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zoom RSS 原田伊織「明治維新という過ち 完全増補版」・・・日本人必読の書

<<   作成日時 : 2019/05/12 20:27   >>

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「明治維新」は、封建的で固陋な徳川政権に対して、薩長土肥が中心となって近代化を果たし、西欧列強と並ぶ国にした成功物語であって、それに貢献した一人が吉田松陰だという定説だが、筆者は、「明治維新」「は吉田松陰はじめ長州テロリストが暴力的に実現したもので、勝者が美しく歴史を書き直したものと語る。 私もその主張には賛成だ。 薩長政権は、廃仏毀釈をはじめ日本のよき伝統を破壊し、昭和の亡国につながったと思う。 

筆者の語る、「いわゆる明治維新」は、「大政奉還」と「王政復古の大号令」であるが、徳川慶喜に求めた「辞官納地」は完全に骨抜きにされ、外交もできない新政府・朝廷は、幕府に大政委任を継続、「岩倉具視と長州・薩摩の勅許偽造による討幕・軍事クーデター」は、敗北、明治維新は失敗に終わっているという。 

そして、西郷が仕掛けた赤報隊による、江戸市内のテロ・強盗・強姦などによる挑発に乗ってしまった徳川慶喜と荘内藩が江戸薩摩藩邸を攻撃したために、薩摩は暴力クーデターの口実を得たのだ。 幕府側にとって、最大の不幸は、徳川慶喜がリーダーとして最低だったことに加え、鳥羽伏見の戦いの幕府側指揮官、大河内正質 大多喜藩藩主)の怠慢だった。 

筆者は、歴史に「もしも」はあり得ないと認識しつつ、もしも有能な官僚を抱える幕府側が政権をつづけられたらと夢想している。 それはもちろん私も分らないが、伝統を守る、分権的な国家が生まれ、昭和のあんな悲惨な歴史にはならなかったろうとおもう。 長州テロリストの作った国家は、決して近代的ないい国家じゃなかった。 く

幕末から御一新にかけて記した書は膨大にあるが、私は「会津士魂」がいちばん好きだ。 視点や立場によって「史実」はずいぶんと違う。 筆者は、官製の「明治維新」史のでたらめをいくつも指摘している。 ちょっとティテールにこだわりすぎるきらいもあるが、おおむね賛成だ」

・ 幕府は、1842年に「薪水給与令」を発令し、「異国船打払令」を否定し、対外政策の転換している
・ 「圧倒的に不利な立場にあった長州・薩摩勢力は、この江戸市中での騒乱によって一気に戊辰戦争へと突っ走り、後に「明治維新」と呼ばれる政権奪取を断行してしまったのである。 西郷が送り込んだ赤報隊が、その一番の功労者ということになる」
・ 赤報隊隊長、相楽総三をはじめ、多くは、金で買われた、人別帳からも外された無頼の徒。 のちに西郷は、偽官軍として、相楽以下を下諏訪で処刑した。 つまり、使い捨てだった。
・ 吉田松陰の物語は、大して接触もなかった、山形有朋が作り上げた話。
・ 松下村塾は、陽明学者玉木文之進の私塾であって、松陰は主宰していない
・ 「安政の大獄」当時の松陰は、「尊攘派の中の特に荒っぽい一人に過ぎず、井伊は松陰という男のことなどよく知らない」
・ 討幕という果実を長州・薩摩にもっていかれ、「その挫折感が却って「水戸学」を美化し、井上日召、菱沼五郎、橘孝三郎など水戸藩ゆかりの人間たちによって日本ファシズム運動として脈々と受け継がれていく」
・ 「政治リアリズムを理解せず観念論を振りかざして水戸藩を壊してしまった張本人が、公家好きな光圀」
・ 「「女狂い」や「試し斬り」の光圀という実態は消去された。ここでも、歴史の改竄が行われているのだ」
・ 「日米和親条約を締結し、約二百年続いた対外閉鎖体制を終焉させたことをはじめとして、講武所や長崎海軍伝習所の設立、西洋砲術の導入・推進、大船建造の禁の緩和、若手幕臣の積極的な抜擢登用など、阿部の採った施策は一般には「安政の改革」といわれる」
・ 「「第二次長州征伐」の前に、勝が、トップシークレットであった小栗の郡県制構想を諸藩にリークした」 これでは、戦意など湧くはずがない
・ 「幕府人の方が尊皇という点では、「尊皇攘夷」を唱えた薩長軍より遥かに尊皇度が高かった」
・ 「世良でなくもう少し真っ当な人物を参謀として派遣していれば、戊辰東北戦争は、あの会津の惨劇を含めて回避できた可能性がある」 ・・・ 「潔癖な東北の武家にとっては、長州・薩摩の人間の酒色に対するいい加減さ、よく言えばおおらかさなど絶対に許せないことであったのだ」
・ 江川太郎左衛門英龍の門下には、川路聖謨としあきら、佐久間象山、大山巌、そして二本松の木村銃太郎がいた
・ 「自由民権運動とは、純粋に「自由」と「民権」を求めて発生したものではなく、本意としては士族特権廃絶に対する反撥、長州閥の専横に対する抵抗であったのだ」
・ 西南戦争には宮崎八郎も参加していた…中江兆民の影響を強く受けた自由民権主義の先駆者
・ 「国家が危急の際には、人材が現れる。よくしたものである」・・・岩瀬忠震(日露、日米の条約)、水野忠徳(日露、日英、日仏の条約)、小栗忠順、川路聖謨、井上清直・・・






原田伊織「明治維新という過ち 完全増補版」(講談社文庫2017.6.15)
日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト
はじめに 
第一章 「明治維新」というウソ
第二章 天皇拉致まで企てた長州テロリスト
第三章 吉田松陰と司馬史観の罪
第四章 テロを正当化した「水戸学」の狂気
第五章 二本松・会津の慟哭
第六章 士道の終焉がもたらしたもの
あとがき


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