも及ぶ大部であって、残念ながら、途中で時間切れになってしまった ...続きを見る

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2016/06/16 19:55
前泊博盛「本当は憲法より大切な日米地位協定入門」
戦後再発見双書の一冊。サンフランシスコ講和条約調印の日、吉田茂ただひとりが調印した安保条約と日米行政協定。前日まで調印の場所も時間も知らされず和文もなかった。治外法権や米軍がいつどこでも駐留する権利を確保した売国的条約。それを岸信介が改定したと安倍が誇る新安保条約と日米地位協定は、岸ではなくマッカーサー大使主導で進められ、上っ面の言葉は変わったが内容は全く変わらなかった。 ...続きを見る

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2016/06/16 19:31
ノーム・チョムスキー「すばらしきアメリカ帝国」
また10年近く前のチョムスキーのインタビューを手にした。 この人の葉に衣着せぬ主張には本当に驚かされる。 ...続きを見る

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2016/06/13 18:35
サム・ニューマン「マイクロサービスアーキテクチャ」
ビジネス機能に沿って小さく分割したサービスの連携として、デプロイやスケーラビリティを向上させるアーキテクチャ ...続きを見る

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2016/06/13 18:31
教皇フランシスコ「教皇フランシスコ  いつくしみの教会」
教皇フランシスコには、以前から興味を持っている。 もともと隠れキリシタンでもあるので、キリスト教の動向にも興味をもっている。 それで、手にしてみたが、残念ながら、私のような素人ではなく、本当のキリスト者、教会関係者、司祭に向けてスピーチされたもののようだ。 ...続きを見る

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2016/06/09 09:04
映画「レフト・ビハインド」キリスト教エンタテインメント・ムービーなんてジャンルがあるんだ
キリスト教エンタテインメント・ムービーなんてジャンルがあるんだ。  牧師の書いたベストセラーの映画化で、神を信じる人々を変人扱いする現代人に対する警鐘なのか。 ある日、福音書どおりに、子どもたち全員と、神を信じる人々が突然、衣服を残して忽然と消えた。  みな天国にめされたのだ。 ...続きを見る

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2016/06/05 09:06
在中日本人108人プロジェクト編「それでも私たちが中国に住む理由」
2005年小泉首相の靖国参拝で反日デモが荒れた。 そして、2012年9月、野田首相の尖閣国有化によって、中国各地で反日デモが起こり、日本企業が襲撃され多大な被害に遭った。そのとき中国で暮らしていた日本人の有志が、それぞれの体験や想いを集め本にした。中国に対する想いの吐露でもあり、日中関係の改善を最前線で願う書でもある。  ...続きを見る

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2016/06/05 07:29
川村元気「億男」
一男は、弟の3000万の借金を引き受け、昼間は司書、夜はパン工場で働きづめの毎日、幸せな家庭も壊れて妻子と別れ貧しい暮らしを一人おくる ...続きを見る

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2016/06/03 08:43
ケリー・マクゴニガル「スタンフォードのストレスを力に変える」
「自分を変える教室」でベストセラーになったケリー・マクゴニガルがTEDで、ストレスについて自分は間違っていたと恥ずかしそうにプレゼンしていた。そのストレスについての著作である。 ...続きを見る

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2016/06/02 11:03
アルボムッレ・スマナサーラ「ブッダが教える意志力の鍛え方」
スマナサーラ師の本は何冊か読み、学んでいる。 釈迦の教えと近い初期仏教は、ほんとに宗教ではなく、哲学であり、科学であるとおもう。 たいへん合理的な考え方であり、ある意味、とてもクールである。 意志の力は目的の大きさに応じた程度の大きさでよく、目的を達成したらその意志はもういらないのだ・・・なんと合理的。 ...続きを見る

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2016/06/01 09:10
涌井学「世界からボクが消えたなら」
川村元気の原作「世界から猫が消えたなら」と同名映画を、主人公の飼い猫キャベツの眼から見なおした物語。原作も映画も見ていないので、違いの有無は分からないが、これは映画にぴったりの作品だ。映画ならハート・ウォーミングな感動のファンタジーという謳い文句になる。 ...続きを見る

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2016/05/21 10:26
菅野完「日本会議の研究」(扶
安倍晋三氏や最近の右傾化する自民党などを支える日本会議と、その周辺の人々の「研究」である。 恐らく、政財官、メディアなど、この「業界」の人は、みな知っている事実なのだろうが、 筆者が様々な資料を苦労して集め、裏を取って書いたところに、価値がありそうだ。 ...続きを見る

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2016/05/18 09:30
トリスタン・ブルネ「水曜日のアニメが待ち遠しい」
1976年生まれの筆者が子どもの頃、フランスの小学校は水曜日が休みだった。 たった二つの国営放送しかなかったテレビ局は競って子ども向けの番組を水曜日に放送したという。  ...続きを見る

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2016/05/18 08:44
木村友祐「イサの氾濫」
東日本大震災で被害を受けた八戸の漁村を故郷とする将司は、クラス会の知らせをきっかけに故郷に帰って来た。東京の仕事や暮らしにすっかり打ちひしがれていたことも、最近なぜか夢に見る破天荒な叔父イサオについてもっと知りたかったという理由もあった。 ...続きを見る

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2016/05/15 16:55
宮本輝「いのちの姿」
京都の高級料亭「高台寺和久傳」の女将が夢だったエッセイ誌の発行に協力するため、めったに書かないエッセイを連載していた。 その単行本化である。  ...続きを見る

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2016/05/12 13:10
堀田善衛「方丈記私記」
堀田善衛氏は3月10日の大空襲の日、洗足池近くの友人の家で、赤い東の空を見ていたようだ。  その後日、知人の安否を確認するため、深川の富岡八幡宮近くに行き、偶々、視察に来た昭和天皇に対して、被災者がなんと申し訳ありませんと謝る姿を目撃した。 堀田氏は、それを見て、この国の政治や体制に対する怒りと憤りを隠せなかった。 ...続きを見る

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2016/05/12 09:05
朴慶南「あなたが希望です」
朴慶南(きょんなむ)氏の本は殆ど全部読んでいる。  在日として、日本と韓国を繋ぐ人々、いろいろな差別と戦う市井の人びとを紹介していて、浅川巧氏、山元加津子氏なども朴慶南氏の著作で初めて知った人である。  といってもキョンナムさんは堅物でなく野毛の大道で芝居するような人でもある。 ...続きを見る

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2016/05/11 15:02
山折哲雄「思想としての死の準備」
山折哲雄氏が、吉本隆明氏、河合隼雄氏、押田成人氏と、それぞれ対談し、死にまつわる考え方を探っている。 脳死 日本人の死の特質、死に行く者に対する看護・・・などなどが印象に残る。 ...続きを見る

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2016/05/10 06:20
内田樹・福島みずほ「「意地悪」化する日本」
内田樹氏は私が最も信頼する論者のひとりだ。 福島みずほ氏との対談で、安保法制、安倍晋三氏・橋下徹氏の行動や心理の推理、日本社会の「意地悪」化・・・等々、ふたりの率直な意見交換だ。 内田氏は相変わらず鋭いが、福島氏はたいへんピュアな人柄のようだ。 ...続きを見る

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2016/05/09 17:34
小林よしのり・宮台真司・東浩紀「戦争する国の道徳」
ひとことで言えば保守の小林よしのり氏とリベラルの宮台真司氏が、その歴史認識の違いや政治的立場のちがいにもかかわらず、接近し、共闘して、「「ネトウヨ」化する安倍晋三政権に抵抗する「人民戦線」の設立宣言のような趣の書物になった」。共闘しなければならないほど事態は切迫していると、東氏は捉える。 ...続きを見る

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2016/05/07 16:25
パオロ・マッツァリーノ「エラい人にはウソがある」
以前、ある立派な日本企業の役員スピーチを聴く機会があった。彼が論語の有名な「・・・其れ恕か・・」の話をして、私の頭の中はびっくり真っ白になったことがある。外資で「論語」を語る人はまずいないし、いまどき古めかしい論語なんて!と。 ...続きを見る

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2016/05/05 15:43
鈴木真奈美「核大国化する日本」
10年前、311の5年前の本。原爆など兵器の時には「核」で、原発など「平和利用」のときは「原子力」と使い分けているけれど、どちらも同じものと筆者は強調し、核兵器と原発の2006年時点の世界の状況と、原子力の基本について、まるで用語辞書のように解説している。 ...続きを見る

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2016/05/05 15:40
矢部宏治「日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか」
孫崎氏の「戦後史の正体」で有名になった「戦後再発見」シリーズ。 これは孫崎氏の著述ではなく、矢部氏のもの。 全体的に、衝撃的ではあるが、多くの公開された米国の資料にもとづく分析で、かなりの部分は、おそらく正しい歴史事実なのだろう。 ただ、憲法制定過程は、ちょっと単純化しすぎているのではないかと、根拠はないが、そう思う。 ...続きを見る

