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zoom RSS 野口悠紀雄「異次元緩和の終焉」 失敗の明確な検証、しかし恐怖の出口

<<   作成日時 : 2018/02/11 08:56   >>

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野口氏は、物価上昇2%という目標設定も間違っていたし、そもそも、異次元緩和という金融政策も間違っていたと語る。 更に、日銀は巨額の損失が現実化して、「日銀の債務超過」という前代未聞の事態が生じる可能性もあると、恐ろしい事を言う。 

なぜ間違いか。 「金融政策は過熱した経済を引き締める効果はあるが、停滞する経済を活性化する機能は持たない。 これは古くから認識されていたことである」。 そもそも、財政政策が借金で難しいから、コストのかからない金融政策を選んだのではないかと、筆者は推察している。

失敗の事実を整理すれば、

・ 国債を購入しても、マネタリーベースが増えるだけで、マネーストックに影響を与えることはできなかった
・ 「消費者物価指数の対前年比を2%にする」という目標は達成できなかった
・ 為替レートや株価には影響を与えたが、設備投資支出を増やすことはできず、
  実質消費には、物価の上昇と実質賃金の低下を通じて、マイナスの影響を与えた

別の言い方をすれば、「期待」に期待したのだろう。 期待によって変動するのは、為替レート、金利、株価などの資産価格であって、ファンダメンタルズではない。 

「日本経済の停滞はデフレに原因がある。だからデフレからの脱却が必要だ」という議論は、基本的に誤っているのである」のであり、企業の「資金需要がないことこそが、現在の日本経済が抱える問題の根源なのである」と筆者は主張するが、日銀は、失敗も認めない。 

日銀はマイナス金利を導入したが、「国債を売却して増えた当座預金への付利がマイナスになるので、銀行は国債を売却しようとしなくなる。 つまり、これまでのような量的緩和政策の遂行は困難になる」、という矛盾を抱える。 つまるところ、マイナス金利を導入する本当の目的は、短期金利を低下させ、それを通じて長期金利を低下させることであろう」。 それによって、金利の上昇によるリスクを避けるとともに、相変わらず円安誘導を続けるのだろう。

金利が高くなると、巨額の国債が日銀に残存するので、緩和政策を停止すると、数十兆円という、巨額の損失が発生する。 同時に、額面より高い価格で購入した国債について、償還時に発生する損失は、10兆円ほどにのぼる。 

筆者は、偽薬のような金融緩和政策などでなく、本格的な構造改革が必要と主張。 

「円安期よりも、円高期のほうが経済は成長する。 それは、物価が下がり、実質所得が増えて、実質消費が増えるというメカニズムが働くためだ」。  にもかかわらず、 「日本経済は円安に安住しようとしている。 円安になれば、構造改革への熱意を失う。 本当は、世界経済の構造変化や技術の進歩に対して日本の産業構造を変革することが必要だが、それが行われない。 リスクをとって新しい技術に挑戦することもない」

「生産性の高い新しいサービス産業の成長が必要だ。 安倍晋三内閣の成長戦略の基本は、製造業の復活を目的としている。 しかし、新興国が工業化した現代の世界で、これは時代後れの発想だ」。 










野口悠紀雄「異次元緩和の終焉」(日本経済新聞出版社 2017.10.13)
序論 「金融政策の死」を「経済の死」につなげぬために
第1章 効果なしと分かっていた量的緩和をなぜ繰り返したのか?
第2章 弊害の大きいマイナス金利と長期金利操作
第3章 評価(1) 物価上昇率目標は達成できず
第4章 評価(2) 消費を増やさず、格差が拡大した
第5章 世界は金融緩和政策からの脱却を目指す
第6章 出口に立ちふさがる深刻な障害
第7章 本当に必要なのは構造改革

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