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zoom RSS きむらけん「鉛筆部隊と特攻隊 もうひとつの戦史」

<<   作成日時 : 2014/05/18 16:20   >>

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鉛筆部隊と称された下北沢の小学生が疎開先の信州浅間温泉で、出撃前の特攻隊員と過ごした風景を、関係者や文献を探し出してまとめあげた記録。 よくこれほど人が人を呼んで芋づるのようにたどれたものだ。

特攻隊員は、18歳から23歳ほどの若者、小学生にとってはお兄さんだった。 隊員の方も学童たちを可愛がり、出陣の時には、温泉の上空で旋回していったという。 東京は下北沢からきた子どもたちだから、垢ぬけている。 リンゴ色のほっぺではなく、真っ白い、ふっくらしたほっぺに、地元の子どもたちもびっくりしたというから、特攻隊員との間に、淡い恋心が芽生えたとしても不思議ではない。 現に、九州などから沖縄に向けて旅発つとき、少女に充てたメッセージなどもあったのだ。  愛国的な激しい言葉とは裏腹に、童謡を子どもたちと一緒に歌ったりする姿は、かえって痛々しい。


きむらけん氏は、自身のブログを通して、代沢小関係者や、疎開児童だった老人、生き残り特攻隊員、疎開先の関係者など、多くの人を探し出し、仲介し、次々と新たな過去のエピソードに光を当ててゆく。 その精力的な動きはどこから来るのか。  ただ、元気すぎて、また、あまりにもすべてが記されて、読んでいてすこし疲れた。


「鉛筆部隊」は、疎開児童の引率教師、柳内達雄氏が鉛筆を握って戦おうと作文を奨励したことによるらしい。 それにならって、きむらけん氏も、プログを書きまくったという。 

特攻隊の武剋隊や武揚隊の逸話も多い。「きけわだつみのこえ」の上原良司氏や長谷川信氏とも、松本で交錯する。 まるで映画をみているようだ。

特攻隊の話題ではあるが、きむらけん氏は、特に賛美もしていないし、批判的でもない。むしろ、人のつながりの不思議さが伝わってくる本だ。  

個人的には、私は、特攻隊の話は、それほど好きではない。 特攻隊員に光を当てるより、バンザイ攻撃などで、無残な死に方をしていった、名も無い陸軍兵士に光を当てたい。 死を覚悟した攻撃という点では、同じことなのに、特攻隊員に言及する人は相対的に多い。 特攻隊員の死だけが、この国の礎ではないのだ、と、思う。

そういう意味で、特攻隊員の浅間温泉でのこどもたちとの交歓は、とてもよいエピソードだ。






きむらけん「鉛筆部隊と特攻隊 もうひとつの戦史」( 彩流社2012.7.31)
第一章 鉛筆部隊
第二章 下北沢
第三章 浅間温泉
第四章 特攻隊
第五章 武剋隊武揚隊
第六章 武揚隊の遺墨
終章 残された謎
あとがきの物語


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