テーマ:福祉

雨宮処凛「この国の不寛容の果てに」

2016.7.26 に相模原障害者施設、津久井やまゆり園で起こった障害者殺傷事件は、それ自体たいへん衝撃的な事件だったが、その犯人の植松聖被告の犯行の動機が、更に驚愕のものだった。日本の莫大な借金を減らすためにも、生きる価値のない障害者、生きていても不幸しか生まない障害者を殺すことは正しいことだと。 この障害者に対する驚くべき不寛…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

湯浅誠「「なんとかする」子どもの貧困」

湯浅氏のヤフーニュース個人版に掲載された記事をまとめたもの。 湯浅氏は派遣村の頃から、貧困に向けた実践的な取り組みで、日本にも「貧困」が存在することを一般に広く認知させた。 この本でも、たいへん落ち着いた主張で、評論ではなく、とにかく1mmでも動かすことに力を入れている。 湯浅氏が貧困問題に焦点を当てた頃、「貧困などない。単に怠惰…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

阿部彩・鈴木大介「貧困を救えない国日本」

対談するお二人は初めて知った方だが、貧困問題にかかわる本をかねてから出版しているみたいだ。 鈴木氏は、本当に貧困の現場の事情に詳しい。 地方の子どもたちも高齢者や傷病者にも、詳しく、しかも気持ちがたいへん傾いている。 ややそれが過剰で、直情怪行の印象がある。 だから冷静な阿部氏との対談は有益だったろう。 阿部氏は、政策提言も多くされてい…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

岩田正美「貧困の戦後史」

高校生のとき、友人から「学而不思則罔(学びて思わざれば則ち罔し)」と、指摘されたことがある。 的確な指摘で、私は本を読んでも深く考えないから、身につかずすぐ忘れる。 この「貧困の戦後史」も、読むには読んだが、あまり考えるところがない、 筆者は、貧困研究の「不全感」から戦後史を、研究者の視点で、史的理解をすすめるため、おさらいしたら…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」、ケン・ローチらしい社会派でユーモアもサービス

「私は、ダニエル・ブレイク、人間で、犬ではない」、 「私は、ダニエル・ブレイク、ひとりの市民で、それ以上でもそれ以下でもない」、「私は、ダニエル・ブレイク、ずっと税金を払っていることに誇りをもっている」、 「私は、ダニエル・ブレイク、敬意ある態度を求めているだけだ」 などなど、 あまりにも人の尊厳を踏みにじる福祉当局のシステム、対応に対…
トラックバック:1
コメント:0

続きを読むread more

日本財団「子供の貧困が日本を滅ぼす」

この本の目玉である社会的損失の試算だが、もともとそういう試算には興味がない。 当然いくつかの仮定前提を付けての計算だから、その内容に高い信頼を置くことは難しかろう。  しかし、試算することには意味はある。 主として、進学することができないことからもたらされる損失がその根拠だ。  「子どもの貧困を放置することによる社会的損失は、無視…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

稲葉剛「貧困の現場から社会を変える」・・・必読の書

路上生活者の支援をはじめ、福祉の現場で、湯浅誠氏といっしょに奮闘されてきた稲葉氏の言葉は、どこをとっても、とても勉強になる。 アトランダムに挙げてゆく・・・ 「日本では、福祉制度を利用する、特に生活保護を利用することに後ろめたい、恥ずかしいという意識が強い。周りから後ろ指を指されることもあります」 このスティグマ、…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

黒川祥子「誕生日を知らない女の子」政治家に読ませたい 

子どもの養護に関するドキュメントを見たり読んだりすると必ず涙がでる。それをめめしいと友人に笑われたこともある。確かにめめしいかもしれないが、この本でも涙をふく。同時に幼児の虐待の過酷さを私は全く理解していなかったと知った。親から離れ温かな里親と暮らせば解決、なんて簡単なものではなかった。 虐待は脳に器質的な変化をもたらすから、その…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

稲葉剛「鵺の鳴く夜を正しく恐れるために 野宿の人びととともに歩んだ20年」

昔、新宿住友三角ビルに通勤していた頃、西口地下道には、野宿者のダンボールの家がたくさんあった。そのうちダンボールがなくなり、通路に変なオブジェができていた。それは野宿者を排除する目的と知って、当時もずいぶん意地悪なとおもったものだ。 そのダンボール村の青島都知事主導の強制排除から西口広場での再開、その後の火災による自主的な撤退と、…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