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2016/05/05 15:33
桑津浩太郎「2030年のI o T」
IoTの現状と予測をレポートしている。 大きな実例がいまだにコマツぐらいしか挙がらないのは、騒がれる割には進んでいないのかもしれない。  ...続きを見る

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2016/05/05 14:09
ラズロ・ボック「ワーク・ルールズ」
筆者は、グーグル人事担当副社長。 550ページに及ぶグーグルの人事施策や考え方についての詳細な説明である。 企業の人事担当者が、丹念に読めば、相当参考になることは確実だ。 ...続きを見る

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2016/04/25 08:55
ジョン・ブルックス「人と企業はどこで間違えるのか?」
10章からなる本の2章を読んだところで、随分と古い話が続くなぁと気になり、訳者あとがきを読むと、なんと1959〜69年に書かれたエッセイのアンソロジーだと、そして、パフェットから借りて読んだゲイツが絶賛して20年読み続けた本らしい。 ...続きを見る

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2016/04/22 08:30
宮家邦彦「日本の敵 よみがえる民族主義に備える」
「日本の敵 よみがえる民族主義に備えよ」と、宮家氏は、冷戦崩壊後の世界は再び民族主義が勃興し、日本はそれに対処しなければならないと語る。 宮家氏の仮説や主張に反論する知識も材料もないが、宮家氏の仮説はこの本の中では検証されていないし、主張の根拠も説明されていない。 悪く言えば、単なる思い込みを羅列しているだけだ。 ...続きを見る

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2016/04/18 14:13
柳田邦男「自分を見つめるもうひとりの自分」
御子息を自死で喪った体験もあるらしい?柳田氏が、月刊誌「佼成」に連載したコラムをまとめ、七十年以上生きてきたなかで、生きる上で支えになった出会いや考え方を集めた小冊子。 ...続きを見る

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2016/04/15 09:13
ゲイリー・シュタインガート「スーパー・サッド・トゥルー・ラブス・トーリー」崩壊するアメリカに咲いた恋
アメリカは、経済政策で失敗、ルーベンスタイン国防長官が率いる超党派党の実質一党独裁政権のアメリカ復興局が個人の隅々まで計数管理していた。  街なかにはクレジット・ポール(柱)が立ち、通りかかる個人のクレジット(つまり財産・信用力)をLEDで表示している。     ...続きを見る

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2016/04/15 09:07
日本人類学会教育普及委員会「人類学63の大疑問」
日本では中学・高校の生物学にヒトがでてくることは稀だが、外国ではよくでてくるという。人類学を通して生物としてのヒトをもっと知ろう・・・という趣旨で作られた本だ。しかし、中学生向けでも、化学や生物が好きでなかったおじさん向けでもなかった。    理解しにくいところも読み進めたが、記憶に残るのは、あまり多くない。 言葉を替えると意味も変わるかもしれないが要約は・・・ ...続きを見る

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2016/04/12 17:24
中脇初枝「世界の果てのこどもたち」
珠子は、まだ国民学校一年生。 昭和18年の9月、高知県の山間の村から満州に開拓民の家族としてわたった。 村では半分近くの家族が、貧しい順に、半ば強制的に満州行きを選ばれたのだ。 ...続きを見る

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2016/04/07 17:38
東浩紀編「福島第一原発観光地化計画」
戦争、災害などの跡地を訪ねる旅、ダークツーリズムは、「観光」のひとつの形態になっている。 チェルノブイリでも石棺等を訪ねるツアーがある。  ...続きを見る

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2016/04/04 09:18
吉松崇「大格差社会アメリカの資本主義」
内容に比してちょっとタイトルが大げさだなあ、というのが読後の第一印象。 大格差社会であることは否定していないけれど、主たる内容は、ピケティ批判と筆者の米国金融企業体験の話だ。 ...続きを見る

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2016/04/02 12:06
松本泰生「東京の階段」
10年ほど前の本だから、変化の激しい東京の風景は随分変わっているかもしれない。早稲田建築科の講師でもある筆者の、階段への傾倒は、もはやカルトだ。  ...続きを見る

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2016/04/02 10:51
松尾豊「人工知能は人間を超えるか」
筆者が人工知能の研究を始めた頃、ちょうど冬の季節で、AIの研究者は嘘ばかりつくと非難され、研究費がつかなかったと述解する。 いま三度目のブームを迎えているが、ディープラーニングによって、大きな山を越えようとしている。 ...続きを見る

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2016/03/30 03:54
山康幸「だれが幸運をつかむのか 昔話に描かれた「贈与」の秘密」
幸せになるにはどうしたらよいかを、わざわざ昔話を紐解いて、主人公が幸福になった理由を分析し、構造化してゆくという、ちょっと変化球的な試みだ。 どう考えても幸福論には遠いし、昔話の秘密を探るには中途半端な試みで、どちらも成功していないと私はおもうのだが、結構売れて評価も高いらしい。 ...続きを見る

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2016/03/24 07:22
入山章栄「ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学」は、自信もってお薦めできる
読み始めて、これはいい本だと実感した。  経営学には関心はあるが、「学」として勉強したことのない人(私)には、たいへん素晴らしい入門書(?)だ。 筆者も書いているが、こういう本がいままでなかったのは、米国AAUメンバーの研究大学で経営学PhDをとり、研究者になっているような日本人はいないからだ。 ...続きを見る

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2016/03/23 05:38
中村文訓「教団X」
手にしたとき、560頁余の分厚さに吃驚した。  ...続きを見る

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2016/03/22 18:24
押川剛「「子供を殺してください」という親たち」
押川氏は、警備の経験から必要を感じて、‘96年、精神障害者移送サービスを立ち上げた。  こんなサービスがあると初めて知った。 親が子どもを殺してしまいたいと思うほど、暴力や異常な行動にでる子どもに手を出せなくなり、このサービスを依頼する。 警察力を通じた法的な強制入院ではなく、筆者が、本人と対話して納得させ、病院を探し出し、移送し、その後もフォローしてゆく。  ...続きを見る

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2016/03/22 08:14
高橋源一郎「ぼくらの民主主義なんだぜ」
朝日新聞で連載されている論壇時評だ。 新聞の方がたぶん時宜に適した印象があるだろうが、なぜか新聞紙上では殆ど読まない。 そのときどきの雑誌、単行本の話題を解題してくれる。 一冊通じて、概ね「民主主義」の在り様についての話題が多い。 高橋氏の主眼か、それとも時節か。 ...続きを見る

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2016/03/19 06:39
アン・ヴァン・ディーンデレン他「誰がネロとパトラッシュを殺すのか」
イギリスの作家ウィーダが19世紀後半に書いた短編小説「フランダースの犬」は、フランダースではまったく知られていないし、113年後にようやくフランダース語で翻訳された小説も、フランダース人からまったく評価されなかった。  フランダース地方およびアントワープ市は、若くエネルギッシュな革命者というルーベンスのイメージを大切にしたいし、最新のファッションの街として観光客を迎えたいのに、日本人観光客は、大聖堂にネロとパトラッシュのイメージを求めているのだ。「大聖堂で絵を照らす月の光が入ってくる窓を観たい... ...続きを見る

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2016/03/15 16:56
米澤穂信「王とサーカス」
大手の新聞社を辞め、フリーの記者となって、月刊誌の旅記事の依頼でネパールはカトマンズを訪れた太刀洗万智。 一日目は、観光客をカモに、たくましく稼ぎまくる少年サガルに出会い、街を案内してもらう。 そして二日目に、国王一族が、八名も殺される事件が勃発する。事件の真相を密かに取材した軍人が殺害され、自分も危ない立場になってゆく。。。。。 ...続きを見る

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2016/03/15 16:33
上野千鶴子「生き延びるための思想 新版」
上野千鶴子氏といえばフェミニズムの代表格であって、その類まれな言説で近寄りがたい雰囲気があるが、実はきちんと読んだことはない。 文庫本ではあるが、どちらかといえば学術の本、いわゆる「女性学」の本で、硬派の本だ。 ...続きを見る

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2016/03/12 14:11
古市憲寿「保育園義務教育化」
新進気鋭の社会学者で、いろいろと引っ張りだこの人。 私が彼の著作に触れるのは3冊目だ。 言ってることはまあまあいいのだけれど、なんとなく、ほんもの感がしない、というのが、私の見方だ。 この本も、もちろん役に立つ人はいるだろうが、どこまで本気なのか。 社会学者と言うよりも、タレントの本みたいな、アバウトさがある。 ...続きを見る

