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zoom RSS 映画「BIUTIFUL」は、うんざりするほど、すさんだ暗い映画だが、傑作だ

<<   作成日時 : 2012/01/24 15:10   >>

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日比谷シャンテやシネスイッチ銀座で公開していた映画がキネカ大森で二本立て上映。 「BIUTIFUL」と「海洋天堂」の二本立ては絶妙な組み合わせだ。 どちらも、死にゆく父と子どもの物語。 「海洋天堂」がそのテーマに集中しているのにたいして、「BIUTIFUL」は、もう何から何まで盛りだくさんのテーマだ。

死に行く父と子どもたち、死にゆく自分と父親との出会い、妻の双極性障害、子どもを愛しつつ虐待してしまう妻、死者のメッセージを聞きとる能力、移民、不法滞在、汚職 ・・・・・。 てんこもりだ。 

サクラダ・ファミリアを遠くに望む、スペインはバルセロナに、なんとも退廃的で、また貧しく、すさんだ街があったものだ。 スペインの印象が一挙に変わった。 といっても、もともとそんな美しいだけの街があるはずが無い。 

ウスバル(ハビエル・バルデム)は、不法移民の中国人が地下で製造したバッグや衣料品を、セネガルなどアフリカ人が街中で販売する仲介をしている。 多少法に触れるところもあるが、警官に賄賂を渡して見逃してもらっている。 
ウスバルは、超能力をもっている。 死者の最後の言葉を聞くことができる。 それを家族に伝えることもアルバイトのひとつだった。  

家に帰る前に、不法滞在をしている中国人のリリィに預けた子どもを引き取りにゆく。 アナ(アナー・ボウチャイブ)と、弟のマテオ(ギレルモ・エストレヤ)だ。 ハンバーグが食べたいと言うマテオに、フレークをあげながらハンバーグだよと言って笑う。 

妻のマランブラ(マリセル・アルバレス)は、双極性障害で入退院を繰り返す。 夫も子供も愛しているが、派手に遊びたくもなる。 そして義兄のティト(エドゥアルド・フェルナンデス)とも関係をもってしまう。 

アフリカ人たちは道端で麻薬の売買も始めてしまったので、目をつぶっていた警察も手入れをして、セネガルに強制送還させられてしまう。 中国人の作るバッグなどの質があまりに悪いこともあって、やばいと感じたボスのハイ(チェン・ツァイシェン)と、ゲイのリウェイ(ルオ・チン )は、製造をやめて、ティトとウスバルの薦めで、中国人達を工事現場に送ることにした。 

前立腺ガンで余命二カ月と宣告されたウスバルは、 子どもたちのために死なないと言い張るが、死を受け入れ、整理してゆく。 赤ん坊を抱えたセネガル女性イハ(ディアリァトゥ・ダフ)を家に呼ぶ。 一度は子どもたちをマランブラに託そうとしたが、マテオを虐待するマランブラを見限って、イハに託そうとする・・・・・。

アナの誕生日に父親としての遺品を二人の子供に渡すと、アナは気付いて、苦しむ父親を、死なないでと抱きしめる。 

結局のところ、ウスバルの努力は何一つ実を結ばない。 中国人たちに温かな暖房を提供したはずのストーブが逆に裏目に出たり、結局、子どもたちのその後を安心することはできなかった。 

ウスバルの生まれる直前にフランコ体制から逃げた父親。 顔も知らない父親だったが、墓を壊し火葬し直すことで父親と再開し、父親に招かれるようにして逝く。

なんとも、あれもこれもと、ぎゅうづめに詰め込んだ傑作だ。 詰め込み過ぎて、ひとつひとつのテーマは薄くなってはいるが、しかし、これだけ詰め込めば、それなりにぶ厚い作品になっている。  なんとも救いようが無い映画だが、死者の声を聞くウスバル自身の最後は、父親との再会の喜びだったことが、救いといえば救いだ。






映画「BIUTIFUL」(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督 "BIUTIFUL" スペイン 2010)☆☆☆☆☆

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