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zoom RSS ナシーム・ニコラス・タレブ「ブラック・スワン(下)」

<<   作成日時 : 2014/02/08 07:56   >>

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再挑戦の今回は、一応最後まで目を通した。 目を通したが、理解できたとはとても言えない。苦手な経済学の上に、統計学、哲学の視点や文明論などが乗っかっている。更に言葉の使い方が特殊で、諧謔なのか真面目なのか解らないところもある。理解しにくいのを訳の所為にしたくもなる。

理解できていないが、ひょっとしたら、タレブ氏の言いたいことはシンプルで、次のフレーズで言い尽くしているのかもしれない。

「将来を左右する大きなことで予測に頼るのは避ける。 小さいことではだまされて、大きなことではだまされない。 経済の予測をする連中や社会科学系の予想屋の言うことを真に受けてはいけない(あいつらは芸人なのだ)。・・(略)・・信じることの優先順位は、確からしさの順ではなく、それで降りかかるかもしれない被害の順につけるのだ。」

「月並みの国」でしか通用しない理論を現実に適用しようとするから間違える。間違えても認めないから、想定外のブラックスワンに直面してなすすべがない。予測などできないのだ・・・と。

タレブ氏は、先日読んだ「フラクタリスト」のマンデルブロを師と仰ぐらしい。なんという偶然。どっちもわかりにくい変人で、類は友を呼ぶの類だろう。 分からないけれども、、タレブ氏もマンデルブロ氏も、たいへん好きだ。


こんなフレーズも、タレブ氏の想いが表れている

「LTCMの事件で見たように、新古典派経済学はプラトン化した知識がどこまで危なくなれるのか、とても強力に示している。」

更に、マートンらの「数学」が、現実にはあり得ないがちがちの仮定から定理や照明をひねくり出して、 「全部合わせると、人はどう消費し、貯蓄し、不確実性に立ち向かい、支出を行い、未来を予測するかを描く大統一理論ができあがる」と皮肉な批判をした後、 「狂える人とは、「間違った仮定にもとづいて厳密な議論を展開する人」だ」と、断ずる。  なんとも、小気味良い。

もっと直截な表現は、こうだ。

「彼らみたいに科学のフリをするのは許せなかった。 確かなものを求めて泥沼にはまった科学なんかより、小手先でとりあえずなんとかなればそれでいいという高度な職人技のほうがずっといい。 でもひょっとすると、新古典派のモデルをつくる連中はもっとひどいことをしているのかもしれない。」

ここまで、新古典派経済学に対する、まっとうな批判があって、しかも、この本はベストセラーにもなったのに、新古典派経済学も、新自由主義も、ウォール街も、死んではいないようなのは、一体なんだろう。 

それをもう読み込み済みで、我が道を行くと言った風情もある。

「黒い白鳥の文脈で言えばこうなる。 ありえないことが起こる危険にさらされるのは、黒い白鳥に自分を振り回すのを許してしまった時だけだ。 自分のすることなら、いつだって自分の思いのままにできる。 だから、それを自分の目指すものにするのである。」



ナシーム・ニコラス・タレブ「ブラック・スワン」( ダイヤモンド社2009.6.18)☆☆☆☆
プロローグ
第1部 ウンベルト・エーコの反蔵書、あるいは認められたい私たちのやり口
第1章 実証的懐疑主義者への道
第2章 イエフゲニアの黒い白鳥
第3章 投機家と売春婦
第4章 千と一日、あるいはだまされないために
第5章 追認、ああ追認
第6章 講釈の誤り
第7章 希望の控えの間で暮らす
第8章 ジャコモ・カサノヴァの尽きない運
第9章 お遊びの誤り、またの名をオタクの不確実性

第2部 私たちには先が見えない
第10章 予測のスキャンダル
第11章 鳥のフンを探して 
第12章 夢の認識主義社会 
第13章 画家のアペレス、あるいは予測が無理ならどうする 

第3部 果ての国に棲む灰色の白鳥
第14章 月並みの国から果ての国、また月並みの国 
第15章 ベル・カーブ、この壮大な知的サギ
第16章 まぐれの美学 
第17章 ロックの狂える人、あるいはいけない所にベル型カーブ
第18章 まやかしの不確実性 

第4部 おしまい
第19章 半分ずつ、あるいは黒い白鳥に立ち向かうには
エピローグ 


本筋とは異なるものもあるが、印象に残ったフレーズをいくつか付け加えておく

「だいたいは、成功すると「才能」があることになる」
「残念ながら、私たちが能力だと思っているもののほとんどは、結果から後づけで決められる」

「講釈の誤りという病を避けるには、物語よりも実験を、歴史よりも経験を、理論よりも臨床的知識を重んじることだ」

「私たちの直観的な判断には一つおかしなところがある。 仮に大きな事件がめったに起こらない月並みの国に住んでいたとしても、私たちは極端な事象を過小評価するだろう。 つまり、そういう事象は実際よりもさらに起こりにくいと思いこむだろう。」

「・・・専門家の一般的な欠陥を詳しく見ていこう。彼らは不公平な勝負をしている。 自分がたまたま当たったときは、自分はよくわかっているからだ、自分には能力があるからだと言う。 自分が間違っていたときは、異常なことが起こったからだと言って状況のせいにかるか、もっと悪くすると、自分が間違っていたことさえわからずに、また講釈を垂れてはしたり顔をする」

「拡張可能な変数は果ての国に属しており、全く逆の効果がはたらく。」・・・プロジェクトのように「長くかかればかかるほど、一層長くかかると期待される」

・「将来発見される科学技術がわかっていないと、将来は予測できない。でも、そんなものがわかっているならほぼ自動的に、すぐさま私たちはその科学技術の開発を始められる。 ゆえに、将来何がわかるのか私たちにはわからない。」

・「数学をよくわかってないのはサミュエルソンとその一味たちの方だった。彼らには、自分の知っている数学でさえどう使えばいいのか、どうやってそれを現実に適用すればよいのかわかっていなかった」








未来歴史年表?不測の時代に予測が出来る
産能大学出版部
鴇田 章

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