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zoom RSS 島田裕已・中田考「世界はこのままイスラーム化するのか」

<<   作成日時 : 2015/12/04 13:40   >>

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先日読んだ小説「服従」では、2020年にフランスでイスラム政権ができたが、「世界はこのままイスラーム化するのか」という疑問の答えは、残念ながらこの本にはない。知りたい肝心なことはここには書いていない。この題名は内容を表していない。 内容はイスラムの入門書的な本であった。 それでも、いろいろおもしろい話題はあった。

イスラームは基本的に神と個人しかないので組織はない。だからムスリムはモスクなどに所属していない、クルアーンとハディースをもとにしたイスラーム法(シャリーア)に従う生活をするだけなので、神以外の権威は認めないし、西洋的な進歩史観がない。偶像崇拝を禁じているので、リアルな実体のない利子や不換紙幣、バーチャルマネーなども許されない。しかし、商売人の宗教なので強欲はいいが、吝嗇は恥。貧しい人に金を貸すのは喜捨と同じで帰ってくることは期待しない。・・・・とかとか

中田氏の理想とするカリフ制は、確かにイスラームの本質的な形態で、エジプトやサウジアラビアが反イスラームだというのは意外だが理解できる。 イスラームに国民国家は似合わない。そう言う意味でISがイスラーム法に忠実であろうとしていることだけは認めているらしい。しかし、異教徒である私には、永遠に達成しがたい理想論のように思える。決して私には理想卿にみえないけれど。

そのほかに、興味深い話題

・シーア派のイマームは、政治と宗教どちらの指導者でもある

・「世界的に見れば、このフランス、日本、トルコの三つの国の方が特殊であって、多くの国では政教分離ということをそれほど重くは考えていない」

・「イスラームの場合には、聖と俗との分離ということがない」

・「「イスラームは世界を「イスラームの家」と「「戦争の家」という二つに分けて考えます」

・「ほとんどの住民がイスラーム教徒であっても、イスラーム法による統治がなければ、そこは「イスラームの家」ではありません」

・イスラームはカリフがひとりいるだけで、本質的にアナーキズム。たとえばカリフは教育にタッチしない。教育は社会や共同体任せ。「イスラームでは人の内面を知っているのは神だけであり、人間が他の人間の心に踏み込むことは厳しくいさめられています。 ですから、イスラーム政体では、ムスリムであろうと異教徒であろうと、心の教育は絶対行いません」

・日本人は、出家の発想から、世界は聖と俗に分けられるのが宗教の基本的なあり方だと思ってしまっているが、その方が特殊」

・日本の借金は、食うに困っている人たちと、お金儲けの元手にしようとする人たちを法的に区別しないが、イスラームは違う

・イスラーム国は独自通貨を発行し、不換紙幣のドルをただの紙切れというのは、それなりにイスラームの筋が通っている

・ハラール認証はひどい詐欺。本来ハラームはアッラーが決めたもので、ここの料理がハラームカハラールかは個人が判断すればいい。アッラー以外の誰かがハラールだと言うことは神の大権を侵すこと

・イスラームでは個人的な信頼関係がすべてのペース。 イスラーム教徒なら信仰がその尺度になる。神に嘘つく人間は人間にも嘘をつく。 ぼったくり・強欲はいいけれどケチ・吝嗇は恥。

・イスラームの人頭税は安い。徴税人は殺してもいいくらいだから、カリフには金はなく、インフラの整備は無理。




島田裕已・中田考「世界はこのままイスラーム化するのか」( 幻冬舎新書2015.10.15)
序章  イスラーム化する世界のなかで
第1章 イスラームの基本
第2章 イスラームは危険な宗教なのか
第3章 なぜカリフ制が重要なのか
第4章 イスラームは気前がいい







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