ミシェル・ウエルベック「セロトニン」

48歳のフロラン=クロード・ラブルストは抗鬱剤のキャプトリクスを欠かすことが出来ない。キャプトリクスは次世代の抗鬱剤でセロトニンの分泌を促進するという。この薬はたぶん作者のフィクションだろう。セロトニンが吸収され減少するのを阻害する薬はあるが、分泌を増やす薬は効いたことがない。できたらよく売れるだろうが、副作用が性的不能という(小説の都…
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韓国ドラマ「空から降る一億の星」

「空から降る一億の星」という覚えにくいタイトルの韓国ドラマ、なかなかよくできたラブ・ストーリーだった。  短くも哀しく燃える。 韓国ドラマには、よく悲しい子供時代の記憶を引きずっていく人生を描くものが多い。 失われている記憶をとりもどしてゆくドラマもまたよくあるパターンだ。 取り戻した後はたいていはハッピーエンドにつながるのだが・…
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西野瑠美子・小野沢あかね「日本人「慰安婦」」

「慰安婦」(Comfort Woman)は、実は固有名詞で日本軍従軍慰安婦を意味する言葉と読んだことがある。「性奴隷」と呼ぶ方が一般なんだと。 そんな「慰安婦」の話題は、朝鮮人慰安婦が多い。それは、90年代に、日本政府がその存在を否定したから怒りで告白した韓国人女性が現れたからだ。それから次々と名乗りを上げる人が現れた。「慰安婦」は、日…
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韓国ドラマ「マイ・ディア・ミスター 私のおじさん」は素晴らしい

韓国ドラマ「マイ・ディア・ミスター 私のおじさん」は素晴らしい。 大好きな IU主演ということで見始めただけなのだが・・・ちなみに、IUは歌手としてよりも俳優の方がいい 最初はなんて暗いドラマなんだろうと思ったが、いろいろ惹きつけられた。主人公のプロファイルをみればその暗さがわかる。 ・イ・ジアン(IU)・・・人を殺し…
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三谷太一郎「近代と現代の間 三谷太一郎対談集」

東大の政治学者である三谷氏は、学者らしい学者だ。日本の近現代の政治史についての対談を記録している。三谷氏自身の政治的主張はもちろん主題ではないが、ところどころにその片鱗がうかがわれる。しごく真っ当な見解だ。 なかでも、こんな発言が印象的だ。「安倍政権について私が一番気に掛かっているのは、今樋口さんが言われたように戦前・戦中の多くの国民の…
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チョ・セヒ「こびとが打ち上げた小さなボール」

なかなか独自の雰囲気を持った、寓話的な物語だなと感じつつ読み進めていたら、この小説は最近創作されたものではなく、70年代後半に書かれたもので、それも有名なロングベストセラー作品と知って、寓話などではなく、きわめてリアルな物語なんだと理解した。 しかしリアルな物語をリアルには描くことは70年代、80年代にはできなかった。軍事独裁政権は反体…
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丸山ゴンザレス「世界の危険思想」

この方は初めて知った。 観光客があまり行かないところ、それもヤバいところを旅しているジャーナリストのようだ。それでヤバい人々についての知識が豊富なのだろう。 世界の「危険思想」とあるので、レイシズムやナチズムや優生思想、極右・極左思想などが解説されているのかと思いきや、ヤバい人々の頭の中を探るという意味らしい。  ヤバい人々とは、…
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荻上チキ「検証 東日本大震災の流言・デマ」

読後、とくに印象に残ることもなかったけれども、流言・デマがこれほどたくさんあるのには、あらためて驚きだ。それらは、SNS等で収集して分析したもので、現地調査したりしたものではない。 だから流言・デマの発信元にその理由を調べるには至っていない。 東日本大震災では、後続の大地震が発生するとか、石油火災で有毒な雨が降るとか、埼玉の水道水…
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映画「天命の城」

