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zoom RSS 佐々涼子「エンジェル・フライト 国際霊柩送還士」は、感動的な仕事をするプロの物語

<<   作成日時 : 2013/08/25 17:34   >>

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羽田空港国際線貨物ターミナル内に事務所と処置場をもつエアハース・インターナショナル社は、海外で亡くなった日本人、日本国内で亡くなった外国人の遺体を運ぶ専門企業で、外務省や旅行会社が頼るプロ中のプロだ。 

創業者は山科昌美と木村利恵。 会長の山科は葬儀社出身で、技術はもちろん、各国の葬儀、宗教など精通しているエキスパート。 社長の木村利恵は遺族の悲しみを誰よりも知り、一刻も早く遺族のもとに遺体を届けるためにあらゆる努力を尽くす。  息子の木村利幸は完璧なエンバーミングのため、各社化粧品や化粧筆を研究したり解剖学を学ぶ熱心さだ。 

海外の事故や災害で傷ついた遺体は、現地のいい加減な業者のために正視できないほど、変色したり、腐敗臭が漂うほどに傷んでしまうこともある。 それをパスポートの写真を見ながら完璧に生前の顔に修復して、遺族に届ける。 遺族は遺体と対面できて初めて、死者の死を受け入れることができるのだ。 現地で本人確認した遺族は、確認時の遺体の酷い状況から、日本に帰って葬儀をしても家族や友人とは対面できないだろうと思う。  それが利幸のエンバーミングで、みなが御別れを告げることができるようになるのだ。  

霊柩車ドライバー古箭は、代えのきかない遺体を無事届けるための安全運転に徹する。 前の新聞輸送の仕事で毎日見ていた壮大な富士山をみると、遺体を日本の故郷に返す意味を見出していた。 

24時間365日、いつ電話がかかってきても社長たちはすぐ対応し、どんな危ない地域でもゆく。 そっと遺族に寄り添い、死者と遺族のために尽力し、そして、出来るだけ早く、自分たちを忘れてほしいと願う。誇りにみちた仕事ぶりは、各国関係者の強い信頼を得ているし、読者は脱帽せざるを得ない。

佐々氏の書きぶりも、なかなか対象の特異性に叶っている。 いや、死は特異ではなく、常に隣にあるものだからか。 佐々氏自身の生れた日に死んだ弟や、それを伝える母の話など、何にも関係のない話が、妙に心に引っかかるのは、死がテーマだからだろうか。


佐々涼子「エンジェル・フライト 国際霊柩送還士」(集英社2012.11.30)☆☆☆☆☆
・遺体ビジネス
・取材の端緒
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