テーマ:政治・経済

ジョセフ・E・スティグリッツ「世界に分断と対立を撒き散らす経済の罠」

スティグリッツ氏の主張がたいへんよくわかるたくさんのレポートをテーマによってまとめ、それらに氏自身の解説を加えたもの。 氏の主張を私なりに簡潔にまとめると、アメリカはレーガン政権以来の間違った政策によって極端な不平等社会となっている。不平等は経済的に見ても成長の阻害になるから、経済政策として今の米国のような極端な不平等をなくさないとい…
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望月優大「ふたつの日本「移民国家」の建前と現実」

日本における「移民」政策を入管法に沿って解説、その問題点を要領よく指摘している。 日本は移民政策をとらないと言うが、実態は、「どんな定義を採用するのであれ、この国にはすでに数多くの「移民」がいる (中略) この国がその「現実」を直視せずにここまでやってきた。 (中略) 「移民」という現実の否認は、この社会に生きる人々をまったく異質…
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鳩山友紀夫「脱 大日本主義」

この本は鳩山氏を嫌う人に特にお薦めの本だ。きっと評価が変わる。「宇宙人」とマスコミに揶揄されていた鳩山氏だが、民主党政権以前から私は世評よりまともな人だと思っていた。少なくとも、小泉純一郎氏や安倍晋三氏よりは、知性も理性も遥かに優れているし、頭脳明晰だとおもう。ただ、根がお坊ちゃんなだけに善人過ぎて、他の政治家や官僚を警戒しつつコントロ…
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巣内尚子「奴隷労働 ベトナム人技能実習生の実態」

ベトナムから日本への移住労働は約30万人弱にも上る。 そのなかで日本の進んだ技術を修得することに憧れ、かつ日本で高収入を稼ぐために、技能実習生制度を使って、来日するベトナム人も年々増大している。 彼らはベトナムの仲介会社に、100万円前後の多大な手数料や保証金を払っている。 ベトナムの平均的給料は2万円程度だから、ほとんどの実習生は借金…
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相沢冬樹「安倍官邸VS.NHK」

NHKを退職された後、大阪日日新聞に転職された。 森友の真相解明まで記者を続けたいという意思があるからだ。 雑誌に書きたいとフリーランスの西岡氏に相談したところ、文春を紹介され、プロのジャーナリズムの価値を示すためにという勧めで本にした、それがこの本だ。 だから、森友の経緯、退職の経緯だけでなく、本物の記者は、どれだけ慎重に、どれだけ熱…
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大塚英志「大政翼賛会のメディアミックス」

なかなかの力作で、読み出があった。一国一党の国民組織を目論む近衛新体制の具現化として大政翼賛会が昭和15年10月12日に発足、同年9月の内務省訓令「部落会町内会等整備要綱」により、作られた「隣組」を念頭に、翼賛会が、大和一家という「翼賛一家」を漫画で創作して、国内の国威発揚や防諜・防災に役立てるよう、メディアに推進させた。その経緯や漫画…
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山本譲司「刑務所しか居場所がない人たち」

「学校では教えてくれない、障害と犯罪の話」と副題がついている。漢字のふり仮名もついている。たぶん学生・生徒用に書かれた本なのだろう、体裁もフレンドリーだ。しかし、見かけと異なり中身はいたく真面目で、かつ、盲点の問題を丁寧に述べている。  筆者は、政治資金がらみの詐欺罪、政治資金規正法違反に問われ、控訴もせずに確定した実刑判決で刑務…
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映画「記者たち 衝撃と畏怖の真実」

原題の「SHOCK AND AWE」は、イラク侵攻作戦の名前だ。ビンラディンとサダム・フセインは水と油なのに、911のテロ攻撃の背後にイラクの影があると主張し、イラク侵攻を前提とした情報操作を始める政府。それに疑問を持ち調査報道に全力を傾け、大量破壊兵器があるとの情報捏造の事実を突きとめた中堅新聞向け通信社ナイト・リッダーの記者たちの闘…
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ジム・ロジャーズ「お金の流れで読む日本と世界の未来」

私はまったく知らない人だったが、テレビ出演したこともあって日本でも有名な方らしい。 投資家として大成功した人が、投資家の視点や経験でもって、忌憚なく、日本や東アジアの将来を語る。 簡単に要約すれば、日本についてはかなり悲観的であって、「いつかきっと「安倍が日本をダメにした」と振り返る日が来るだろう」と予想する。 そして、期待できるのは北…
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ケネス・ルオフ「天皇と日本人」

いつか平成天皇の退位の経緯が詳しく歴史的事実として明らかにされるのだろうか。 おそらく日本国内では無理だろう。 この書の筆者のような、日本の左右の政治的立場に関係ない歴史家によってしか、本当のことは明らかにならないのではないか。 筆者ケネス・ルオフ氏は各国王制、日本の天皇制にもたいへん詳しい研究者らしい。 やはり、退位をめぐる、保…
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堤未果「日本が売られる」