朝鮮が清に服属する最初の出来事、「三田渡の盟約」の経緯を描く歴史ドラマ。頼りなく死を恐れ、自身が生きながら得ることを願う王仁祖、たとえ死んでも大義ある王と国家であるべく王を導くのが臣下の道だと信ずる大臣キム・サンホン、そして、どんなに屈辱的であっても民の生命を守るのが王の道だと考える大臣チェ・ミョンギル、三人と宮廷の流儀しか知らない官僚…
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映画「ファースト・コンタクト」

B級と言ったら失礼かもしれないが、B級SF映画かもしれない映画だけれども、その出来に感心して、楽しんだ。 ドキュメンタリー映画のようにインタビューを繰り返して、経緯を語って行く。  明らかに、異世界のものと思われるワームホールのようなモノがやってきて、同時に、巨大な黒い球が地球上各地に出現した。無人機ではよくわからず、人間の飛行士…
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山崎雅弘「沈黙の子どもたち」

目次にあるように、日本軍の大量殺害事例として、日中戦争における上海から南京事件、シンガポール占領後の華僑殺害、沖縄戦のさなかにおける自国民(沖縄住民)の殺害を挙げ、ドイツ軍とナチの事例として、スペイン内乱のゲルニカ空爆、アウシュヴィッツ、ハイドリヒ暗殺の報復にチェコ・リディツェ村の殲滅が挙げられている。そして最後は、米軍の広島・長崎だ。…
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エトガル・ケレット「あの素晴らしき七年」

エトガル・ケレットという、イスラエルの作家。多分私には初めての体験となるが、なかなか機知とユーモアに富んだ、しかもなかなか卓越したストーリー・テラーでもある。母親の故郷でもあるポーランドで訳書が結構ヒットしたのがうれしいとも語っているように、ホロコーストの歴史や中東戦争の体験がいまも脈々と生活の中に息づいている。 息子レヴの誕生か…
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映画「アダムズ・アップル」

刑務所から出て、更生プログラムの一環で田舎の教会に送られた男が、奇妙な聖職者たちと出会い、反発しながら、戸惑いながら暮らすうちにいくつかのまるで奇蹟のような出来事で変わって行く、そんな寓話のような、カルトムービーのような、変なブラック・コメディ映画だった。 アダム(ウルリク・トムセン)は札付きのワルにしてネオナチ、迎えた牧師イヴァ…
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映画「ジョーカー」

恥ずかしながら、途中までバットマンのジョーカーの物語だと気付かなかった。ゴッサムの街の名やあまりに汚い町の様相に首を傾げはじめ。トーマス・ウェインの息子、ブルースが出てきて、なんだ、あのジョーカーかと分かったとたん、緊張感が一気に溶けて、アメコミ映画の軽い気分が少し湧いてきた。それほどにシリアス・ドラマのような緊迫感があって、アメコミに…
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世宗大学独島総合研究所・保坂祐二編「文書・証言による日本軍「慰安婦」強制連行」

興味深いという言葉は不謹慎かもしれぬが、慰安婦を朝鮮半島や日本内地から、満州、中国、東南アジアに送るために、内務省や警察と軍とが、知恵を絞っているのが、たいへん官僚的で興味深い。内務省や警察などは、あきらかに国際条約違反や皇軍の評判や権威を落とさぬよう、内務省は無関係というスタンスをとれるよう、いろいろな手続きを定め実視させようとする。…
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山内昌之・細谷雄一編「日本近現代史講義」

自民党の「歴史を学び未来を考える本部」、いわゆる歴史本部で三年にわたって講義した内容をもとにしているらしい。それを「あとかき」で知って、なーるほど思った。どことなく史料の出所が、ウン?と思うところがあった。田母神氏だったり林房雄氏だったり。 たが、そうと知っても、内容が極度に偏向していたとは思えない。それは、私に判断評価できるほどの歴史…
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