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2016/03/12 13:58
内海愛子・大沼保昭・田中宏・加藤陽子「戦後責任 アジアのまなざしに応えて」・・・日本人必読の書
初めて知ったことがたくさんある。 日本人必読の書だと保証できる。 ...続きを見る

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2016/03/10 09:55
プリーモ・レーヴィ「溺れるものと救われるもの」
筆者は自身の体験をもとにした「アウシュヴィッツは終わらない」を1947年に著した。体験が風化し、若者の理解がなくなってきたことに苛立ち、1986年に、この「溺れるものと救われるもの」を刊行、その翌年自死してしまった。 ...続きを見る

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2016/03/09 17:16
高階秀爾「日本人にとって美しさとは何か」
美術館にはまず行かないし、絵画や彫刻にはめったに感動しない私だが、美意識の話や美術解説は好きだ。 この本は高階氏の評論や雑誌記事を集めたもの。  ...続きを見る

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2016/03/08 17:14
アニタ・エルバース「ブロックバスター戦略」
1ブロック全体を破壊できるほど強力な爆弾の意味であるプロックバスターから転じて、1ブロックをぐるりとチケットを求める客が並ぶほどの大型ヒット映画に称された業界の俗語という。  ...続きを見る

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2016/03/07 05:26
森達也「私たちはどこから来て、どこへ行くのか」・・・おもしろい
「私たちはどこから来たのか。私たちは何ものか。私たちはどこへ行くのか」という、ポール・ゴーギャンの絵に掲げられた言葉を、映画監督・作家で、子どものころから問い続けている森達也氏がそれぞれの専門家を訪ね、インタビューする。  ...続きを見る

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2016/02/27 07:28
水無田気流(みなしたきりう)「「居場所」のない男、「時間」がない女」
題名から心理学系の本かと予想したら、統計データ満載の純社会学の本。「居場所のない男」とは、日本社会の男性は、多く、就業第一主義で、家庭にも地域にも自分の居場所がなく、孤立してゆくということである。 そして、「時間のない女」とは、仕事から帰れば家事・育児という無償長時間労働が待っていて、まったく時間のない女のことである。 ...続きを見る

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2016/02/27 07:17
重信メイ「「アラブの春」の正体」日本のメディアとことなる真実がわかる
チュニジアから始まった「アラブの春」を、レバノンで育ち、通暁している重信氏が、現地取材を通じて得た「真実」を語る。 チュニジア、エジプトの「革命」は、苦しい生活に対する強い経済的不満、腐敗した政権に対する政治的府不満が、ふとしたきっかけで爆発したものだった。  しかし、リビアやシリアなどは、全く様相が違う。 どちらも外部勢力が拡大させたものだ。 ...続きを見る

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2016/02/27 07:13
パット・シップマン「ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた」
興味深いタイトルではあるが、それほど興味深くは読めなかった。  必ずしも専門書という訳ではないのだが、記述が詳しいので、専門書の雰囲気になって立ち止まる個所が多い。  結論的に、題名が断定しているほど確かなことではなく、筆者の、まだ証明されていない仮説にすぎないと知った。  しかし、この領域に興味のある人にはこたえられない面白さに違いない。 ...続きを見る

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2016/02/23 07:55
橘玲「日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル」
久しぶりに最後まで読めず、2/3くらい読んだところでギブアップした。 決して難しい本ではないし、普通の人なら何の問題もなく読み進めて、自分の資産保護の参考にするだろう。 ...続きを見る

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2016/02/22 18:16
若森みどり「カール・ポランニーの経済学入門」新自由主義の誤謬が解る
カール・ポランニーの著作を紐解きながら、「経済的自由主義」のちに新自由主義と名乗る思潮に対する批判を歴史的に解説する入門書。 入門書とはいえ、経済学や金儲けには滅法弱い私には、かなりむずかしかったが、上っ面だけ要約すれば・・・ ...続きを見る

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2016/02/13 09:17
住野よる「君の膵臓をたべたい」、文句なく、お薦め本
なんともどぎつい題名の小説が、こんなにも、清新で、すばらしいとは、想像だにしなかった。恥ずかしながら、私は私自身があまりに貧しい青春時代だったせいなのか、この歳になっても青春映画が大好きだ。それと同じようにこの小説も大好きになった。   ここから先は、映画好きしか通じないかもしれないが・・・ ...続きを見る

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2016/02/13 08:04
伊藤亜紗「目の見えない人は世界をどう見ているのか」
いきなり大岡山はやはり「山」ではないかと、結構身近な駅の名前がでてきた。筆者の勤め先である東京工大に「見えない人」が訪ねた時の話だ。「見える人」にとっては単なる坂道を、「見えない人」は、立体的に「山」としてとらえる。 そこには、「視点」というものがない。視点がないから死角もない。「見える人」にはお盆のように見える二次元の月は、「見えない人」には、三次元の球体だ。 ...続きを見る

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2016/02/12 19:47
ジャック・フィニイ「ゲイルズバーグの春を愛す」
読み進めていくうちに、デジャブのような感覚がおきる。 そう、昔よく見たアメリカのTV番組に、「世にも不思議な物語」とか、「未知の世界」とかがあって、一話完結の、不思議な、ときには怖い、しかし、どうしても見てしまう物語があった。 それとよく似た雰囲気の短編がぎっしり詰まっている。  ...続きを見る

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2016/02/07 15:24
ステファノ・マンクーゾ「植物は<知性>をもっている」
「知性」を問題を解決する能力と定義し、植物はなかなか優れた知性を持っていると結論付ける。ただ動かないだけで、また脳に当たる器官がないだけで、人は植物に「知性」を認めていないのは、人間のおごった見方だという。なにしろ、人間をはじめ動物は、酸素も食物もエネルギーも植物に負うている。 ...続きを見る

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2016/02/04 18:30
森田幸孝「インターネットが壊した「こころ」と「言葉」」
この本の評価は大きくわかれるだろう。 たいへんな教養人と察せられる筆者の精緻な知識と人間性が存分に表現され、そうそう、これが本当のことだよと高く評価する人もいるだろう。 ...続きを見る

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2016/02/03 08:24
安田正「超一流の雑談力」結構コミュニケーションに役立つかも
一回の「雑談」から親密な人間関係やビジネスの成功につなげる、38項目にわたるテクニックを紹介している。声の出し方から、相槌、言葉の選び方、話題作り、相手のタイプによる対応・・・と、確かにこれだけ実践していれば、上手なコミュニケーションができそうだ。  ...続きを見る

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2016/02/01 08:30
羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」
120頁の短編。 まあまあだな、とFACEBOOKに読後感を載せたら、読んでた人が意外に多く、そのわけは芥川賞受賞作だとか。 そんな事も知らずに読んでいる方もおかしいかもしれないが。 ただ、あまり良い評価はなかった。 受賞作だからといって、「深〜い」意味があるとはかぎらない。 別に、そんな深〜い意味はなくてもいいし。。。。 ...続きを見る

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2016/02/01 07:52
浜矩子「国民なき経済成長 脱・アホノミクスのすすめ」
以前ヘンなオバサンと思っていたが、FB友達のお勧めで著書を読むと、大変素晴らしい考え方の持主と知った。この本でも豊かな教養と人間性に裏打ちされた経済観でアホノミクスと政権の底流、本音の狙いをきめ細かく、徹底的に批判している。 ...続きを見る

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2016/01/28 08:39
初田賢司「ユーザーのためのシステム開発の見積もり評価」
FPのエキスパートが参加したシステム開発の見積もりとその評価を進める基本的考え方が綺麗にまとめられている。 ...続きを見る

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2016/01/26 15:45
三田ゾーマ「ウェブニュース一億総バカ時代」 これを読んでおかないとウェブは見れない
ヤフーニュースを筆頭に、多くのニュースサイトは、他社作成のニュースをジャンルごとの契約に基づいて集めたポータルにすぎない。だから責任の所在は曖昧だ。  ...続きを見る

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2016/01/23 15:20
樋野興夫「明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい」
表題の言葉に惹かれて手にした。 その言葉は、「もし明日世界が終わるとしても、私は今日もリンゴの木を植えるでしょう」という、マルティン・ルターの言葉をもじったもので、自分以外のものに関心を持つことを託している。 自分のことばかり考えているうちは、残りの人生で必要な役割と使命はみつからないと。   ...続きを見る

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2016/01/20 08:52
エドワード・アーティゾーニ「チムとゆうかんなせんちょうさん」
アーティゾーニ氏は絵が好きで挿絵画家になろうと考えていたらしい。5歳の息子のために描いたお話しが、この「チムとゆうかんなせんちょうさん」。 船と海が好きで、船に乗って冒険がしたいチム。 ある日、ひょんなことから大きな船に乗ることができて、水夫やコックや航海士さんの手伝いをしながら、可愛がられていた。 そして、ある日大きな嵐が来て、船長さんとチムだけ残った船でが沈没してしまった・・・・ ...続きを見る

