テーマ:歴史

西野瑠美子・小野沢あかね「日本人「慰安婦」」

「慰安婦」(Comfort Woman)は、実は固有名詞で日本軍従軍慰安婦を意味する言葉と読んだことがある。「性奴隷」と呼ぶ方が一般なんだと。 そんな「慰安婦」の話題は、朝鮮人慰安婦が多い。それは、90年代に、日本政府がその存在を否定したから怒りで告白した韓国人女性が現れたからだ。それから次々と名乗りを上げる人が現れた。「慰安婦」は、日…
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三谷太一郎「近代と現代の間 三谷太一郎対談集」

東大の政治学者である三谷氏は、学者らしい学者だ。日本の近現代の政治史についての対談を記録している。三谷氏自身の政治的主張はもちろん主題ではないが、ところどころにその片鱗がうかがわれる。しごく真っ当な見解だ。 なかでも、こんな発言が印象的だ。「安倍政権について私が一番気に掛かっているのは、今樋口さんが言われたように戦前・戦中の多くの国民の…
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チョ・セヒ「こびとが打ち上げた小さなボール」

なかなか独自の雰囲気を持った、寓話的な物語だなと感じつつ読み進めていたら、この小説は最近創作されたものではなく、70年代後半に書かれたもので、それも有名なロングベストセラー作品と知って、寓話などではなく、きわめてリアルな物語なんだと理解した。 しかしリアルな物語をリアルには描くことは70年代、80年代にはできなかった。軍事独裁政権は反体…
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山崎雅弘「沈黙の子どもたち」

目次にあるように、日本軍の大量殺害事例として、日中戦争における上海から南京事件、シンガポール占領後の華僑殺害、沖縄戦のさなかにおける自国民(沖縄住民)の殺害を挙げ、ドイツ軍とナチの事例として、スペイン内乱のゲルニカ空爆、アウシュヴィッツ、ハイドリヒ暗殺の報復にチェコ・リディツェ村の殲滅が挙げられている。そして最後は、米軍の広島・長崎だ。…
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世宗大学独島総合研究所・保坂祐二編「文書・証言による日本軍「慰安婦」強制連行」

興味深いという言葉は不謹慎かもしれぬが、慰安婦を朝鮮半島や日本内地から、満州、中国、東南アジアに送るために、内務省や警察と軍とが、知恵を絞っているのが、たいへん官僚的で興味深い。内務省や警察などは、あきらかに国際条約違反や皇軍の評判や権威を落とさぬよう、内務省は無関係というスタンスをとれるよう、いろいろな手続きを定め実視させようとする。…
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山内昌之・細谷雄一編「日本近現代史講義」

自民党の「歴史を学び未来を考える本部」、いわゆる歴史本部で三年にわたって講義した内容をもとにしているらしい。それを「あとかき」で知って、なーるほど思った。どことなく史料の出所が、ウン?と思うところがあった。田母神氏だったり林房雄氏だったり。 たが、そうと知っても、内容が極度に偏向していたとは思えない。それは、私に判断評価できるほどの歴史…
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中塚明「近代日本と朝鮮 第三版」

日本と朝鮮半島とのかかわりについて、かなり詳細に記述されている。若干、言葉遣いと視点にイデオロギーの香りを感じるが、内容は史料に基づく出来事の記載が中心だから、記述の信頼性は高いのだろう。ななめ読みでもよいから、この程度の内容は日本人ならみな、高校生程度で学ぶべきだろうと心からそう思う。歴史教育はここまでやらないと、まともな前進はできま…
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水野直樹・藤永壮・駒込武編「日本の植民地支配 肯定・賛美論を検証する」

日本の植民地支配を肯定・賛美する「論」に対して、それぞれの専門家が検証・反論している。日本会議に属する人々とは限らないが、肯定・賛美論者の論は、結構大雑把で、トリックに見える。それに対するカウンターは、岩波ブックレットらしく上品で、あまり強いカウンターになっていないように感じる。もっと、徹底して叩きつぶしてほしいのだが、ページ数の制約も…
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山崎雅弘「歴史戦と思想戦」

産経新聞などが展開した「歴史戦」を読み解き、それに対する反論を丁寧に展開している。 筆者は、「歴史戦」が「先の戦争中に日本政府が国家として展開した「思想戦」や「宣伝戦」の継続なのではないか」と洞察している。 ケント・ギルバート氏や黄文雄氏などの「歴史戦」の論客たちの論、というよりはむしろ「トリック」は、筆者の分析で、たわいないものと分か…
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平野久美子「牡丹社事件 マブイの行方」

「日本でも台湾でも「牡丹社事件」と呼んでいる一連の事件は、1871年に起きた琉球民遭難殺害事件と、陸軍中将の西郷従道が大軍を率いて1874年に台湾へ出兵した「征台の役」をさす」。日本ではほとんど忘れ去られた事件だが、台湾でも日本でも関係者の末裔は、現在でも細々と真相を探るために調べ、和解を模索している。 沖縄の地に深く傾倒していた筆者が…
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安田未知子「13歳の少女が見た沖縄戦」

