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zoom RSS ヘンリー・サンダース「チャイナズ・スーパーバンク 中国を動かすなぞの巨大銀行」

<<   作成日時 : 2014/07/27 13:32   >>

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中国開銀(中国国家開発銀行)の発展の経緯や、陳総裁のビジョンや政策、融資の実態などを、ジャーナリストであるサンダース氏が、入手できる少ない資料で紐解いている。 

現在世界最大の政策銀行であり、商業銀行でもある中国開銀は中国財務省の国債起債額よりも大きな債権を起債、その原資を地方政府のインフラ投資、アフリカ・中南米諸国への莫大な投資、そして、ニュービジネスへの融資で、中国共産党の政策実現に多大な貢献をしている。

例えば、華為技術の通信機器の取引では、中国開銀の莫大な融資枠を利用して、納入後二年後からの支払いで良いなどの破格の条件を設定でき、ブラジルなどの商談でも他社は競争にならない。 あっという間に、エリクソンに次ぐ世界二位の通信機器メーカーになってしまった。 ソーラー発電の英利緑色もその価格設定で、欧米のソーラー機器企業を倒産に追い込んで、中国メーカーが市場を独占しつつある。

エチオピア、ガーナ、ベネズエラなどの、欧米の銀行が手を出せないリスクの高い国にも、「融資と資源の交換」取引を実現させている。 中国開銀がめちゃくちゃ甘い融資条件なわけではなく、むしろ厳しい条件や決して安くない利率で融資しているが、それでも他国や世界銀行などの金融機関では真似ができない。

中国自身の経験に裏打ちされたインフラ開発など、途上国の発展に多大な寄与をしているのか、結局は中国企業に還流しているだけて資源だけを求める新植民地主義なのか、最終判定はできないと著者も思案している。

中国開銀総裁の陳元氏は革命の英雄のひとり陳雲氏の子息であって、その毛並みの良さが、開銀の存在を国家以上に際立たせている。 もちろん、陳元氏のビジョンも大きい。 異例の長期政権は開銀の成長とともに、地方政府のインフラ開発の成功の大きな要因でもある。 いまや世界銀行の何倍もの融資実績があり、世界銀行に代わるBRICSの開銀を作る構想も進んでいる。

中国恐るべし、ではある。もちろん、透明性の欠如とか、地方のインフラはできたが、民間企業は地下銀行を頼らざるを得なくなり、それがいま世界的不安要素になっている負の側面もある。




そのほか、面白かったフレーズ


「中国にとってベネズエラへの融資は、まさに「ウイン・ウイン」である。 ただし、中国が「二度も勝つ」という意味である。」

「2011年3月にコンゴにおいて、中国開銀は道路網と鉄道網、さらに鉱業、エネルギー、農業および製造業の改善に関する合意書に調印した。 このようにプロジェクトをパッケージ化することによって、中国開銀は融資が成功する条件を作り出すことができる」

「陳は、インフラ整備に銀行が資金を提供するほうが、すべてを国家あるいは地方予算からねん出するやり方よりも、金の貸し借りに関する権利や義務の意識や資本市場の改善につながるという信念を持っていた。 そうすれば市場の形成が促進される」

「地方政府自らは規制で借金ができないから、中国開銀のアドバイスとシーズマネーを受けて独立した企業である融資平台を設立して、これに市場で資金の調達をさせるわけだ。そうなると、市場の信頼を得なければ資金は調達できないので、地方政府にも信用と規律が求められるわけだ。」





ヘンリー・サンダース、マイケル・フォーサイス「チャイナズ・スーパーバンク 中国を動かすなぞの巨大銀行」( 原書房 2014.4.3)

第1章 一万件のプロジェクトを成功させよ
第2章 ゾンビ銀行をグローバル・バンクに再生させる
第3章 鉄鎖の他に失うものはない
第4章 リスクと報酬
第5章 ニュービジネスのための資金
第6章 現在そして未来

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