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2016/01/19 11:49
中島京子「かたづの!」は、なかなかおもしろい切り口の時代劇ファンタジー
一本角の羚羊(かもしか)と、その角が、南部八戸藩の行く末を見守ってゆくファンタジー兼時代劇小説。  ...続きを見る

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2016/01/19 09:55
和田秀樹「感情的にならない本」
この手の本はあまり読まないのだけれど、何のきっかけか手にしてみた。  つい感情的になって人間関係を壊した経験のある人には、役立つ内容もあるのかもしれない。  ...続きを見る

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2016/01/17 15:11
エマニュエル・トッド「「ドイツ帝国」が世界を破滅させる」
ソ連の崩壊を予言し、「帝国以後」で米国の終わりを語ったエマニュエル・トッド氏のインタビューを選択・翻訳してまとめたもの。 氏の著作は可能な限り追いかけている。 ジェフリーサックス氏にも近い人口動態から説き起こす歴史観や、家族制度に見る文化論は、嘘ばかりの経済統計や経済論より正しく歴史を見通せるようだ。 ...続きを見る

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2016/01/17 08:13
高木春夫「組織能力のハイブリッド戦略」
ケイパビリティ論を一時勉強したことはある。 「組織能力」という言葉で示しているのは、ケイパビリティ論で言う意味とは異なる。  「組織の能力」ではなく、「組織(で形作られる)能力」のことを語っている。   ...続きを見る

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2016/01/15 08:10
山岸俊男「「日本人」という、うそ」
最後の章で筆者の著作の動機がわかる。企業の不祥事、いじめをはじめ、日本社会の諸問題に対して、伝統的な日本らしさや武士道精神を思い起こし、道徳・倫理の教育を強化すればよいという意見が強い。筆者は、社会心理学の研究を通して、それに強い危機感をもっている。 ...続きを見る

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2016/01/13 18:28
菊地洋一「原発をつくった私が、原発に反対する理由」
筆者は1941年生まれ、20歳の頃から建築設計や建築プロジェクトの企画工程管理にたずさわり、32歳、73年から80年まで、GEの技術者として、福島第一6号機、東海第二の原発構築の企画工程管理にあたった。 ...続きを見る

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2016/01/12 17:28
広瀬隆「東京が壊滅する日 フクシマと日本の運命」 歯に衣着せない驚愕の歴史的事実が次々に
タイトルにある「東京の壊滅」は、後半に少し触れてある。 そもそも原発とは何ものなのかを、原爆の開発の歴史から説き起こす。 筆者が過去に書いたものを改めてリマインドするものだ。  ...続きを見る

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2016/01/10 07:36
イーユン・リー「独りでいるより優しくて」孤独から救われる濃密な物語
図書館の本に、ところどころの文章に線が引かれているのは、最近では珍しい。まだ新しい本なのに、鉛筆でひかれた線が多い。確かに。つい線を引きたくなるような魅力的な文章が全編ちりばめられている。  ...続きを見る

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2016/01/07 09:20
佐々木譲「砂の街路図」
表紙裏に簡略な街の地図が描かれている。読み進めながら、なんども地図を見返して、主人公が歩く通りや建物を確認する。 一種のサスペンスものなのだが、作者の関心は、街の地図とストーリーと、どちらが強いのか疑問になるほどだ。 ...続きを見る

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2016/01/04 10:52
片田珠美「孤独病 寂しい日本人の正体」
「他人を攻撃せずにはいられない人」の著者の新刊のひとつ。  「攻撃」のほうは、まだ、いろいろと感心する内容もあったような気がする( 実はほとんど忘れている) が、 こちらは、ちょっと・・・・・読んでもなにも頭に残らなかったのは、すべて、わたしの読む力がないからとばかり言えないのではないか。。  ...続きを見る

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2016/01/01 08:47
偏見に満ちた、2015に読んだ本ベスト
今年読んだ本、別にランク付けする必要は何も無いけれど、一年のまとめをするきっかけになればいい。  ...続きを見る

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2015/12/30 12:16
ジェレミー・リフキン「限界費用ゼロ社会」
封建時代の囲い込み、蒸気機関と印刷技術の第一次産業革命、石油と中央集権型コミュニケーションに裏打ちされた垂直統合型製造業の第二次産業革命、そして限界費用ほぼセロの現在、再生可能エネルギーと分散型コミュニケーションのIoT・・・・と、歴史的にも壮大で、コミュニケーション、エネルギー、ロジスティックスの三分野のセットで文明を語る幅広い内容は、最新の教養を得たい人にはたいへんありがたい内容だろう。再生可能エネルギーがすぐにでも主流になる見通しや、GNU GPLの話題 ・・・などなど、なんとも守備範囲の... ...続きを見る

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2015/12/26 10:32
ポール・ロバーツ「「衝動」に支配される世界」
原題が”The Impulse Society: America in the Age of Instant Gratification” この邦題が「「衝動」に支配される世界 我慢しない消費者が社会を食いつくす」・・・読後の印象も、この邦題は、まちがいはないけれど、なんとなくしっくりこない。 ...続きを見る

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2015/12/26 08:55
孫崎享・マーティン・ファクラー「崖っぷち国家日本の決断」
大使まで務めた外務官僚がこんなにリベラルなのが驚きだ。対談相手のファクラー氏はNYTの東京支局長で、リベラルだが保守でもある。両者とも日本も米国と同様に既存権益層である一部グループの支配になっていると、日本が崖っぷちであるとの認識では一致している。 ...続きを見る

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2015/12/25 13:29
アンディ・クラーク「生まれながらのサイボーグ」
興味深いのは、「四肢麻痺の患者が普通に四肢を動かす際と同じように考えるだけで、義肢を動かせるような、実用的なインターフェースを開発することだ。患者の脳に接続されたコンピューターの回路に、種々の運動を指示する神経信号を感知させ、それを利用して機械式義肢を動かそうというものである」・・・というように、生物と技術(電子装置)の融合の進行は、確かにサイボーグである。 ...続きを見る

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2015/12/13 09:02
筒井清忠「満州事変はなぜ起きたのか」
あとがきで筆者が述べている。一章程度との予想が思いのほか一冊に膨らんでしまったと。つまり筆者にとっても資料を調べ学び考えた結果の内容であって、悪く言えば、なんでもかんでも記述されている。あまりに細々と追いかけているので、結果的に、「満州事変はなぜ起きたのか」がよくわからない。いや、筆者の味方をすれば、歴史は所詮細部の積み重ねであって、主な原因などあげられないということか。 ...続きを見る

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2015/12/06 12:47
島田裕已・中田考「世界はこのままイスラーム化するのか」
先日読んだ小説「服従」では、2020年にフランスでイスラム政権ができたが、「世界はこのままイスラーム化するのか」という疑問の答えは、残念ながらこの本にはない。知りたい肝心なことはここには書いていない。この題名は内容を表していない。 内容はイスラムの入門書的な本であった。 それでも、いろいろおもしろい話題はあった。 ...続きを見る

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2015/12/04 13:40
ジェレミー・ウォルドロン「ヘイト・スピーチという危害」
内容があまりに広汎、高尚なせいか、二重否定の多用や、長くて回りくどい文章のせいか、たいへん読みにくく、久しぶりに半分過ぎたところでギブアップ、あとは拾い読みとした。 ...続きを見る

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2015/12/04 13:12
赤坂真理「東京プリズン」
主人公の「マリ・アカサカ」は、どこまで作家赤坂真理の分身なのかは定かではないが、そのことと小説の本質とは本来は関係ないだろう。 しかし、あえて同じ名前を使うと言うことに意味はあるのだろう。 15歳で米国メイン州の片田舎の高校に不本意ながらも転校させられ、孤独のうちに過ごしたマリ・アカサカは、米国にいる意味と母親との関係を問い続けてゆく。 同時に、作家赤坂真理の天皇、東京裁判にかかわる歴史観を、何の拘泥もなく、語ろうとしている。  ...続きを見る

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2015/11/23 13:17
小野不由美「営繕かるかや怪異譚」しっとりしたうるおいのある怪異譚がいい
おそらく地方都市の古い家並みのなか、古い戸建ての家に現れる怪現象。 工務店や植木屋、僧侶から紹介を受けた「営繕 かるかや」の尾端が、知恵と工夫を駆使し、簡単な造作、営繕で問題を解決する。  それは、この世のものではないものの願いに従って、自然に解決するような工夫だ。  ...続きを見る