13歳の少女に対して、一高女の校長先生は、ゴムの地下足袋を渡しながら、「これは天皇陛下からいただいたものです。一緒に死ねる人だけにあげます」と言い、牛島中将と校長先生の間の伝令役を指示した。標準語を使えるからだろう。そして、上級生には、「国を護るために学校に留まれ、今逃げていく者は国賊だ」と訓話し、玉砕の歌を歌わせました。その上、疎開し…
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加藤直樹「TRICK トリック 朝鮮人虐殺をなかったことにしたい人たち」

この本は日本人必読の書だ。工藤美代子・加藤康男の「関東大震災「朝鮮人虐殺」はなかった」という本の、朝鮮人虐殺を否定する方法、つまりトリックを明らかにして詳らかに解説する。こういうことは絶対必要だ。自民党都議が小池知事に勧めたように、歴史修正主義者が、この本に書いてあるからと勧めたその場で、否定する本を読めとカウンターできる。 しか…
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藤原彰「餓死した英霊たち」

日中戦争、太平洋戦争の戦死者230万人のうち、140万人は餓死あるいは栄養失調がもとになった戦病死といわれる。戦闘による戦死は半分以下だ。こんな体たらくで、何が英霊だ、何がこれらの人たちのおかげで現在があるだ。まともな国、まともな軍なら、この140万の大半は死なずに済んだろうに その代表的なものは、ポートモレスビー攻略戦、ガダルカ…
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加藤直樹「九月、東京の路上で」

都知事が朝鮮人虐殺の異例の言葉を記念日に語ることをやめただけでなく、いま、朝鮮人暴動は実際にあって、自警団がそれと戦ったと信じる人々が増えているらしい。この本のように、どんなに実際の証言が公開されても、認めたくないことは認めないようだ。そんな人がいま韓国に対しては何言ってもいいんだと、白昼のテレビ番組で韓国たたきをしている。  巻…
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伊藤孝司「無窮花ムグンファの哀しみ」

映画では、「慰安婦」にされた朝鮮人女性のドキュメントを2,3回観ましたが、書籍では読んだことなかったと思います。今回初めて、彼女たちを取材した伊藤浩司氏のまとめたドキュメンタリーを目にしました。従軍慰安婦は、日本政府も軍の関与を認めていますが、実態は、「関与」どころではなく、拉致・強制連行・詐欺まがいの口利きに始まり、まさに連行・奴隷的…
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山崎雅弘「戦前回帰 「大日本病」の再発」

戦前・戦中の日本を覆っていたものは、国体とよぶ定義し難い概念と、国体明徴を徹底し、それに抗う者たちを排除してゆく、そんな空気だった。もう周知の話ではあるが、筆者が光をあてているのは、国家神道を軸とする非合理的な観念がまともな考え方を押しのけてゆく姿であって、政治権力そのものではない、まさに「大日本病」としか呼びようのない病的な空気であっ…
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星亮一編「「朝敵」と呼ばれようとも」

官軍と戦い戦死したか、もしくは投降した幕府側の人々で、筆者グループは「殉国の志士」と呼ぶ。確かに、薩長土肥の人々や浪人たちが維新の志士なら、こちらも志士だろう、負けると分かっても戦わざるを得ない殉国の志士。 目の付け所は、とてもいいし、私もかなり興味あるから手に取ったのだけれども、全体的に記述が薄く、経歴を記すだけでページが尽きて…
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林えいだい「筑豊・軍艦島 朝鮮人強制連行、その後」

以前、長崎軍艦島が世界遺産に登録されるという話があり、韓国から抗議があったと聞く。そのときはずいぶん細かいことに文句言うものだと思ったが、この本を読むと、これなら私でも抗議したかもしれないと思いなおす。それほどに、軍艦島(端島)は朝鮮人、中国人の犠牲が大きい。筆者も言う。 「端島は観光資源ではなく、炭鉱犠牲者、とりわけ朝鮮人、中国人の追…
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金時鐘「朝鮮と日本に生きる 済州島から猪飼野へ」

日韓の話題で、韓国側が「親日派」を非難していたことかあり、日本側がなんだなんだ、なぜ親日を非難するんだと問題にする、というやりとりがあった。日本人はついこの間の歴史すら知らないのだとおもう。金時鐘氏の「朝鮮と日本に生きる 済州島から猪飼野へ」を読むと、1945年の「解放」後に、いかに米軍と植民地時代の「親日派」が反共のために韓国民衆を蹂…
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映画「ひろしま」

1953年8月に作られながらも、配給会社松竹の米国や政府に対する忖度から大手チャネルでは公開されず、細々と自主上映などで公開されてきたという。そしてなぜか、NHKが今年放映した。 作成時のドキュメンタリーも含めて。公開を辛抱強く続けてきたのは、撮影時の監督助手だった肩の息子さん、そしてさの遺志を継いだお孫さんという。  原作は「原…
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垣根涼介「信長の原理」

