メーガン・C・ヘイズ「幸せに気づく世界のことば」

たいへん楽しい、絵本のような本だ。 文章はともかく絵が素晴らしい。 世界各国の言葉で、筆者が「Happiness Passport」と思うような言葉を集めて、なぜその言葉が幸福につながるのかを、文化や背景、人びとの思いを解説している。そんな、素敵な本ではある。

当然のことに、そこには筆者の幸福感が滲み出ている。 筆者は、作家であり、幸福心理の研究者という。 "positive journal " を主張されているだけあって、たいへん前向きである。 さて、50の言葉の中には、「名誉」や「地位」や「金満」に当たるような言葉はない。 心穏やかに、今を楽しむ・・・そんな言葉ばかりのように感じる。

ちなみに、日本語で挙げられているのは、「生き甲斐」「幽玄」「静寂」であり、中国語では、「歓迎」「養生」「無為」である。これだけでも筆者の幸福感が想像つくと言うものだ。 更に英語では、「Serendipity」「Whimsy」だけである。 他は、欧州、北欧、極地、アジア、中東などあらゆるところ、といった感じだ。 言葉の意味やニュアンスは、違う文化圏の人には伝わりにくいから、筆者の解説がどこまで妥当かは、よくわからない。 しかし、三つの日本語の説明を読む限りは、あまり違和感はない。良く研究されているようだ。

印象深かった言葉、二つだけ紹介しておく

アヤーナマット(イヌイット語) ・・・「自分ではどうしようもない状況(きわめて厳しく困難な条規用の場合もある)にぶつかったときに、この言葉が発せられる」「変えられないものは変えられないと考えることによってそれ以上の苦しみを重ねないことを意図している」

ギーギル(タガログ語)・・・「人は世話を求めて来る小さなものが好きで、そのようなものを前にすると、ときにはたとえば甲高い歓声を上げたり、死んでしまう一歩手前まできつく抱きしめたりさえする。私たちの人間関係やコミュニティの中心には、他者(人間であれ動物であれ)と心も体もつながりたいというこのギーギルな衝動が少なからず存在する」


メーガン・C・ヘイズ「幸せに気づく世界のことば」(フィルムアート社2020.3.20)

第1章 家と場 Home & Environment 
第2章 コミュニティと人間関係 Community & Relationships
第3章 人格と心 Character & Soul
第4章 喜びとスピリチュアリティ Joy & Spirituality
第5章 バランスと落ち着き Balance & Calm


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