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2015/11/23 08:19
クリス・ラシュカ「むらさきふうせん」
わずか20数ページの絵本だが、メッセージは明確であり、ユニークだ。 なぜなら、この本は、作家のクリス・ラシュカとNPO「子どものための国際ホスピス」との共同制作だからだ。  やすらかに死ぬためには、多くの人の協力が必要だ、とくに、子どものためには、おおくの友達の理解と協力、見守りが必要だ、と訴えている。 ...続きを見る

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2015/11/22 12:16
黒川祥子「誕生日を知らない女の子」政治家に読ませたい 
子どもの養護に関するドキュメントを見たり読んだりすると必ず涙がでる。それをめめしいと友人に笑われたこともある。確かにめめしいかもしれないが、この本でも涙をふく。同時に幼児の虐待の過酷さを私は全く理解していなかったと知った。親から離れ温かな里親と暮らせば解決、なんて簡単なものではなかった。 ...続きを見る

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2015/11/18 10:11
G・ガルシア・マルケス「十二の遍歴の物語」
コロンビア人作家、ガルシア・マルケスは、ジュネーブ、パリなどヨーロッパに長く住み、その後、ベネズエラ、メキシコでも暮らした。 ヨーロッパに来たラテン・アメリカの人々の物語という趣旨でうまれた短編集だ。 ...続きを見る

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2015/11/15 19:56
武田砂鉄「紋切型社会 言葉で固まる現代を解きほぐす」
最初のいくつかの章はたいへんおもしろく、特に曽野綾子氏や安倍晋三氏に関わる言説には、快哉を叫ぶほど小気味欲よく、かつそれをうまく言葉にできる才能もある。 久しぶりにおもしろい本だ!と思った。  ...続きを見る

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2015/11/15 08:11
谷川俊太郎・徳永進「詩と死をむすぶもの」
徳永氏は、鳥取市に「野の花診療所」を設立して、死を迎える人々を支援している医師。 多くの著書があるようだが、私は初めて知った。 この本は文庫版であって、原書の発刊は7年前らしい。 徳永氏が手紙を書き、谷川氏が返信する形で「死」やさまざまな話題を語る。 特に、臨床ライブと称して、死を迎えた患者のエピソードが、当然のことに、またこの類のどの本でもそうであるように、良い話が多い。  ...続きを見る

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2015/11/13 07:57
ミランダ・ジュライ「あなたを選んでくれるもの」
映画「君とボクの虹色の世界」の監督ミランダ・ジュライが、次回作「ザ・フューチャー」の脚本がなかなか書けず、何度も手直しする。しまいに現実逃避したくなって、フリーペーパー「ペニーセイバー」に売りたい物の広告を載せている人々を訪ね歩きインタビューして歩く。そこには、まさに驚くべき現実があり、気晴らしどころか、会う人々ごとに新たな感慨がある。それが映画作りに刺激となって、回転してゆく。 ...続きを見る

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2015/11/12 12:29
ミシェル・ウエルベック「服従」 フランスがイスラム化?興味深いが小説としてはどうか?
小説であるのに佐藤優氏の解説が付されている。宗教と政治について語れる人は多くないからだろう。2022年大統領選挙の第一回投票で、フランス国民は、第一党の極右ファシスト政党の国民戦線か、第二党イスラーム同胞党かの究極の選択を迫られた。主人公フランソワは、19世紀の作家ユイスマンスの研究者で、パリ第三大学の文学部の教授だが、政治的立場も特になく、若い女子学生との情事を楽しんでいる。 ...続きを見る

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2015/11/12 12:20
高口康太「なぜ、習近平は激怒したのか」・・・中国社会の実態がわかる
辣椒(ラージャオ)は、微博(中国版ツイッター)がきっかけで、政治意識に目覚め、本人も予想もしなかったほど、彼の描く風刺漫画が一世を風靡した。その結果、日本に事実上の亡命をせざるを得なくなった。習近平はひょっとしたら超長期政権になるかもしれず、生きて故郷に戻れないだろうと述懐する。 ...続きを見る

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2015/11/10 10:17
エリック・ブリニョルフソン他「ザ・セカンド・マシン・エイジ」
産業革命を第一機械時代、指数関数的な高性能化、デジタル化の「目的に向けて環境を制御する頭脳の能力」、組み合わせ型イノベーションの現代を第二機械時代と名付け、「人間は馬と同じ運命をたどるのか」つまり、技術革新のために用なしになるのかという簡単な問いに対する答えが400ページにわたる。流行に流されない真っ当な内容で読みでがある。格別新しい知見はないが、整理や集大成といった印象がある。 ...続きを見る

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2015/11/09 11:01
山中恒「「靖国神社」問答」
戊辰戦争から現在まで、靖国神社の成り立ちから、関係する東アジアおよび太平洋の戦争の歴史をひもとき、平易に解説している、たいへん良いお薦め本だ。もっとも評価は靖国に対する考え方に依存するだろうが。 ...続きを見る

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2015/11/06 19:59
B.J.ノヴァク「愛を返品した男 物語とその他の物語」
短編集、というよりショートショートだ。邦題の「愛を返品した男」という題の話はどこにもない。愛することを知ったロボットを返品した男の話からとってきたのだろう。その話もいい話だが、カメとウサギの再試合の話もいい。マルホランド・ドライブを疾駆するジョニー・デップの話もおもしろい。ケロッグのクジに当たったのに当選金をもらうことを許さない両親に不審を抱いたら、自分の本当の父親はケロッグの重役の息子だと知ったファンタジーも結構いい。 ...続きを見る

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2015/10/30 05:39
井上亮「忘れられた島々「南洋諸島」の現代史」
「南洋群島」は、マーシャル諸島、トラック諸島、パラオ諸島、マリアナ諸島・・・など、第一次世界大戦時ドイツから棚ボタ的に奪い、委任統治領とした島々だ。委任統治領であるから、正式には領土ではなく、日本の国民ではないのに「三等国民」として扱った。 専ら軍事的目的を優先させながらも、同化・皇民化教育を徹底させ、それが、サイパン、テニヤンなどのバンザイクリフ、スーサイドクリフの悲劇につながる。 ...続きを見る

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2015/10/30 05:15
アストリッド・リンドグレーン&サラ・シュワルト「リンドグレーンと少女サラ」・・ピッピの作家の優しさ
最初にサラが手紙を書いたのが1972年4月15日、サラ12歳、アストリッド63歳。そして掲載されている最後のアストリッドからの手紙が1992年2月28日。 2002年にもサラからは送られているが、アストリッドは2002年に逝去されている。20年も続いた文通である。 それも書きたい時に書く、率直な手紙だ。 ...続きを見る

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2015/10/27 08:40
鄭大均編「日韓併合期ベストエッセイ集」
浅川巧氏のエピソードを知りたく探していたら、この本を見つけた。いわゆる日帝時代の経験・出来事について、日本人、朝鮮人の書き手による43編の随筆・エッセイを集めている。場所は朝鮮も内地もあるし、当時書かれたものも、戦後のものもある。編者は政治的な話ではなく、日常の人びとの生活に関わるエッセイを意識的に集めている。だから日帝時代といえ、いいこともあった。日本人にもいい人間もいた。 ...続きを見る

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2015/10/25 10:28
長谷部恭男編「検証・安保法案 どこが憲法違反か」
木村草太、長谷部恭男、大森政輔、青井未帆、柳沢協二、各氏の問題点・論点の解説が約80頁、法案が資料として約120頁。さすがに法案を丹念に読む気はしないけれど、さすがこれだけの論客だと、ポイントをついた論点が読める。 ...続きを見る

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2015/10/20 20:07
ケネス・グレーアム「たのしい川辺 ―ヒキガエルの冒険―」
スコットランドでは1908年に出版され、日本では石井桃子の訳で、1963年に第一刷が出て、すでに50刷を数える、動物ファンタジーの名作にして先駆作。 ...続きを見る

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2015/10/20 19:19
古川日出男「女たち三百人の裏切りの書」
500頁もの大作である。大きな章立てもなく、ひたすら、語り続けられる。それも、不思議な語り口で。 ...続きを見る

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2015/10/17 20:13
松島泰勝「琉球独立論 琉球民族のマニフェスト」
琉球は15世紀前半に統一王国となり、14世紀から1866年まで冊封体制が続いた。1852年ペリーは琉球に上陸し翌年琉球王国とも修好条約を締結、独立した国だった。 ...続きを見る

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2015/10/15 13:12
植木千可子「平和のため戦争論」 必読のお薦め本
筆者は国際関係と安全保障の専門家。 戦争の起こり方、抑止力とは何か、そして、日本の安全保障の選択について、たいへん分かりやすく、冷静に解説されている。 文句なくお薦め本だ。 ...続きを見る

