真田茂人「サーバント・リーダーシップ実践講座」

ビジネス書や人事系の本は当たりはずれが多い、というか圧倒的にはずれが多い。 しかし、この本は読み始めは、やはり外れかなと思いつつ取りあえず頁を進めると、後半になって、筆者はよくわかった、なかなかの人だと思い始めた。 いい本だ。 

サーバント・リーダーシップは、私も目指していたものだけれど、なかなかうまくできなかった理由がわかった。 私はサーバントはできたかもしれないけれど、肝心の目的・ミッション・ビジョンが大したものを描けなかったということだ。 

「サーバント・リーダーシップ」は、ロバート・K・グリーンリーフが提唱し始めたもの。 スキルではなく、リーダーシップ哲学です」であって、それも、「この複雑な時代に成果を出せる「効果的な」哲学」であって、哲学だから、「相手に奉仕するものである」を外さなければ、解釈は人それぞれでよい、というものだ。

筆者、真田氏のサーバント・リーダーシップは、大義あるミッション・ビジョン・バリューを示し、 そのミッションやビジョン・バリューを遂行してくれるメンバーに奉仕する、というものだ。

そして、真田茂人氏は、彼のサーバント・リーダーシップにおける、5つのバリューとして、個人を尊重する、導く、サーブする、人の持てる力を引き出す、個人の成長へとつなげる、を上げている。 次いで、サーバント・リーダーシップの、10の特徴として、傾聴、共感、癒やし、気づき、納得、概念化、先見力・予見力、執事役、人々の成長に関わる、コミュニティ創り、と説明している琉。 正直言って、この辺りは、定番の説明のようでいて、やや退屈だ。

俄然、おもしろくなるのは、やはり実例が上がり始めてからだ。 実例としては、サウスウエスト航空、スターバックス、チックフィレイ、P&G、資生堂、アフラック、加賀電子、ロート製薬、旭山動物園、星野リゾート、セコム、良品計画、キャノン電子、未来工業、ヤマト運輸・・・などが、挙げられている。  実例は面白いし、大変参考になるが、サーバント・リーダーシップなのかどうか、わからないケースもあるのかもしれない。 

真田氏は、サーバント・リーダーシップが、特に、厳しい環境で、ビジネスモデルはもちろん、コールやミッションなどまで、見直さなければならないケースで、傲慢なリーダーではできない、多くの人々の力を結集するときの強さを指摘しているようだ。 

真田氏はたいへん心に残る文章を書いている。 

「自分しか愛していない人は、関心が自分自身にしか向いていないのです。だから他人の話を聴かないのです。聴いている風を装いながら、頭の中では、この後自分が何を言おうか考えているのです。常に関心の対象が「自分」なのです」

「自分の不完全さを認めるリーダーは、学び続けます」、「「すべてを自分がコントロールしなければいけない」という固定観念から解放されます」

そして、立ち返って、次の質問を自分に投げかけるのだと。

「私たちは何者だろうか?」  「私たちの存在目的は?」「私たちは何を生み出したいのだろうか?」




真田茂人「サーバント・リーダーシップ実践講座」(中央経済社2012.10.25 )
序章 この国にはリーダーシップが足りない
第1章 新しいタイプのリーダーの台頭
第2章 なぜ今、サーバント・リーダーシップが注目されるのか
第3章 サーバント・リーダーシップとは何か
第4章 リーダーとリーダーシップ
第5章 サーバント・リーダーシップの要件
第6章 サーバント・リーダーシップの実践例
第7章 サーバント・リーダーシップの要素と効用
第8章 日本企業の問題を救うサーバント・リーダーシップ
第9章 サーバント・リーダーへの道




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