堤未果氏のシリーズは、正直言って読みたくない。この本も、読み進めるのが辛い。何で、こんなに日本をダメにする政治家と官僚と財界人ばかりなのだろうかと、悲しく同時に怒りに震えるからだ。 安倍政権は、本当によく仕事をしている。わき目もふらずに、日本を第二のアメリカに、日本を壊し続けている。ほんとによく仕事をしている。アメリカの要求、日本…
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安田浩一「「右翼」の戦後史」

右翼と言えば昔は児玉誉士夫のような、政治家と暴力団と一体になっていて、 防共挺身隊の福田素顕が始めた街宣車と軍歌が特徴だった。 今の右翼は、排外的な言辞と政権をやたらに擁護するネトウヨばかりが目に付く。 しかし、草の根で政策を着実に動かしているのは日本会議だ。 これらの右翼組織の消長と右翼活動家の動きを記録している。 印象に残った…
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オーウェン・ジョーンズ「エスタブリッシュメント」

残念ながら、4分の1ほど読んだところでギブアップ。 もう少し体調のよい時なら、まだまだ読み進められただろうが、気力が足りない。  「チャブ」の著者が、今度は、上位層に切り込む、その内容は、英国社会のさまざま登場人物に通暁していれば、かなり分かりやすく、興味も増したろうに、あいにくほとんど知らないから身近に感じられない。  しかし、…
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阿部彩・鈴木大介「貧困を救えない国日本」

対談するお二人は初めて知った方だが、貧困問題にかかわる本をかねてから出版しているみたいだ。 鈴木氏は、本当に貧困の現場の事情に詳しい。 地方の子どもたちも高齢者や傷病者にも、詳しく、しかも気持ちがたいへん傾いている。 ややそれが過剰で、直情怪行の印象がある。 だから冷静な阿部氏との対談は有益だったろう。 阿部氏は、政策提言も多くされてい…
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柳澤大輔「鎌倉資本主義」

三人の仲間が一緒に起業しようと決め、一人は会社経験、一人は世界放浪、一人は大学院とくじで決め、二年後に再開して会社を作った。それが、インターネット関連サービスの「カヤック」。江戸川橋、高田馬場と移転し、好きな街の鎌倉に本社を構えた。 誰と、どこで、何をするかを、かなりユニークな考えかたで選択してきた。  資本主義は、環境破壊と格差…
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佐藤航陽「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」

読後感がいたく曖昧で茫洋としている。理由は体調が悪く集中力に欠けたためにほとんど頭に残らなかったせいだろう。この手の本にはたくさんつけて残る付箋もひとつもない。不思議なことだ。  仮に私の体調や読解力のせいではなく、この本に理由があるとすれば何だろう。 まず、これは印象で言うのだが、論説、つまり論証しているという意味の説がなく、…
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スタッズ・ターケル「希望 行動する人々」

24人の「行動する人々」とのインタビューを通じて、それぞれの「希望」を語っている。 ガルブレイスやピート・しーがーのような超有名人もいるが、無名の人もいる。 それぞれのインタビューで、「希望」が直截に語られているわけでもない。 「希望」に言及する人もいるが、必ずしも「希望」があるとは限らないし、「希望」の話題が明確になっているわけ…
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スティーブン・レビツキー他「民主主義の死に方」 米国の民主主義の崩壊

米国の民主主義は危機的な状況にある。 私には、米国の民主主義に対する強い信頼があった。 米国には建国の理念があるからと。 しかし、筆者はそんな甘い考え方を払拭する。 米国の民主主義が護られてきたのは、憲法や米国の文化のためではない。 ある種の柔らかなガードレールがあって、政党がそれを維持してきたからなのだと。  そのガードレールは…
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NHK eテレ 「こころの時代」 「暖かな弁当に宿る心」

NHK eテレの 「こころの時代」で放映された 「暖かな弁当に宿る心」は、とても印象的だった。 トニー・テイ氏は、15年間の長きにわたって、困っている人に無料の弁当を配っているボランティア団体、「Willing Hearts」代表。  裕福なシンガポール、一人当たりGDPが、9位で、25位の日本よりはるかに豊かなシンガポール、そこ…
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フランク・パブロフ「茶色の朝」

約30頁(半分はギャロの絵)の物語と約10頁という小さな本だが、ずっしり重い、必読の書。 「俺」と友人のシャルリーは、犬や猫が好きな普通の人。しかし、政府は茶色の猫以外は都市生活に適さないと、白黒ブチの愛猫を始末せざるを得なかった。なんとなく納得しがたいけれど、科学者も言うし、政府も法律を作ったから、そんなものかと、しようがな…
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中島岳志「保守と大東亜戦争」、小異はあるが概ね素晴らしい