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2015/10/12 09:36
福島原発告訴団編「これでも罪を問えないのですか!」
2年前にまとめられた本で、福島の住民を中心に、1300余名の原告団からなる告訴・告発陳述書を50名分集めたものだ。史上最大となる訴訟も、この本がまとめられたのちの2年間、検察の度重なる不起訴を検察審査会の強制起訴によって、現在は新たな段階にはいっていると承知している。このような陳述書でもよいのだろうかと心配になるぐらい、犯罪事実というよりも、煮えくりかえる怒りを叩きつけたようなものだ。 ...続きを見る

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2015/10/12 07:44
谷山博史「「積極的平和主義」は、紛争地になにをもたらすか?! NGOからの警鐘」.
7.25発行だから強行採決前だが議論は明快だ。 閣議決定、法案の内容について、紛争地の経験豊かな谷山氏や多くのJVCのボランティアが批判する。アフガニスタン、イラク、スーダンなど、軍事的に当事国になっていないからこそ、日本のボランティアチームは現地に受け入れられた。安倍首相の説明も絵空事、机上の空論と、たいへん厳しい。  ...続きを見る

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2015/10/04 10:04
窪美澄「さよなら、ニルヴァーナ」
映画だったら、タイトルに ”…inspired by…”と表示されるだろう。 少年Aのあの事件とその後をなぞった、かなり衝撃的な内容だが、決して、 “…true story..” でも、” …based on …” でもない、見事な創作だが、どこまで実際の事件を借りたのかは定かではない。 ...続きを見る

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2015/10/03 09:38
笠原十九司「南京事件」
筆者の笠原氏は中国近現代史を専門とする歴史学者。 憲法学者より自身の憲法解釈を正しいと思う安倍政権の政治家たちなら、歴史学者が淡々と資料を提示してまとめた、この内容を、そんな事件はなかったと簡単に否定できるのだろうか。 ...続きを見る

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2015/10/01 16:22
星徹「私たちが中国でしたこと 中国帰還者連絡会の人びと」
満州でソ連の捕虜となり、偶々日本に送還されずに中国に移送された方々、中国でつかまった方々が、戦犯として撫順と太原の戦犯管理所に集められた。 そこで、静かに学習・反省を繰り返し、自らの犯罪行為を認め、告白した人びとが、処刑されることなく、日本に帰される。 彼らは中国帰還者連絡会を組織し、自分達の犯罪行為を冊子にしたり、講演したりして、語り続けた。 ...続きを見る

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2015/10/01 16:19
藤井聡「<凡庸>という悪魔 21世紀の全体主義」日本社会の問題を的確に解説した良本
いまの日本社会を覆う問題には、思考停止とその結果もたらされる全体主義的な思潮がある。 その全体主義的風潮を、ハンナ・アーレントなどを引用して解説する、たいへん分かりやすい、入門的、初歩的な本として優れている。  ...続きを見る

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2015/09/26 07:41
宇多川久美子「薬を使わない薬剤師の「やめる」健康法」 ・・・ これは、絶対お薦め本
私が使っている薬は、緑内障の目薬と、花粉症などの抗アレルギー薬で、老人の割には少ないかもしれない。 風邪でも胃痛でも、よほどの症状でなければまず薬は飲まない。 だから筆者の、薬を飲むのはやめようという提案には、基本的には抵抗ない。 ...続きを見る

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2015/09/23 08:27
甘耀明「神秘列車」
土着の言葉もいっぱいで読みにくい台湾の作家の小説だが、ホンワカとした村の話もあれば、日本の植民地時代、大陸との闘争の時代を想起するやや辛口のファンタジーもある。 ...続きを見る

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2015/09/19 14:51
パトリス・ルコント「いないも同然だった男」
作者パトリス・ルコント?、どこかで聞いた人? そう、「髪結いの亭主」とか「ハーフ・ア・チャンス」とか、最近では「スーサイド・ショップ」の監督だ。 彼の映画の多くは自身で脚本も書いているから、小説を書いても不思議はない。なかなか情感あふれる、いい作品だった。 ...続きを見る

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2015/09/19 13:13
原朗「日清・日露戦争をどう見るか」
筆者は日清戦争を第一次朝鮮戦争、日露戦争を第二次朝鮮戦争と名付けている。それは、下関では、朝鮮の清国との宗属関係の破棄をさせ、ポーツマスでは、ロシアに日本が朝鮮に対する利益を有していることを認めさせ、朝鮮の植民地化を目的としたものだからだ。 ...続きを見る

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2015/09/17 18:24
クレイトン・M・クリステンセン「イノベーション・オブ・ライフ」原題の方がよい
「イノベーションのジレンマ」で有名なクリステンセン氏なので、「イノベーション・オブ・ライフ」という邦題をつけたようだが、原題は、”How Will You Measure Your Life? ” MBAを卒業する学生たちと、最終講義に話し合うテーマらしい。クリステンセン氏の同期でも、仕事に成功していながら、離婚、子どもとの別れ、刑務所に行く・・・など不幸な友人が少なくない。どこで、間違えたのだろうか・・・・間違えないための知恵であり方法を模索する。 ...続きを見る

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2015/09/13 16:55
白井聡「永続敗戦論」
ところどころ意味不明だが、たいへん読みごたえある、お薦め本だ。 ...続きを見る

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2015/09/08 20:37
ラティフェ・テキン「乳しぼり娘とゴミの丘のおとぎ噺」は、トルコのリアルなおとぎ噺だ
なんとも不思議な味わいのある物語。トルコ近現代のスラム街の成り立ちから、そこに生きる人々の悲哀に満ちた、しかし、けっこうたくましく、明るいおとぎ話。  ...続きを見る

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2015/09/08 06:17
ブリギッテ・シテーガ「世界が認めたニッポンの居眠り」(阪急コ
オーストリア出身の日本学の学者。日本人の睡眠についての論文で博士号をとったというから、極めつけの日本通だろう。 ...続きを見る

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2015/09/03 16:16
川上量生「コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと」
ニコ動ドワンゴの経営者川上氏が、プロデューサー見習いとなって、ジブリのコンテンツの秘密を学びながら、コンテンツとは何かをかなり論理的に探究してゆく。正直言ってコンテンツの定義自体にはあまり関心ないが、ジブリのアニメや映画論はおもしろい。 ...続きを見る

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2015/08/31 12:36
丸岡いずみ「仕事休んでうつ地獄に行ってきた」は、うつ病じゃないかと思う人にお勧め
私は映画以外TVはあまり見ないので、日テレのキャスターだった丸岡いずみという人を知らなかったが、この本を読んで、なんと凄い頑張り屋さんだったのだろうと知った。 ...続きを見る

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2015/08/27 17:06
伊地知紀子「消されたマッコリ」は、隠れた戦後史
和歌山の北、大阪府岬町に多奈川という街がある。 1938年の国家総動員法・国民徴用令によって、当時「日本人」だった半島の朝鮮人を「強制連行」して、一部がこの多奈川の街の大日本工機とか川崎造船などの軍需工場に徴用されたらしい。 ...続きを見る

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2015/08/27 15:28
ジョゼフ・E・スティグリッツ「世界に分断と対立を撒き散らす経済の罠」
お薦め本だ。 私は、最近、経済学は現実の課題に対する処方箋を作れる「学」になりえていないのではないかと思っている。 フリードマンや竹中平蔵などの経済学者は世のためになっていないのに、政権の政策を左右する。  アマルティア・セン、ジェフリー・サックス、ポール・クルーグマン、そして、この人、ジョセフ・E・スティグリッツは、世のため人のためになっている経済学者なのに、十分政策に反映できていない。  ...続きを見る

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2015/08/26 08:55
畑村洋太郎「技術大国幻想の終わり」
失敗学で有名な畑村氏の現状認識と日本の製造業への提案だ。 ものづくり、つまり日本の製造業に対する課題の認識には、さすが得意分野と思うが、それ以外の日本社会についての議論は、やや平凡で、畑村氏に対する期待がかなりしぼんでしまったことは否定できない。 ...続きを見る

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2015/08/23 17:16
安田浩一「ヘイトスピーチ 「愛国者」たちの憎悪と暴力」
「朝鮮人は、ゴキブリ、死ね」「朝鮮人は二足歩行するな」、「殺してあげたい」・・・など口にするのも恥ずかしい言葉で街宣を繰り返す人々がいる。 それもごく普通の若い人びとが多いらしい。  幸い実際に直面したことはないが、聞くに堪えないことだろう。  ...続きを見る

