映画「RBG 最強の85才」および 映画「ビリーブ 未来への大逆転」

若い女性たちから、「RBG」と略称で慕われる、ルース・ベイダー・ギンズバーグ最高裁判事、85歳の生い立ちから最高裁判事に指名され、現在にいたるまでのドキュメンタリー(「RBG 最強の85才」)と、ルースが性差別に対して闘う最初の裁判に至る若き日を描く伝記劇映画(「ビリーブ 未来への大逆転」)。 どちらも、たいへん感動的な映画である。私は自分じゃ何もしないし、むしろ若い時は差別的だったかもしれないけれど、差別に対して闘う姿は感動的だし、そういう映画は大好きだ。そこには必ず正義があるからだろう。




映画「ビリーブ 未来への大逆転」( ミミ・レダー監督 ON THE BASIS OF SEX 2018)

コーネル大学からハーバード法科大学院に同時に入学した女性は9人しかいなかったという。男性は500人以上いた。学部長は、レセプションの席で彼女らだけに、入学の動機を尋ねたという。そして、君たちは男子が座るはずの席に着いたと侮辱的な言葉をはいたそうだ。当時は女性用トイレだってロクになかった。1959年コロンビア大を卒業したあと、夫と同様、ニューヨークの法律事務所で弁護士の仕事を求めるが、たとえ首席卒業でも女性を雇うところはなかった。

コーネル大学在学中に結婚し、ハーバード入学時には一歳半の娘もいたルース(フェリシティ・ジョーンズ)は、3年生の夫ががんの闘病生活を送っていた。夫の授業にまで出て、夫の勉強を支援し、夫の看護をし、もちろん、自分の勉強と娘の世話をこなしていたという。真面目な頑張り屋さん、努力家なのだ。

やむなくラトガース大学教授の職を得たルースは、法と性差別に関する講義を中心に学生たちに教えていた。夫マーティンは、ある判決の上訴をもちかける。税法の専門家として評価を高めるマーティンの勧める訴訟は、母親の介護のため仕事を続けられなかった独身男性が、女性だけに認められる介護費用の税控除の適用を求めたものだった。外で仕事をする能力のない、家にいて家事や介護をする女性に対して税控除するのは、女性を大事にした法律だと思われていた。

上訴を受ける国は、女性を「差別」する法律のリストを作り、これだけたくさんあり、性差別をなくそうとしたら、米国の家庭や国が崩壊するという危機感を訴えるという、逆説的な手法に訴えたようだ。だれもが、ルースの敗訴になると予想していた、性差別の訴訟で勝つことはないと、かつて戦ったドロシー・ケニオンも悲観的だった。アメリカ自由人権協会(ACLU)も、負けると思って乗り気じゃなかった。その上、ルースはどんなに優秀でも訴訟経験がなかった・・・・・

オフィシャル・サイト
https://gaga.ne.jp/believe/





映画「RBG 最強の85才」(ベッツイ・ウェスト監督 RBG 2018)

ギンズバーグ判事の静かな笑顔が素敵だ。たいへん物静かで控えめな方で、その小さな姿からも性差別の激しい戦いを闘ってきた人とは思えない。母親に教わったことは、「淑女であれ」と「自立せよ」だそうだ。 さらに母親の教え通り、差別的な言動を投げられても、怒りを鎮めた怒れば自滅すると考えるそうだ。法廷でのその論説は論理的で説得力があり、しかも胸を打つような内容なのだろう。 

70年代に数多く手がけた、性差別に関わる訴訟で、最高裁で弁論を行った6件の訴訟のうち、5件で勝訴したという。70年代のこの勝訴で、どれだけ女性の地位向上に貢献があったか計り知れない。

最高裁の9名の判事のなかでは、リベラルな方であり、特に、ブッシュ政権以降、保守派の判事が増えて、ギンズバーグ判事は、多数意見ではなく、反対意見を表明することが多くなった。

ルースが弁論の最期に語った言葉が粋だ。奴隷廃止と女性解放に尽力したサラ・グリアムの言葉を引用していた。、"特別扱いは求めません。男性の皆さん お願いです 私たちを踏みつけているその足をどけて"


オフィシャル。サイト
http://www.finefilms.co.jp/rbg/





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