映画「ある女優の不在」

ジャファル・パナヒ監督役で出ている、ジャファル・パナヒ本人、どこかで見覚えあると思ったら、「人生タクシー」だった。パナヒ氏はイランでは映画製作禁止にもなった反体制作家であり、この映画が、イランにおける女性・女優の境遇、映画などの芸能・芸術の危うい地位について語っていることかわかる。 ロクな道もない田舎の村に住み女優に憧れる娘、その娘から助けてと送られた動画を見て不本意ながら村に向かう監督と女優のジャファリ、そして、娘がただひとり頼りにする、革命前の女芸人というだけで村八分になっている元女優、その未来・現在・過去の三人の女優の、イラン社会との闘いや不条理を淡々と描写する。

現在のパナヒ監督は非常にストレートな人で、ストーリーを工夫したり複雑にしたりする気はないらしい。 村の老人たちのエピソードで話しはすこしは膨らむが、イラン社会の、それも、田舎の村の現実を説明する材料にすぎない。 だから、ちっとも面白くない。未来の女優マルズィエの失踪というミステリー要素はあるが、それもジャファリのオーバーな演技でちっとも盛り上がらない。

イラン映画には、結構いい映画で、かつおもしろいものが少なくないのだけれど、この監督の映画は、面白さよりメッセージなのかもしれない。


映画「ある女優の不在」( ジャファル・パナヒ監督 3 FACES 2018)



オフィシャル・サイト
http://3faces.jp/




この記事へのコメント