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zoom RSS ゲイリー・シュタインガート「スーパー・サッド・トゥルー・ラブス・トーリー」崩壊するアメリカに咲いた恋

<<   作成日時 : 2016/04/15 09:07   >>

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アメリカは、経済政策で失敗、ルーベンスタイン国防長官が率いる超党派党の実質一党独裁政権のアメリカ復興局が個人の隅々まで計数管理していた。  街なかにはクレジット・ポール(柱)が立ち、通りかかる個人のクレジット(つまり財産・信用力)をLEDで表示している。    

個人富裕層のみが優遇され、移民など底辺の個人低資産層は無視あるいは阻害されていった。  最近、ベネズエラへの侵攻が失敗し、参加した兵士に対する報酬も支払われず、兵士たちは反政府勢力となって集結しつつあった。  

主人公の一人、レニー・アブラモフは、ロシアで抑圧されたユダヤ人夫婦の息子。 家族で、移民としてアメリカにやってきた。  いまは、不動産・セキュリティサービス会社の要人ジョシーの部下で、無制限生命延長サービスを販売している。  対して仕事もしていない出張先のローマで、在米韓国人女性ユーニス・パークスに出会い、ひと目で恋に落ちた。

レニーは、時代遅れの紙の本を壁のように蓄えていて、時代遅れのようにリアルに読書する。 ふつうは読書の週間など、もうなく、スキャンして情報を取り出すだけなのだ。 「戦争と平和」、「存在の耐えられない軽さ」などを愛読するのだから変わり者と言えよう。 レニーは限りなく優しいが、鈍く、39歳の年寄りで、環かさりも、むしろ死を考える方だ。 

ユーニスは、すぐキレて暴力をふるう父親を嫌い、父親のせいで自分の人生が曲がってしまったと恨んでもいる。 母親は、なにかといえば、早くリッチで敬虔な韓国人の男と結婚しなさいとせっつく。 そして妹は政治に足を突っ込んでいるようだ。 家族から逃げながらも家族を一番大事にしていて、それ以外には、大した学歴も食歴もなく、何もできることがない。 

レニーの恋の始まりから、最後まで、約半年の間の、レニーの日記と、ユーニスと友人・家族間のメールが「公開」された、「真実の」ラブストーリーだ。   “Super Sad True Love Story” の ”Sad”は、アメリカの崩壊、生命は自然に勝てない、そして、愛のかなしさ ・・・ など、わかる。  しかし、”True” は、最後の章になるまでわからなかった。

交互に現れる日記とメール、という形式もたいへんおもしろい。  純なラブ・ストーリーでもあるけれど、かなり下品な内容もある。  随所に現れる略語を見るだけでも、その下品さ? が、わかる。   PhD ( Pretty huge Dick )、
JBF (Just Bad Fucking ) 、 ・・・  などが会話に溢れている。   そして人の数値化は、クレジット、ファッカビリティ、パーソナリティ、男盛り度(Male Hotness) ・・・ など、性的指標にもあふれている。


ラブ・ストーリーはともかく、政治的には、やっぱり中国は強いんだ。 もう流通通貨は、ドルじゃなく、元なんだね。 なぜか、中国のほかに、ノルウェーがアメリカを牛耳るらしい。  そして、IMFと組むのは、やはりアメリカらしい企業だ。

読み進めて、途中から、映画のような気分になっていた。 レニーには「ワンチャンス」のジェームス・コーデン、ユーニスには、「青い塩」のシン・セギョンがいい。  ジョシーは、マイケル・ファスベンダーかな。 



ゲイリー・シュタインガート「スーパー・サッド・トゥルー・ラブス・トーリー」(NHK出版 2013.10.25)

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