中島岳志氏の主張には、賛同こそすれ、反対する内容はほとんどない。 しかしひどく空しい感じがするのは、つまるところ、「保守」という言葉にこだわっているだけのことだ。 最近の若者は、日本共産党が「保守」で、安倍政権が「革新」と見えるらしい。 そう見えるのは不思議ではない、実際、安倍政権は革新どころか、革命的に、世の中を変えつつある、しかもか…
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映画「バグダッド・スキャンダル」

フセインのイラクに米国が侵攻する直前、“石油・食料交換プログラム” をめぐる国連の汚職にまみれたスキャンダルを描く。 人々を助ける希望を抱いて国連に採用された新人職員が内部告発する。 これが「外交」だと嘯くボスが関与する国連と、フセイン政府、イラクのフィクサーたちが、横流しによる利益で私腹を肥やし、リベートを受け取る西側諸国の高官たちの…
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森本あんり「異端の時代 正統のかたちを求めて」

「正統と異端」は、昔から「知的」業界に好まれた話題のように見られる。 このテーマを論ずるのには、やはり宗教ははずせない。 次いで、マルクス主義政党の正統性が挙げられる。 しかし、筆者は、「正統」と「異端」を、もっと広く、例えば、権力の正統性といったところも考えている。 たとえば、「自由の選択は、創設された権力が正統性を持つかどうか…
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三好範英「本音化するヨーロッパ」

読売新聞ベルリン特派員の経験がある筆者が、ヨーロッパ各地を取材して、難民・移民問題、ロシアの脅威、ギリシャをはじめとする経済とユーロの危機、そして各国に忍び寄る右傾化の波 ・・・ そういった観点で、その実情を探って行く。  取材先の選択次第で、取材が意義深いものになったり空振りになったりする。 また取材先から、本当に聞きたいことを…
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ナオミ・クライン「NOでは足りない トランプ・ショックに対処する方法」これは国民必読本

これは素晴らしい本だった。 「素晴らしい」内容は、これでもかと続くトランプ批判の舌鋒の鋭さであり、同時に、「No」というだけでは勝てないと、「リープ・マニフェスト」なる「みんなの綱領」をつくり、真正面から来るべき世界を主張しているところだ。 筆者が支持したのはバーニー・サンダースであり、ヒラリーのようなウォール街にどっぷり浸ったアイデン…
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オーウェン・ジョーンズ「チャヴ 弱者を敵視する社会」

「チャヴ」という言葉を初めて知ったのは、ブレイディみかこ氏のイギリス事情の報告だったが、この本で、「チャヴ」という言葉が、いかにひどい状態を示しているか、よく理解できた。  差別用語「チャヴ」は、ロマ族の言葉で「子供」を指す「チャヴィ」からきている。 2005年には、チャヴは、「カジュアルなスポーツウェアを着た労働者階級の…
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ブラジル大統領選は、「極右」のボルソナロ氏? 日本も同じ。

ブラジル大統領選は、「極右」のボルソナロしこれがが最終的に勝利を収めたという。 選挙戦さなかの刺殺事件とか、元大統領の収賄罪とか、波乱のブラジル政界が垣間見える。  日本のこの大統領選挙に関する関心は、ネット検索してみればすぐわかる。 ほとんどが、ブラジルレアルがあがるかどうかとか、つまり、新興国投資にとってプラスかマイナスかとい…
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畑村洋太郎「技術大国幻想の終わり」

日本はシステム技術に弱い、というのは私の持論だが、畑村氏も同様の考え方があるようで、日本には幻想があると。それは、以下の幻想、日本の将来を危うくしている幻想だ。 ・ 「日本人がつくるものが優れている」という幻想 ・ 「職人の技」幻想 ・ 品質という言葉に対する間違った理解。 要求品質を理解していない  そう、私も理解でき…
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荻野富士夫「よみがえる戦時体制 治安体制の歴史と現在」

戦時体制輪を支える治安の確保は、治安維持法を中心に、多くの法制や施策によって、体制が確立していった。 その経緯をあらためておさらいしながら、現在もある意味、戦前であるととらえ、戦時体制がどの程度確立しているのかを確認する。 「戦前治安体制を支える主翼の位置にあったのは、法令としては治安維持法であり、機構・機能としては特高警察と思想…
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藤井誠一郎「ごみ収集という仕事」

朝のゴミ出しは私の役割になっているので、ゴミ収集や分別にはそれなりの関心がある。地方自治を専門とする筆者が、新宿区のゴミ収集作業に参加して、その経験をもとに、清掃事業を通じた地方自治に言及する。 いくつか初めて知ったこともある。  清掃車のプレスによって、生ゴミの水が飛び散ったりして迷惑をかけることもあるので、作業者はそうと…
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