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2015/08/17 09:33
堤未果「沈みゆく大国アメリカ <逃げ切れ!日本の医療>」
米国の強欲な投資家、保険会社、製薬会社は、強力な資金力でワシントンを制圧、医療・介護で最大の利益を上げる仕組みを作ってきた。  保険会社は幹部をオバマのスタッフとして送り込み3000頁にのぼるオバマケア法を作り上げた。  協力した大学教授は国民が愚かで無知だから成立した法だという。 ...続きを見る

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2015/08/13 09:09
クレイトン・クリステンセン「イノベーションのジレンマ」
読み進めて結構なじみのある論説なので出版月日を見ると2001年。なんと15年前の論でそれで馴染みがあったのだ。 ...続きを見る

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2015/08/13 08:40
伊勢崎賢治「日本人は人を殺しに行くのか」は、いま必読の本
筆者は東ティモール、アフガニスタンで武相解除などの重責を果たした希有な、自称「紛争屋」だ。 「紛争屋」の経験と視点に基づいて、集団的自衛権の行使容認の動きを厳しく批判する。 ...続きを見る

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2015/08/06 15:59
ベン・ホロウィッツ「HARD THINGS」
書店で長く平積みされている本のひとつだが、これはいい本、お薦め本だ。読みやすく分かりやすいし、読み物としても面白いが、起業する人にはたいへん参考になる内容と思われる。スタートアップのCEOの仕事はよくわからないが、普通の企業のマネジメントにも興味深いとおもう。 ...続きを見る

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2015/08/02 08:26
開沼博「はじめての福島学」
開沼氏はいわき市生まれで、311後現在福島大学の特任研究員として復興の支援をしている。社会学者だけあって、福島に対して、先入観にとらわれずデータに基づいた客観的な理解を求めている。 ...続きを見る

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2015/08/02 08:23
金井真紀「世界はフムフムで満ちている」
「自分の持ち場を丁寧に照らしている達人に会うと、うっとりする」と語る筆者が、取材や実際に見聞きした88のフムフムを書き留めてある「達人観察図鑑」。 ...続きを見る

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2015/07/29 17:27
前田司郎「口から入って尻から出るならば、口から出る言葉は」
劇団主宰、劇作家、俳優、小説家、カメラ蒐集家、そして、お坊ちゃんで、自由人っぽい人、つまり、私からは最も遠い存在のひと。 したがって、どのエッセイにも殆ど共感がない(ただ、時事コラムは、かなり共感できたけれど)。 ...続きを見る

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2015/07/28 05:12
内田樹編「日本の反知性主義」
総理補佐官磯崎陽輔氏、橋下徹大阪市長、安倍晋三氏、佐藤正久氏などを、その例として、いま、反知性主義の蔓延が指摘されている。  ...続きを見る

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2015/07/24 14:37
田中修「植物はすごい 生き残りをかけたしくみと工夫」
植物に関する興味深い雑学の宝庫で、植物のウンチクが好きな人にはこたえられない本だろう。 新書で軽いし。  いくつかの例をあげておこう。 ...続きを見る

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2015/07/24 14:29
菊澤研宗「ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー」
読みだしてすぐタイトルを誤解したと気づく。「(そんじょそこらの)ビジネススクールでは教えてくれない(秘密の、あるいはとっておきの)ドラッカー(について)」の本と誤解したが、実際は、「(実証的な経済合理性一色である、いまどきの)ビジネススクールでは(時代遅れと看做されて)教えてくれないドラッカー(を復権させる)」本、という意味だった。 ...続きを見る

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2015/07/21 05:41
鈴木大介「最貧困女子」
「読者の具合が悪くなることを承知で例を挙げれば・・・」と、貧困や虐待の中で育った少女の家出という名の逃亡の実例を挙げていて、本当に読むのが辛く、気色悪くなる個所も多い。社会保障や社会学の専門家ではない、底辺や裏世界専門のジャーナリストである筆者は、展望もなく家出して性産業の最底辺で生きる少女たち、住み込みの仕事を失い路地用に出ざるをえなくなるシングルマザーたちの実態を、ただひたすら可視化して伝えようとしている。 ...続きを見る

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2015/07/16 13:13
カズオ・イシグロ「忘れられた巨人」
映画も原作の小説も大好きな「わたしを離さないで」から、しばらくぶりの長編作となった「忘れられた巨人」(Buried Giant) は、アーサー王の時代のファンタジックな世界。ブリトン人の老夫婦、アクセルとベアトリス、アーサー王の騎士ガゥェイン、サクソン人の戦士ウィスタンと、雌龍クエリグ、悪鬼、小妖精、マーリンの魔術、怪しい修道院・・・などが物語を展開してゆく。 ...続きを見る

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2015/07/14 12:39
中野美代子「日本海ものがたり」
利尻・礼文を望む稚内海岸に、ラペルーズ海峡の記念碑があるという。ハワイで死んだキャプテン・クックは有名だが、イギリスに対抗してルイ16世の命で、1785年、北米、南太平洋、日本海を探検したフランス海軍、ラペルーズ大佐の記念碑だ。他国の地図には、宗谷海峡ではなく、ラペルーズ海峡と記載されているものが多いという。他国の視点を得ると、ものは違った様相になることもある。 ...続きを見る

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2015/07/11 15:58
神田知宏「ネット検索が怖い」
サブタイトルに「「忘れられる権利」の現状と活用」とあり、全編、自分に関わる書き込みを削除してもらう方法とその現状について報告されている。  ...続きを見る

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2015/07/07 10:40
ジェニファー・L・スコット「フランス人は10着しか服を持たない」
ずいぶんと、キャッチ―な題名だが、これは日本名。 原題は、”Lessons from MADAME CHIC” 。南カリフォルニアからパリに交換留学した女子学生が、ホームステイ先のマダムに学んだ「暮らしの質」の高さのお話。目次を見ても、女性向きの本とわかる。確かに、こんな暮らしでありたい・・・・ ...続きを見る

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2015/07/06 15:05
2015 1H 印象に残った本
2015年の上半期、印象に残った10冊。  ジャンルもいろいろなので、順位をつける意味はない。 フィクションとノン・フィクションに大別して、いくつか挙げておく。  ...続きを見る

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2015/07/01 07:35
山田宏一・蓮實重彦「トリュフォー最後のインタビュー」
600頁ちかい分厚さにびっくり。始めから読破は諦めて、拾い読み。 ...続きを見る

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2015/06/27 18:26
日経ビジネス「まるわかりインダストリー4.0」
あくまで偏見だが、日経には、海外の動向を輸入し、単純化したラベルをつけて、国内で宣伝しながら自身の商品・サービスを売る傾向があるような気がする。  その単純化したラベルは多くは要素技術である。 システムで考えることは、日本人は苦手だからだと私は思う。  ...続きを見る

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2015/06/20 12:55
くさばよしみ編・中川学絵「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」
2012年のリオデジャネイロ、環境問題の国際会議で、ウルグアイのムヒカ大統領のスピーチ ...続きを見る

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2015/06/20 08:11
恩田陸「EPITAPH東京」
エッセイでもあり、戯曲の走行でもあり、小説もどきでもあり、・・・・ ジャンルを気にすれば、よくわからないまま終わるが、気にしなければ、これはこれで新鮮な形式ではある。 「エピタフ東京、東京の墓碑銘という意味か? 一見、東京各地を散策しながら、墓碑銘を探る「途中下車」風のエッセイかと思ったら、そういうことでもなかった。 ...続きを見る

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2015/06/19 05:51
半藤一利・保阪正康・御厨貴・磯田道史「「昭和天皇実録」の謎を解く」
「昭和天皇実録」は、24年余をかけた12000頁もの大冊。数多くの資料をもとに、何人かが著述したものとらしい。 記述と資料との関係は明記されていないという。記述された事実、されなかった事実を分ける理由は不明。 半藤一利氏ら四名が、記述を追い掛ける。 私には、実録の記述の是非よりも、歴史のお勉強だ。 ...続きを見る

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2015/06/17 17:30
小林雅一「AIの衝撃」
Expert Syatemなどという懐かしい言葉が出てきたけれど、 何度かの失望の時期を経て、AIはふたたび脚光を浴びている。 機械学習の進歩とビッグデータの活用によって、AIは、ビジネスに役立つよう自ら進化するになった。 機械学習といっても、予想と現実とのギャップをコスト関数で評価して、ギャップを縮める数学的統計的な話だと言われると、AIの幻想も少しは現実的になる。  ...続きを見る

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2015/06/10 10:44
エドウィージ・ダンティカ「海の光のクレア」
ハイチ人作家による、ハイチの漁師町ヴィル・ローズの人々の物語。やや重苦しく、静謐な色調で、それぞれ哀しみをじっと湛えたまま生きてゆく人々の物語だ。 ...続きを見る

