NHK ETV特集「義男さんと憲法誕生」

恥ずかしながら、鈴木義男(ギダンさんと呼ぶ)という、こんな素晴らしい人がいたのかと、初めて知った。 福島に生まれ、法学を学び、東北大学教授時代、軍事教練は殺し合いを教えることと反対して大学を追われ、弁護士として治安維持法の罪に問われた人などを弁護、敗戦後日本社会党の衆議院議員となり、すばらしいタイミングで憲法改定に新たな条文や条項を追加することに尽力した。

自民党などの改憲論者は、押しつけられた憲法と切って捨てるが、こんなに国会議員が議論して変更追加しているじゃないか。それがまず新鮮な驚き。また、自民党議員に、憲法の国民主権、基本的人権、平和主義をなくさないといけない、なんて主張している者もいるらしいが、9条の平和主義は、戦争放棄の条項に、彼ら衆議院議員が議論して追加したものじゃないか。自民党の前身の自由党の議員なんかも賛成している。

「平和」という言葉を導入するきっかけを作ったギダンさんは、25条の生存権、17条の国家賠償請求権、40条の刑事補償請求権、6条の最高裁長官の首相並みに天皇任命、といった、新たな条項導入をリードして、しかも議論の上、衆議一決して決められる説得力があった。

生存権は、12条の自由権でカバーできるではないかという保守的な自由権とは違うのだ、個人の「倫理的」な自由の問題ではなく、社会に生存してゆくことを可能にする、国家に義務を負わせる権利なのだ、19世紀的自由権ではなく、20世紀的社会権なのだ、といったトーンの説得で自由党議員なども理解していったようだ。

また、日本はお上にたてつくことは不届千万という風潮があるから、お上を訴える子ができることを憲法に盛り込む必要があるとの主張は、たいへん素晴らしかった。それはギダンさんの弁護士時代の経験に裏打ちされている。ギダンさんが弁護した人びとは錚々たるものだ。 鈴木茂三郎、宇野弘蔵、宮本百合子、有澤広已・・・韓国の治安維持法違反者にまで及んでいる。 
 
再放送の日程は知らぬが、もしあればぜひ視聴をお薦めだ。、


NHK ETV特集「義男さんと憲法誕生」




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