リチャード・H・スミス「シャーデンフロイデ」

たいへん面白いテーマなのだが、私の頭では、幅広い話についてゆけず、また題材の多くがアメリカの有名人やTV番組だったりして、話のニュアンスもつかみづらい。そんなこんなで、久しぶりに全部読み切れない本となった。 途中飛ばしたところが少なくないから、肝心なところを読んでいない可能性は高いから、あまり得手勝手な評価につながるコメントは避け、興味あった、いくつか挙げておく。

「シャーデンフロイデ」は、「ドイツ語で恥ずべきよろこび」といい、「他人の不幸を喜ぶ」ということ。 どんなときに、どうして、このシャーデンフロイデが起こるか、それを解説しているのだが、訳者あとがきで、簡単に要約してくれている。「優越感に浸れたから、自分よりも下に見たから、自分に利するから、相応しいと見なしたから、正義の鉄槌が下されたから、屈辱が滑稽だったから、嫉んでいたから、妬みを別の感情に転成させていたから、ひた隠しにしていた思いを解放できたから・・・・あなたは人の不幸を喜んだ。それは感じてしかるべき感情であって、善も悪もないのだ」

そう、誰も否定できない自然な感情だから、それ以上、何を語ることがあろうか。


・ 「下方比較は、シャーデンフロイデをもたらす多くの機会を提供する」

・ 「最小条件集団パラダイム」、「人間には元来、自分たちと他者を内集団と外集団に分類する傾向が備わっている」

・ 心理学者、ハワード・ガードナーの言葉、「私たちは「善」として生まれるのでも、「悪」として生まれるのでもなく、「時には善、時には悪」として生まれる」

・ ジョン・ポルトマン、「他者の不幸を喜ぶ主たる原因を相応性だと結論付けた」

・ 「公正世界信念」・・・「普通、人は相応しいものを得て、また、その人が得たものは相応しいという「公正な世界」を信じなければならない。そうすることで、種々の出来事が、予測可能で、秩序だった力によって導かれているかのごとく生きていける」

・ 「シャーデンフロイデに関する多くのケースは、妬みで説明できる。ほとんどの場合、自分にとって重要な分野でうまくやる人を、私たちは妬みやすい」

・ 私たちは、「基本的には善人で、だれかにひどい問題が降りかかるのを望んだりはしない。ところが、それが相手に相応しいものであるとなれば、些細な不幸を平気で喜んでしまう」













リチャード・H・スミス「シャーデンフロイデ」(勁草書房2018.1.20)
人の不幸を喜ぶ私たちの闇  原題「The Joy of Pain: Schadenfreude and the Dark Side of Human Nature」
序章
第1章 優越の恍惚
第2章 下を向いて上向こうよ
第3章 余人しくじるべし
第4章 自己と他者
第5章 相応しい不幸は蜜の味
第6章 正義は人の為ならず
第7章 屈辱エンターテインメント
第8章 エンヴィーに首ったけ
第9章 嫉み転生
第10章 解き放たれた邪悪な喜び
第11章 リンカーンだったら?
終章




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