垣根涼介氏は私には初めての体験だ。一般にはかなり受けて読まれる作品なのだろうと思うが、私には、あまり受けなかった。歴史小説は好きなジャンルだが、基本的にみな嘘だと思っている。講釈師見てきたような嘘を言い、である。その傾向としては、司馬遼太郎氏のように自分の史観にかなうように創り上げたものか、現代社会を投影して人間関係などを創り上げたビジ…
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大田昌秀「日本の沖縄意識 醜い日本人」

この本の出版年は1995年だが、太田氏が著述したのはほとんど沖縄返還前だ。沖縄には、「人に傷めつけられても寝ることができるが、人を傷めつけては眠られぬ」、という意味のことわざがあるらしい。沖縄は、日本本土からは30年も遅れているといわれ、封建制の残滓が濃く残っている、たいへん保守的な風土で、前近代的な共同社会だという。 そういう沖縄が、…
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朴炳植「ヤマト言葉の起源と古代朝鮮語」

「ヤマト言葉」とは、漢字など外国語が含まれない日本固有の言葉、というのが一般的な理解だが、筆者はこういう。「私は「ヤマト言葉」とは「弥生時代に生成された日本語である」と定義する」。それは漢字から来た言葉が多数あるからだという。 ヤマト言葉の起源に関する説は、四通りの説がある。 1. 朝鮮語が語源 2. 蒙古語が語源 3.…
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河西秀哉「天皇制と民主主義の昭和史」

敗戦直前から昭和の終わり近くまでの、天皇制を守ってきた人々、天皇自身の行動などを、かなり多くの史料で解明してゆく力作だと思う。ひとことでまとめれば、敗戦によってその存続が危ぶまれた天皇制は、GHQの占領政策によって維持が決定されたが、裕仁天皇自身の退位が天皇制廃止につながることを恐れた関係者によって、あらゆる工作や宣伝行動がなされた。果…
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岡谷公二「沖縄の聖地 御嶽(うたき)」

岡谷氏の著作は、「神社の起源と古代朝鮮」、「伊勢と出雲 韓神と鉄」に次いで三作目にあたります。 一貫して伊勢・出雲ばかりでなく、神社の起源と、半島との関係を究めている。 今回は、沖縄ユニークな神社である御嶽(うたき)を訪ね歩き、半島との関係を探って行く。  「御嶽とは、沖縄の最北部、本島の国頭村から、南端の八重山群島波照間島まで、…
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ハン・ガン「少年が来る」

もっと早くに読めばよかった。今年読んだ本の中でベストワンのひとつかな・・・・ 「少年が来る」の「少年」とは、光州民主化運動のなか、全羅南道の道庁に最後まで残った学生・市民の中にいた中学生トンホと、戒厳軍の銃弾を受けて死んだトンホの友達チョンデをはじめ、あの場にいた少年たち示している。あの場にいた、何人かの視点を通して、あの日と、そ…
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石原昌家「虐殺の島-皇軍と臣民の末路」

1970年代、日本に復帰、戦後30年経ち、ようやく共同体のしがらみから抜けでた人々が証言して、沖縄戦における住民の「虐殺」の実態が少し明らかになっていった時代なのだろう。この本は、沖縄戦全体の「虐殺」の調査などではなく、ごく一部の地域、アブチラガマ、ウタキ、知念、伊是名島、西表島 ・・・における、証言をあつめ、分析してまとめたものだ。 …
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半藤一利編「なぜ必敗の戦争を始めたのか」

少将から少佐までの陸軍エリートの座談会を聞いていると、官僚や政治家の発想・責任感などは、いまも同じだと痛感する。なぜ必敗の戦争を始めたのか、要するに曖昧模糊としてわからない。中枢近くにいた人間も、多分中枢の人間も分らないのだろう。 根拠なき主張によって非生産的な議論を重ね、最後は空気で決まる、そんな繰り返しだ。インテリジェンスが弱…
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ユヴァル・ノア・ハラリ「ホモ・デウス 下」

なんとも分かりにくい書物だ。 言葉はそれほど難しくないのに、言ってることは理解し難い。 それでも、ところどころで、リマインドしてくれる。 「本書は、二十一世紀には人間は不死と至福と神性を獲得しようとするだろうと予測することから始まった。この予測はとりわけ独創的でもなければ、先見の明のあるものでもない。それはただ、自由主義的な人間至…
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司馬遼太郎「故郷忘じがたく候」

「故郷忘じがたく候」を読みたくて、文庫本を手にした。 司馬遼太郎氏の著作は「街道をゆく」シリーズ以外はほとんど読んでいるので、これも再読となる。しかしほとんど忘れていた。読む動機は、そういえば秀吉の時代に拉致された人はどうなったのだろうと思ったからだ。慰安婦にせよ、徴用工にせよ、強制連行はなかっただの、強制じゃなかっただの、いろいろ歴史…
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