佐藤幹夫「ルポ高齢者ケア 都市の戦略、地方の再生」

佐藤氏は、フリージャーナリスト。 都市の高齢化対策を、柏市、新宿、池袋、山谷で取材、地方の高齢化対策として、熊本県、同山鹿市、同菊池市、群馬県上野村、宮城県石巻市を取材している。  都市では、在宅医療の進め方、団地の孤独死対策の見守り、ホームレスへの支援、地方では、過疎化に向かう高齢者へのワンストップの対応が求められる。 群…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

大野更紗「さらさらさん」は、「困ってるひと」に輪をかけた、しかし質的に違う驚きがある

「困ってるひと」で、大野さんは凄い人だと知った。 難病が進行するさなかの自立への一歩が信じられない強いすごい人だと思ったものだ。 この本では、大野氏は、自らの病を、福祉や社会学の理論で強化して、立派なオピニオンリーダーに成長していることを知る。 重ねて、すごいなあと思う。 雑誌などのエッセイ、コラム、批評に加えて、対談が凄い。  …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

NHKスペシャル 「生活保護3兆円の衝撃」は、解は見付けにくいし、行政の努力も危ない

月に一度の生活保護費の受け取り状況の映像から番組は始まっていた。 リーマン・ショック以後、20代、40代などの就労可能世代の需給が増大しているらしい。 大阪市は18人にひとり、15万人を超える受給者がいる。 全国に203万人超の受給者がいる。 2年前の厚生労働省の通達によって、働く能力の有無で需給を決めないという、それは真っ当な通…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

阿部彩氏の講演「日本は豊かな国ですか?」を聞く。 日本の貧困率はOECD諸国の中、とても高い

絶対的貧困率は、日本では、多くの人から求められるけれども、それつくることが難しい。先進国では、1日1ドルなどの基準を作ることはむずかしい。 たとえば、1日2000Kcalを得るだけの金額で良いのか。 1日ごはんとみそ汁だけでよいとするか・・・など定めづらく、その基準探しをしていると相対的貧困率との境目がなくなってくる。 相対的貧困…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

地域での孤立が、貧困と並んで、不幸を生んでいる 

最近の地域の問題は、死亡後長期間発見されない孤立死、徘徊死・不明者、なかなか発見できない高齢者虐待、児童虐待・・・など、枚挙にいとまない。 地域での年寄りの孤立を防ぐための試みが、各地で模索されている。 まず、「縁側をつくる」という言い方で、豪奢なハコモノではなく、普通の民家を素材に気楽に行ける場所を作る。 気楽にいける場所が出来たら、…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

アマルティア・セン「グローバリゼーションと人間の安全保障」(日本経団連出版2009)

アマルティア・セン「グローバリゼーションと人間の安全保障」(日本経団連出版2009) およびNHKスペシャル「マネー資本主義」を併せて。。。。 結論から言うと、私の最も好きな本のひとつとなった。 ジャック・アタリの主張は、グローバリゼーションの本質は市場の力であり、その強い市場に勝つことはむずかしいのだと、かなり悲観的に聞こ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

湯浅誠他 「脱「貧困」への政治」(岩波2009) 「「生きずらさ」の臨界」(旬報社2008)

「脱「貧困」への政治」(岩波ブックレット2009)  雨宮処凛、中島岳志、宮本太郎、山口二郎の北海道で運動する各氏と、湯浅誠氏との、討論、シンポジウムの記録である。 ディスカッションで発言された印象に残る言葉を書きとめておく ・弱者に対する再配分は「ばらまき」で、強者に対する利益配分は、「改革」だといってきた。 ・リーマンショ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

山元加津子「さびしいときは心のかぜです」(樹心社)

 かっこちゃんの教え子というより、むしろ、先生のような存在感がある「大ちゃん」、原田大助さんの詩集。 一般に詩集というものには、私は退屈してしまうのだが、大ちゃんの詩集は、最初から最後まで一気に読み終わった。 詩集というよりは、日々の日常の言葉のあつまりで、その言葉が、なんとも、味わい深いのだ。   下の詩は、かっこちゃんが忙しく…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

山元加津子「ゆうきくんの海」

かっこちゃんの本のなかの最高といえます。 全部で5章、24のエピソードが記されています。どのエピソードも、読みすすめると涙が溢れてきます。 なかには、他の本で読んだエピソードもありますが、何度読んでもいいものです。  ・筋肉が衰えてゆく病気の隆くんの最後のピアノ ・事故で一切の交信ができなくなったユリちゃんとのまぶたの交信 ・おそ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more