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zoom RSS 内田樹・姜尚中「アジア辺境論」

<<   作成日時 : 2017/10/15 13:18   >>

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内田樹氏は何を読んでも新鮮な驚きが必ずある。 姜尚中氏は私にはどこかずれている感じがするのだが、日韓のパートナーシップについての主張は姜氏ならではのことだ。 私も日韓はより強く連携しあうべきだと思う。 国民性はよく似ているのだから。 

新しいアジア主義、新たな日韓台の連携についての提案は、私は大賛成だけれど、いまの嫌韓のはびこる世の中に、なかなか通りにくい話だろう。 

内田氏は、 「一国の国力とは、よりよい未来を創ろうとするヴィジョンの提示力であり、失敗から学ぶ復元力である」と考えていて、日本の国力の低下を問題視している。 

とりわけ、「立憲民主制を豊かに享受していたはずの国で、気が付けば立憲主義を公然と否定する政党が独裁的な政治を行っている。市民的自由が抑圧され、監視が強化され、戦争のリスクが高まる方向に国が動いているのに、多くの有権者がそのような危険な政権をぼんやりと支持している」状況をいったい誰が理解しているか。

「歴史から我々が学ぶべきことは、民主主義というのは、よほど警戒心を持って扱わないと、いとも簡単に独裁制に移行するということです」・・・だから、警戒を続けないといけない。

意図しているかどうかは別として、「独裁制をめざす行政府は、何よりもまず「国権の最高機関」である立法府の威信の低下と空洞化を目指し」ているようだ。 

そのために、構成メンバーとして、「議員の中に投票行動に際して執行部の指示に従わないものがいたり、固有の政治的見識を持っていたり、盤石の選挙区をもっていたりする議員がいたら、立法府はそれなりに独立的に機能してしまう」から、「自民党は候補者選定に際して、執行部の言うことに唯々諾々と従って、自分の頭では物を考えない「イエスマン」たちを優先的に選定するようになった」という。

さらには、立法府がいかに無駄な存在かを知らしめるために、居眠り議員の映像などを積極的に公開してきた。

さらに、行政側からの立法措置を印象付け、政令を法律に変え、「法の制定者と法の執行者が同一機関になる」よう、仕組みを作りこんでいった。 「だから地方議会を含めて、日本のあらゆる政治レベルで「立法府なんか要らないじゃないか。 仕事のできる行政官がいれば、それだけで十分なのだ」という信憑が広がっている」

一院制もそうだ。 二院制など非効率だというコンセンサスを作り上げている。 わざわざチェックさせるための二院制なのだから非効率なのは当たり前で、それが目的でもあるのにだ。

独裁制に向けた動きと同様に拍車がかかるのは、弱者の切り捨て、公共サービスの切り捨てだ。

そのための強力な論理が自己責任。 「自分の好きで「不便なところ」に暮らしている人間が、税金で「便利にしてくれ」というのは筋違いだ。道路を直したければ、自己責任で、自分の金で補修しろと言う人間が出て来ます。必ず出て来る」

 このロジックで、「あらゆる行政サービスの縮減に際して適用されるでしょう。 高齢化で人口が減った集落に対しては、悪いけれどもう行政機関を置かない、病院も学校も統廃合する、警察も消防もなくす、不便になるけれど、住民が少ないのだからコストがかさむだけなので我慢して欲しい、そう言ってきます」

「社会的弱者が弱者であるのは自己責任なんだから、弱者救済に公的資金を投じる必要はないということを言い立てる人間が本当にたくさんいますけれど、それは要するに「社会的強者である自分にこそ公共的な財を優先的に分配しろ」ということです。 人口透析を受けている人に向かって、自己責任なんだから死ねという暴言を吐いた人間を候補者に選定したのは、まさにそれが彼らの本音だからです」

最たるものが生活保護バッシングだ。

わずか0.5%の不正受給者に対して天下の一大事の様に一般人が批判するのは、「一般市民が公務を代行して、正義の鉄槌を下している気分なんでしょうね。  そういう人たちは、医療や教育を、車とか洋服とかと同じものだと思っている。 それを手に入れて「いい想い」をするのは本人なんだから、受益者負担の原則を適用しろと本気で考えている」



強者は、いろんな言い訳を作り上げる。

「人件費を上げると国際競争力が落ちる、正社員を増やすと国際競争力が落ちる、サービス残業しないと国際競争力が落ちる。 「国際競争力」というのはある種のマジツクワードなんです。日本は韓国や中国と「経済戦争」を戦っているんだというストーリーをでっちあげている」

そうやって、強者、つまり、グローバル企業に、「国民資源を集中させるためのレトリック」としている。 





内田樹・姜尚中「アジア辺境論」(集英社新書2017.8.24 )
序章 問題提起
第一章 リベラルの限界
第二章 ニッチな辺境国家が結ぶ新しいアジア主義の可能性
第三章 アジアの連携を妨げる「確執」をどう乗り越えるか
第四章 不穏な日本の行く末

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