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2015/06/07 08:32
笠井潔/白井聡「日本劣化論」
笠井潔氏は初めての体験である。 作家や学究というより、活動家にして論客といった雰囲気だ。 それも並みの論客ではない。 日本の劣化については誰も否定しないだろう。 その劣化の内容の解説には、目から鱗のような思いもある。 ただ我々の世代特有な、じゃあどうしたらいいんだに対する答が少ないような気もする。 ...続きを見る

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2015/06/06 09:00
副島隆彦「官製相場の暴落が始まる」
有名な方だが、著作を読むのは初めてかもしれない。 なかなか思い切った発言をされる方だ。 ただ、それが決して眉唾な感じがしないのは、政権・官庁・日銀に対する不信感の方が遥かに大きいからだろう。  ...続きを見る

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2015/06/04 19:24
日経コンピュータ「エンタープライズ開発新潮流」
分厚いDADの本は昨年読んだ記憶がある。エンタープライズ・アジャイルのその後をさっと知りたくて手にして、斜め読みした。アジャイルの話題が1/3、クラウドの話題が1/3、その他が1/3といった感じで、日経らしく、話題はいろいろだった。 ...続きを見る

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2015/06/04 11:29
アルボムッレ・スマナサーラ「執着の捨て方 「私」を手放して自由になる」
ひさし振りに、スマナサーラ師の本。心の中にどうしても手放したくない欲があるから執着となり、悩み事になると言う。執着には、四種類あって、欲(物と心)、見解、儀式、我論への執着がある。 ...続きを見る

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2015/06/02 14:37
松谷みよ子「民話の世界」・・・なつかしい70年代の空気が感じられる
昨年新刊の文庫だが、原本は70年代、まだ戦後意識や民主主義への希望があった時代、「民衆」のエネルギーへの希望があった時代だけに、山を越えて、伝えられる民話を探し、再話して、継承してゆこうとする松谷氏の営為が初々しく感じる。  ...続きを見る

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2015/05/29 04:51
NTTデータ経営研究所「攻めのIT戦略」
企業のIT部門が受け身の姿勢から「攻め」に転じ、経営に対する貢献を果たそうという提案は、何十年も前から議論されていたことであって、その為の本も少なからずあるだろう(多くはない)。この本もIT戦略、態勢、コミュニケーション、人材育成・・と「攻め」への転換に必要な事柄を高い品質で解説した良本だと思う。 ...続きを見る

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2015/05/28 07:50
ヨナス・ヨナソン「窓から逃げた100歳老人」とんでもなく、くだらない、しかし、おもしろい
事前知識もなく読み進めたが、なんと、とても面白いお話だった。 とんでもなくくだらない、めちゃくちゃで、出鱈目で、何のためにもならない、大ぼら吹きの話に似た、ピッピの話にも似た、スウェーデンのヨタ話。  ...続きを見る

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2015/05/20 09:46
長谷川洋介・貝谷明日香「知識ゼロからのマインドフルネス」
こういう実践本は、実際にやってみなければ、何の意味もないだろうが、手順が解りやすくていい。 ...続きを見る

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2015/05/15 15:15
辺見庸x佐高信「絶望という抵抗」
辺見庸氏の絶望と怒りが伝わってくる。 私なりに解釈すれば、もう間に合わない、個として刺し違えるくらいの思いしか手がないという絶望だし、戦後民主主義の守り手と見えた知識人、文化人たちの覚悟のなさとあいも変わらぬやり方だ。 ...続きを見る

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2015/05/15 15:09
小池龍之介「しない生活 煩悩を静める108のお稽古」
「自分より愛しいものは、ついに見いだせなかった」と釈迦が「自説経」で記したように、人のために何かしてるつもりでも、ほんとは所詮「自分のため」・・・とかとか、自己愛、虚栄心、妬み、怒り、欲望、愚かさ、・・・2頁でひとつの話題を挙げ、ほんとうは・・・だと、心の内側、裏側を覗き込むように語る。  ...続きを見る

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2015/05/11 17:57
柳美里「貧乏の神様」、なんとも興味深い貧乏暮し
二部構成で前半は雑誌「創」07年8月から14年10月までのエッセイ、後半は14年の公式ブログ。 講演料を生活費にするのに気が大きくなって息子に3000円の土産を買って後悔したとか、家には2000円しかないとか、カードは没収されて、もはや作れないとか、公式行事に参加するのに美容院に行く金がないので、財布を忘れたことにして嘘をつくとか・・・・、貧乏自慢?が満載。  ...続きを見る

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2015/05/11 15:38
富岡幸雄「税金を払わない巨大企業」は、もっと多くの人に読まれていい
「税に70年近く携わり、税を50年以上研究し続けて、税の表も裏も知り尽くした私が、日本の財政や税制を真に改革するための遺言として、本書を著しました」との、富岡氏の主張は、法人税制は大企業を優遇し、所得税は富裕層を優遇しすぎており、その歪みを正すだけでも日本の財政の健全化をもたらすと確信している。 ...続きを見る

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2015/05/04 05:05
荻原浩「冷蔵庫を抱きしめて」
最近読んだジュディ・バドニッツの「元気で大きいアメリカの赤ちゃん」は、あり得ないファンタジックなストーリーのなかに、辛口の批評精神がうかがえた。 こちら荻原浩氏の「冷蔵庫を抱きしめて」には、二種類の短編があって、やはりあり得ないファンタジックなストーリーの類のものは、毒にも薬にもならない話ばかり。 あり得る方の話には、なかなかいい話がある。  ...続きを見る

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2015/05/02 12:07
佐藤優「「ズルさ」のすすめ」
内容といい、出版社といい、明らかに、若者向けの生き方、処世の考え方本だけれども、案外、40歳台くらいまでは参考になるのではないかと思う。 私の歳では読む意味はないけれど、それでも結構おもしろい。  ...続きを見る

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2015/04/27 05:02
ジュディ・バドニッツ「元気で大きいアメリカの赤ちゃん」
ジュディ・バドニッツの短編集「Nice Big American Baby」。  あり得ないファンタジックなストーリーで、少しだけ、辛辣な批判精神をのぞかせている短編ばかり。 ちょっとびっくりで、ちょっと怖い、おもしろい話ばかり。  ...続きを見る

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2015/04/26 11:19
ピーター・ティール「ZERO to ONE」・・・さすがペイパル・マフィアのスタートアップ観は凄い
ペイパル・マフィアの大物ピーター・ティールがスタンフォードで講義した内容をベースに一冊にまとめた、スタートアップの極意。 さすが、迷いなく明確なメッセージで、しかも、たいへんまともな考え方、やり方の人だとわかる。 ...続きを見る

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2015/04/25 19:03
日経コンピュータ「あなたのデータ、「お金」に換えてもいいですか?」
最近の出来事を解説しつつ、プライバシーに対する考え方の変化に対応すべく、10年たった個人情報保護法の改定のポイントを説明している。 ...続きを見る

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2015/04/15 20:27
森達也・礫川全次「宗教弾圧と国家の変容」
森達也・礫川全次両氏の対談集となっている。 対談だから読みやすいが、論が整理されにくいという点もある。 おふたりが問題としているのは、オウム真理教の事件の解明ができていないこと、麻原彰晃の法廷は異常であること、オウム真理教事件以後、日本社会の集団化、同質化が進んだこと、そして、全体としてオウム真理教に対する宗教弾圧という見方もありうること・・・のように見受けられた。 ...続きを見る

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2015/04/15 17:02
竹信三恵子「ピケティ入門」
入門解説書として、ちょうどよい長さと内容分かりやすさで、お薦め。 エッセンスは以下に凝縮されている。 「ピケティのいう富裕層の政治支配は日本ではすでに実現しています。資産格差と賃金格差、その集積としての政治支配という一連の構図がきれいに出来上がっているからです。 ところが、政府によるマスメディア支配もあって、そのことを一般の人が理解できないまま、規制緩和はいいことだ、お金持ちにカネを回せばトリクルダウン効果でカネが回ってくる、とうれしげに口を開けて見ています。そんな異様な社会に、私たちはいるので... ...続きを見る

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2015/04/15 14:22
りぼん・ぷろじぇくと「新・戦争のつくりかた」
全体で50頁あまりの小冊子。 半分は絵本、半分が法律の資料からなる。 ...続きを見る

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2015/04/11 18:47
鎌田實「1%の力」
諏訪中央病院の患者さん、イラクの病院の先生など、さまざまな感動的なエピソードが語られている。  筆者は、"100% "は、なかなかできないが、"1%"なら、できる。 だから"1%"から始めればよいと、"1%"の無理、努力、がまん、気力、がんばり、誰かのために・・・と説く。  ...続きを見る

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2015/04/07 08:07

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