映画「イエスタデイ」

払っても払っても晴れない霧がたちこめ、不安や恐れなどで気がめいり沈んでいた。さすがに気がついたカミさんが「エルちゃんの映画でも見に行ったら」と言うので、そうだ、エルちゃんの「マレフィセント2」を見に行こうと思い立って映画館に来たが、「マレフィセント2」は必ず見るとしても、「イエスタデイ」は結構楽しそうで2時間過ごせるかなと、こちらを選んだ。大正解だった。ひたすらビートルズの楽しく優しい歌に浸り、私好みのラブコメにファンタジーまで加わって、楽しいひとときだった。 久しぶりのお薦め映画となる。

ジャック・マリク( ヒメーシュ・パテル) は、あまり風采のあがらない、それでも、プロのミュージシャンを目指して無謀にも教師をやめ、スーパーマーケットでアルバイトをしながら、そこかしこで歌って認められる日を待っている。 幼馴染で数学の教師のエリー(リリー・ジェームズ )が、片手間にマネジャー兼ドライバーをこなしている。それは、20年ずっと続くジャックへの好意の印なのだが鈍いジャックは気がつかない。

全世界がなぜか12秒間停電して闇に閉ざされた時、ジャックは自転車に乗っていて壁にぶつかり転落してて気を失った。目が覚めて、退院祝いに新しいギターをプレゼントしてもらったとき、何気なく「イエスタデイ」を歌ったら、エリーをはじめ友人たちが、そんな素晴らしい歌を作っていたのに、なんで今まで隠していたんだ、と訳の分からない非難を浴びせた。どうやら、ビートルズのことを誰も知らないらしい・・・・

グーグルで検索しても、ビートルズには、カブトムシの検索結果しか出てこない。 ポールで出てくるのはローマ法王パウロだったりして・・・当然、歌詞はどこにも記録がない。 罪悪感に駆られながらも自分の作詞作曲としてビートルズの歌を歌い続けるジャック。しかし、よくまあ、歌詞を憶えていたものだ。 ジャックが「エリナー・リグビー」の歌詞をなかなか全部思い出せずにいるのが、おもしろいし、伏線にもなっている。 確かに「エリナー・リグビー」の歌詞は難しい。 私が全部お゛得ているのは、「ゴールデン・スランバー」ぐらいかな。

最後の方で、悩むジャックに無意識に知恵を授ける人が出てくる。 「幸せになる方法なんて簡単なことだ。愛する女に愛していると伝え、嘘をつかずに正直に生きることだ」というようなセリフだ。別に大した台詞じゃないが、誰が言ったかが問題で、答えは観てのお楽しみだ。 

日本では、あまり馴染みのないヒメーシュ・パテルが、三枚目のいい味を出しているし、リリー・ジェームズが「ベイビー・トライバー」のときより更にキュートなヒロインになっている。おもしろいのは、エド・シーランがエド・シーラン役で出ているし、ジェームズ・コーデンもジェームズ・コーデン役ででていた。

監督のダニー・ボイルは、確かにいい映画をよく作る。「トレイン・スポッテイング」はあまり好きじゃないけど、それに脚本がリチャード・カーディスだから、ラブ・コメの本命みたいな映画になった。評判は地味だが、私には、今年のベスト・テン入りは確実な映画だ。




映画「イエスタデイ」(ダニー・ボイル監督 YESTERDAY 2019)



オフィシャル・サイト
https://yesterdaymovie.jp/




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